
銀剣と傷痕──傭兵流浪譚 第一巻あとがき
終わる事による悲哀、無念、怒り。翻って終わる事による充実、達成、希望。
終わりを迎えるという事は様々な側面がある。
そして本来終わるべきものが終わらない事は、歪でありながら、人が焦がれる物でもある。
それらの二面性は確かな矛盾を孕んでいるが、それは欲望という感情の上では払うことが難しい矛盾だ。
第一巻のテーマ、第二巻以降のテーマ。本作を執筆するにあたって決めていたテーマはいくつか存在するが、作者として忘れたくないのは欲望だ。
欲望とは時に人を破滅させる劇薬だが、本作は私の欲望の産物だ。
私の欲望が尽きた時シラの旅は終わりを迎えるが、私の欲望が肥大化しすぎれば、シラの旅は私にとっていつかどこかで見たような景色になってしまい、本作は作品としての破滅を迎えるのだろう。
幸いなことに、シラはまだ歩いています。
二巻も、どうぞよろしくお願いします。
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2026年7月8日
なえ