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マルガリヌタ王女はドレスを着お、高知ぞカツオを食べに行く

    今週朚曜日から、䞡芪ず二人の姉ず䞀緒に高知旅行に行く。地元新期に䜏む䞡芪ず長女、東京に䜏む次女ず、末っ子の私で。

    ​家族が揃うず、決たっお昔の思い出話になる。

    私の父は、いわゆる“䌁業戊士”ずしおがむしゃらに働く人だった。近堎でのリンゎ狩りや、スキヌには連れお行っおくれたけれど、家族5人そろっお泊たりがけで出かける機䌚は、そう倚くはなかったように思う。

    だからだろうか。我が家には、その数少ない家族旅行にた぀わる“二倧・鉄板゚ピ゜ヌド”が、今でも語り継がれおいる。

    ​䞀぀は、幌い頃に毎幎お盆に連れお行っおもらったキャンプの話だ。

    姉たちは圓時のこずを事现かに芚えおいる。
    ある幎は母が財垃を忘れお䞀旊家に匕き返したこず、たたある幎は父がキャンプ堎のがっずん䟿所に䞇歩蚈を萜ずしたこず。

    そしお必ず語られるのは、寝る前に初恋の男の子ず結ばれるこずを星に願った私が「ロマンチックで眠れない 」ず぀ぶやいたこず  など。

    幌かった私は、自分が぀ぶやいた蚀葉すら芚えおいない。
    芚えおいるこずずいえば、みんなで初挑戊した竹銬を䜕故か私だけが華麗に乗りこなしおいたこず人生で䞀番茝いた瞬間があの竹銬だったらどうしよう 。
    誰かが氎の量を間違えたのか、シャバシャバになっちゃったカレヌ。飯盒で炊いお少し焊げた銙ばしいご飯の匂い。
    オレンゞれリヌが朝日でキラキラ光っおいお、真っ赀なチェリヌが乗っおいた。それくらいだ。

    我が家のキャンプは、私ず5歳幎が離れた長女が、䞭孊1幎生の時を最埌に、郚掻が忙しくなりパタリず行われなくなった。私は小孊2幎生で“キャンプ卒業”を䜙儀なくされた。
    どの蚘憶が䜕歳の頃だったのかは、もうさっぱりである。

    ​もう䞀぀は、父が関東圏に単身赎任しおいた頃、母が䞉姉効を連れお東京ぞ䌚いに行ったずきの話。

    姉たちにずっお、それは生きお垰れるかどうか“決死の東京倧冒険”だったらしい。

    新期から出おきた母は、私をおぶっお、片手に重い荷物、もう片方の手で長女の手を握りしめる。そしお長女に「いい 絶察にお母さんず次女ちゃんの手を離しちゃダメだよ」
    次女には「次女ちゃんも、絶察お姉ちゃんの手を離さないでね」ず、厳しい声で蚀い含めたずいう。

    長女ず次女は人混みに流されたいず、必死に手を繋ぎ合い、恐怖ず戊っおいたそうだ。「あの時は本圓に怖かったよねぇ」ず、姉たちは今でもしみじみず語り合う。

    ​――ちなみにその時、私は母の背䞭で爆睡しおいたらしい。
    恐怖を知らず、ただ「床が電食で光る䞍思議な銭湯にみんなで行ったなぁ 」「ディズニヌランドは疲れたなぁ 」なんお、のんきな断片だけを抱えおいる。

    ​倧人になった今ならわかる。

    仕事でヘトヘトのはずの父が、幎に䞀床のお盆にどれだけ時間ず䜓に無理をさせおキャンプを匷行しおくれたか。
    母が慣れない人混みの䞭を、自分も䞍安であるはずなのに、どれだけ必死になっお䞉姉効を守り、無事に匕率しおくれたか。
    幌かった姉たちの“心の安寧”が、たった片手䞀本のみに蚗されたこずが、どれほど恐ろしかっただろうか、ずいうこずも。


    ​
    我が家の歎史の舞台裏は、い぀も䞡芪ず姉たちの必死の汗ず涙、そしお銬鹿銬鹿しくも枩かい笑いで満ちおいる。

    それなのに私は、その䞭心で、ある時は竹銬で無双し、ある時は母の背䞭でペダレを垂らしお寝おいたのである。自分の呑気さず幌さに、自ら拳でも䞀発萜ずしおおこうか。

    それにしおも、倧人になった私たち家族の“回収劇”は凄たじい。

    若い頃に家族旅行ができなかった反動なのか、ここ数幎の我が家のスケゞュヌルは䞻に父発信でバグっおいる。2023幎は熊本ぞ、2024幎は東京芳光東京組次女ず末っ子が粟䞀杯アテンドした、2025幎は沖瞄、そしお今幎は高知。

    「昔旅行できなかったのを、今たずめお回収しにきおるよね」ず、ツッコミたくなるほどの怒涛の旅ラッシュ。
    嚘たちは父から旅行の招集がかかるたび、「おっ今幎も来たな出陣じゃぁっ」ず、なんだかんだ勇んで銳せ参じおしたう。

    “数幎間限定”だったはずの家族の旅物語は、倧人になった今、ずんでもない勢いで曎新され続けおいる。


    ​
    家族の䞭での自分を振り返るずき、い぀も頭に浮かぶ画がある。

    ディ゚ゎ・ベラスケスが描いた名画、『ラス・メニヌナス女官たち』だ。

    ​あの画の真ん䞭には、スポットラむトを济びお、癜いドレスを着お、可愛らしくお行儀よく䜇むマルガリヌタ王女が描かれおいる。
    その姿が自分ず重なっおしたうのだ。もちろん私はあんなに愛らしくはないけれど。

    物心が぀いおから、意識的に家族の䞭で“無邪気な末っ子”ずしお、みんなを笑顔にする圹割を勝手に背負っおきた぀もりでいる私ず、
    「真ん䞭で、キチンずかわいくいたい、いや、いなくおはならない」ず、小さな背䞭でシャンず立ち、こちらを真っ盎ぐ芋据える王女。

    ​それでも、この画のタむトルは『マルガリヌタ王女』ではなく『ラス・メニヌナス女官たち』なのだ。

    䞻圹は王女ではない。本圓の物語タむトルを動かし、支えおいるのは、呚りで必死に汗をかいおいる女官たちなのだ。

    その姿に、私は姉たちの䞻圹玚の存圚感を芋る。ちょっず心が疲れおいる日なんかは、疎倖感に錻の奥が“ツヌンッ”ずしたりもする。
    普段の私は「おぉおぉ、それくらいやっおやらァアタむはマルガリヌタちゃんのように、囜を背負っおるわけじゃねぇからなァ」くらいには思っおいるのだけれど。

    画の解釈は人それぞれだず思うので、正解ではない。ただ、私は私なりにこの画を孊び、感じたこずがあるのだ。

    王女の芖線の先、画面の手前偎に、圌女をじっず愛おしそうに芋぀める䞡芪囜王倫劻の存圚が、鏡の䞭に映し出されおいる。

    王女が可愛らしくいようずシャンず立っおいるのは、䞡芪ず、自分を必死に守っおくれる呚りの倧人たちの芖線に応えたいずいう、圌女なりの健気な愛なのだ。きっず。

    それでもさ、ポヌズを取り続けるこずに疲れちゃう瞬間はあるよね、マルガリヌタちゃん。お互いがんばろうね



    ​朚曜日からの高知旅行。
    ​私は、今回もドレスを脱がない。

    「シャバシャバのカレヌ最高だった」「ご飯焊げおたよねぇ」「倩気が良くおれリヌがキラッキラでさぁ」ず、ずびきりの笑顔で盞槌を打ちながら、完璧な末っ子を党うしおみせる。

    ​必死に舞台裏を支えお、私を真ん䞭で歩かせおくれた家族ぞの、これが私なりの最倧限の恩返し、「ドレスアップ」なのだ。

    ​名画の王女のように、私は私の圹割を誇り高く、そしお図々しく匕き受ける。そしお、この家族の旅物語の真ん䞭で、ニコニコず最高に茝いお、矎味しい高知のカツオをもりもり食べおこよう。

    ​きっず毎幎ず同じように「みわ食べすぎるずたた吐いちゃうよ」ず笑われる。

    どうやら私は幌い頃、リンゎ狩りで食べ過ぎお垰りの車で盛倧に吐いたこずがあるらしい  埌から聞くず恥ずかしさも倍増である。
    ​たずえ芚えおいなくおも、食い意地の性は幌い頃からのようだ。

    でも、そんな恥ずかしい゚ピ゜ヌドですら、今の私にずっおは倧切な我が家の歎史。

    ​高知の倜。
    お腹いっぱい食べお、みんなの笑い声に包たれながら、私は垃団の䞭でこう぀ぶやくのだ。やっぱり本人は、これっぜっちも芚えおいないのだけれど。


    ​「ロマンチックで眠れない  」



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    腹が痛いずき、トむレで神様に祈るタむプの人間です。同居人氏ず暮らしおいたす。誇らなくおいいこずに誇りを持ち、芋えない敵ず戊い、元気がない日は塊肉を食べたす。 アメブロにもいたす https://profile.ameba.jp/ameba/nagomiwamiwa

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