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292:『PERFECT BLUE』を観てくらった話

    ながめいづき / 長雨出版

    ・今敏は『パプリカ』だけ観たことがあって、それ以外の作品はとても興味があったのだけどなんとなく億劫で観ていなかった。
    ・昨今はリバイバル上映などで話題になっていることもあり、ようやく重い腰を上げ、先日『PERFECT BLUE』を観た。

    ・なんというかこう、率直に言うと、“くらった”。

    ***

    ・ちなみにこの記事は映画レビューではない。

    ***

    ・内容は、いろいろなところで取り上げられるのも納得できるようなもので、とにかくすごかった。
    ・猟奇的にまとめられたそのサイコサスペンスは、制作当時の1997年のアイドル像やインターネット黎明期の危うさも含んでおり、それらから成る現実と虚構の狂気をアニメーションだからこそ可能な心理描写で表現していて、かなり引き込まれた。

    ・その内容に強くもっていかれてしまい、視聴後は気分を悪くし嘔吐したが、その後自分は監督である『今敏』に強く興味を惹かれた。

    ・今敏はこれを通じて、何を伝えたかったのだろう。最初はそう思った。

    ***

    ・スマートフォンで今敏についていろいろ調べた。
    ・北海道出身であること。当時のコミックシーンでブームだったニューウェイブに影響を受けたこと。漫画家を志したこと。武蔵美でグラフィックデザインを学んだこと。ヤングマガジンで漫画家デビューしたこと。『老人Z』でアニメ製作に関わったこと。OVA『ジョジョの奇妙な冒険』に関わったことで注目され、『PERFECT BLUE』で監督デビューしたこと。

    ・そういった表面的な情報は手に持つ電子の板で調べられたものの、今敏のことをより深く知るためにはもう少し時間が必要なようだ。

    ・きっかけは今敏の思想が知りたい、というところから調べたが、もう少し自分の感情に踏み込んでみると、どうやら今敏にかなり憧れたようである。

    ***

    ・『PERFECT BLUE』には考えさせられるシーンがたくさんあり、考察できるシーンがたくさんあり、感じさせられるシーンがたくさんあった。
    ・一つの、80分程度の作品なのに、その世界は瞬く間に自分を虜にした。

    ・こうやって、イチ消費者の心を掴むことができるその能力が欲しいと、渇望“させられた”。

    ・自分はこういう創作者に、なりたいのだ。

    ***

    ・今敏と自分は何もかもが違う。雲泥どころではない差がある。
    ・自分には何もない。

    ・でも同じ人間である。同じ種なのである。

    ・映像でも良い。文章でも良い。グラフィックでも良い。音楽でも良い。なんでも良い。
    ・自分は、自分の作り出したもので人を魅了させたい。

    ・そうなるために、自分は作品を作る。そのために、なんだってしなければならない。

    ・そうでないと、生きている意味がない。

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