まったく私という奴は
3歩進んで2歩下がるを体現するような人生を送っている。
学生時代のことは遠い昔すぎるので置いておくが、一言で言うと挫折の多い学徒だった。
15歳から始まって現在も続く闘病生活は、七転び八起きなのか七転八倒なのか分からない日々だが、右往左往しながらもどうにかこうにかやっている。
今年の3月に、人と一緒に働く職場へ就職した。大体の仕事はそうだとか言ってはいけない。私にとって、実に4年ぶりに密接に接する主治医以外の他人だった。
フリーランスのライターとして生きるには知識も経験も実績も何もかもが足りず、将来的に金銭面で困ることになると判断を下したからだった。
毎日初めてのことばかりに囲まれて目を回しつつも、通勤電車で微笑むことができるくらいには恵まれた環境だった。
今日、上司に、辞職の旨を伝えた。
2ヶ月もたなかった。言葉もないが、ここまでポンコツだと逆に自分が可愛くなってしまわない。
上司も同僚も人格者しかおらず、仕事内容にも不満はなく、ただ単純に、働きたいという心に体がついていかなかった。
玄関から出られなくなってはじめて、限界を過ぎていたことに気がついた。
なんで私はこうなのかねェと嘆いていても明日はくるし腹は減る。
明日が来て腹が減ることは、本来ありがたいことだ。
有難いことを有難いと言葉にできるうちに一時退却できることは、ありがたいことなのだろう。ゲシュタルト崩壊。
まったく私という奴は、走っても転ぶし歩いても転ぶし何もないところで躓くようなとんでもない間抜けだが、明日の朝目が覚めたら違う私と入れ替わっている確率はとんでもなく低いのだから、しょうがねェと背負って生きてゆくしかないのである。
あゝ重たい。しかし軽くなる必要はない。
生まれてから幾星霜積み重ねてきた日々を捨てるなんてやなこった。
涙も怒りも詰め込んだが、愛も幸福も詰め込んだ荷物なのだ。
全部背負ってよろけないくらい逞しくなることを目標に、明日もヨタヨタ進むとしよう。
往け、丸太船ミルテ号。
ただで転んでなるものか。
2026.5.2 ミルテ