
『わたしはマウス』#7病名にたどり着く

「異常なし」と言われても、
身体は静かに変わっていく。
ズレだけが、
少しずつ積もっていく。
でも、
そのズレを
説明できない。
誰に聞いても、
答えは返ってこない。
医師も、
首をかしげる。
家族にも、
うまく伝えられない。
残ったのは、
インターネットだった。
検索窓に、
言葉を入れる。
「片側 動かしにくい」
「字が小さくなる」
「手が下がる」
その先で、
ひとつの病名に辿り着く。
パーキンソン病。
「まさか」
その言葉が、
何度も浮かぶ。
でも——
読み進めるほど、
身体のズレが
ひとつの線で繋がっていく。
そして、
もうひとつの文字を見つける。
『若年性パーキンソン病』
身体の奥が、
ざわついた。
紹介状を持って、
大学病院へ向かう。
これまでの経過を、
ひとつずつ話す。
医師は、
カルテを見ながら言った。
「この年齢で、パーキンソン病は
まずないでしょう」
少し、
安心する。
やっぱり、
違うんだ。
でも——
別の不安がよぎる。
では、
何なのか——


最後まで読んでくださり、
ありがとうございます。
『わたしはマウス』の次回は、
#8「白か黒かを、はっきりさせたかった」です。
今日も、
エラーを起こしながら試運転中。
思い通りにいかない日々が、
新しいわたしをつくっていく。
『わたしはマウス』
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