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Photo bymamamomo110657

三題噺ショートショート_女房

    落語家もすなる三題噺といふものを、コジも、してみむとてするなり。

    企画もの、大の苦手なのである。

    どんな親しい人の企画ものでも、なかなか素直には乗れない。

    私は、「ルール」とか「決まり事」とか「期限」とか「締め切り」とかという制限事項が世の中で一番嫌いなのだ。

    いくつになろうが、きかん坊の悪ガキ。それが、私、kojuroだからである。


    え?落語?三題噺?ヤスさん?

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    今回も、難題だな



    心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、呟つぶやいた。

    コジ、別名、天の邪鬼四朗あまのじゃくしろうだろ。「もし書けなかったとしても、それはそれでOK。でも、やってみなきゃ、もったいない!」なんてこと言われたら、逆に書きたくなるんじゃないの?


    なんのはなしですか。

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    書くの?書かないの?どっちなんだいっ!



    わかったよ、書くよ。書く書く。書けば良いんでしょ、リトル。それで、気が済むのよね?


    ブラックホールよりも重い重い腰を上げて、半ば自暴自棄に筆を執る。

    さて。では、三題噺ショートショート「女房」まいりましょうか。


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    勝まさるとはいつも一緒だった。少年野球の最初から、ずっと。

    勝は、超剛速球ながらコントロール抜群で。宇宙に比類なきエースだった。

    俺は平凡な選手だったが、女房役だったおかげでいつもニコイチ。ドラフトもワンツー指名で入団した。

    昔はWBCも海を渡る選手もない時代で。それでもリーグ優勝、日本シリーズ制覇はこの上ない思い出だ。




    不惑を越え、同時に引退してふたりで起業した。




    やり始めたのは、毎週金・土・日オープンの餃子屋。




    最初は閑古鳥が鳴いていて不安だったが、口コミでお客が増えていき。あれよあれよという間に今や一大全国展開チェーンだ。

    おかげでタワーマンションにも住める。

    勝とは、2軒だけある最上階の隣同士だ。




    ある日店で、俺は言ったんだ。

    「おまけだったけれど、幸せな人生だった」


    すると、勝がポツリと言った。

    「お前の配球が全てだった。お前が生餃子で、俺はただの保冷剤なんだよ」



    みんなが嫌がるポジションのキャッチャー。俺にはなぜか、最高だった。

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    ヤスさんの三題噺企画の、そんなこんなを家内と語らおうとしてソファーに目をやると、家内が脚を指さしてニッコリと笑って言った。


    そうなの?三題噺?落語の?ショートショートの?ヤスさんの?書いたの?また、下手くその?みんなに迷惑じゃん!じゃ、それにちなんで、マッサー(注1)三倍返しと参りましょうか。ぺぺペン、ペンッ!


    ……。


    マッサージをすると、家内は上機嫌になる。

    家内が上機嫌だと、我が家は平和である。


    だから。


    これで、いいのだ。

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    もっと良いの、書きたいなぁ



    (注1)マッサーとは、マッサージのことである。家内のさっちゃんがそうやって、略して言うのである。さっちゃんへのマッサーは私の最重要の日課である。




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    三題噺かぁ、ムズいなぁ

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