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【自分が美味しいと思うものしか作れないという事が分かった話】

今日、noteに追加したなすの南蛮漬けなんですが
めちゃめちゃ悩みました

こんな簡単なレシピに
何をそれほど悩むのか…と思うかもしれません

正直、私も最初は
めちゃめちゃ軽いノリで試作をし始めたんです。

南蛮酢の味が決め手なので
一応、何パターンか作って一番いいのを選ぼう
みたいな、感じで作り始めたんです。。

ところが
何パターンか南蛮酢を作って
甘めのとか、酸っぱめのとか、ポン酢でさっぱりさせたのとか
いろいろ、調味料の配合を変えて作って
これがいいか、やっぱこっちのほうが一般的な南蛮漬けの味かな・・・
って、やり始めたら
途中から、訳が分かんなくなってきて

あれ?そもそも、王道の南蛮酢って、どんな味だったけ。

どんどんわからなくなってきて
そこからは、文字通り泥沼状態。

作って食べ、作っては食べ
やればやるほど分かんなくなってくるんです。

完全に迷子状態になって
挙句には、なすの南蛮漬けを紹介すること自体
やめたくなってきました

その時点で、たぶんナスを40本以上食べていたと思います

さて、どうしたものか。
このまま止めるのも悔しいけれど
このまま続けて、南蛮漬けを完成させられる気がしない‥。

その時、思い浮かんだのは
東京に来たばかりの頃の事でした。

30年も前のことです。

知り合いが誰もいない東京に来て
料理研究家としてやっていく当てもなく
どうやって料理の仕事を探せばいいのかも分からない状態でした

普通の人なら
東京に出て来る前に、一つ一つきちんと準備をするようなこと
全くしないまま、とりあえず東京に来た私は
東京に来てから途方に暮れていたのでした。

そんなある日

当時人気だった料理雑誌の編集者を紹介してもらえることになり
私の料理を食べてもらえる機会をもらったんです。
(要は試験です)

もちろん、めちゃ張り切りました。
このチャンスを、なんとしてでもモノにせねば!

当時は、おしゃれでステキな家庭料理の全盛期でしたので
めちゃ頑張って、精一杯ステキさをアピールしました。

結果、言われた言葉はこう
「奥薗さんの今後のご活躍をお祈りしております」
要は、丁寧にお断りされたのでした。

あの時、どうしてダメだったか
今ならわかります。
誰かのまねをして
ステキでもない私が頑張ってステキなふりをした
そんなの、ダメに決まっている。

そもそも、私自身ステキとかオシャレな暮らしをしておらず
子供を自転車にのせて、買い物に行って
へとへとになって家事をこなしている毎日の
どこにステキやオシャレがあるのか。

世の中にウケるようにとか
編集者に気に入られるように自分を作っただけ
そんな魂胆など、すぐに化けの皮が剥げる

それから以降、全く料理の話などなく
料理の世界から見放されていきました

最後の最後にお慈悲で頂いた本の話。
そこで、乾物の話を書くことに決めました

あの時、おしゃれな料理ではなく乾物という地味なテーマにしたのは
それが、その時の私の現実だったからでした

お金もなく、
本当に乾物ばかりを食べて暮らしていたのです

そうやってでき合があったのが
以前にも書いたことがある「もっと使える乾物の本」

それが、文字通り、私の料理研究家としてのスタートになりました

・・・・・・・・・。

そんなことを思いだしたら
何かが吹っ切れました。

私が普通に美味しいと思う
それを作ればいいんだ。
それだけでいいんだ

頭で考えるな。
誰かの口に合うか、どうか
ウケるかウケないか、なんて
考えるな

自分が美味しいと思うものしか作れない
そんな当たり前のことに気づいたのです。

この味が口に合わない人がいても
それはそれ。
これが私の味だから、
後は自分好みで調整してもらおう。

そうして出来上がったのが
この、なすの南蛮漬け

いざ紹介してみると
あんなにドキドキしたのがウソみたいに
たくさんの方に作って頂く事が出来ました

いまでも、
レシピを考えている時
迷うことはしばしばあります

でも、その時はいつも
この南蛮漬けで悩んだ事を思い出しています

自分が本当に繰り返し作って食べて
繰り返し作って食べても美味しいと思えるもの
それを愚直に紹介するだけ。

自分の舌と
自分がやってきたこと
そこにしか、本当のことはないと思っています。

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なすの南蛮漬け ←レシピページはこちら

動画はこちら←クリック

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