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箱、ついに開けた

    育児日記などが入った箱。

    確実に涙が出るし、悲しい気持ちになると思って、12年間一度も開けられませんでした。

    でも今日、友人と子育ての話をしていたら、忘れてしまっていることも多くて、「開けてみよう」と思ったんです。

    息子は1kgで生まれました。
    低出生体重児で、長いNICU生活を経て、夫が住む奄美大島へ引っ越しました。
    その頃の育児記録。
    適当な性格の私が、こんなに細かく書いていたんだ、と自分でも驚きました。
    それくらい毎日が必死で、全力だったんだと思います。
    あの頃の自分、本当によく頑張ったと、心から褒めてあげたいです。

    頼れる親戚はいなくて、支えになってくれたのは近所の数人のママ友や、病院・療育の先生方でした。
    夫も働き始めたばかりで、なかなか「NO」と言えない職場環境。
    もう少し家にいてほしいと思った日も、たくさんありました。

    そんな毎日の中で、私たち親子を何度も救ってくれたのが絵本でした。

    息子は絵本を読むと不思議なくらい泣き止んでくれました。
    お気に入りは『はりねずみかあさん』と『おつきさまこんばんは』(どちらも福音館書店)。
    定期購読をしていたので、家には福音館の絵本がたくさんありました。

    絵本の力って、本当にすごい。
    息子だけでなく、私自身も何度も癒やされました。
    その積み重ねが、気づけば「私も絵本を描きたい」という気持ちにつながっていました。

    今も落選ばかりで、自分の力不足に落ち込んだり、絶望したりすることはあります。
    それでも描き続けたいと思えるのは、あの頃があるからです。
    私は絵本の力を信じています。
    そして、描くことそのものが、今も私を癒やしてくれています。

    12年間開けられなかった箱。
    今日、勇気を出して開けてみて、本当に良かった。
    悲しい気持ちになるどころか、
    「あの頃の私、よく頑張ったね。」
    と思えた一日でした。

     
     
    イラストレーター 主にお仕事での悩みと創作の裏側、 日常生活の記録を書きます・:*+.

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