OK COMPUTER
音楽の話…⑦
Paul Thomas Anderson監督の『One Battle After Another』を観てからはRADIOHEADをよく聴いている。
ギタリストのJonny Greenwoodさんが映画に素晴らしい音楽を組み込んだからなんだけど…。
2007年の名作『There Will Be Blood』から続く最強のコンビだ。
OK
今日は、RADIOHEADの『OK COMPUTER』について。
1997年にリリースされた…「Paranoid Android」、「Karma Police」、「No Surprises」といった代表曲を収録したバンドにとって1番売れた作品ということになる。
1990年代のロックを語る時には必ず話題に出てくる名盤だ。
2017年には20周年記念盤として2枚組の『OKNOTOK1997-2017』が発表された。
オリジナルアルバムの2017年のリマスターが収められたDisc1と20年の時を経て収録された未発表曲…「I Promise」、「Man Of War」、「Lift」の3曲とシングルのカップリング8曲を収録したDisc2があって値段が2枚組で2500円と大盤振る舞いの贅沢品だった。
私なら倍の値段でも買う。
「I Promise」、「Man Of War」、「Lift」の3曲がそれまでLIVEでしか披露されていなかったんだから驚きだ。
私はずっとアルバムでは1995年の2nd『The Bends』が大好き過ぎて、その後の歴史的な名盤とされる『OK COMPUTER』、『KID A』、そして『AMNESIAC』はしばらく大好きと言えるまでに時間がかかった。
RADIOHEADの場合は、進化を遂げれば遂げるほどに、そのサウンドは独創的でいて、気難しく、重苦しい閉塞感に支配されていって、聴いていてヒリヒリ…ピリピリするわけで、それはThom Yorkeさんが鬱病だったことも関係しているのかもしれない。
でも、RADIOHEADの場合はその閉塞感の中に万人受けするような大衆性がある。
閉塞的で孤独や疎外感をエネルギーに変えて、人の心を動かす名曲をたくさん生み出すことで、音楽の歴史をガラリと変えていったのが、1997年から2001年のRADIOHEADだ。
『OK COMPUTER』は、まずは「Airbag」から「Paranoid Android」への圧倒的な展開でガツンとやられて、「Let Down」から「Karma Police」の美し過ぎる流れで感情は1回目のピークを迎えて「Fitter Happier」になだれ込んで第2部に…。
最後は「No Surprises」、「Lucky」で静かだけどグッと熱量が上がるクライマックス…そして「The Tourist」の静寂の中で幕を閉じるとてつもなく美しい作品だ。
私は40歳の時に鬱病になって、5年ぐらい病院に通って抗うつ薬を内服しながら生活したことがあるが、その時はRADIOHEADの音楽を聴くのを止めた。
鬱屈した音楽を聴いて、これ以上、心も頭の中も身体も重たくなるのはマズいと思ったからだ。
それが良かったのかはわからない…。
5年程経った昨年、急に病院に行くのを止めて、薬も独断で止めて、酒もほとんど止めて、そして仕事も働きたい場所で働くという決断に至った。
映画『君たちはどう生きるか』と『Oppenheimer』を観たのも大きかったのかもしれない。
あの薬は内服し続けると太るしな…。
鬱病になった時は、何とかしてそれまでの自分を取り戻さないと…とか、このままじゃダメだ…とか、何か意味のあることをやらないと…と必死になったものだが、それが逆効果になった。
普通に考えると何もやり遂げてないし、誰の役にも立ってこなかったし、ろくでもない人生を送ってきたんだから、それなら新しい自分を築き上げれば良いじゃん…という考え方に至った途端に、随分と楽になった。
そして、RADIOHEADの音楽を再び聴いてみたら、何と美しいことか…。
鬱屈した閉塞的な音楽には聴こえなくなった。
今、聴けば希望に満ちて聴こえる。
結局のところは、何事も、何を感じるにしてもどう捉えるにしても、すべて自分次第だ。
5年も立ち止まってはいたが、決して無駄ではなかったと思っている。
今は凄いことになってるからな…私自身ではなく自分がいる環境がだけど。
この5年がなかったら、今の私にはなれてなかっただろう…と考えさせてくれたRADIOHEADの『OK COMPUTER』に感謝♫
OK
あぁ〜ステキ♪
