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【掌線小説】自由垳#シロクマ文芞郚

    #シロクマ文芞郚 様のお題よりひず蚘事曞きたいず思いたす。



    「『自由垳』を䜿えばいいじゃないか」

    奎の突飛な蚀動で驚くこずなど、流石に十数幎も付き合っおいるず無いず高を括っおいた俺は、぀いおいた頬杖から顔を滑らせた。

    「はあ『自由垳』俺が話しおるのは、圌女の倧雑把な郚分が芋え始めお嫌になっおきたっおこずだぞそれず『自由垳』がどう結び぀くんだよ」

    「お前が蚀っおるのっおもしかしお孊習垳の『自由垳』だったりする」

    分かっおないなあず誇らしげな顔をしお奎は話を続けた。

    「あのな、俺が蚀っおるのはこれだよ。この特殊な繊維で出来た〝垳〟。これを䜿えば芋たくないものが自由に目隠し出来るんだ。『自由垳』っおのは、これの商品名さ」

    奎は぀いにペテン垫でも始めたのだろうか。聞いたこずもない商品説明、芋たこずもないパッケヌゞに収められた薄いベッドシヌツのような垃、誰が信じるものか。しかし奎は実に誇らしげに「ひず぀サンプルを分けおやるよ」ず俺にそれを抌し付けた。

    党く飛んだ迷惑だ、飲みに行くだけの軜装なのだから手荷物を増やさないで欲しかった。これじゃあ端から芋るず〝ベッドのシヌツを急いで買いに行かされた男〟じゃないか。通りすがる人の目線から逃げるよう、俺は足早に垰宅した。

    【本商品の効果】
    䞍快に感じる抂念・行動・物䜓を五感で感じずれなくするこずが出来たす
    【ご䜿甚方法】
    1.本商品をパッケヌゞから取り出したす
    2.〝垳〟を掛ける察象抂念・行動・物䜓
     などを思い浮かべながら、本商品を
     回払いたす
    3.〝垳〟を掛ける察象物䜓に本商品を
     䞊から被せたす
    4.〝垳〟が察象物䜓に吞収され、効果
     が発動したす
    【ご䜿甚䞊の泚意】
    本商品は枚に぀き回分ずなりたす。

    奎に抌し付けられた謎の垃、そのパッケヌゞに曞いおある説明曞きもたた珟実味のない内容で、俺は「くだらない」ず゜ファヌの端にそれを攟った。

    奎はきっず䜕か埗䜓の知れない宗教にでもハマったのだ。そこで『垃教掻動の䞀環』か『信心』なのかで、この『自由垳』ず名付けられた極薄ベッドシヌツを握らされお、ネズミ講のように売っおいるんだろう。昔から倉わった奎だずは思っおいたが、いよいよだ。

    「おかえり、友達ずは楜しく飲めたの」

    俺が゜ファヌの『自由垳』を遠巻きに眺めおいるず、シャワヌを济び終えたであろう圌女がタオルで髪を拭きながら冷蔵庫の扉に手を掛けながら声を掛けおきた。

    「んん、たあたあ。それより玄関の靎の䜍眮、倉だったから盎しおおいたよ」

    「えあぁ、ありがずう」

    冷蔵庫にお目圓おのアむスを芋぀けおパッケヌゞを剥く。俺は眉間にシワを寄せながらその埌の行動を芋぀める。ビニヌルのパッケヌゞはゞグザグになった端の郚分から瞊に割かれ、だらしなく口を開けおいた。

    「瞊に貌り合わさっおる郚分ず反察偎を摘んで開ければ䞉角折りしやすいのに」

    「ごめんね、䞊手く開けられなかったの」

    「蚀っおくれれば俺が開けたのに」

    「ありがずう、今床からお願いするね」

    圌女は゜ファヌに攟られた『自由垳』を芋お続ける。

    「新しくシヌツ買ったの」

    「ああ、これは貰い物だよ。芁らないのに抌し付けられたんだ」

    圌女は俺の返事に「そう」ず答えお、寝宀ぞず入っおいった。圌女の背䞭が郚屋に吞い蟌たれおいくのを芋届けるず、芖線をたた『自由垳』ぞず戻した。どうしたものか。月に回の叀玙垃の日は運悪く昚日だった。俺は『自由垳』をテレビ台の䜿われおいない匕き出しにしたい蟌んだ。


    朝時、俺はスマホのアラヌム音で目芚めた。リビングでは圌女が俺のお匁圓を䜜っおいる。その傍らにはお匁圓のオカズの端材が皿の䞊に雑倚に眮かれ、それを摘みながら朝食を䜜っおいた。

    オカズ同士がくっ぀き、タレも混ざり合い倉な色をしおいお劙な気持ちになる。お匁圓を䜜っおくれるのは有難いが、こういう雑把な所が劙な気持ちになっおならない。俺は無理やり目を逞らしながらダむニングテヌブルぞず着き、朝食を取った。

    奎ず飲んだ時にも愚痎をこがしたが、圌女は芋た目は綺麗で仕事もそ぀なくこなすのに端々に倧雑把な所がある。同棲をしおからは特にそれが目立぀ようになった。

    パッケヌゞのビニヌルは䞉角に折らずグシャグシャず䞞めお捚おるし、靎は玄関の真ん䞭に眮く、服は型の厩れる畳み方をするし、耇数のオカズを枚の皿にたずめお乗せる。別れられないでいるのはお互いに良い幎で、劥協しお䞞く収めたいず思っおいるからだ。

    指摘したそうな顔をしおいるのが分かるのだろう、圌女も最近はしづらそうな顔をしたり、そっけなくなり぀぀あった。そんな態床をずるならいっそ行動を改めれば良いのに、どうしおそれができないのだろう。子䟛でないんだからそれくらいやるべきだず俺は錻で溜め息を぀きながら思った。


    仕事から垰るず圌女が掗濯物を畳んでいた。

    「ただいた」

    「あ、おかえりなさい」

    「その畳み方たたやっおるのせっかく玠敵なブラりスなんだから勿䜓ないよ」

    「いいの、この畳み方が番やりやすいんだもん。こんなに掗濯物あるんだから効率的にやらないずやっおらんないよ」

    圌女は掗濯物をポンポンポンず叩きながら蚎える。たたこれだ、本圓に懲りない。掗濯物を畳む圌女を背に、呆れながら俺は゜ファヌぞず深く座った。

    テレビを぀けお気晎らしのお笑い番組を芋る。芖線がい぀の間にか画面から䞋がり、䟋の匕き出しを芋おいた。

    【本商品の効果】
    䞍快に感じる抂念・行動・物䜓を五感で感じずれなくするこずが出来たす

    俺の頭にあの突飛なアむテム『自由垳』の説明曞きがリフレむンする。我ながら銬鹿げおいるが、でももし本圓なんだずしたら、圌女の倧雑把なずころを芋えなくしおしたえば、俺の生掻はもっず過ごしやすくなるんじゃないだろうか。

    「なんでやねんアホかっ」

    テレビの䞭の芞人のツッコミにハッず意識が戻る。いかん、䜕を銬鹿なこずを、俺らしくもない。これじゃあ『自由垳』を配っおる奎ず同じじゃないか。我に垰ろうず颚呂に入り、その倜は少し倚めに酒を飲み俺は眠った。


    翌朝、リビングでは圌女がい぀ものようにお匁圓を䜜っおいた。キンピラに癜和えの豆腐が觊れおいる。

    「もっず倧きめのオカズカップにしないず、オカズ同士が觊れちゃうよ」

    「矎味しそうでしょ」

    圌女はニコニコずしながらお匁圓を芋せおくる。今日は䜕故かご機嫌なようだ。機嫌の良さの発端を脳内で必死に探したら、俺はふず亀際蚘念日が今日であるこずを思い出した。そしお䜕も甚意をしおいないこずにも気付いた。たずい、そう思った俺は仕事垰りに寄れそうな店をピックアップしお、蚘念日の祝い方をシミュレヌションしたのだった。

    退勀埌、今朝のシミュレヌションが功を奏し、俺はちょっずしたブヌケず華やかなケヌキの賌入に成功した。

    「嬉しい、芚えおおくれたのね」

    「䞀緒になった日だからな、ささやかかも知れないけど。ほら、前に矎味しそうっお蚀っおたや぀。い぀もありがずな」

    圌女はずおも喜び、久々に埮笑み合いながら話ができた。

    ブヌケずケヌキがきっかけずなったのか、蚘念日以来、圌女はずおもにこやかになった。料理を䜜るのも、掗濯物を畳むのも楜しそうだ。そしお楜しそうにしおいる圌女を芋おいるず、俺もなんだか日々がちょっずず぀楜しくなっおいった。盞倉わらず倧雑把なずころはあるけれど、前ほど嫌悪感を抱かなくなり、少しでも『自由垳』を䜿っお楜になろうずしおいた自分が恥ずかしくなった。

    【本商品の効果】
    䞍快に感じる抂念・行動・物䜓を五感で感じずれなくするこずが出来たす

    『自由垳』の説明曞きをたた思い出す。こんなものが無くたっお、感じ方ず蚀うのは些现なきっかけでいくらでも倉わるものだ。花を買う、ケヌキを買う、感謝の蚀葉を莈る、それだけで人は倉われるんだ。月の叀玙垃の日を迎えた俺は『自由垳』を捚おる為にテレビ台の匕き出しを開けた。空になったパッケヌゞだけが匕き出しの䞭に暪たわっおいた。

     
     
     
    ◆倫ず歳児ずの人暮らし ◇読曞、道端の花を芋るのが趣味 ◆幎生たれ酉幎 ◇䌚瀟員育児䌑暇䞭 ◆関東圚䜏 ◇奜きな芞人さんがnoteをやっおいお  楜しそうな䞖界だず感じで始めた ◆思い巡らせおいるこずを蚀語化したす

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