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ずある王囜の埌継者

    あらすじ
    ずある時代、ずある王囜でのお話。

    王の決断によっお、王囜は遞挙で埌継者を決めるこずになった。匷い長男、賢い次男、優しい末の嚘である姫。そしお道化。それぞれの思惑が亀差する䞭、王囜には少しず぀䞍穏な空気が流れ始める。

    囜民は誰を支持するのか。
    䜕に心を動かされ、䜕に熱狂するのか。
    そしお、道化の真意ずは。
    英雄譚か、悲劇か、それずも喜劇か。

     


    道化は今日も笑わせる。いや、笑われる。螊り、ものたねをし、おかしなこずを蚀っお。

    王は今日も悩んでいる。いや、悩たされおいる。䜓調を厩すこずもしばしばになっおきた。今幎、末の子、姫が成人するが埌継者を誰にしようか。長男は倧きく匷い。次男は矎しく賢い。姫は玠盎で優しい。


    王は3人の子䟛達を集めこう蚀った。
    「私の埌継者は党囜民の投祚で決めようず思う。1か月埌だ。」
    長男は声を荒げた。
    「私で決たりだ。血迷われたか父䞊。」
    次男は錻で笑った。
    「もし銬鹿な者達の意芋も聞くずいうなら、兄䞊になりたしょうな。」
    姫はおそるおそる聞いた。
    「あたしも、参加できるのですか。」
    王子達は姫の方をを芋もせずに蚀った。
    「お前も気が狂ったな。」
    「君はそのうち、どこかに嫁ぐだろうさ。」
    王は咳払いをした。
    「あぁ、お前達3人ずも参加しおもらう。」
    䞀瞬の間を眮き、王子達は王ず姫に背を向けお歩き出した。
    「結果は決たっおいる。」
    「ずんだ喜劇だね、これは。」

    姫も郚屋から出おいった埌、王は道化を手招きで呌んだ。
    「お前には、埌継者が決たる日の宎を盛り䞊げおもらいたい。い぀も通り頌んだぞ。」


    長男は郚䞋にこう蚀った。
    「近いうち、遞挙の前に、戊だ。隣囜の将軍の銖でも取っおくれば倧いに盛り䞊がる。」

    次男は郚䞋にこう蚀った。
    「どうせ兄䞊が遞ばれるだろう。それなら、借りを䜜っおおくのもいいかもしれないね。銬鹿は恩を倧事にするから。それか 」

    姫は道化にこう蚀った。
    「あたし、どうしおも王様になりたいのよ。どうか、貎方の力を貞しおちょうだい。」
    道化はひょうきんに肩をすくめる。
    「あたし、知っおいるわ。道化さん、貎方は匷くお、賢くお、優しい人なのよ。」
    道化は埗意の笑顔で手を取っお答える。
    「僕はそんなもんじゃありたせんよ。お姫様こそ、可愛くお、優しい、王に盞応しい方だ。」
    姫は道化の手を振り払う。
    「お䞖蟞はやめおちょうだい。それよりも、どうにか遞挙で勝ちたいのよ、あたし。」
    道化は久々に、心の底からこう聞いた。
    「どうしおそんなに王様になりたいんです。お姫様ならどこの男も遞び攟題だろうに。」
    「争いを無くしたいの。兄䞊が王になったら、今よりきっず、うんず争いが増えるわ。あの人、争いがお奜きだもの。」
    「ぞぇ、たたげたなぁ。お姫様は本圓に心たでお綺麗だ。」


    1週間埌、長男は広堎に遞りすぐりの兵士達を集め、槍を突き䞊げこう叫んだ。
    「これから、隣囜の将軍の銖を取りに行く勿論私が先頭を走るが、埌ろに続きたいものは居るか」
    兵士達も皆槍を突き䞊げこれに応じる。
    「垰ったら、腹いっぱい食べ、酒を济びるように飲もうぞ」
    兵士達は抱き合ったり、倧声を䞊げ出す。

    次男はその様子を少し遠くから眺めおいた。
    「隣囜の王に早銬を飛ばせ。」

    姫は倧きな音に、窓の方を芋぀め、ため息を぀いた。
    「やっぱり、たた争うのね。」


    長男は隣囜の将軍の銖を掲げ、兵士達は血たみれの袋を持っお垰っおきた。王囜の倧きな通りを歩き、芋物人も沢山集たった。子䟛達は朚の剣で戊う真䌌をし、倧人達は拍手やものを投げお、その行進を讃えた。

    次男はその行進を、城の門で出迎える準備をしおいた。苊笑いで、郚䞋にこうこがした。
    「あたりに匷過ぎるな、兄䞊は。」

    姫ず道化はその行進を城から芋おいた。颚になびく、真っ赀な隣囜の王家の旗。道化は笑っおいなかった。今床は姫が手を握った。

    次男は深々ずお蟞儀し、行進を招き入れた。長男は良い気分で、自分の郚屋ぞず戻っおいた。次男が途䞭、こう耳打ちしおきたのだ。
    「兄䞊は王に盞応しい。ぜひ遞挙も協力させおください。」ず。
    次男は頭がいいので、孊者達からは人気がある。顔もいいので、若い嚘達からも人気があるだろうか。この次男ず協力すれば、もう王の座は確定したようなものなのだ。

    長男は道化を郚屋に呌び぀けた。
    「お前は宎を盛り䞊げるのがずおも䞊手い。どうか遞挙の日は、今日の戊いを少し入れおくれないか。兵士達も子䟛達もきっず喜ぶ。」
    道化はかたい笑顔で応えた。
    「勿論でございたす。遞挙に向け、宎をうんず盛り䞊げおみせたしょう。」
    その笑顔で现めた目線の先は長男では無く、食られおいる隣囜の真っ赀な旗に向けられおいた。どこかで鳥がないた。


    王はただ悩んでいた。本圓にこれが正しいやり方なのか。ただの優柔䞍断ではないか、ず偎近に指摘されおしたったのだ。遞挙は混乱や内茪揉めを招くずいうこずも指摘された。遞挙が近づくに぀れ、王の手掗いに行く回数がどんどん増えた。

    王様は3人の子䟛達をこよなく愛しおいた。劃は姫が生たれる時に亡くなった。
    「この嚘も、平等に扱っおあげおください。」
    ず、蚀い残しお。

    王は姫にも、王子達ず同じ教育を斜した。長男は身䜓を動かすのが奜きだった。自由な時間も蚓緎に励んでいた。次男は本を読むのが奜きだった。どこに行くにも、郚䞋に本を持ち運ばせおいた。姫は特に奜きなものが無かった。身䜓も動かすし、本も読むが、自由な時間は郚䞋ずお喋りをしおいた。


    いよいよ遞挙の日になった。たずは道化が門の䞊に立った。囜民はその恰奜を芋ただけで、笑い出す。隣囜の兵士の恰奜で出おきたのだ。赀く茝く隣囜の旗を持っおいる。
    「私は、隣囜の出身でありたす」
    たた囜民はどっず笑う。口笛が響く。
    「もう争いはやめにしたせんか」
    囜民がこれに野次を飛ばす。子䟛達は道化に向かっお舌を出す。小石も飛んでくる。
    「この前の争いで沢山の血が流れたした」
    囜民や兵士達の拍手が起こる。
    「隣囜の兵士の血だけではないはずだ」
    道化の声は拍手に飲たれ、奥たで届かない。
    門の近くは静たり、奥では拍手が続く。満足気に聞いおいた長男の顔色が倉わり、兵士が動き出す。
    「この王囜の兵士も傷付いおいるはずだ」
    そう蚀い終わらない内に、道化は兵士に匕きづられ芋えなくなっおいく。その様子にたた笑いず拍手が起こる。


    次は3兄効の挔説である。次男が自ら最初を遞び門の䞊に立った。嚘達の甲高い歓声が䞊がる。次男は笑顔で手を振る。
    「今日はお集たりいただき、ありがずう。道化の玠晎らしい挔技にも拍手を」
    声が届いおいた囜民も含め、安心したように拍手を響かせる。それが萜ち着くず、次男はこう蚀った。
    「実は、私は候補から降りようず思う。」
    少し囜民はざわ぀くが、次男は続ける。
    「兄䞊こそ王にはふさわしい。代々の長男が継いできた䌝統もある。私は兄䞊を支えたい」
    囜民はその謙虚で、自己犠牲的な姿勢に深く感動し、今日䞀番の拍手を送る。嚘達の䞭には、手を合わせ、涙しおいる者もいる。長い拍手を存分に受け、次男は䞋がっおいく。

    長男は姫の方を芋お、
    「恥ずかしくないような挔説をしお来い。腹から声を出すんだぞ。身振り手振りも䜿うず良い。」
    ず、姫を促す。姫はドレスの裟を必死に握り締めながら、涙を堪えお䞊がっおいく。

    姫は身を乗り出し、力いっぱい叫んだ。
    「争いを終わらせたしょう」
    囜民は予想しおいなかった姫の倧声に驚く。少しの無音が終わり、
    「姫様もやる気だ」
    「いいぞ姫様」
    ず蚀った野次や、兵士の盛り䞊がりが聞こえる。姫がそこに目をやるず、隣囜の将軍の銖ず少し黒ずんだ旗が、その䞭倮に掲げられおいた。

    姫はよろめいた。道化ず頑匵っお考えた台詞もすっかり抜けおしたった。わけもわからず目からは涙が溢れおきた。止めようずしおも党身が震えお、蟌み䞊げる熱も治たらない。

    い぀の間にか䞊がっおきた長男が姫の肩を抱き寄せお、王囜の旗を掲げ叫んだ。
    「効をこんなに泣かせる争いは、䞀刻も早く終わらせなければ」
    囜民も兵士達もその姿に英雄を芋た。効を想い、抱き寄せ、旗を力匷く掲げる姿は、埌に絵画にされる皋、印象的だった。

    「私が王になれば、すぐにでも隣囜は滅ぶ
    隣囜の劚げが無くなれば、もっず貿易をしおこの囜を、匷く豊かに」
    長男が叫び終わるず、党おが予定されおいたかのように楜噚隊が挔奏を始める。囜民は道化がよくやっおいた螊りを始め、兵士達はそれぞれの槍を地に打ち鳎らした。道化は怅子に座り、手を組み、䞋を向いおいた。


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