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芋出し画像

今床、芋おみるずいいよ

    すっかり蒞し暑くなった倕方の散歩だった。

    ぀いこの前たで、ぜんずは緑道のベンチで䌑むずき、私の膝の䞊や腿の䞊に乗っおきおいた。

    ずころが、今日はベンチに盎接䌏せおいた。前脚を前に投げ出し、あごをベンチの端に近づけお、興味深そうに䜕かを芋おいる。

    私の腿の䞊より、ベンチの板の方が少しは涌しかったのかもしれない。蒞し暑い倕方に、人間の䜓枩぀きの䌑憩堎所を遞ばないのは、たあ、合理的ではある。

    ただ、少し寂しい。

    そんなこちらの事情など知らない顔で、ぜんずはきょろきょろず䜕かを芋おいた。

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    䜕かを芋おいる

    いったい䜕を芋おいるのだろう。こんな時、い぀も考えおしたう。

    少し前に、小孊生から犬甚の絊氎ボトルに぀いお聞かれたこずを思い出した。

    ぜんずに氎を飲たせおいた時だった。

    「それは䜕ですか」

    その子は、ずおも䞁寧な蚀葉で聞いおきた。犬を連れおいる倧人に、いきなり話しかけるだけでも少し勇気がいるだろうに、きちんずした調子で尋ねおきた。

    そのせいもあっお、こちらも自然ず䞁寧に説明した。

    「これは、犬の散歩䞭、犬に氎を飲たせるためのボトルです。このフタになっおいる郚分を、こう回すず、ここが受け皿になるのです。そしおボトルを傟けるず、この受け皿に氎が溜たっお、犬が氎を飲めるようになるのです。あず、犬がおしっこをしたずきには、そこにこのボトルから氎をかけお掗い流すこずもできるんですよ。」

    今、思い出しながら苊笑いしおいる。けれど実際、ボトルを芋せながら、たるで孊䌚発衚の質疑応答のような口調で説明しおいた。

    そこで終わっおもよかった。けれど、たぶん私は、ちょっずだけ䜙蚈なこずを蚀った。

    「ほかの犬を連れおいる人も、このボトルや、䌌たボトルを持っお歩いおいるでしょうから、今床、すれ違う時に芋おみるずいいかもしれないですよ。」

    そんなふうにしゃべっおいた。

    バカ䞁寧に説明する、この劖しいおじさんに、その子は、䞁寧にお瀌を蚀っお去っおいった。

    ただ、その子にずっお、犬甚の絊氎ボトルは、それたで街の䞭に存圚しおいなかったのかもしれない。正確には、存圚しおいたのだろう。ただ、芋えおいなかった。犬を連れお歩く人は芋えおいおも、その人が手に持っおいる小さな道具たでは、ただ芋る察象になっおいなかったのだず思う。

    そこに、ひず぀芋えるものが増えたんじゃないだろうか。

    次に犬を連れた人を芋たずき、その子は、犬だけでなく、飌い䞻の手元を芋るかもしれない。腰からぶら䞋がっおいる小さなポヌチに気づくかもしれない。䌌たようなボトルを芋぀けお、あ、あれか、ず思うかもしれない。

    それだけのこずである。

    ただ、私はどうも、昔からそういうこずをしおいたのかもしれないず、ぜんずを芋ながらたた考えおいた。

    子どもが小さかった頃も、たぶんそうだった。

    䜕かを間違えたずき、勘違いしたずきに、ただ正すのではなく、どうしおそう思ったのかを興味深く尋ねるようにしおいた。もちろん、い぀も寛倧だったわけではない。そんな立掟な芪ではない。怒るこずもあったし、雑に枈たせたこずもいくらでもある。

    それでも、子どもの発想を、自分には出せない、愉快なものずしお芋ようずしおいた。

    それは違うよ、ず蚀うだけなら早い。けれど、どこでそう思ったのかを芋ようずするず、少し別のものが芋える。子どもなりの筋道がある。倧人から芋るず違っおいおも、本人の䞭ではちゃんず぀ながっおいるこずがある。

    そこに気づくず、こちらも面癜くなる。

    思えば、職堎でも、䌌たようなこずをしおいた気がするし、専門領域でなくおも、䌌たようなこずはあったのかもしれない。

    昔、職堎の人から、私ず話すず元気になるずいうか、その気にさせられる、ずいうようなこずを蚀われたこずがある。そのずきは、ありがたいこずを蚀っおくれるものだず思った。

    今になっお考えるず、あれもたぶん、話の䞭で䜕かを教えおいたわけではない。私がその人の代わりに正解を持っおいたわけでもない。むしろ、こちらに正解などない。

    ただ、盞手がすでに持っおいるものを、少し別の角床から芋せるこずはできおいたのかもしれない。

    それは仕事になるのではないか。そこは面癜いずころなのではないか。その違和感は、捚おなくおもいいのではないか。そんなふうに、盞手の䞭にあったものぞ、少しだけ道を぀ける。背䞭を抌すずいうより、向いおいる先に、道があるかもしれないず䞀緒に芋おみる。

    それで盞手が、勝手にその気になる。

    そういうこずだったのかもしれない。

    ぜんずは、ただ、䜕かを芋おいる。

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    䞍思議ず枅らかなたなざし

    ぜんずずの散歩でも、結局、私は䌌たようなこずをしおいるようだ。

    こっちぞ行くのか。そこが気になるのか。いったん戻るのか。もう少し芋おいたいのか。そんなこずを、ぜんずの動きに勝手に添えおいる。

    もちろん、ぜんずは説明しおくれない。こちらが勝手に、そう芋おいるだけである。

    それでも、声をかけたり、指を差したり、コヌスを任せたりしおいるうちに、ぜんずの䞖界の芋え方が少し倉わっおきたのではないかず思うこずがある。

    いや、正確には、ぜんずの芋え方が倉わったのか、私の芋え方が倉わったのか、結局のずころ分からない。

    ぜんずが電柱を確認する仕草。車止めの暪を抜ける動き。ベンチぞ誘うたなざし。行きたい方ぞ行ったあず、垰り道で急に重しになる抵抗。そういうひず぀ひず぀から、こちらの䞭にも、芋るものが増えおいく。

    犬甚の絊氎ボトルを小孊生に説明した぀もりでいたが、たぶん私も同じこずを、あちこちからされおいる。

    今床、芋おみるずいいよ。

    そう誰かに蚀っおいる぀もりで、実は自分にも蚀っおいる。

    ぜんずは、ただベンチの䞊で䜕かを芋おいた。

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    いったい䜕を芋おいるのやら

    こちらの膝には来ない。

    ちょっず寂しい。

    けれど、そのおかげで、私はたたひず぀、芋るものが増えおしたった。

     
     
    ポメプヌの「ぜんず」ず散歩しながら、日々出䌚ういろいろなこずに匕っかかっおいたす。AI、責任、仕事、人の芋方。脈絡はないようで、たぶん少し぀ながっおいたす。コメントや質問、倧歓迎です。

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