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296:「きみは『わたあめはザラメでできてる』ってことを伝えてるんだよ」

    ・自分はうじうじしていて、ジメジメとした湿地帯のような性格をしているので、よく悩む。
    ・「自分はこのままで良いのか」と、悩む。

    ・そんな時に言われたことの話。

    ***

    ・少し前、素っ頓狂なきっかけで同居人ができた。
    ・のっぴきならない事情のあった同居人は、大雨の降る夜中に一つの段ボールだけ抱えて、自分の住むワンルームに転がり込んできた。

    ・一人暮らし用に設計された部屋であるので、二人で住んでいくには少し手狭ではある。
    ・ある程度住みやすいように家具など含めて部屋を整理したのでストレスはないものの、常に全く同じ空間で生活をしている。

    ・そしてその同居人は、とにかく寝言がすごい。毎晩何かしらの夢を見ているようで、いろいろな世界を旅しているようだ。

    ***

    ・同居人の寝言は起きている時に話しているのとほぼ同じ声量なので、最初は起きているのか寝ているのかわからなかった。
    ・寝言かそうじゃないかの区別がつくようになったのは、同居しはじめて一ヶ月くらい経ってからだ。

    ・結構メルヘンなことが多い。この前はお菓子の家を作っていたようで、同居人はそれの監督をしていた。
    ・たべっ子どうぶつたちに指示をしていた。

    ・「あ、布団はマシュマロで作る?わかった、じゃあ布団係は作業に取り掛かってください」
    ・「屋根は何でつくろうか…。あ、ちょっと、すぐにチョコで作ろうとするのはやめなさい」

    ・どんな景色が見えてるんだよ。

    ***

    ・同居人が来てから数ヶ月経つので、最近の生活はだいぶ安定している。
    ・夜に映画を見たりなどしている。

    ・自分はこの映画を観た時くらってしまったので(詳しくは↑の記事を読んでください。)だいぶうじうじした。
    ・「自分は何をやっているんだろう」「このままで良いのか」と、うじうじしたことを漏らした。少し沈んだ気持ちで寝床に入った。

    ・なかなか眠れなかったので目を閉じながら今考えてもしょうがないことを頭の中でぐるぐるとさせていたら、同居人が寝言を発した。

    ・「きみは『わたあめはザラメでできてる』ってことを伝えてるんだよ」
    ・「『豆腐は大豆でできてる』ってことを、わざわざ言葉にしている」
    ・「それに意味があるのか?…うーん、それはわからない」
    ・「でも普通の人はそこまで考えないことを、きみは言葉にしている。普通の人はわたあめを見て、それが何でできているかまで考えない」
    ・「それをザラメでできてる、ってとこまでちゃんと想像を巡らせて、言葉にしてる。それが『きみ』なんじゃないかな」

    ***

    ・意味などは後からついてくるものなのかもしれない、と思った。
    ・とりあえず自分は、今やっていることをやり続けよう。

    ・そういえば湿地帯は生物多様性の宝庫らしい。湿地帯から見えるさまざまなものを、言葉にしていこう。

    ***

    ・余談。この記事を書いた日の夜、同居人の発した寝言。

    ・「あ〜それは…64本指ソックスですね…」

    ・本当に何を見ているんだ。

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