
2026年になってGoogleが結局『AI検索でもSEOの基本』と言い出した
ここ数年SEOを追っていると、「SEO」という言葉の周りに新しい名前がかなり増えました。
AI Overviewが出てきて、AI Modeが始まり、GEO、AEO、LLMOといった言葉も見かけるようになりました。検索結果の上位を狙う従来のSEOとは別に、AIから引用されるための新しい対策が必要になる。そんな話を読んでいると、これまで覚えてきたSEOの知識を一度捨てて、新しいものへ乗り換えなければいけないような気分にもなります。
僕自身、WordPressを10年以上使ってきたので、このあたりはかなり気になっていました。SEOが完全になくなるとは思っていなかったものの、Google自身がAI検索をかなり前面に出している以上、従来のSEOとは別の攻略法を用意してくる可能性もあると思っていたからです。
ところが2026年5月15日、Googleが生成AI検索向けの公式ガイドを公開しました。そこでかなりはっきり書かれていたのが、結局「SEOの基本はAI検索でも引き続き重要」という話でした。
なんというか、かなり回り道をして戻ってきた感じがあります。
Googleが「AI検索でもSEOは必要」とはっきり書いた
Googleが公開した「Optimizing your website for generative AI features on Google Search」では、AI OverviewやAI Modeへ表示されるために何をすればいいのかがまとめられています。
その中には、そのものズバリ「Is SEO still relevant for generative AI search?」という項目があります。
Googleの答えはかなりシンプルでした。
In short, yes!
要するに「はい、SEOは今も必要」ということです。
理由としてGoogleは、AI OverviewやAI Modeなどの生成AI機能も、Google検索がもともと持っているランキングシステムや品質評価システムを土台にしていると説明しています。AIがWebとは別世界で情報を探しているわけではなく、Google検索のインデックスから関連するページを探し、その情報を使って回答を作っています。
ここはかなり大事だと思います。
AI検索になったから、
SEO
↓
終了
↓
GEOに交代
という話ではなかったということです。
検索の見え方は大きく変わっています。でも、その裏側でページを見つけてもらう仕組みまで全部別物になったわけではありません。
AI Overviewも結局Google検索の上に乗っている
少し仕組みを見ると、GoogleがなぜSEOの基本を残したのかも分かりやすくなります。
AI OverviewやAI Modeでは、RAGと呼ばれる仕組みを使い、Google検索のランキングシステムから関連性の高いWebページを取得し、その情報を参考に回答を作ります。さらに「Query fan-out」と呼ばれる方法で、入力された質問から関連する複数の検索を内部的に行い、それぞれから情報を集める仕組みも使われています。
たとえば、
「雑草だらけの芝生を直す方法」
と検索された場合、その質問だけを見るのではなく、
除草剤
薬品を使わない雑草除去
雑草の予防
といった関連検索まで広げて情報を探す例をGoogle自身が紹介しています。
これを考えると、「検索キーワードを1個決めて、その言葉を記事へ何回入れるか」というSEOはさらに意味が薄くなります。
一方で、
Googleにクロールされる
インデックスされる
内容を理解してもらう
関連する情報として評価される
という部分は残ります。
むしろAIが関連検索まで広げて情報源を探すなら、サイトや記事全体で何について詳しく扱っているのかが以前より重要になる可能性があります。
GEOやAEOはSEOとは別物なのか
ここもかなり面白いところでした。
最近はGEOという言葉をよく見ます。
Generative Engine Optimizationの略で、生成AIから自分のコンテンツを参照・引用してもらいやすくするための対策として使われています。AEOはAnswer Engine Optimizationで、AIや回答型検索への最適化というニュアンスで使われます。
これだけ名前が増えると、
SEO
AEO
GEO
をそれぞれ別の専門分野として覚えないといけないようにも見えます。
ところがGoogleは2026年の公式ガイドで、Google検索に関してはかなりシンプルな考え方を示しました。
Googleの立場では、生成AI検索へ最適化することも検索体験への最適化なので「それもSEO」という扱いです。
これには少し安心しました。
もちろんChatGPTやPerplexityなどGoogle以外のAIサービスまで含めれば話は別になります。でも少なくともGoogle検索のAI OverviewやAI Modeについては、「SEOを捨ててGEOへ転職してください」という話ではなかったわけです。
AI検索専用の裏技もかなり否定された
さらに面白かったのが、Googleが「やらなくていいこと」までかなり具体的に書いた点です。
AI検索が広がってから、AIに読ませるためのファイルや特別な書き方、AIが理解しやすい文章構造など、いろいろな対策が語られてきました。
ところがGoogleは、自社のAI検索に関しては次のような特別対策を必要としていないとしています。
llms.txtなどAI専用ファイル
AI検索専用の特殊なマークアップ
AIが読みやすいよう文章を細切れにすること
AI専用の文章へ書き換えること
検索表現の全パターンを狙ったページ作成
人為的に大量の言及を作ること
特にllms.txtについては、Google検索では使っておらず、作ってもGoogle検索での表示や順位にはプラスにもマイナスにもならないと明記しています。
ここ数年、新しいSEO用語が出るたびに「早く対応しないと置いていかれる」という空気がありました。
でもGoogle検索だけを見るなら、少なくとも現時点ではそこまで焦って特殊な仕組みを追加する必要はなさそうです。
結局残ったのはかなり普通のSEOだった
ではGoogleは何をやれと言っているのか。
ここが一番おもしろいところです。
公式ガイドに並んでいる内容を見ると、かなり見覚えがあります。
クロールできる状態にする。
インデックスされるようにする。
内部リンクからページを見つけやすくする。
ページの表示体験を良くする。
重要な情報はテキストでも提供する。
必要なら画像や動画を使う。
構造化データと画面上の内容を一致させる。
独自性のある役立つコンテンツを作る。
ほとんど普通のSEOです。
もちろんAI検索ならではの仕組みはあります。
ただ、サイト運営者側がやることまで全部新しくなったわけではない。
検索エンジンが情報を取りに来られる状態を作り、何について書かれたページなのか分かるようにし、読んだ人に価値のある内容を出す。
僕がSEOを始めた頃から言われていた話が、かなり残っています。
ただし「SEOの基本」の中身は昔と同じではない
ここで「じゃあ10年前のSEOをそのままやればいい」と考えると、それも違うと思います。
Googleが今回かなり強く押しているのが、unique(ユニーク)、valuable(バリュアブル)、non-commodity content(非コモディティコンテンツ)という考え方です。
特に非コモディティコンテンツという表現が面白いです。
コモディティは、誰が作っても大きな差が出ない商品のような意味があります。
つまり、
ネット上の情報を集めてまとめた記事
一般論を並べた記事
生成AIでも簡単に作れる記事
よりも、その人や企業だから出せる情報を持った記事を作ってほしいという話です。
Googleは公式ガイドの中で、一次体験によるレビューと、既存情報をまとめ直した文章を比較しています。
前者には本人の経験から生まれる独自の視点がありますが、後者はすでにWeb上にある情報を言い直しただけになりやすい。生成AIが簡単に作れるような情報をそのまま再利用するのではなく、自分だから出せる経験や知識を加えるよう勧めています。
ここは2026年のSEOを考えるうえで、かなり大きいと思います。
AIが記事を作れるからこそ「誰でも作れる記事」が弱くなる
生成AIが一般化する前なら、ネット上の情報を集めて3,000文字の記事へまとめるだけでも、それなりに手間がかかりました。
今はChatGPTなどを使えば短時間で作れます。
SEOとは何か。
WordPressとは何か。
おすすめの○○7選。
初心者が知っておきたい○○の方法。
こうした一般的な情報なら、生成AIがかなりのところまで作れます。
Google自身も、AIを記事制作へ利用することそのものを禁止してはいません。ただし利用者への価値を追加せず、大量のページを作って検索順位を操作しようとする使い方は、scaled content abuseに該当する可能性があると案内しています。
AIを使うなという話ではなく、
「AIで作れるものをそのまま出しただけなら、そのページをわざわざ検索結果へ出す理由が弱い」
という方向へ進んでいるように見えます。
僕自身もAIをかなり使っていますが、ここは今後ますます意識した方がよさそうです。
AIで下調べする。
構成を考える。
抜けている視点を確認する。
文章の補助に使う。
その上で、自分が実際に試したことや、自分のサイトで出た数字、失敗したこと、考えたことを足す。
この使い方なら、AIを使う意味も残ります。
Ahrefsが見ている2026年のSEOもかなり近い
世界中で広く使われているSEO分析ツールAhrefsも、2026年6月に公開したSEOトレンドの記事の中で、この1年でSEOが大きく変わったとしています。
特にAI検索が新しい認知・集客経路として加わり、多くの企業ではその担当がSEO側へ入ってきていると指摘しています。
A brand new awareness and growth channel appeared in the form of AI search.
AI検索という形で、認知と成長のための新たなチャネルが登場しました。
つまりSEO担当者の仕事が消えたというより、検索エンジンに加えてAI検索まで見る範囲が広がったという話です。
一方で、従来よく作られてきた検索初期層向けの情報コンテンツは、以前より成果を出しにくくなっているともしています。
これはGoogleの非コモディティコンテンツの話ともつながります。
普通の質問へ普通に答えるだけなら、AI Overviewが先に答えてしまいます。
だからSEOは残った。
でもSEO記事の作り方は変える必要がある。
この二つは同時に起きていると思います。
Google自身もWebサイトへのリンクを増やそうとしている
AI検索について考えると、「Googleが全部AIで答えるならWebサイトは必要なくなるのでは」と感じる人もいると思います。
ただGoogleは2026年5月、AI ModeとAI OverviewsからWebサイトを探しやすくする機能も追加しています。
AI回答の後にさらに深掘りできる記事を紹介したり、回答内から関連サイトへ直接アクセスできるようにしたり、独自の記事や専門的な情報へ進みやすくする仕組みを増やしています。
Google自身もAI回答だけですべてを完結させるというより、
AIで概要を知る
↓
必要なら専門サイトや一次情報へ進む
という検索体験を作ろうとしているように見えます。
となると、Webサイト側も「AIが答えられる一般情報」を大量に持つより、「AI回答を読んだ後でも見に行く価値がある情報」を持つ方が意味を持ちます。
僕なら2026年のSEOはこう考える
ここまで調べてきて、僕自身はSEOを一から覚え直す必要はないと思うようになりました。
クロール。
インデックス。
内部リンク。
ページ表示。
検索意図。
役立つコンテンツ。
サイト構造。
こうした基本はまだ使えます。
その上に、
AI Overview
AI Mode
Query fan-out
一次情報
独自の視点
が加わった。
順番としてはこちらだと思います。
新しいSEOへ全部置き換わったのではなく、昔から使っている土台の上にAI検索が乗ったという感じです。
なので今からSEOを勉強する人も、いきなりGEOやAEOの細かなテクニックから入る必要はないと思います。
まずGoogleにページを正しく見つけてもらえる状態を作る。
検索した人が知りたいことを理解する。
読みやすいページを作る。
その上で、他の記事やAIでは簡単に再現できない情報を入れる。
結局ここへ戻ってきます。
「SEOは終わった」でも「昔のSEOでいい」でもなかった
2026年になってGoogleが出した答えは、ある意味かなり地味でした。
AI検索だから特別なSEOが必要になると思っていたら、
「SEOの基本を続けてください」
だったからです。
でもこれは、何も変わらなかったという意味ではないと思います。
検索結果の見え方は変わりました。
AIが回答するようになりました。
検索語そのものも複雑になっています。
クリックされない検索も増えています。
そして誰でも作れる情報コンテンツは、以前より価値を出しにくくなっています。
その中で残ったのがSEOの基本だった。
僕はここが一番重要だと思います。
SEOを捨てて新しい名前の手法へ全部乗り換える必要はない。
ただ、昔覚えたSEOをそのまま繰り返していればいいわけでもない。
技術的な基本は残しながら、記事の価値については2026年仕様へ変えていく。
個人サイトを続けるなら、今のところこの考え方が一番しっくりきています。
結局Google自身がAI検索を本格化させた後に出した答えが「SEOはまだ必要」だったのは、SEOをやってきた側からすると少し面白い話です。
新しい言葉に振り回される前に、まず自分のサイトがクロールされているか、記事に独自性があるか、読んだ人に役立つものになっているかを見る。
2026年のSEOも、意外とそこから始めればよさそうです。