私の好きな場所 〜哲学する場所〜
私の好きな場所のひとつに、
近くにある「西田幾多郎記念哲学館」があります。
そして、もうひとつ心惹かれる場所があります。
金沢市内にある「鈴木大拙館」です。
どちらも、哲学や思想に触れることのできる場所。
けれど、私が好きなのは、
哲学を学ぶためだけではありません。
そこに身を置くことで、
自然と自分の内側に意識が向いていく。
そんな時間が心地いいのです。
西田幾多郎記念哲学館は高台にあり、
建物の前に立つと、視界が大きく開けています。
遠くに連なる山々。
その手前に広がる街の風景。
ぐるりと見渡せば、270度ほどの景色が広がり、
建物の中を移動していくと、
まるで360度、雄大な自然に包まれているように感じます。
私は、下の駐車場に車を置いて、
木々が生い茂る「思索の道」を歩いていくのが好きです。
木々の間をゆっくり歩き、
建物前の階段を上る。
そして、そこで立ち止まって、
ふうっと深呼吸する。
目の前に広がる景色を眺めていると、
いつの間にか、心の中のざわざわが
静かにほどけていきます。
風を感じる。
木々の気配を感じる。
季節を感じる。
同じ場所でも、
訪れるたびに空の色も、風の匂いも、景色も違う。
そんな小さな変化に気づける自分でいたいなと思います。
一方、鈴木大拙館には、
また違った静けさがあります。
水鏡の庭を眺めながら、
余白の中に身を置く。
何かを足すのではなく、
むしろ余計なものを手放していくような感覚。
西田幾多郎記念哲学館が
「思索へと誘ってくれる場所」だとしたら、
鈴木大拙館は
「静かに自分の内側へ戻っていく場所」。
そんなふうに感じています。
考えることも大切。
でも、考えすぎないことも大切。
答えを急がず、
ただ歩いて、深呼吸して、
風や光や景色を感じる。
そうすると、
自分にとって本当に大切なものが、
少しずつ見えてくることがあります。
アートも、哲学も、自然も、
すべてつながっているのを感じます。
美しい自然を眺めること。
ピュアな心を感じること。
自分の心に問いかける…
そんな時間があるからこそ、
またいつもの日常の中へ戻っていけるのかもしれません。
私の住む石川県には、
こうして心を静かにしてくれる場所がある。
わたにとって、とっても嬉しいことです。
今日も風を感じながら、
自分の中にある小さな声に
そっと耳を澄ませてみたい。
明日は明日の、
素敵な風が吹くから。
