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ブルガリア?……ヨーグルトしか思い浮かばない


    「ブルガリアで、自分の立ち上げるスパでの仕事に興味ある?」

    クリスティーナさんからそのメッセージが届いたとき、最初に頭に浮かんだのはヨーグルトだった。

    ブルガリア。行ったことはない。旅行で行こうと思ったこともない。正直、それ以上の情報が何も出てこなかった。

    「え、ブルガリア……?」

    それでも、パリで直接会って話を聞くことにした。

    クリスティーナさんの口から出てきたのは、ブルガリアで新しいスパを立ち上げること、その運営を任せられる人を探しているということ。
    詳細の全てがその場でわかったわけではなかったけれど、彼女が私に声をかけてくれた理由は、なんとなく伝わった。

    頭の中で、静かに考えた。

    ブルガリアで仕事をすることなんて、この先一生ないだろう。旅行ですら、おそらく行くことはない。

    それなら——失うものは、何もない。

    「行ったことがない国だから未知ですが、やってみたいです」

    気づいたら、そう答えていた。

    クリスティーナさんはすぐに動いた。飛行機の手配は彼女がしてくれることになり、渡航日は1ヶ月半後に決まった。

    なぜ、私は事前に調べもせず、現地も見ずに行けたのか。そしてクリスティーナさんが私を選んだ本当の理由を、後日、本人から聞くことになる。

     
     
    『プラダを着た悪魔』のような世界を、エステティシャンとして海外8カ国15都市で5年間生きた。 富裕層専属として見てきたリアルと、海外で働くことの本音を綴ります。 華やかさだけじゃない、その先を知りたい人へ。

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