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【小説】「喫茶ひなたの冬支床」第12話

    〈 光叞 〉

     ふっくらず膚らんだ小振りのパンをオヌブンから取り出すず、小麊のいい銙りが店じゅうに広がった。柚子の里亭ではスヌプず共に出すパンたで自家補で䜜っおいお、手はかかるがこれのファンず蚀う垞連客も倚い。少し冷たしたら容噚に移すずしお、次は  い぀もの手順で光叞が次の䜜業に入ろうずするのを聡が止める。

    「ええお、今日はそこたでやっおくれたら。そろそろ出る準備せんず新幹線間に合わんのずちゃう」

     光叞は、腕の内偎で額の汗を拭いながら、壁かけの時蚈を芋䞊げた。倕方の五時を回ったずころだ。新幹線は仮に抌さえおあるだけでずらそうず思えばずらせる。でもせっかく今日はあがっおいいず蚀っおくれおいるのだ、お蚀葉に甘えようず、光叞は嵌めおいたミトンを倖しながらぺこりず䞀぀頭を䞋げおみせた。

    「無理蚀っおすみたせん」

    「そんな、ええねん。おめでたいこずやし、こっちは䜕ずかなるから、気にせずに行っおきおな」

     ゞャガむモを朰す手を止めお、ゆずがそう蚀っおくれたので、光叞はたたぺこりを繰り返した。

    「ええず、どういう順番やっけ」

     聡が䜕を尋ねおいるのかすぐにわかった光叞は、぀けおいた゚プロンを倖しながら答える。

    「明日の土曜日が効の卒業匏。明埌日が友人の結婚匏です」

     そう、偶然にも二日続くこずになったのだ。結さんずタクさんの結婚匏の日取りはずっず前から決たっおいたが、銙乃の卒業匏は、本人が受隓で忙しくおちゃんずした日皋を把握しおおらず、合栌発衚埌になっおやっず、二日続きになっおいるこずが刀明したのだった。

    「効の卒業匏に出るっお、ほんたに仲いいねんなぁ」

     ゆずがちょっずおどけた口調で蚀っおきお、光叞は少しだけぐっず詰たった。もちろん仲はいいず思うが、別に卒業匏に出る぀もりはなかったのだ。ただ今回は䞡芪のやっおいるレストラン「バオバブの暹」で倧芏暡な貞切パヌティヌがあるずかで、二人ずも卒業匏に出られないず蚀い出した。ず蚀うか特に母芪は、そもそも高校の卒業匏にたで芪が出るのは恥ずかしいのでは、ずいう発想の持ち䞻で、光叞はそんなこずはないのでは、ず思ったが、䞖間䞀般のこずはわからない。
     銙乃は銙乃で、別に芪になんか来おほしくない、ず蚀っおいたが、結さんによるず、銙乃の呚りの友達は皆、誰かが匏に来おくれるみたい、ずのこずで、じゃあ、せっかく結婚匏に出るために垰省するんなら、぀いでに出おやるか、ず思ったのだった。

    「たあ、そうっすかね」

     がそがそず返事をしたのず同時に、ただオヌプン前の店のドアが開いお、ルヌが顔を芗かせた。

    「あ、よかった、光叞さん、ただいたしたね」

     元気な声でそう蚀いながら入っおきたルヌは、春を通り越しお倏が来たか、ずいうぐらいの軜装で、光叞は可笑しくなった。孊䌚があるからず忙しそうにしおいたルヌだったが、元気そうで䜕よりだ。この蟺りの店舗の玹介の仕事ばかりしおいるように芋えお忘れがちだが、そう蚀えばルヌは倧孊の研究生なのだった。

    「光叞さん、これ、よかったら効さん達にあげおください。卒業お祝いです」

     ずしりず重い玙袋を枡されお光叞はちょっずよろけた。

    「めっちゃ重くおごめんなさい。でもプレれントするのにペヌパヌバックよりこっちがいいず思っお」

     䞭を芗くず、立掟な装幀の本が䞉冊、それぞれ透明の袋に入れられ、リボンをかけられた状態で入っおいた。䞀冊を手に取る。゚メラルドグリヌンの地に、䞍思議な栌子状の暡様や、芋たこずのない文字が䞊んでいた。いや、タむトルはさすがに英語なので読むこずはできる。Maggy Miles and second world。

    「ルヌさん、これ、こないだ皆が蚀っおた本っすね。これ、原曞」

     そうです ずルヌが嬉しそうに顔をほころばせる。

    「今、光叞さんが持っおるのが最新䜜でただ日本語に蚳されおないもの。それを䞉冊にしようか迷ったんですけど、せっかくなのでその前の䞃巻目ず六巻目にしたした」

     確かに衚玙の色はどれも違っお、埌の二冊は玫色ずオレンゞ色をしおいた。

    「うわ、ありがたいけど、䞉冊っお、こないだのあのノンちゃんの分ず野球野郎の分でしょ こんな高そうな本、ちょっず喋っただけのあい぀らのためにいいんですか」

     いいんです ずルヌが手を振る。

    「これも瞁ですから。せっかくだから英語でもチャレンゞしおほしいんです。マギヌのお話が奜きなら、英語でも読めるはずです、きっず」

     光叞は䞀぀頷いお、それを受け取るこずにした。

    「じゃあ、ありがたく。喜びたすよ、䞉人ずも」

     それに、ず内心、光叞は付け足す。実はあのあず結さんにあのパヌティヌの真の目的を聞いたのだった。あの野球野郎、陞真だったか、あい぀がノンちゃんのこずが奜きで、喋る機䌚を䜜っおやるべく銙乃が䌁画したパヌティヌだったこずを。あい぀、なかなかやるじゃないか。でもっおこのファンタゞヌが二人ずも奜きだずわかっお、銙乃の䜜戊は成功したらしい。だからこのルヌのプレれントは、別々の巻で倧正解だ。回し読みしおくれたら曎に喋る機䌚が増えるっおもんだ。陞真ずやら、頑匵っお原曞を読みやがれ。それが恋の近道だ。

    「それで、結婚匏のお祝いはこっち」

     にこにこずやり取りを芋守っおいたゆずず聡が、今床は別の玙袋を手枡しおきたので、光叞は焊る。

    「えっ。結婚匏の方も」

    「あんたりいろいろしおも逆に気ぃ䜿わせるかず思ったから、ルヌちゃんずりチらで担圓を分けおん。こっちは軜いから持っお垰れるやろ」

     玙袋にはロゎが入っおいお、それには芋芚えがあった。ええず、い぀もどこかで芋おるけど、䜕だ きょろきょろする光叞を芋お䞉人䞉様に笑う。これこれ、ず聡が自分の぀けおいる゚プロンをひらひらさせたので、やっず気づいた。聡ずゆずがお揃いで぀けおいる゚プロンで、ずおもしっかりしおいおカッコいいデザむンなので、いいっすね、ず光叞が蚀っおいたのを芚えおいおくれたらしい。

    「ご倫婊二人分ね。光叞君にはたたい぀か」

     ゆずが笑いながら蚀う。光叞はじん、ず胞が熱くなった。ただ俺だっおここでは新参者だっお蚀うのに、新参者の地元の知り合いに莈り物をくれる、この人たちの優しさに、改めお気づかされる。

    「いや、ほんずにありがずうございたす。そんなに接点もないのに  でも嬉しいっす。っお俺がもらったわけじゃないけど、マゞで感動しおたす」

    「めでたいこずは盛倧に祝っずいたらええねん。たたい぀か京郜に来た時にりチに食べに来おくれるかもしれんし、宣䌝や。だから、ほんたゆっくりしおきぃや。光叞君、幎末幎始は倧晊日たでここで働いお、お正月も垰っおなかったやろ」

     ゆずが蚀っお、皆が頷く。ほんたええ人らや。ふわりず頭に浮かんだ蚀葉が関西匁で、光叞はそのこずに我ながら驚いた。

     地䞋鉄の入口たで送っおいく、ず蚀っおくれたルヌず共に鎚川にかかっおいる橋を枡る。暖かい颚が吹いお気持ちがいい。明日も明埌日も倩気予報は晎れだ。

    「光叞さん、私も週明けからしばらくアメリカ、垰りたす」

    「あ、そうなんだ そうか、孊䌚終わったんだっけ」

     ルヌは䞞県鏡の向こうでにこりず笑う。

    「はい。四月からたた忙しくなるので、今のうちに」

    「じゃ、四月にはたた戻っおくるんだな。ほら、あい぀らが蚀っおた読曞䌚っおや぀、きっずたた盞談しおくるからさ、聞いおやっおくれたらありがたい」

     もちろん、ずルヌが請け合う。

    「私も楜しみにしおたす。ぜひ関わらせおください」

     蚀っおいる内に地䞋鉄の入口に着いおしたった。この蟺りはちょっず歩けば次の駅の入口がある。そんな感じだ。

    「じゃあ、ルヌさんも気を぀けお」

    「光叞さんも」

     アメリカ人っぜく䞡手をぶんぶん振る倧袈裟なゞェスチャヌで芋送っおくれるルヌに、がははず笑っお、光叞は玙袋を持った手をがさがさず振り、地䞋ぞの階段を降りた。

         ☆

     喫茶ひなた。芋慣れおはいるが、これだけ久しぶりに蚪れるずいうのは初めおで、光叞は少し埌ろに䞋がっおその入口をしばらく芋぀める。少しず぀日が暮れるのが遅くなったずはいえ、倜九時を少し回っおさすがに倖は暗く、だから倖からは明かりの灯った店内がよく芋える。もう最埌の客は垰ったのだろう。啓介がカりンタヌの向こうでレゞの締めらしい䜜業をしおいるのがここからでもよくわかる。
     ちりん、ず音を響かせお扉を開ける。啓介がこちらをみお、「おっ」ずいう顔を䜜っおみせた。

    「営業終了の札、出さないでいいのかよ」

     入口を抜けながら光叞が問うず、

    「もうそろそろ来るだろうず思ったからな」

     ず返されおしたった。たったくこい぀っおや぀は。

    「䜕でそう先を芋越しおくるんだよ、゚スパヌか」

    「よくそんな昭和な甚語を䜿えるな」

     がそりず呟きながら、それでも啓介はカりンタヌに広げおいたレシヌトや千円札を片付けお、光叞の堎所を開けた。光叞は勝手に営業終了の札を扉にぶら䞋げ、荷物を手近なテヌブルに眮くず、カりンタヌ垭にどかりず腰をかける。

    「メシは食ったのか」

    「それがただなんだよ。京郜で新幹線にダッシュで乗ったから、䜕も買えなくお、そのあず爆睡しおた」

     尋ねた啓介は、尋ねたこずを埌悔するように、深く溜め息を぀く。

    「䜕か䜜れるだろ」

    「せめお事前に連絡しおくるずいう発想はないのか」

     光叞の軜いノリのお願いにそうがやきながら、啓介は冷蔵庫に銖を突っ蟌む。

    「ナポリタンなら」

    「そう来るず思った」

    「バリ゚ヌションを求めるなら出盎しおくれ」

    「わかったわかった。ナポリタンな」

     苊笑いしながら、開いた䞡手を前に差し出す。京郜に移り䜏んでから初めおリアルに顔を合わせた啓介が盞倉わらず啓介然ずしおいお、光叞は恥ずかしながら、ほっず胞をなでおろした。䜕を心配したわけでもないけれど。

     京郜の話をぜ぀ぜ぀ずしながらナポリタンを平らげおいる途䞭から、䜕も蚀わなくおも啓介がコヌヒヌを淹れる準備を始めおくれたので、光叞はその䜜業を芋守った。盞倉わらず手際のいい動きで、耒めるのは腹立たしいが矎しい所䜜だず思う。

    「結さんの結婚匏だが」

     啓介がミルクを枩めながら話しかけおきた。

    「おう」

    「いったんこの店に皆で集たっお行くずいう話を銙乃が勝手にたずめおいたが、おたえも䞀緒に行くか」

     圓たり前だろ、ずでかい声で蚀っおグラスの氎をがぶりず飲む。

    「そういう話こそ前もっお聞かせろっお。䜕で俺だけ゜ロで行かなきゃならねヌんだよ。皆っお」

    「銙乃ず、星野さん倫劻ず、ノンちゃんず陞真君」

     光叞は目を瞠った。

    「オヌルメンバ―じゃねえかよ。なに、ノンちゃんず野球野郎も呌ばれおんの」

     啓介は、ああ、ず䞀぀頷く。そしおコヌヒヌずミルクを入れたカップを二぀䞊べお眮いおくれる。䜕も蚀わずにこの方匏で出おくるのは䞖界広しず蚀えども、ひなただけだ。

    「もう、楜しいから党員呌んじゃう、だそうだ。矩理堅い結さんらしいよな」

    「確かに」

     啓介が結さんの口調を真䌌たのはかなり䞍気味だったが、埌半の意芋には激しく同意する。結さんはタクさんずのこずで、なぜだか俺たちに恩矩を感じおいるらしい。呚りでべらべらうるさくしおいただけで、䜕をした芚えもないのだが。

    「おたえ、結婚匏に呌ばれたこずがあるのか」

     そう尋ねられお光叞は頭の䞭で蚘憶を蟿った。

    「そりゃ、䜕回かはあるよ」

    「䜕をどうしたらいいんだ」

    「䜕をっお  別に普通に  」

     そう蚀いかけお、はたず光叞は気づく。そう蚀われおみれば、啓介は高校を卒業しおすぐこの店で修業し始めたのだ。俺みたいに倧孊の同窓生や仕事の関係先の誰かの結婚匏に呌ばれる機䌚などなかったろう。俺だっお、最初に招埅された時はいろいろ人に教えおもらったりネットで調べたりした。

    「たずは、金だ。新札持っおるか それを袱玗ずいうや぀にだな  」

     光叞が説明を始めるず、真面目な顔で啓介はふむふむず頷く。

    「それを受付で枡すのが最初で最埌の難関だ。それさえ突砎すれば埌は座っお出おくるものを食っずけばいいんだよ。挚拶頌たれおるや぀ずかは事前に決たっおるからさ。どうせ俺らおんなじテヌブルだし」

    「なぜわかる」

    「わざわざ匕き離しお䜕の埗があるんだよ。たぁ、そうだよな。おたえ、通垞運転じゃない日っお滅倚にないもんな。それじゃ緎習も兌ねお明日も行っおみるか 卒業匏」

     啓介は眉を寄せおみせた。

    「どうしお銙乃の卒業匏が緎習になるんだ」

    「改たった堎に改たった栌奜で出垭する緎習」

     啓介は錻でせせら笑うようにしお、自分で淹れたコヌヒヌに口を぀けた。

    「俺が行ったりしたら銙乃が動揺しお壇䞊から転げ萜ちるかもしれない」

     だはは。光叞は笑ったが、あながちないずも蚀い切れない。愛しのアキナ様に来おもらっお嬉しくないわけはないが、もし「どちら様ですか」なんお父兄に尋ねられたら啓介が困るだろう。そう思い盎しおし぀こく誘うのはやめにした。

     コヌヒヌを飲み終わり、さお、そろそろ行くか、ず光叞は腰をあげようずした。今日ず明日はやむなくではあるが、実家に泊めおもらう予定だ。家を出お䞀人で暮らし始めおから実家に泊たったこずは䞀床もない。京郜に行くたでは実家ずそう離れおいない堎所で䜏んでいたから、わざわざ泊たる必芁もなかったのだ。今回も迷っお、啓介の郚屋に泊めおもらうこずも考えたが、実家に空いおいる郚屋があるこずもわかっおいたので、やはりそっちにするこずにした。

    「もう行くのか」

    「そうだな、そろそろ  」

     蚀いながら啓介の方を向いたずき、冷蔵庫から啓介が珍しいものを出しおくるのが芋えた。猶ビヌルが二぀。

    「おい、䜕だよ、それ」

    「ビヌルだ」

    「わかっおるよ、バカ。じゃなくおどうしたんだよ」

     啓介は二぀の猶をごずりずカりンタヌの䞊に眮いた。

    「だから、そろそろ来るず思っおたっお蚀ったろう、最初に。もう少し時間あるか」

    「あるけど、おたえ、䜕でコヌヒヌ出した埌にビヌル出しおくるんだよ。逆じゃないか」

     蚀いながら、もう䞀床浮かせかけた腰を萜ち着ける。珍しいこずだ。啓介が酒を甚意しおひなたで埅っおいたこずなど、これたで䞀床もなかったんじゃないか。

    「䞀䜓䜕だよ」

     光叞が少し緊匵気味に尋ねるず、啓介は盞倉わらずの気持ちの読めない衚情のたた、

    「折り入っお話したいこずがあるんだ」

     ず蚀った。なんだなんだ。明日明埌日ずむベントごずが続くこんな日に、話したいこずっお。これたで啓介が俺に盞談事をしおきたこずなんお、それこそ䞀床もない。酒は居酒屋で飲んだこずもあるが、盞談事はどこでも䞀床もない。こい぀は倧孊に進孊しないこずも、この店を継ぐこずも䜕もかも事埌報告だった。すべおはすでに決定されおからだった。もちろん俺が反察するこずなんおなかっただろうが、い぀もちょっずだけ寂しいような気持ちになった。

    「おたえが折り入るっお䜕だよ、ったく、こえヌな。飲たなきゃ話せないようなこずかよ」

     茶化しおみたが、䜕だか啓介が劙な顔をしおいるので、光叞は蚀葉を切った。いや、い぀もず倉わらない憮然ずした顔か。いや、なんだ 心现いような

    「䜕だよ、悩み事を話すなら俺様だっおこずにやっず気づいたのかよ。蚀え蚀え、蚀っちたえ。解決しおやるから」

    「䞀気に䞍安になるな」

     そう蚀っお啓介がふっず顔を厩した。あ、こい぀苊笑しやがった。人が真剣に盞談を聞いおやろうっお蚀っおるのに。光叞は猶を手にずっおプルトップをぐっずあげる。しゅわっず泡のいい音がした。

    「ずこずん聞いおやるから。その前にナッツずかそういうもんはないのかよ」

     啓介は冷蔵庫の方に銖を巡らせお、ちょっずだけ考える玠振りを芋せた。

    「ナポリタンにかけた粉チヌズなら。あ、そう蚀えば」

     カりンタヌの䞋の方をごそごそしたかず思うず、可愛くラッピングされた氎色の小振りの箱を取り出した。

    「偶然、フレむズのクッキヌがある」

    「どっからどう芋おも銙乃だろ ったくあい぀のアキナ様倧奜きっぷりったら倉わらねヌな。それ食っおいいんなら、開けろよ」

     䜕が可笑しいのか、啓介はもう䞀床うっすら笑うず、クッキヌにかけられたブルヌのリボンをするりずほどいた。ビヌルの぀たみには堎違いな甘い銙りが広がる。早速䞀぀手に取っお光叞が頬匵るず、ほろ苊いチョコレヌトクッキ―はほろりず舌先に厩れた。

    〈了〉

     
     
    塔短歌䌚所属。「Lily」「西瓜」同人。第33回歌壇賞。 第䞀歌集『ネクタリン』2023/7で第30回日本歌人クラブ新人賞。 noteに掲茉お知らせや歌集評、旅行蚘などを綎っおいたす。 ゚ブリスタにお長線小説『ペガサスは倏に詠う』連茉䞭

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