メインコンテンツへスキップ
見出し画像
Photo bysumisumi1102

むずかしい青春

    昨日は人生初のオーディションでした。

    市民合唱団で今のところテノールをしてるのですが、
    昨日は、ソロを誰が務めるかを決める
    ソリストオーディションがありました。

    「今のところ」と言ったのは、
    本来の声質はバリトン寄りであることが途中で判明しまして、
    今期はテノールで引き続き頑張っているからです。

    せっかくテノールとして練習してきたのに、
    今になって別のパートを覚え直すのは大変ですから。

    今回せっせと頑張っているのは
    バッハのMagnificat(マニフィカート)です。
    入団2年目でこれです。

    お聴きいただいた通り、むずかしい曲です。
    各パートがパズルのように組み合わさっていて
    随分と論理的というか、理系の雰囲気がする曲です。

    それぞれの関係性が見えてくると面白くなってくるので
    どこか謎解きをやっているような感覚です。

    この曲に出てくるソロの部分を誰がやるか。
    それを決めるのが昨日だったわけです。

    めちゃくちゃ練習しました。
    最初に聴いた時は音符がどこまで行ったか
    すぐにわからなくなりました。

    音符をたどれればいいかというとそうではなく
    ホールの観客の心が動くような
    綺麗な発声を意識しないといけません。

    これが超むずかしい。

    それに私は楽譜があんまり読めません。
    どれくらい下がって、どれくらい伸ばすか程度はわかりますが
    楽譜を見ただけではその音にたどりつけません。

    なので上のような動画や音取り資料などを使って
    耳で覚えるしかありません。
    楽譜は記憶を呼び戻す装置。
    あとは何度も歌って身体に刻み込ませるのみ。

    そんな苦労を味わいながら迎えたオーディション。

    当日は緊張でずっとソワソワしてまして
    心が乱れるとお腹がゆるくなる傾向もあり
    何度もトイレに行ってました。

    「やるべきことに集中しよう」と
    復習やイメトレに取り組んでみても
    身体のこわばりはなかなか取れませんでした。

    出番が来てもガッチガチ。
    妻の顔を見る余裕さえないほど。

    ああしようこうしようと考えていたことが
    イントロが流れ出すと真っ白に抜け落ちてました。

    ただ、ここで「絶望」としなかったのが
    自分なりにエライと思っている部分で。

    発声や細かい音は取れてないかもしれないけど
    やりたいことがわかるように歌う。
    そして、あたかもそれが正しいかのように歌う。
    最低限の意識はできていました。

    本番でミスって
    「あ、やっちゃった」って顔するのは最悪ですからね。

    1つ間違えても次の音までには戻ってくる。
    と意識して、最後まで歌いきったのでした。

    結果、メインとはならず。

    サブ(控え)として出演チャンスをいただくことはできました。
    もちろん悔しいですけど、褒めてもらえましたし、
    ソリストオーディションを経験できてよかったです。

    最近、むずかしいことって
    結構面白いのかもしれないって感じています。

    簡単は楽ちんですが、すぐにつまらなくなる。

    むずかしいことって苦しいですが
    少しずつ打ち込んで噛み砕いていくと
    旨みが出てきて、面白さを感じてくる。

    「青春時代に戻りたい」ってよく聞きますけど
    青春時代って勉強や部活、文化祭や恋愛や家族関係で
    むずかしいことの連続なのではと思います。

    むずかしいから失敗するし、
    むずかしいから不安定になる。
    でも、ほろ苦くて面白い。

    若い頃は知らないこと、初めてのことが多いので
    むずかしいに直面しやすい。

    そういう意味で
    市民合唱団での活動は青春っぽい。

    むずかしいバッハの曲に取り組んで
    ソリストオーディションなんてもちろん初めて。

    人前で歌うのさえ恥ずかしかったのに。

    楽譜とにらめっこして
    じっくり音を聴いて声に出す時間は
    澄みきったひとときのように感じます。

    (良い時間だな。)って思うんです。しみじみと。

    そういえば、「ありがとう」も
    漢字にすると「有難う」でした。

    あるのがむずかしい、貴重なことだからこそ
    その奇跡に感謝の念をこめられるんでしょうね。

    むずかしいことって、案外楽しいですよ。

     
     
    「仕事か私か」なら、どっちも取りたい。ホントは遊びも取りたい。 やりたいことは多すぎるけど、やりたくないことも多すぎる。難病持ち・飽き性・めんどくさがりの縛りプレイで、面白おかしい暮らしを模索中。うまくいったことも、やめたことも、その途中も記録します。

    あなたへのおすすめ