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280:気づけば過去を妄想することがなくなった

    ・先日、友人と50の質問という遊びをやった。
    ・50個の質問を連続で投げかけていき、投げかけられた方は即答していくというもの。
    ・楽しかった。

    ・その時の質問に「過去と未来、選べるならどちらに行く?」というものがあった。
    ・自分の答えは「どちらにも行かない」であった。

    ・別に変えたい過去もなければ覗きたい未来もないのでそう答えたのだが、数年前の自分であれば迷わず「過去」と答えた気がする。

    ***

    ・おそらく20歳くらいまで、自分は自分の過去を変えたいとよく妄想していた。

    ・うだつの上がらない現状に常に嫌気が差しており、「あの時自分にこの能力があれば」「あの時自分にこの環境があれば」「あの時自分にこの勇気があれば」…と思いがちだった。
    ・そして、「そうだった自分」を主人公としたサクセスストーリーを日夜妄想していた。

    ・「自分の家庭が経済的に裕福であれば、昔習っていたクラシックピアノを続けていて、途中でVOCALOIDでの作曲に興味を持ち、ボカロPとして大成していた」
    ・「京都で出生していたら、京都人としての生活を送っていた。エセ関西弁を話すことなどなかった」
    ・「留学する経済力と勇気があれば、カナダに海外留学し、そのままワーキングホリデーで30手前くらいまでカナダで生活をしていた」
    ・「昔書いていた自作ライトノベルを『小説家になろう』に投稿する勇気があれば、大人気作家になっていた」
    ・「液晶タブレットが家にあれば、イラストを描くことをやめることはなくpixivでそこそこのフォロワーを持っている絵師になっていた」
    ・「家に高スペックなパソコンがあれば、アニメ映像に音ハメしつつ映像制作技術を高め、音MAD動画を出していた」

    ・思い出せるだけでもこれだけある。

    ・…自分はニコ厨だったので、オタクとして何かしらを大成する妄想をしがちだったようだ。

    ***

    ・自分の人生に照らし合わせて、「あの時〇〇があれば」を冒頭にし、その後体験するはずもない妄想をしていく、というのがテンプレだった。
    ・例えば「大学入学時点でもう少しお金があれば…」のような感じで、特定のターニングポイントを設定していたのだった。

    ・本当に妄想ばかりしていた。

    ***

    ・いつからか、全く妄想しなくなった。
    ・今までの人生で、過去に戻ってやり直したいことなど全くなくなった。

    ・間違いだらけの人生だと思っていたのに、今では正解しか選んでこなかった人生だと思っている。
    ・なぜだろう。

    ・大学卒業時、全く同じの大学生活を何度も送りたい、と思っていた。
    ・大学が楽しすぎて一遍の悔いもなかった。

    ・あえて妄想しなくなったきっかけを考えるとここかなと思うが、あまりしっくりこない。

    ***

    ・いろいろ思い返していると、夢を抱いてから過去に妄想しなくなったような気がしてきた。

    ・自分は京都の大学に通っていて、就職時に上京したわけだが、その際「将来は京都に戻って喫茶店を開きたい」と思っていた。
    ・それはふわっとした夢であり別にそのために頑張った経験も無いのだが、その頃には過去を改変する妄想をしなくなっていた。

    ・それから2~3年後、創作をやり続けたいと思うようになった。
    ・そして今では、今までの全ての選択が正解だったと思っている。

    ・おそらく自分は、意気地無しだったのだろう。
    ・自分になんの自信もなかったのだと思う。

    ***

    ・今の自分は、今までのすべての自分を代表している。
    ・今までの自分に、恥じぬ生き方をしていく。


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