
#602 なんでもしゃべっちゃう
朝、いつものように小2息子を学校まで送ろうとしたら、息子の同級生のFとくんがちょうど家を出てきたところに会った。
Fとくんは隣の家に住んでいて、僕らが隣に引っ越して以来、息子が2歳のころからのご近所づきあい。保育園はお互い別々だったけど、小学校に上がって息子と同級生になった。Fとくんにとっても僕のことは「近所のおじさん」とずっと認識している。家族構成も同じ。一人っ子でお父さんお母さんの年の頃まで、我が家と似ている。
僕「おはよう」
Fと「おはよう」
一緒に校門まで行こうと、右手に息子、左手にFとくん。両手で2人をつないで学校まで歩いた。
僕「お父さん、いつも帰り遅いよね。」
Fとくんのお父さんのことについて、雑談がはじまる。Fとくんのお父さんは帰りが遅いことがしょっちゅうで、だいたい日付が変わる頃に帰ってくることは知っていた。
Fと「お父さん、遅番の時は帰ってくる前に僕寝ちゃうんだ」
僕「早番のときは?」
Fと「夕方帰ってくる。」
僕「遅番と早番があるの?お父さんって何の仕事してるの?」
Fと「お金を払い続けるための仕事をしてる。」
お金を払い続けるための仕事…?それ以上追及しないことにした。
いつもの朝の、交差点の旗振りのおじさんの前を通過した。
僕「おはようございます。」
おじさん「おはようございます。今日は2人の子連れですか」
僕「はい。。」
両手に児童を引き連れたまま、交差点をすぎ、話題が切り替わった。
僕「お父さんって優しいの?」
Fと「やさしい。めっちゃ優しい。」
僕「怒るの?」
Fと「全然怒らない。今までに怒ったこと一度しかない。」
僕「すごいな。お母さんは怒る?」
Fと「いつも怒ってる。」
僕「お父さんって、いくつなの?」
Fと「**歳」
僕(俺より2こ上だ。。。)
穏やかなお父さん、怒るお母さん。ウチとよく似ている。これが令和のスタンダードなのかもしれない。Fとくん家とウチとは、年の頃から家族構成から、全てが似ている。お父さんお母さんの年の差や世代もだぶんドンピシャで近い。
このままFとくんとしゃべり続けたら、個人情報から何から抜き出せそうな気がした。「年収は?」などと下世話な質問をしてもFとくんは即答してしまいそうだった。
これは怖いなと思った。田舎ほど噂が広まるのが早いというけれど、それはコミュニティが密だから。普段から、息子の口からあることないこと喋られて、近所に知れ渡っているかもしれない。家の中の会話も、慎重に気をつけようと思った。
そうこうしているうちに校門につき、2人とバイバイした。また今日も、息子を置き去りによその子と喋ってしまった。