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瞳の奥が温かい人

    時々お会いして、お食事をご一緒する20歳年上の女性がいる。

    お母さんのような存在とも少し違う。
    先生とも違う。

    私にとってその方は、「こんなふうに歳を重ねたい」と思う憧れの女性だ。

    年齢だけでなく、生まれた場所も育った環境も違う。

    本来なら出会うことのなかったご縁かもしれない。

    その方は、温もりのある空気を纏っている。

    年齢を感じさせない格好よさと女性らしさ。
    奥ゆかしさの中にも芯があり、無理をしない自然体の美しさがある。

    強がらない。

    そして、人に甘えることも上手だ。

    それが決して依存ではなく、相手を信頼しているからこその素直さに見える。

    そばにいると心地よい。

    肩の力が抜けて、自分まで優しい気持ちになれる。

    その方は、私の知らない世界をサラッと教えてくださる。

    けれど決して押しつけることはない。

    「こんな考え方もあるのよ」

    そんなふうに、そっと世界を広げてくださる。

    だから一緒にいる時間は楽しい。

    話は尽きないし、気づけば時間はあっという間に過ぎている。

    帰る頃にはいつも心が軽くなっている。

    その方はこう仰る。

    「まだまだ行きたいところもあるし、やりたいこともたくさんあるの」

    私はその言葉を聞くたびに嬉しくなる。

    私も同じだからだ。

    この先どんなに歳を重ねても、好奇心と前向きな気持ちは失いたくない。

    少し前までの私は、

    「笑顔が素敵な人でいたい」

    そう思っていた。

    もちろん今もそうありたい。

    けれど最近は、それだけではないと思うようになった。

    私が本当に目指したいのは、

    瞳の奥が温かい人。

    言葉にしなくても安心感を与えられる人。

    一緒にいるだけで、ほっとできる人。

    そんな人になりたい。

    年齢を重ねたからそう思うようになったのかもしれない。

    でも、それ以上に。

    この方との出会いが、私の価値観を少しずつ変えてくれたような気がしている。

    生きている間に出会える人は、ほんのわずかだ。

    アラカンになった今も、仕事はハードモードだし、しんどいこともたくさんある。

    それでも前向きでいられるのは、こうして「こんなふうに生きたい」と思える人に出会えたからなのだと思う。

    憧れの方と、唯一お揃いのものがある。

    それは――名前。

    だから私は、その名前を呼ばれるたびに少しだけ嬉しくなる。

    そして今日もまた、その方のように歳を重ねたいと思うのだ。

     
     
    アラカン、一人暮らし、持ち家なし、年金前。なかなかパンチのある現状です(笑) 離婚・シングルマザー・医療事務歴40年。 「よくやってきた」と思う反面、「この先どうする?」と本気で模索中。 まだまだやりたいことだらけ。 「今さら?いえ、今から!」で、 生き直し中です。

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