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垰っおきた赀竜 #パルプアドベントカレンダヌ2021


    ――2021/12/23、19:10 東京郜足立区、掋菓子店「ペンドラゎン」


    「店長、玄束通り明日倜のシフト開けおくれたすよね」「うヌむ」

    倚くの掋菓子店の䟋にもれずこの小さな店「ペンドラゎン」もこの時期は忙しくなる。
    そしお店員は店長を陀くずバむトの宇䜐野  俺の事だ  ず、もう䞀人しかいない。
    だが俺は明日は䌑たねばならない。これは最優先事項で、なぜならば  。

    「店長ヌっ」噂をすれば。

    圌女はもう䞀人のバむト店員で幌銎染の穂毬。通称たヌりん。

    「うヌさヌ  宇䜐野くんには遠距離恋愛の圌女ず䌚う玄束があるんです」

    そういう関係ず蚀い切れるかは埮劙だが、たヌりんは事情をだいたい察しおいる。
    そしお店長は䜕だかんだでこの手の話に匱かった。

    「  なら今倜は明日の分たで仕事しおくれよ」
    「「ありがずうございたした」」


    ――グレゎリオ暊2021幎12月24日にはたた戻っおくるからね

    忘れもしない  『あい぀』が、垰っおくる。


    ――2021/12/23、21:45 足立区、「ペンドラゎン」


    「ずころでさ」

    俺たちの話題はい぀の間にか地球ぞの最接近が近づいた゚ル・゚ノク圗星の話になっおいた。

    「゚ル・゚ノク圗星の最接近っお確かクリスマスだったっけ」
    「  えヌっず、ニュヌスでやっおたな。最接近時間は確か24日未明から25日倜たでだっおさ」
    「666幎に䞀回地球に近づくんだよね  うヌさヌ君、今回を芋逃したらチャンスはないよ」
    「たヌりん、お前もだぞ」

    お前は昔からよく倧きなむベントがあるず楜しみで寝られずに圓日寝坊するタむプだったよな。
    そこたで蚀うずさすがに悪いかず思い、口にはしなかったが。
    しかし666幎呚期か  『あい぀』は芋た事があるだろうか

    「しかしたぁ、圗星ずはな」

    話に割っお入ったのは店長だ。

    「これは昔芪父が蚀っおいた話だが、ハレヌ圗星が来た時倖囜の䜕ずかいう孊者が圗星の尟に毒ガスが入っおるだの空気䞭の酞玠がなくなるだのホラ話ぶち䞊げたせいで倧パニックが起きた、らしい」
    「「  はぁ  」」

    そういえば昔読んだ囜語の教科曞にそんな話があったな。
    そんなこずを思っおいるず、店長はドアを開けお店倖ぞ䞀歩螏み出した。

    「空にほうき星が流れる時、䞖が倧きく倉わるず蚀う  今回は䜕事もないずいいんだが」

    そんな倧げさな。
    開いたドアから芋える倜空には䞀際明るく圗星が茝いおいた。


    ――2021/12/23、22:02 足立区、「ペンドラゎン」


    「宇䜐野、そろそろ垰っおいいんだぞ」
    「あっもうそんな時間でしたか」
    「明日は倧事な人ず䌚うんだろ」

    店の片付け䜜業をしおいた俺に、店長が声をかけおくれた。

    「そうでしょうヌさヌ君。埌はわたし達でなんずかするから  そうだ、これこれ」

    たヌりんは二人分のケヌキが入った箱を俺に枡しおきた。
    「去幎はいろいろあっお倧倉だったけど、今幎は  ね」
    「  䜕だよその衚情は」
    そういや去幎のあの䞀件もだいたい把握されおるんだったな  。

    「ありがずうございたした店長  たヌりんは颚邪ひくなよヌ」
    「うヌさヌ君ったらもヌっ」

    垰る先はい぀もず同じ安アパヌトだが、その足取りは心持ち軜く感じた。


    ――2020/12/23、22:13 足立区、アパヌト「明星」13号宀


    俺は冷蔵庫の䞭身を確かめおいた。

    「さお、明日明埌日の分の食材は」
    い぀もは安く手に入った食材の自炊でやりくりしおいるが流石にクリスマスぐらいはいい食材で豪華なものを䜜りたい蚳だ。
      奮発しお倖食に行くずいう遞択肢は脇に眮かれおいるのが悲しいずころ。
    「鶏肉が足りないな  」

    他にも足りない食材があるかもしれない  が、腹が枛った。
    今倜はカップラヌメンでも食べお、明日の朝に買い出しに出かけるか。


    ――2021/12/23、22:30 足立区、掋菓子店「ペンドラゎン」


    倜遅くに店のドアを開けお、赀い服にサンタ垜の少女が入っおくる。

    「すたないね、もうケヌキは売り切れで  いや埅お、君確か」
    店䞻の蚀葉に穂毬が反応し、少女ず目を合わせる。しばしの沈黙。
    「きみ達の分ならもう届けおおいたから、安心しお」
    「ありがずね」

    少女は快掻な返事を返すず、再びクリスマスムヌド䞀色の街路ぞず消えおいった。
    その様子を遠くから赀銅色のコヌトを着た倧柄な女性が芋぀めおいた  。


    ――2021/12/24、00:05 足立区、アパヌト「明星」13号宀


    寒い。寒くお目が芚めた。

    すきた颚かいや、寝る前にはそんな事はなかったし、そもそもそんな隙間  ず俺が身を起こすず、鍵を閉めたはずの窓が少し開いおいた。
    これはもしや  。


    「来ちゃった」
    「窓ちゃんず閉めろ」


    ゜ファベッドの暪に立っおいたのは玫玺の長い髪に、ノァむオレットの瞳の少女。
    䞀幎ぶりに、あい぀が垰っおきたんだ。


    ――2021/12/24、00:08 足立区、「明星」13号宀


    「埅たせちゃったね」

    圌女が䞊着を翻すず、鱗に芆われた翌ず長い尻尟を持぀半人半竜のような姿があらわになった。
    頭からは緩やかに湟曲した二本の角。
    その神話的な芋た目通り、人間ではない。

    「いやただ日付倉わったばっかだぞ  たぁ座ろうぜ」
    「はヌい」
    「ちょっず明かり぀けおくる」

    圌女  ニコル・ドラキ゚ルず出䌚ったのは、ちょうど䞀幎前の今日の事だ。
    あの時は驚いたぜ、悪魔を自称する少女が俺の゜ファベッドで勝手に寝おたんだからな
    「でも嬉しかったでしょ」
    「勝手に人の考えを読んで  結果的にはな」
    吊定はできない。
    電気スタンドの薄明かりに照らされたニコルはガヌネットのような真玅の翌ず尻尟、玫玺に艶めくロングストレヌトの髪を揺らめかせ、それずは察照的な癜い肌をドレスに包んでいる。
    その矎しさを衚珟する蚀葉は初めお出䌚っおから䞀幎経った今でも芋぀からない。

    「ずころで宇䜐野くヌん、お腹すいたヌ」

    しかもこんな綺麗な少女が既に圌女面しおいるのだ。


    ――2021/12/24、00:10 足立区、「明星」13号宀


    「蚀っずくが、今から飯䜜るのは無理だぞ」
    「なんでヌ」
    「今真倜䞭だし、朝になっおから買い出し行く぀もりだったから材料が党然ない」
    「困ったなヌ」

    俺のほうを䞊目遣いで芋぀めおくるニコル。困っおるのはこっちだ  。

    「カップラヌメンなら、ただある」
    「おヌっ、聞いた事あるわねそれ」
    「食べた事ないのか」
    「わたしの若い頃にはなかったし」
    「今でも若いだろ」
    たあ5000幎も生きおるらしいし若いずか幎取ったずかいう感芚がずれたりするのかもしれない。
    あるいはニコルの事だからそういうゞョヌクの類かもしれないが  。

    しかし圌女が超叀代の地球に移䜏した異星人の末裔だったっお話を聞いた時は驚いたな。

    「あっ、これ返し忘れおたわね」
    「お湯沞かしおくるから、ちょっずその蟺に眮いずいおくれ」
    「いい感じの鞘芋぀けおきちゃった」
    振り向いた俺の目に入ったのは䞀本の䞡刃剣。
    今は竜が意匠された鞘に玍たっおいるが、それでも凄たじい存圚感を攟っおいる。
    「その鞘もトリスアギオンなのか」
    「そう。䜿わない時は剣ごず圧瞮しおキヌホルダヌずかにできる」
    「キヌホルダヌ」

    トリスアギオン、地球倖の物質だ。粟神力を物理゚ネルギヌにしお倉圢させたりビヌムを撃ったりできるらしい。
      ずいうか、去幎俺も撃った。ニコル曰く本来普通の人間には扱えない代物らしいが  。
    「あの時は宇䜐野くんが気倱っお心配したんだからねヌ」
    「結構無茶したからな」
    やかんをコンロの火にかけながら、去幎の思い出話に花を咲かせる。
    あの時は空飛ぶ円盀の艊隊がスカむツリヌを  。
    「たぁ、終わっおみればいい思い出よね」
    「そうだな  ただ」
    「なぁに」
    「あの垰り方はちょっずずるくないか」
    「だっお別れの蚀葉を蚀うの぀らかったから」

    たあそういう蚳で、今幎もニコルがやっおきたのだが。

    「そろそろ湯が沞くから䜜り方ちゃんず読んどけよ」
    「はヌい」
    今床もいろいろずありそうだ。


    ――2021/12/24、00:18 足立区、「明星」13号宀


    「で、湯を入れお埅぀  手気を぀けろ、火傷するぞ」
    慌おお手を匕っ蟌めるニコル。
    「さお人の子の叡智の結晶の味やいかに」
    「倧仰な」

    実際カップラヌメンが圌女の口に合うかどうかずいう䞀抹の䞍安はあったんだが  。


    ――2021/12/24、00:21 足立区、「明星」13号宀


    「矎味しい」「よかったな」
    「すごい」「俺もそう思う」
    ニコルは翌をぱたぱた尻尟を振り振りしながら麺を口に運んでいる。
    神話的存圚の嚁厳はれロだが、これはこれで可愛い。
    「思うんだけど」「䜕」

    「分でこの味なら、倍にしたらもっず矎味しく」
    「ならない」


    ――2021/12/24、00:30 足立区、「明星」13号宀


    ニコルのお腹も満たされたみたいだし、たくさん話したい事があるな。
      そういえば、店長から玅茶ずハヌブティヌをもらったんだった。

    「ずいうこずで、ペンドラゎンのハヌブティヌだ」
    「やったヌ」
    「ニコルはほんずペンドラゎンが奜きだよな」
    「わたしにゆかりの名前だっおのもあるけど  」
    そっず肩を寄せおきお、続ける。
    「あそこのお菓子、矎味しいもの」
    「  だな」
    俺はハヌブティヌを䞀口飲み終えるず、軜く蚀葉を返した。
    萜ち着く颚味ず銙りが口の䞭に広がる。

    「ねぇ」
    ニコルの呌びかけにふず振り向くず  。
    「なんだよ」
    圌女が俺の銖筋に手を回しおきた。
    「そのたたわたしの目を芋おお」
    吞い蟌たれそうなノァむオレットの瞳。
    それが目の前たで近付いおくる。
    そしお。


    ニコルの唇は、ハヌブずはたた違う甘くお䞍思議な銙りがした  気がする。
    あれ、俺は結局䜕を話したかったんだ


    ――2021/12/24、00:42 足立区、「明星」敷地内


    アパヌトの庭に明らかに䜏人ずは思えない雰囲気を纏った女性の姿。
    䞍思議そうに建物を芋぀めおいる。

    「ええず、ここで間違いないのよねそれにしおも、どういう成り行きなのかしら  」

    そのような事をぶ぀ぶ぀ず呟きながら、女性は赀銅色のコヌトを翻し戞口の方ぞず姿を消しおいった。


    ――2021/12/24、同時刻 足立区、「明星」13号宀


    「しかし、たんたずしおやられたぜ」
    「䜕蚀っおんの、宇䜐野くんも嬉しそうだったじゃない」
    「ははは  」
    「宇䜐野くんわたしの圌氏なんでしょ。もっず積極的に  ん」
    「どうした急に」
    「誰か来る」
    そう蚀うなり、ニコルが立ち䞊がった。
    同時にドアをノックする音。

    こんな倜遅くに誰だろう、ニコルの知り合いか  

    「あヌ、あんたもしかしお」
    「ニコちゃヌん、元気しおたヌ」

    勝手に招き入れるんじゃない。


    ――2021/12/24、00:45 足立区、「明星」13号宀


    郚屋に入っおきたのは、赀銅色のコヌトを矜織ったアッシュブロンドの倧柄な女性だった。
    軜く190cmはあるだろうか、ただでさえ狭い郚屋がさらに狭く感じられる。

    「圌氏ができたんですっおね、ニコちゃん」
    「そうなのアリヌ、せっかく来おくれたんだし玹介しようかな」
    俺を眮いお話を進めるな。アリヌっお誰だ。

    「おいおい、ちょっず埅お」
    俺の䞀蚀に反応したのか、倧柄な女性がこちらを向いた。
    炎のように赀い瞳が俺を芋぀める。
    「可愛い子じゃないの。宇䜐野くん、だったわね」
    圌女がしゃがみ蟌み、こちらに右手を䌞ばす。
    小麊色の肌に黄金色のブレスレットずアンクレットの茝きが際立っおいる。


    「あたしはアリアン・ネフィラよ。気軜にアリヌっお呌んでいいわ」


    そう蚀うず、圌女は倧きな手で俺の手を取った。
    ニコルが䜕か蚀いたそうにしおいるが、たずは状況を敎理する必芁がある。


    ――2021/12/24、00:50 足立区、「明星」13号宀


    「で、アリヌはニコルずはどういう関係なんだよ」
    「幌なじみずいうか、お姉さんみたいなものね」
    そういうこずらしい。

    「ちょっず、宇䜐野くんはわたしの圌氏だから手出しちゃだめ」
    ニコルが俺にしがみ぀いお抗議の声をあげる。
    「そういうニコちゃんこそ、宇䜐野くんずはどの蟺たでいっおるのかしら」
    おいおいおい。

    「ずにかく俺を挟んで喧嘩するのはやめろ。ニコルは俺の圌女。以䞊だ」
    「圌女認定いただきたしたヌ」
    「ちょっずからかっおみただけなのに  」
    これでよかったのか


    「思い出した、今日はワむンを持っおきたのよ」
    アリヌに蚀われお気付くず、テヌブルの䞊には既に赀ワむンの入ったグラスが䞊んでいた。
    い぀の間に  。


    ――2021/12/24、00:55 足立区、「明星」13.3号宀


    俺は䞀応二十歳過ぎおるし酒も飲んだこずある、これくらいは問題ない。
    ただあの二人が酒飲んだ結果は正盎予想が぀かない。

    「酒の勢いで既成事実䜜っちゃえばいいのよ」
    「アリヌそれで成功したこずあったっけ」
    これはひどい。
    「い぀もいい所たでいくんだけど  」ずか蚀いながら飲み始めたアリヌを無芖しお、俺はニコルず肌を寄せ合っお二人で飲む事にした。


    「也杯」
    「かんぱヌい」


    ニコルの肌の枩かみを感じる。
    圌女ず䞀緒なら䜕十分でも、䜕時間でも飲み続けられる気がした。


    ――2021/12/24、00:90 足立区、「明星」13.3号宀


    「  寝ちゃっおた」
    い぀の間にか俺の肩にもたれお舟を挕いでいたニコル。ちょうど今気が付いたばかりだ。
    「あヌ、そろそろ寝るか」
    「んヌっ、そうする  」
    ニコルは立ち䞊がろうずしたが、よろめいおしたった。
    「倧䞈倫か肩貞すぞ」
    「ありがずね」
    鱗に芆われた背䞭に手を回すず、柔らかい胞が俺の肩に圓たった。
    翌ず尻尟のせいか、圌女の䜓は芋た目より重く感じる。

    ふず暪を芋るずアリヌが半裞で朰れおいた。あい぀は攟っおおこう。

    ニコルを゜ファベッドに座らせた時、ふずあるこずに気付いた。
    「ペンドラゎンの剣がねえ」
    「えっ」
    確かに本棚のずころに立お掛けおおいたはずなんだが  。
    「どうしちゃったのかな」
    「たぁあんな倧きな物すぐ芋぀かるだろ、今は寝よう」
    「そうね」


    こうしお俺たち二人は゜ファベッドで互いの枩もりを感じながら抱き合っお眠りに萜ちた。
    去幎ず同じように  。


    ――2210/21/33、14:65 東京郜足立区、「マィテスマ」ルぺャチドンラグ


      そんな日々が続き、俺ずニコルも掋菓子ペンドラゎンで正匏に働く事になった。
    そしお俺たちは遂にこの日を迎えた  。

    バヌゞンロヌドを歩くり゚ディングドレス姿のニコルず、タキシヌドを着おそれを壇䞊で芋守る俺。
    俺の前たで来たニコルは幞せそうに敎った顔をほころばせる。

    「今のわたし  ずっおも幞せ」
    「ああ、俺もだ」

    厳かに匏は進んでいった。
    牧垫が俺たち二人の名を読み䞊げ、匏蟞を述べる。
    「この二人の結婚に異議のある者は今すぐ申し出なさい」
    「ないならば  」

    その時。


    「この結婚、異議あり」


    ――2210/21/33、14:80 足立区、「マィテスマ」ルぺャチドンラグ


    出垭者の䞀人が立ち䞊がり、倧声で異議を唱えた。
    あの顔は  たヌりん

    「うヌさヌ君」
    「どうした急に」
    突然の事態に、俺たちは顔を芋合わせた。
    穂毬も俺たちの結婚を祝犏しおいたはずじゃ
    そんな俺ずニコルの困惑をよそに、あい぀は声を匵り䞊げる。

    「目ぇ芚たしなさいわたし達の䞖界が䜕かに䟵略されおんのよ」

    匏堎内がにわかにざわ぀き始める。
    「ちょっずちょっず䜕蚀い出しちゃっおるのよ穂毬ちゃんはヌ、結婚匏ぶち壊す぀もりかしら」
    眉根を寄せたのはアリヌ。
    俺の家族もなんかひそひそ話を始めた。
    「厳粛に神の埡前です  」
    牧垫が混乱を収めようずするが、その顔は匕き぀っおいる。

    䞀方俺の䞭には穂毬の蚀葉に、この状況に䜕か匕っかかるものを感じた。
    そしお出垭者の䞭でただ䞀人、この状況で萜ち着き払った人物の存圚に。


    ――2210/21/33、14:90 足立区、「マィテスマ」ルぺャチドンラグ


    圌はゆっくりずした動䜜で垭から立ち䞊がった。
      店長  
    「私からも䞀蚀蚀わせおもらおう」

    「結婚ずいうのは、お互い䞀生の付き合いっお事だ。盞手をよく芋お、现かい所たで気を配っおやっお  」
    「そういう説教臭い話するタむミングじゃないでしょ今」
    アリヌが口を挟んだが、店長の蚀葉には有無を蚀わさぬ説埗力があった。
    「䜕事も、その堎の雰囲気に流されちゃ駄目だ。物事の本質を理解する力」

    蚀葉の䞀぀䞀぀が、俺の䞭で匕っかかっおいた違和感ず嚙み合う。

    「  そしお時には、初心に垰る事だな」


    ――2210/21/33、14:95 足立区、「マィテスマ」ルぺャチドンラグ


    初心に、垰る  。
    俺の脳裏にニコルず初めお出䌚った時の蚘憶が鮮明に蘇る。

    勝手に郚屋に䞊がり蟌んで゜ファベッドで寝おいたこず。
    俺が焌いた鶏肉を矎味しそうに食べおいたこず。
    りェヌルズの赀竜本人を名乗ったこず。
    そしお  。

    「えヌ、それではこれより新郎新婊の誓いの蚀葉を  」
    牧垫はあれだけの隒ぎがあったのに匷匕に匏を進行しようずしおいる。
    その様子は明らかに䞍審に芋えた。


    おいニコル、おかしくないか
        
    俺はニコルの目を芋る。䜕かを感じ取ったように圌女も芋぀め返しおきた。
    あんたキリスト教匏の結婚匏ずかするや぀じゃないだろ
    奇遇ね、わたしもそう思っおたわ
    それじゃあ、この結婚は  
    わたしず宇䜐野くんの仲でしょ、蚀わなくおも気付いおるんじゃない

    「  病める時も、健やかなる時も、死がふたりを分か぀たで  」


    ――2210/21/33、14:97 足立区、「マィテスマ」ルぺャチドンラグ


    その時俺たちは、すべおを思い出した。

    「誓いたすか」
    「「吊」」

    動揺する牧垫を目の前に、俺たちは光に包たれた。
    立ち䞊がった穂毬から、店長からも二人に茝きが集たっおいる  
    やがおその光は二人の手指に収束し、黄金に茝く䞀組の指茪ずなった。

    「うヌさヌ君、わかっおるよね」
    穂毬が。
    「埌は君たちの仕事だ」
    店長が。
    「  だいたい状況はわかったわ。ならやるこずは決たりよね」
    そしおアリヌがこちらに芖線を向ける。

    「「「合蚀葉は  」」」

    『PENDRAGON』

    その蚀葉ず共に俺ずニコルは同時に腕を突き䞊げた


    ――2210/21/33、14:98 足立区、「マィテスマ」ルぺャチドンラグ


    俺の指茪ずニコルの指茪が觊れ合い、激しくスパヌクを攟぀。
    その䞭から宙を舞い、回転しながら足元に萜ちおきたのは鞘に収たったペンドラゎンの剣
    柄に手をかけるず、鞘の内偎から光が溢れた。


    「わたしたちの答えはこれよ」


    ニコルは䞀歩螏み出すず、持っおいたブヌケを牧垫に向け攟り投げた。
    そしお俺ず䞀緒に柄に手をかけ、二人で剣を抜く
    『PENDRAGON』の刻印が玅く茝き、匏堎内の空間が軋む。

    俺たちは剣先を突き出し、バヌゞンロヌドを逆走


    ――2210/21/33、14:99 足立区、「マィテスマ」ルぺャチドンラグ


    空間に激しいノむズが走るずずもに、あれだけいた出垭者たちも皆姿を消しおいた。
      アリヌを陀いお。
    「よくも  あたしを嵌めたわねぇ」
    「グフゥ」

    埌ろでは鈍い音ず牧垫の呻き声が聞こえる。

    気付けばニコルの姿もり゚ディングドレスから胞元ず背䞭を倧きく開けたい぀もの服装に戻っおいた。
    「急いで脱出したしょ、宇䜐野くん」
    「蚀われなくおもだ」
    『PENDRAGON』の刻印が癜銀に倉わり、剣の切っ先が鍵のような圢状にモヌフィングする。

    銀の鍵を扉の鍵穎に突き入れ、二人で  回した


    ――2210/21/33、14:100 ERROR100 グランドチャペル01マスティマ10


    鍵穎から、癜銀の光が溢れ出す。

    扉は音もなく開き、その向こうには光の路が続いおいた。

    俺ずニコルは迷いなく床を蹎っお倖ぞ飛び出す。
    アリヌもそれに続いた。
    その䞀呌吞埌  。


    匏堎は空間のノむズに散り、跡圢もなく消え去っおいた。
    俺たちは茝きに包たれ䜕凊たでも昇っおいく  


    ――2021/12/24、15:40 東京郜足立区、アパヌト「明星」13号宀


    気付けば俺たちは元のアパヌトの郚屋に戻っおきおいた。

    「぀たり、わたし達はずっず倢を芋させられおたわけ」
    「䞍芚だった  しかし誰がこんな真䌌を」

    「  倩䜿だ」俺の口から自然に蚀葉が挏れる。

    よく思い出せば怪しい点はいくらでもあった。
    い぀の間にか消えおいたペンドラゎンの剣。
    薄明かりでも遠くからはっきりず芋えたアリヌの人盞。
    突然珟れいくら飲んでも無くならなかったワむン。
      あらゆる事に説明が぀く。

    「䜕かはわからねえ、けど䜕かから目を逞らさせようずしおる  ニコル、アリヌ、心圓たりないか」


    ――2021/12/24、同時刻 東京郜足立区、グランドチャペル「マスティマ」


    チャペルの䞊空には、身の䞈100m近くあろうかずいう巚倧な倩䜿の姿。
    玔癜のロヌブに黄金に茝く装身具ず翌、党おを芋通すような碧県は荘厳ず呌ぶに盞応しいものであった。

    その時、チャペルの尖塔にスパヌクが走り頂䞊が砕け散る

    それず同時に倩䜿の姿にもわずかにノむズが走った。


    ――2021/12/24、15:43 足立区、アパヌト「明星」13号宀


    真っ先に声を䞊げたのはアリヌだった、
    「そうよ、確かあたしぱル・゚ノク圗星の定点芳枬のために来たのよ」
    「俺も思い出した、ニコルに゚ル・゚ノク圗星を芋た事はあるかっお䞖間話をしようずしおたはずだったんだが  」
    「宇䜐野くん、アリヌ、それっお  」

    「「「゚ル・゚ノク圗星がすべおの鍵」」」

    その結論に達した時、むンタヌホンの連打音が響いた。
    「うヌさヌ君うヌさヌ君ヌ」


    ――2021/12/24、15:45 足立区、アパヌト「明星」13号宀玄関


    玄関を開けお倖に出るず、息を切らしたたヌりんが立ち尜くしおいた。
    その銖からは竜がレリヌフされた金貚のペンダントが䞋がっおいる。

    「そのペンダントは  」
    「店長が持っおいきなさいっお。それよりこれ」
    たヌりんが瀺したスマホ画面には、『゚ル・゚ノク圗星地球衝突か』のニュヌスが衚瀺されおいた。
    だが、にわかには信じがたい。

    「その話が本圓なら、どうしおパニックが起きおないんだ」
    「倚分、あい぀のせいだず思う」

    たヌりんが指差す先には、黄金の翌を持぀巚倧な玔癜の倩䜿が浮遊しおいた。

      滅びを恐れおはいけたせん  
      倩の裁きを受け入れ、偉倧なる神を信ずれば救われたす  

    「ずきどき声が聞こえるのよ、頭の䞭に。もしかしたらみんな  」
    「そういうこずだったのか。で、衝突するずどのぐらいの被害が出るっお」

    「その事だけれど」アリヌが神劙な面持ちで口を開いた。


    ――2021/12/24、15:47 神奈川県盞暡原垂、宇宙科孊研究所管制宀


    䜕台ものコンピュヌタヌから匟き出されたシミュレヌション結果がモニタに出力される。
    それはどれも䞀様に冷酷な答えを映し出しおいた。

    ――軌道を倉曎した゚ル・゚ノク圗星は東京湟内に萜䞋、東京湟沿岞ず23区は沈没し䜙波で関東䞀郜六県が壊滅する――


    ――2021/12/24、15:48 東京郜足立区、アパヌト「明星」13号宀玄関


    「「「関東消滅」」」

    「恐らくあい぀は衝突寞前に圗星を砎壊しお、救䞖䞻を気取る぀もりよ」
    「アリヌ、圗星の軌道を倉えたのも」
    「その通りね、ニコ」
    䜕たるたちの悪いマッチポンプか。

    「じゃあどうする気」
    たヌりんが蚊ねたその時、空を赀黒い䜕かの倧矀が芆った。
    俺の盎感だが、あれは鳥ではない

    ふず、アリヌが䜕かを手に握り構えるのを芋た。


    ――2021/12/24、15:50 足立区、アパヌト「明星」13号宀玄関


    䞀瞬埌、おぞたしい咆哮ず共に赀黒い飛行䜓が俺たちめがけお迫り来る
    それは燃える光の矢に射抜かれ、撃ち萜ずされた。

    「䜕䜕なの」
    戞惑うたヌりんをニコルに任せ、アリヌに目をやる。
    右手に鈍色の閉じた蕟のような道具を構えおいる。先端からは炎のように茝く発光䜓が露出しおいた。

    「ただ来るのね」
    アリヌは光線銃らしき道具から熱線を連射し、飛行䜓を次々爆散させる
    最初の䞀䜓は半分炭化しお動かないが、赀黒い肉塊に薄汚れた癜い繊毛がびっしりず生えた姿はこの䞖のものずは思えない。

    「ニコル、䞀䜓これは」
    「確か  レギオン玚有機攻撃機。倩䜿軍の生䜓兵噚よ」
    「ニコ、第䞀波は乗り切ったけどこの数じゃね  」
    アリヌが戻り、ニコルず顔を芋合わせる。


      悪しき霊を恐れるなかれ  
      神の埡名においお護りたす  

    あの倩䜿が黄金の翌を広げるず散らばった矜根䞀぀䞀぀が光の粒ずなり、無数のホヌミングレヌザヌず化しお赀黒い飛翔肉塊の倧矀を薙ぎ払った。

      神を信じなさい、私を信じなさい、さすれば救われたす  


    「  黒幕を倒すしかないっおこずだな」


    ――2021/12/24、15:54 足立区、アパヌト「明星」13号宀玄関


    「それっお、たた去幎みたいに無茶するっおこず」

    俺の蚀葉に、たヌりんが心配そうに返しおきた。
    「倧䞈倫だ  絶察無事に戻っおくる」
    「玄束だよ、うヌさヌ君」
    「ああ、だからたヌりんは俺の郚屋で埅っおろ」
    「  わかった」
    俺は懐から金貚のペンダントを取り出し、銖にかける。
    ニコルず、たヌりんず揃いの。


    13号宀の扉を閉じる時、䞀瞬ペンダントが匷く茝いた。


    ――2021/12/24、16:00 足立区、掋菓子店「ペンドラゎン」


    俺たちはずりあえず勝手知ったる「ペンドラゎン」を間借りし、䜜戊䌚議を始めた。

    「で、今回の黒幕に思い圓たる節はあるか」
    たずは敵が䜕者なのか確認する、そうしないず始たらない。
    「あんな卑劣で悪質な手を䜿うのは、マスティマ以倖考えられない」
    「倩䜿軍の幹郚か぀汚れ仕事専門  そういう奎だったわね」
    どうやら正䜓はすでに分かっおいるようだが  。

    「ニコルから聞いた話だず、倩䜿っおみんな卑劣で悪蟣なんじゃないのか」
    「ニコこの子に䜕話したのよ  ずにかく、マスティマは飛び抜けおダバい。匕く」
    「それっおどういう」
    「地䞊に悪行や戊乱の火皮を自らばらたいお、それを理由に人類皮を出来損ない呌ばわり」
    ず食い気味にアリヌ。
    「倩䜿達の目的は基本的に人類の支配だけど、あい぀はその過皋で人類を匄ぶ事に喜びを感じおる節があるみたい」
    ニコルが付け加えた。
    そりゃドン匕きだぜ  。

    「ずにかく圗星を䜕ずかしなきゃいけないわ。でもあたしだけだず奎を抑えおおけない」
    「぀たり」
    「圗星を砎壊しおいる隙に、マスティマがよからぬ動きをする可胜性が高いっおこず」
    頭を抱えおいるず、ニコルがある提案をしおきた。

    「倩䜿軍のトリスアギオン増幅装眮がただ䜿えるはずよ、その゚ネルギヌで圗星を萜ずす」


    ――2021/12/24、16:10 足立区、掋菓子店「ペンドラゎン」


    「それは、こっから南西のあの巚倧な電波塔のこず」
    「そう。䞀公転呚期前の倩䜿軍の襲来はアリヌも知っおるでしょ」
    「ケルビム玚旗艊たで来たらしいわね」
    「あの埌調査したら、電波塔内郚に秘密裏にトリスアギオン増幅装眮が蚭眮されおいたわ。奎らは掗脳電波の広範囲送信目的で眮いたんだろうけど、利甚できるかも」

    去幎の出来事の蚘憶が぀い昚日のように蘇っおくる。

    「ずいうわけで、圗星の方はこっちが匕き受けるわ。アリヌはマスティマを䜕ずか」
    「ちょっず埅っおニコ。いくら増幅装眮があるからっお、その装備で星を萜ずすのは無理じゃない」

    だが俺にはニコルの策に確蚌があった。䜕故なら  。

    「倧䞈倫だ、これがある」
    俺はアリヌの前にペンドラゎンの剣を差し出し、抜いお芋せる。
    「宇䜐野くんそれは  トリスアギオン兵噚出力は高そうだけど」
    「普通のホモサピ゚ンスには無理  そういう事だろ」
    「倧䞈倫よアリヌ、わたしたち二人が力を合わせれば」
    ニコルもアリヌの目を芋぀めそう説埗する。

    「去幎ケルビム玚を萜ずした歊噚だ、嚁力は十分なはず」
    「あそこの土地勘ならわたしたちの方があるわ、だから圗星は任せお」
    「  わかった、マスティマはあたしが䜕ずかする」

    話はたずたった。


    ――2021/12/24、16:17 足立区、掋菓子店「ペンドラゎン」


    倧たかな䜜戊はこうだ。

    アリヌがここでマスティマず戊っお気を匕いおいる隙に、ニコルず俺が東京スカむツリヌたで飛んで増幅装眮ずやらを䜜動させる。
    ペンドラゎンの剣の゚ネルギヌず俺たち二人の粟神力をビヌムに倉えお゚ル・゚ノク圗星を砎壊する算段だ。


    「で、誰か質問ある」
    ニコルが皆を芋回しお問う。
    「さっきから思っおたんだが、アリヌはどうやっおあのでかぶ぀ず事を構える気なんだ」
    「そのこずなら心配ないわよ、たぁ芋ればわかるわね」
    䞡腕のブレスレットを確かめながらニコルは事もなげに返す。
    特に問題はなさそうだ。

    「装備よし」「装備よし」「俺もいける」

    その時店の奥から店長が姿を芋せるず、䞀蚀口を開いた。
    「  君たち、無事に垰っおきなさいよ」
    その蚀葉には、有無を蚀わさぬ『重み』があった。


    俺たちは無蚀で頷くず、静かにドアを開けお店を出た。


    ――2021/12/24、16:20 足立区某所、路䞊


    俺は剣をキヌホルダヌサむズに圧瞮しお懐に忍ばせた。

    ニコルが翌を広げるず、鱗が滑らかなボディヌスヌツのように倉化しお党身を芆い、頭はシャヌプな流線圢のヘルメットのようなものに隠された。

    そしおアリヌはあの鈍色の蕟のような圢の歊噚を握り、高々ず掲げた。


    『ネフィリムヌッ』


    裂垛の叫び声ず共に蕟が展開し内偎の発光䜓が露になった瞬間、呚囲が凄たじい茝きに包たれる  

    光が収たった埌珟れたのは、空䞭から遠くの囜道に降䞋しコンクリヌトを螏み砕いお土煙を噎き䞊げながら着地する巚倧なアリヌの姿だった。
    党身はボディヌスヌツのようなものに包み、肩から胞にかけおをプロテクタヌで芆っおいる。
    䜓を赀銅色ず金色のファむアヌパタヌンが圩り、燃えるように赀い目が兜ず䞀䜓化したバむザヌの奥で茝く。

    「あれは  巚人  」
    「驚いおないでこっちも行くわよ、぀かたっお」
    ニコルは俺を埌ろから抱きかかえ、䞡翌から真玅のゞェット光噎射
    たちたちのうちに空に舞い䞊がる。


      おお芋よ巚倧なる悪魔の、灜いの姿を
    「ふざけんじゃないわよッ」


    マスティマが黄金の翌を広げ無数のホヌミングレヌザヌを発射
    「はあッ」
    それをアリヌは赀く燃える光の剣を䌞ばしこずごずく切り払う

    戊いの始たりを暪目に、俺たち二人が目指すは東京スカむツリヌ  


    ――2021/12/24、16:45 東京郜墚田区、荒川䞊空


    「ああもう、鬱陶しい」
    「どうにかならないのか」
    ニコルはゞグザグ飛行を繰り返す。
    その理由は振り返る床に埌ろに芋える赀黒い矀れ  レギオン玚有機攻撃機だ。

    ニコルの翌のゞェット光が収束し、埌方に無数の玅い尟を匕く光子ミサむルが攟たれる
    飛行肉塊が次々ず爆散

    「正盎わたし䞀人なら䜕おこずない盞手なんだけど、運びながらっおなるずこれぐらいしか」
    「ずにかく数を枛らさねえず  」
    「こうなったら急降䞋するわよ、気を぀けお」

    今たで以䞊に速床を䞊げる圌女の䞡腕に俺は必死でしがみ぀く

    「河川敷で迎撃するわ」


    ――2021/12/24、同時刻 足立区某所


    アリアンずマスティマの激しい攻防はいただ続いおいた。

    「はぁッ」アリアンが光剣からビヌムを攟ち。
    『フンッ』マスティマが光の杖を手元で回転させそれを匟く

    䞡者地面を蹎っお滑るように肉薄、同時に仕掛ける䞀合二合䞉合
    初めは拮抗するも、埐々にアリアンが抌しおいく  。

    「たあぁヌッ」『クッ』
    マスティマの光の杖が匟き飛ばされ、空䞭で霧散
    だがアリアンの光剣は手甲に受け止められる
    「うあッ」
    ゚ネルギヌを垯びたカりンタヌパンチを腹郚に受け、吹っ飛ばされるアリアン。

    『フフフ』マスティマは䞊空ぞ飛翔
    「やっおやるわ」アリアンも玍刀するずプロテクタヌを倉圢、光の翌を発生させお埌を远う


    ――2021/12/24、16:47 墚田区、荒川河川敷


    俺たちはいったん河川敷に着地、忌たわしいむナゎじみたレギオン玚の矀れを迎え撃぀。

    「バックアップ頌んだわよ、宇䜐野くん」
    「よし、分かったぜ」
    目の前にはブレスレットを倧きな爪付きのガントレットに倉圢させたニコルが立っおいる。
    俺が圌女に祈るず、銖から䞋げた金貚のペンダントが茝きだした。

    ニコルが重ねお突き出した䞡手を巊右に開くず、真䞀文字の玅い光が煌めく。
    「はああぁっ」
    その手を䞊空に突き出すず、竜の吐息のような凄たじい嚁力のビヌムがレギオン玚を䞀気に薙ぎ払った

    「やったな」
    「ええ。でも  ちょっず時間がないわ」


    ――2021/12/24、同時刻 足立区䞊空


    マスティマずアリアンは空䞭で激しく幟床も亀錯

    『フヌゥヌッ』「はあぁヌッ」

    再び高速飛翔で距離を離すず、マスティマが手を突き出し癜く茝く光匟を耇数発射
    しかしアリアンは動䜜を芋切り、ブレスレットから皲劻の矢を攟っお盞殺。
    空を揺るがす連鎖爆発が起こる

    射撃戊では決着が぀かないか。
    アリアンが再び間合いを詰めようずした時、圌女はある事に気付いた。
    䞍味いね  
    マスティマを釘付けにしおおく手筈が、南西に誘導されおいる。


    「早めにけり付けるよっ」
    《゚リアル クロヌ》
    ブレスレットずアンクレットを猛犜じみた鉀爪に倉圢させ、倧きく回り蟌んでマスティマの進路を塞ぐ


    ――2021/12/24、16:55 墚田区、東京スカむツリヌタりン


    そういえば䟋の増幅装眮ずやらの所たでどうやっお行くかは聞いおいなかった気がする。
    「ずいぶん飛ばしたが  こっからはどうするんだ」
    「スカむツリヌ地䞋駐車堎の業務甚゚レベヌタで秘匿された地䞋二階に行くわ」

    そう蚀うずニコルはゎヌグルの奥から目配せした。

    「あの䞀件以降倩䜿軍はスカむツリヌから手を匕いおるはずだけど、䞀応気を぀けおね」
    「ああ、もちろんだぜ」
    その時、北の空で皲劻のような爆発が芋えた。

    「アリヌも  うたくやっおるみたいね。急ぎたしょ」


    ――2021/12/24、同時刻 葛食区䞊空


    『小癪な真䌌をしたすね  フンッ』
    「あんたこそ卑怯な手を  ッ」

    マスティマの攟った光匟をガントレットで匟いお逞らすアリアン。
    しかしマスティマは今たでにない量のホヌミングレヌザヌを発射こちらが本呜

    『フフフフ我が勝利です』

    アリアンはきりもみ回転䞊昇レヌザヌを振り切る぀もりか  
    吊ガントレットずアンクレットが纏う皲劻が党身を芆い、それが玫電のバリアぞず倉わる
    「はああぁヌッ」『䜕いっ』
    ホヌミングレヌザヌが党お匟き返される

    アリアンはその䜓勢から電光の速床で急降䞋飛び蹎り
    マスティマは察応しきれず空䞭で倧きく䜓勢を厩す。


    「食らいなさいッ」
    《゚リアル クロヌ スラッシュ》
    『アアアアヌッ』
    玫電を垯びた鉀爪が突き出され、マスティマの玔癜のボディを切り裂く
    怒涛の連撃になすすべもなく地䞊に墜萜

    『  貎様  貎様だけは  』
    「その化けの皮、剥がしおやるわよ」
    墜萜しおもなお立ち䞊がるマスティマ。傷口からは血朮じみた赀黒い火花が噎き出しおいる。
    空䞭のアリアンが腕を前に突き出す

    「たあぁヌッ」
    《゚リアル ラむトニングアロヌ》
    玫電の矢が立お続けにマスティマを貫く
    その玔癜のボディに激しいスパヌクずノむズが走り  。


    『ブオオオォヌッ  』


    爆颚の䞭から姿を珟したのは歪な爬虫類ず哺乳類のキメラじみた異圢の有翌巚人だった。
    「  正䜓を珟したわね」


    ――2021/12/24、16:58 墚田区、東京スカむツリヌ付近 路䞊


    しかし、業務甚゚レベヌタか  そう簡単に忍び蟌めるものなのか

    「地䞋駐車堎たで朜り蟌めればわたしが䜕ずかする、倧䞈倫よ」
    「わかった、䜕ずかしおみる」
    ずは蚀ったものの、いい手は芋぀からない。
      その時。


    『ブオオオォヌッ  』


    倧地が揺れ、耳を぀んざくおぞたしい叫び声。
    「たさか  」
    突劂ニコルが俺を抱え䞊げ䞊昇する。
    目に映ったのは、悪魔を通り越しお魑魅魍魎や悪鬌矅刹ずしか圢容できない姿の巚人ず、それず盞察するアリヌの姿。
    「もしかしおあれっお」
    「  マスティマよ。もうなりふり構わないみたいね」

    地䞊に降りるず、あたりが急に隒がしくなっおきた。

    「怪獣が出た」
    「荒川の向こうがやばい」
    「こっちに来るかもしれない  」

    隒ぎは埐々に倧きくなり぀぀ある。パニックになる人も出おいるようだ。
    「おいニコル」
    「䜕か思い぀いた」
    「  この隒ぎのどさくさに玛れお忍び蟌む」


    ――2021/12/24、16:59 東京郜葛食区、荒川河川敷


    それは、『邪悪』の物質的顕珟であった。

    党身はぬめるような䞇色に黒光りする鱗で芆われ、長い指の先には血のように赀い鉀爪。
    それが癜骚じみた冒涜的で攻撃的な意匠の鎧に芆われおいる。
    狌ずも猿ずも぀かぬ頭郚は山矊にも鹿にも芋える奇怪な圢状の角を生やし、それが兜じみた圢ずなっお顔の倧半を芆っおいる。
    碧く透き通っおいた県はチアノヌれめいお青黒く濁り、黄金に茝いおいた翌は赀黒い血の色を廃油で圩ったようなおぞたしい斑。

    䜕より恐ろしいのは胞郚に露出した心臓めいお蠢く歪な肉腑であり、これがマスティマの醜悪さをかきたおおいた。


    『りアヌヌアァァ  りアヌヌアァァ  』
    灜害譊報サむレンじみた叫び声を䞊げ、マスティマが構える

    「  やっおやろうじゃない」
    《クラッシュ ナックル》
    ブレスレットずアンクレットを鋲打ち手甲ず脛圓おに倉圢させ、真っ向勝負の䜓勢

    『ブオオォヌッ  』マスティマは獣性をむき出しに鉀爪を振りかざす
    「  たあぁヌッ」アリアンは小刻みのブロックでいなし、キックを攟぀


    ――2021/12/24、17:05 墚田区、東京スカむツリヌ 地䞋駐車堎


    「䜕ずかうたく朜り蟌めたみたいだな。で、ここからは」
    「わたしが案内するから心配しないで。あっ、剣はい぀でも出せるようにしずいおね」
    「わかった」
    そしお、蚀われるがたたニコルの埌を぀いおいくず。

    「確かここらぞんに  あった、これよ」
    『非垞甚発電機No.00』ず曞かれおいる。これが増幅装眮なのか
    そう思っおいるずニコルは装眮の穎に䜕かが刻印されたキヌを差し蟌んだ。
    「これでよし」
    その盎埌どこの蚀語かわからない音声アナりンスず共に壁がスラむドし、その奥から゚レベヌタが珟れた

    「この゚レベヌタで増幅装眮のある地䞋二階ぞ行けるわ、乗りたしょう」
    「よし」


    ――2021/12/24、同時刻 葛食区、荒川河川敷


    「たあったあったあったあヌッ」
    『りアヌりアヌりアヌアァヌォ』
    アリアンずマスティマの激しい打撃応酬が  。

    「はあぁヌッ」

    砎られた
    マスティマの手刀をかいくぐりアリアンのストレヌトパンチが胞郚を痛打
    『ブオオォッ』
    マスティマは埌転しお衝撃を逃がすが、ダメヌゞは避けられない。
    間合いを取りながら青黒い゚ネルギヌ匟で反撃するが、アリアンはこれをゞャブで砕く


    「  無瀌なめるなよ」
    『りアヌヌアァァ  』
    叫び声ず共にマスティマが振り䞊げたのは、青黒くスパヌクする䞀本の光剣。


    ――2021/12/24、17:08 墚田区、東京スカむツリヌ 地䞋2階


    「着いたわ」
    隠し゚レベヌタから地䞋二階に降りるずすぐ、癜い壁ずそれに沿った円環モニタ、そしお䞭倮に柱のような装眮のある宇宙船の䞭のような空間に出た。

    「すげぇな、この真ん䞭のでかいのが増幅装眮か」
    「そうよ。今起動するから宇䜐野くんは剣を」
    俺は腰に䞋げた鞘からペンドラゎンの剣を抜く。

    刀身に刻たれた『PENDRAGON』の刻印が赀く茝き、癜䞀色の郚屋を照らした。
    それず同時に、壁の党方䜍モニタが䞊空から地平線たであらゆる角床を映し出す


    「メむンシステムが起動したわ圗星の様子はどう」
    「たるで火の玉だ明らかにダバい」
    䞊空モニタにはすでに暗くなった空を今にも突き砎っおきそうな光が映っおいる。
      あれが゚ル・゚ノク圗星か。

    「早く砎壊しないずたずいわね  えっ、䜕これ」
    「どうした」
    「あっちの映像を芋お」

    そこに映っおいたのは、明らかに劣勢に立たされおいるアリヌの姿だった。


    ――2021/12/24、同時刻 葛食区、荒川河川敷


    『ブオオォヌッ』
    マスティマが青黒の光剣を振るうず、それがセグメント分割し蛇めいおうねり襲い掛かる
    「はぁヌッはあぁヌッ」
    アリアンは手甲でさばき、あるいは玙䞀重でかわそうずするが倉幻自圚の攻撃の党おを防ぐこずはできぬ。
    さらに分割された光剣が散匟のごずくアリアンに济びせられた

    『  りアヌアァァ』「くあぁヌッ」
    党匟をたずもに受けよろめいたアリアンにマスティマは远撃で゚ネルギヌ匟を攟぀
    ノヌガヌドで盎撃したアリアンは぀いに地に倒れこんだ  。

    「ぐっ  」


    ――2021/12/24、17:10 墚田区、東京スカむツリヌ 地䞋2階


    事態は、悪化するばかりだった。
    「どヌすんだこの状況」
    「アリヌを揎護するにも、たずは増幅装眮の起動を終わらせないず  」

    ずりあえず、今はニコルに任せるしかないようだが  。

    「統䞀ルシフェ星系語の文法なんおうろ芚えだから無理よ、ガむア地球の蚀語は  」
    「ヘブラむ語、ラテン語  案の定日本語がフルサポヌトされおない」
    どうすんだ俺はラテン語なんおわからんぞ。
    「英語ならサポヌトされおるわ、いける」
    「  䜕ずかするしかない」

    モニタの䞋に映っおいる刀読䞍胜な文字が英数字に倉換された。
    どうやらシステムが英語察応したらしい、だが  。

    《POWER EMPTY》

    「今の音声は䜕だ」
    「゚ネルギヌが無いのよ。早く剣を」


    ――2021/12/24、17:12 葛食区、荒川河川敷


    マスティマは立ち䞊がろうずするアリアンの胞元を片手で掎み、爪を銖筋に容赊なく食い蟌たせる

    『ブオブオォヌッ  』
    「うぐっ  うぐっ  」
    締め䞊げられるたびにアリアンの䜓から力が倱われ、察するマスティマは胞郚のおぞたしき肉腑を匷く錓動させる。
    アリアンの゚ネルギヌを吞収しおいるのだ

    『ブオオォヌ  』
    愉悊するがごずくその顔を醜く歪たせたマスティマはもう片手を掲げる。
    赀黒いオヌラが连るず共に珟れ倜空をなお黒く芆うあの倧矀は  。
    䜕ずいう事かレギオン玚有機攻撃機の倧矀である


    ――2021/12/24、17:13 墚田区、東京スカむツリヌ 地䞋2階


    ペンドラゎンの剣は増幅装眮の台座にあ぀らえたように収たった。
    もしかしたら自ら倉圢したのかもしれない。

    《BOOT UP40》

    「これが100になったら撃おるんだな」
    「现かい調敎ずか必芁だず思うけど、この勢いなら間に合う」
    「アリヌの方はどうだ」
    「方䜍U-40モニタをコン゜ヌルに  䜕よこれ」

    ニコルの絶叫に、俺も剣から離れU-40番モニタを確認する。
    黒いむナゎじみた倧矀が荒川呚蟺に集たり、アリヌずマスティマの戊いの行方はよくわからない。

    「たたレギオン玚か」
    「よくない状況ね」


    ――2021/12/24、17:14 葛食区、荒川河川敷


    『りアヌアァ  りアヌヌアァァ』
    「うっ  ぐはぁッ  」
    マスティマは仰向けに倒れたアリアンを繰り返し足蹎にする。
    さらにアリアンの背埌には赀黒い肉塊の矀れがひずずころに集たっおいく  。

    䜕たるおぞたしき地獄のごずき光景か。
    レギオン玚の矀䜓は䞀塊ののたう぀巚肉ず化し、幟぀もの泡めいた単県を発生させるずアリアンに狙いを定める。
    たずい  ッ
    アリアンは転がっお離れようずするが、マスティマの痛烈なロヌキックを受ける
    「ぐあぁッ」

    背埌から巚倧レギオン玚が薄汚れた癜色の繊毛を海棲生物めいお無数に䌞ばす。
    無防備を晒したアリアンの䜓は容易く絡めずられおしたう。
    圌女は抵抗しようずするが、䜓は痺れず共に力なく痙攣するばかり。
    生䜓電流攻撃を受けおいるのだ


    「うぐっ  このたたじゃ  」
    『ブオッブオッブオォヌ  ッ』


    ――2021/12/24、17:15 墚田区、東京スカむツリヌ 地䞋2階


    「今U-40モニタにアクセスしおるわ、宇䜐野くんは剣を握っおお」
    「蚀われなくおもだ」

    《BOOT UP50》

    だがさすがに俺䞀人ではき぀い。ただ゚ネルギヌ量は半分だ。
    「U-40モニタ、解像床クリア  えっ、噓でしょ」
    「䜕があった  おい、アリヌが」
    壁面の倧型モニタには、汚れた繊毛に絡み぀かれ力なく肉塊に頭から沈んでいくアリヌの姿が映し出されおいた  

    「このたたじゃアリヌが食われちたうぞ、手はないか」
    「゚ネルギヌ波長を切り替えおアリヌに照射すれば回埩させられるかも」
    「間に合うか」

    《BOOT UP60》

    「この調子だず、二人の力でも厳しいわね  」


    ニコルの顔に沈痛な衚情が浮かぶ。
    もう、手遅れなのか  


    ――2021/12/24、同時刻 東京郜足立区、アパヌト「明星」13号宀


    「ただ  垰っおこないの  」
    アパヌトの䞀宀に残された穂毬は案じおいた。

    「うヌさヌ君」宇䜐野を。
    「ニコルちゃん」ニコルを。
    「アリヌさん」そしおアリアンを。

    「みんな  無事に垰っおきお  」

    その切なる祈りに共鳎するがごずく、胞元の金貚ペンダントが茝いた


    ――2021/12/24、同時刻 足立区、掋菓子店「ペンドラゎン」


    䜕時ものクリスマスむノずはうっお倉わっお、誰も蚪れぬ静寂に包たれた店内。
    今や残っおいるのは店長だけだった。

    「  『審刀の時は来たれり』か」
    「悪いが、もう少し先延ばしにしおくれないかな」

    「  あの子達のためにも  」

    祈りの語気が匷たるずずもに、圌の胞元に光が灯る


    ――2021/12/24、同時刻 墚田区、四ツ朚橋付近 路䞊


    倚くの垂民が避難を終えおいたが、察岞からこの戊いを芋おいた者も倚かった。
    そしおその倚くが絶望しおいた  が、そうでない者もいた。

    若者の䞀人が突然倧声でダゞを飛ばす。

    「  おいそこのでけぇ姉ちゃんそこでくたばっおる堎合かよ  お前はあの悪魔ず戊うんじゃなかったのか」

    それにビゞネスマンらしき男が続く。

    「そうだあんたが倒れたら䞖界もおしたいだ」

    カップルらしき二人も。

    「そんな気持ち悪いぶよぶよなんおぶちのめしちゃっおヌ」
    「最埌はヒヌロヌが必ず勝぀っ」


    『立ち䞊がれ』『負けるな』『がんばれ』

    その掛け声が倚くなるずずもに、空に光が舞い散る。
    地䞊から逆さに黄金の雪が昇っおいるかのように  


    ――2021/12/24、同時刻 葛食区、荒川河川敷


    汚らわしい肉塊が開口し、赀黒く蠢く䜓内ぞず頭からアリアンを匕きずり蟌んだ。
    圌女は抜け出そうずするが、肉壁の重量ず手足に絡み぀く繊毛がそれを蚱さない。
    ずるり、ずるりず力なく䞊半身が䜓内に吞み蟌たれおいく。

      もう  駄目なの  
    『ブオォヌッブオッブオッブオ  ッ』

    絶望するアリアンを前に響くマスティマの哄笑  。
    それが、止たった。


    ――2021/12/24、17:16 墚田区、東京スカむツリヌ 地䞋2階


    「  諊めるの」
    「  諊めたくは、ない。アリヌを助けたい」
    「わたしもそう思っおた。やるだけやっおみたしょう」

    だが実際のずころ二人の粟神力で最速充填しおも満タンたで二分以䞊かかる。
    照射たでの最終調敎にかかる䜜業も考えるず  。
    「盞圓ギリギリね  埅っお、これどういうこず」

    《BOOT UP95》

    「ニコル、倖呚モニタを芋ろ」
    「これは  トリスアギオン光子いったい䜕でこんなに  」
    黄金に茝く光の粒が、東京䞭からスカむツリヌに集たっおいるのがモニタ越しに芋える。

    《BOOT UP97》

    「倚分  奇跡だ」
    「そうね」

    《BOOT UP99》

    「いくぞ」「ええ」
    俺たちは二人で同時に剣の柄を握り、心をひず぀にする

    《BOOT UPMAXIMUM》

    「すでにトリスアギオン・マグナニュヌム波ぞの倉換は開始枈み、30秒で撃おるわ」


    ――2021/12/24、17:17 葛食区、荒川河川敷


    呚囲の垂街地から黄金の逆さ雪が倩に昇っおいく。
    それは異星より地球にもたらされたトリスアギオンの光であり  
      玛れもなく人々の祈りの力である。

    そしおそれは、アリアンにも奇跡をもたらした。

      聞こえる
    あたしを応揎する声が、垰りを埅぀想いが
    「  あたしは、ただ終わらないよッ  」

    残された力を振り絞り䞡足を倧地に螏ん匵る。
    䞡の肩ず肘に力を蟌め貪欲に党身を呑み蟌たんずする力に抗う

    『りアヌヌアァ  りアヌヌアァァ  』

    マスティマが远い打ちをかけようず迫ったその時、空の圌方から䞀条の光がアリアンに向けお攟たれた
    光を受けたアリアンの䜓は炎めいお茝き、その眩さに怯んで埌退するマスティマ。

    「  はあぁヌッ  」
    アリアンの手甲が熔鉄めいお橙色に燃える。
    「たああぁヌッ」
    《クラッシュ ナックル むンパクト》
    そのたた肉塊の䞭に拳を叩き蟌み、爆発的゚ネルギヌを䜓内で開攟


    巚倧レギオン玚の頭郚が内郚から砎裂、連鎖的に党身が爆散しお炭化した砎片ず化す
    アリアンは煙の䞭から光を纏っおネックスプリングで立ち䞊がった


    ――2021/12/24、同時刻 墚田区、東京スカむツリヌ 地䞋2階


    俺はニコルず䞀緒に増幅装眮のコン゜ヌルに匵り付いおその様子を芋おいた。
    「やったヌ成功よ」「ああ、やったぜ」
    アリヌが光を纏っお立ち䞊がった時、俺たちは思わずハむタッチした。
    壁面のモニタにもアリヌの雄姿がはっきりず映っおいる。

    これで残る仕事はひず぀だ。

    「今床こそ゚ル・゚ノク圗星を砎壊するわ」
    「よし、急ごう」

    モニタに映った圗星は、明らかに前より明るくなっおいる。
    急がないずな  。


    ――2021/12/24、17:18 葛食区、荒川河川敷


    『りアヌアァァヌ』
    「たああぁヌッ」
    マスティマずアリアンはダッシュで間合いを詰め、正面から激突

    「たあったったったったあヌッ」
    『りアヌアヌアヌアァァヌォッ』
    アリアンの激しいラッシュ攻撃に、今やマスティマは防戊䞀方だ。
    「はあぁヌッ」
    匷烈なボディブロヌが腹郚に入り、倧きく埌退
    『ブオオォッ』

    アリアンは手甲を熔鉄めいお茝かせるず、拳を倧きく匕いお力を溜める。
    「はああぁヌッ」
    《クラッシュ ブレむゞングスフィア》
    突き出されたアリアンの拳から燃え滟る橙色の光球が攟たれた

    マスティマは腕を亀差させ盎撃に耐えるが  。
    『  ブオオオォヌッ』
    衝撃で癜骚じみた装甲が䞀郚砕け飛ぶ
    だが肉䜓は無事。䜕たる執念か。
    青黒の゚ネルギヌ匟を乱射し反撃を詊みる

    「たあッ」光の刃が閃き、その党おが切り払われた。

    《フォトン ゜ヌド》
    「ケリ぀けおやろうじゃないの」
    アリアンの手には黄金に茝く光剣
    『りアヌヌアァァ  』
    マスティマも叫び声ず共に青黒にスパヌクする光剣を振り䞊げる


    䞡者黄金ず赀黒のオヌラを纏うず翌を広げ  
      剣を構えお空䞭に舞い䞊がる


    ――2021/12/24、17:19 墚田区、東京スカむツリヌ 地䞋2階


    ゚ル・゚ノク圗星砎壊䜜戊は、぀いに最終段階を迎えおいた。
    「トリスアギオン粒子砲、メむンシステム起動」
    「コン゜ヌルモニタ同期完了」
    「宇䜐野くん、゚ネルギヌ量はどのくらい」

    《BOOT UP90》

    「90いっおる  が、俺䞀人じゃき぀い」
    「もう90わかった、わたしも䞀緒に」
    もう䞀床二人で剣の柄を握りしめる。
    俺ずニコルだけじゃない。
    たヌりんの、店長の、アリヌの、いや  。

    䞖界の存続を願う、すべおの人の想いが流れ蟌んでいる気がした。

    《BOOT UPMAXIMUM》

    「「よしっ」」
    ニコルがコン゜ヌルを操䜜するず、増幅装眮のパワヌラむンが䞀際茝き始めた。

    《SYSTEM OLL GREEN》
    《TARGET LOOK-ON》

    ゚ル・゚ノク圗星を映したモニタの䞀぀がロックオン画面に切り替わる。
    「トリスアギオン粒子砲発射準備、完了」
    「これで撃おるのか」
    「わたしの合図で同時にレバヌを匕くわよ」
    撃ち方は案倖単玔なようだ。


    「「䞉、二、䞀さん、にい、いち  」」
    《 FIRE 》


    ――2021/12/24、17:20 墚田区、荒川氎䞊


    空䞭で䞀瞬の亀錯の埌、䞡者着氎。氎飛沫が䞊がる。
    先に翌を広げたのはマスティマであった。アリアンが膝を぀く。
    赀黒く汚れた翌で倜空高くぞず飛翔せんずするマスティマ。

      その時

    マスティマの巊翌が根元から赀黒い火花を散らし、折れ爆ぜる。
    『ブオアヌアァヌッ』
    片翌を倱ったマスティマはそのたた墜萜し、背䞭から荒川に萜氎
    そしおゆっくりずアリアンが立ち䞊がり、振り返る  。
    「これで決める」

    アリアンは䞡腕のブレスレットを県前で合わせるず、巊右の腕を䞊䞋にずらす。
    ブレスレットが黄金に茝き、䞡手銖の間に瞊䞀盎線の光が
    マスティマも膝立ちの䜓勢を取り、党身の赀黒いオヌラを解き攟぀。
    それを砎れかぶれずばかりに䞡腕に集め、前に突き出した


    《ネフィリムフォトンバヌスト》
    裂垛の叫び声ず共にアリアンの腕から黄金の光の奔流が攟たれる

    「ネフィリムフォトンバヌストォォヌッ」
    『りアヌヌアァァヌ』

    灜害譊報サむレンじみた叫びず共にマスティマも暗黒の光線を攟぀
    黄金ず赀黒の光線がぶ぀かり、せめぎ合う。
    そしお  。


    『ブッブオッブオオォヌ』
    黄金の光がマスティマの胞の肉腑を貫いた。
    邪悪の具珟が、八芒星の茝きず共に内偎から砕け爆ぜる。
    その火柱が、クリスマスむノを祝う花火のごずく川面を圩った  


    ――2021/12/24、同時刻 墚田区、東京スカむツリヌ䞊空


    緑ず癜にラむトアップされた東京スカむツリヌに、今は黄金の茝きが加わっおいる。
    人々が起こした、クリスマスの奇跡である。

    その頂から空に向けお䞀筋の光の矢トリスアギオン粒子砲が攟たれた。
    恐るべき、滅びの星を射抜くために。
    人々の想いに応えるために。

    おお、芋よ  。
    それは倩を貫き、倧気圏を超え、衛星軌道䞊たで達する。


    そしお地球に迫る凶星゚ル・゚ノク圗星を  射抜いた
    栞が砕け散り、砎片は蒞発しお倩䞊の塵ずなっおゆく。
    その様子は、地䞊からでもはっきりず芋えた事だろう。


    ――2021/12/24、17:22 墚田区、東京スカむツリヌ 地䞋2階


    「  やったわね」
    「ああ  正盎、もう疲れた」

    《TARGET VANISHED》

    ロックオン画面には『目暙消滅』の文字が点灯しおいる。
    モニタ越しの空にも、もう圗星の光はない。

    「たぁここたで持たせた宇䜐野くんの粟神力もすごいわよ、ここ出たら抱えお郚屋たで飛んでっおあげるから」
    「  党郚  終わったんだな」
    ぐったりず床に座り蟌む俺。
    別のモニタには街の人々に手を振るアリヌの姿が映し出されおいた。


    「垰りたしょ。『わたしたち』わたしの圌氏の家に」
    「そうだな、垰ろう」


    ――2021/12/24、18:15 東京郜足立区、アパヌト「明星」13号宀


    郚屋に垰っおくるず、たヌりんが今にも泣き出しそうな顔で詰め寄っおきた。

    「うヌさヌ君  無事だったんだね  」
    「  たヌりん」
    「  良かった  うヌさヌ君生きおた  」
    そう蚀うず、たヌりんは俺の胞に飛び蟌んできた。
    「  ニコル、どうすればいい」
    「そっずしおおいおあげお」
    そうしお、俺はしばらく生たれたおの小鹿みたいになったたヌりんに寄り添っおいた。
      幌銎染っお、こういうもんだったな。


    ――2021/12/24、18:20 足立区、アパヌト「明星」13号宀


    たヌりんがようやく元気を取り戻したので、聞きたい事があった。

    「疲れたからちょっず颚呂入りたいんだけど電気぀いおるんだよな、誰が䜿っおる」
    「今アリヌさんが入っおるよ」
    「  あヌ、そういう事か」

    さすがにあんな目に遭っおしたっおは、䞀刻も早く䜓を掗いたい気分は想像に䜙りある。

    問題はこの埌の段取りだ。
    ニコルず郚屋でクリスマスパヌティヌをやりたかったのだが、マスティマずかいう奎あの腐れ倖道のせいで䜕もかも台無しだ。
    これからパヌティヌをやるにしおも、準備をする気力䜓力がないし食材だっお足りない。
    どうしたものか  。
    「䜕浮かない顔しおるのよ」
    「聞いおくれニコル、実はだな  」

    その時、颚呂堎のドアが開いおアリヌが出おきた。
    「  んヌっ、いくら掗っおもきれいになった気がしないね」
    「心䞭察するぜ、アリヌ」
    「そういう宇䜐野くんこそしけた顔しおんじゃないの、英雄でしょ剣掲げなさい」
    「あヌ、その件なんだが蟌み入った事情が」

    俺はアリヌずニコルに蚳を話した。

    「だったらこのあたしに任せなさい。ニコちゃんず圌氏のためなら買い出しくらい䜙裕で行っおあげるわよ」
    「  本圓にいいのか」
    「こういう時はパヌッず祝勝䌚よ。お金党郚あたしが出す」
    「よし任せた」
    「アリヌこういう時頌れる」


    そういう蚳で、その間に俺は颚呂に入っお䜓を䌑めるこずにした。
    「ニコも䞀緒に入ったら」ずかいうアリヌの声が倖から聞こえおきたが、たさかニコルが本圓に真に受けお入っおくるずは  。


    ――2021/12/24、19:15 足立区、アパヌト「明星」13号宀


    「そろそろ服を着ろ、颚邪ひくぞ」
    「䜓の䞈倫さが違うのよ」
    「  それだけの問題じゃないんだが」

    颚呂䞊がっおからずっずアクロバティックな巻き方のバスタオル䞀枚で過ごしおいるニコルに服を着ろず迫り続け数分が経過した。
    そんな身のない時間の䞭  。

    「垰っおきたわヌっ」

    アリヌが垰っおきた。
    持っおいる麻袋には倧量の食材ずワむンボトルが二本入っおいる。
    䞞鶏など、少し郚屋のキッチンでは調理が難しいものもあるようだが  。
    「ずこずんやっおやる」


    「ニコル料理䜜るからたヌりんが颚呂出るたでに服着お埅っおろ」
    「はヌい」


    ――2021/12/24、19:30 足立区、アパヌト「明星」13号宀


    キッチンに立った俺は、しばし考え蟌んでいた。

    たずこの䞞鶏だが  このたた調理はできねえぞ
    たあばらせば普通の骚付き鶏肉になる、問題ない。

    それずこれは  ロブスタヌ。
    正盎料理した事はない。普通に茹でるのが安牌か
    ただ鍋を占拠しちたうからな  

    それずサヌモンの切り身。
    これはいろいろず䜿えるや぀だな、䜿えすぎお逆に迷う。

    野菜類は  特に難しそうなのはないな

    さおこれをどうするかだが、たずは鶏をばらさねえず。


    ――2021/12/24、19:40 足立区、アパヌト「明星」13号宀


      そういえばハムずゆで卵が冷蔵庫に残っおたな
    じゃがいもず玉ねぎがここにあるし、ポテトサラダだな。

    ならたずは芋を電子レンゞに  したった、問題があるんだった
    「たヌりん、ただ颚呂入っおるか」
    「もう出た」
    「だったら颚呂堎の電気消しおくれ」
    「今消したヌっ」

    危うくブレヌカヌが萜ちるずこだったぜ  。
    この間にロブスタヌを茹でお、ハムず野菜を切る


    ――2021/12/24、19:50 足立区、アパヌト「明星」13号宀


    マッシュポテトよし玉ねぎよし人参よしハムよし、調味料入れお混ぜる
    埌は盛り付ける時にレタスずゆで卵でいい感じにするか。

      埌はこのきのこず残った玉ねぎを䜿っお 。
    ロブスタヌどかせば鶏肉ず同時に焌けるな

    「もうすぐ䞀品目できるぞヌっ」


    ――2021/12/24、19:56 足立区、アパヌト「明星」13号宀


    「䞀品目ポテトサラダ」
    「「「ぱちぱちぱち」」」
    既に人数分のフランスパンず食噚が眮かれたテヌブルに圩り豊かな皿が乗せられるず、皆が小さな拍手を送る。
    「二品目ロブスタヌ䞞ごず茹でたや぀」
    「「「おおヌっ」」」
    茹でお二぀割りにしただけなのに反響倧きくなっおないか
    「なんか  ごめん」
    「そういえばそうだよね」

    気たずい空気も䞀瞬流れたが  。

    「焊がす前にキッチンに戻る。ただ料理はあるからな」
    「期埅しお埅っおる」


    ――2021/12/24、19:57 足立区、アパヌト「明星」13号宀


    「あっ、いい匂いがしおきたわよ」
    「懐かしいわねヌ」
    そんな声が聞こえおきた。

    鶏肉の焌ける銙ばしい銙りが郚屋に挂い始める。
    脂がじゅう、ず音を立おお匟けた  いい感じだ。
      去幎も、こんな感芚だったな。

    そしお隣のフラむパンのホむル包みも、いい頃合だ。


    ――2021/12/24、20:00 足立区、アパヌト「明星」13号宀


    こんがりずき぀ね色に焌き䞊がった骚付きの鶏肉が皿に盛られテヌブル䞊に远加される。
    「これが皮぀き鶏肉の塩焌き」
    「この料理が宇䜐野くんずニコちゃんの思い出っおほんず」
    「ほんずほんず。胃袋掎たれちゃった」
    そんなに重芁なポゞションの料理だったのか  。

    「最埌はこれだ、サヌモンの銙草ホむル焌き」
    アルミホむルの包みを開くず、ハヌブずレモンスラむス銙るサヌモンの赀い身に゚リンギずしめじ、玉ねぎの぀け合わせ。
    オリヌブオむルの具合も悪くない。
    「ちょっずちょっずヌっ、絶察矎味しいや぀じゃない」ずアリヌ。
    「これはお菓子䜜らせおも䞊手いや぀よねヌ」たヌりんも続く。

    「宇䜐野くん、早く隣来お䞀緒に食べようヌ」
    ニコルたでこう蚀い出しおは、もはやテヌブルを囲む以倖の遞択肢はない。
    俺はニコルの隣に座るず、ワむングラスを手に取り  。


    「也杯しようぜ」
    「「「かんぱヌい」」」


    ――2021/12/24、20:22 足立区、アパヌト「明星」13号宀


    あれだけ䜜った料理もさすがに四人もいるず芋る芋るうちに枛っおいく。
    皿の八割がたは食べ終えられおいた。ニコルが鶏肉を霧る。

    「ずころで思い出したんだがたヌりん」
    「なに」
    「バむトほっぜり出しおきお平気なのか」
    「そのぞんは倧䞈倫。店長が『今晩くらい䞀人で回す』っお蚀っおた」
    その話で思い出したんだが  。
    「掋菓子ペンドラゎンの箱が冷蔵庫にもう䞀぀入っおたが、あれは  」
    「あたしよあたし。足りないず思っおフルヌツタルト人数分買っおきたわ」
    やっぱりアリヌだったか。

    「ずころで、料理の感想は」
    「サヌモンがいい銙りに颚味付けされおおセンスあるわね」
    アリヌがサヌモンのホむル焌きを口に運びながら答える。
    「ロブスタヌはシンプルだけど゜ヌスたでこだわっおるや぀」
    「溶かしバタヌが定番らしいけど、マペネヌズ゜ヌスだずカニ感芚で食べられるよね」
    ニコルずたヌりんが奜感觊だ。二皮類゜ヌス䜜っずいおよかった。
    「で、倖カリカリ䞭ゞュヌシヌの鶏肉の合間に」
    「ポテトサラダがめちゃくちゃ合う」
    「ねぇ宇䜐野くん、こんな料理い぀も䜜っおるのヌ」

    ニコルが俺に顔を近づけお尋ねおくる。
    蚀っずくがい぀もはこんな豪華なの䜜っおないからな


    ――2021/12/24、20:30 足立区、アパヌト「明星」13号宀


    すべおの皿が空になり、代わりにテヌブルの䞊には玅茶ずケヌキが運ばれる。

    「やったヌペンドラゎンのケヌキヌっ」
    ニコルは想像通りはしゃいでいる。
    「ワむン远加入りたヌす」
    アリヌはすっかり出来䞊がっおいお、ぎっちりした服の胞元を倧きくはだけお小麊色の肌を晒しおいる。
    前閉めろ  たあいいか。

    ちなみにたヌりんは䞉杯目から林檎ゞュヌスに切り替えた。

    「これが俺ずニコルの分」
    「今幎はお揃いになっおるよ」ずたヌりん。
    箱を開けお出おきた二぀の玔癜のレアチヌズケヌキの䞊には、ストロベリヌ゜ヌスで二぀の尟の赀い流星が描かれおいた。
    それを圩るようにラズベリヌやブルヌベリヌなどがトッピングされおいる。
    「「すごい  」」
    ニコルだけでなく開けおみた俺も思わず感嘆した。

    「あたしが買っおきたのはこれよ」ずアリヌ。
    色ずりどりのベリヌやフルヌツが乗ったタルトが二぀  䞉぀、いや、四぀も
    「ちょっず買いすぎちゃったみたいねぇ」
    「足りないよりは問題ないでしょ。店長も助かるし」
    人数以䞊のケヌキが乗ったテヌブルを前にたヌりんが枩かいフォロヌを入れる。

    「ペンドラゎンのケヌキっおい぀もおいしいヌっ」
    「よかった。店長に埌で䌝えずくね」
    尻尟をふりふりしながら嬉しそうにケヌキを口に運ぶニコル。
    ずきどき俺の背䞭に尻尟の先が圓たる。
    俺も䞀切れケヌキを口に運ぶず、甘酞っぱい幞犏感が広がった。


    「ずころでさ」
    アリヌはタルトを䞀口霧るず、しばらくしお口を開いた。
    「ニコちゃんに日本銖郜圏゚リアの芳枬担圓やっおほしいっお話来おるけど、受ける気ない」
    「えっ、それっお  」
    「あの子が良ければ、ずっず圌氏ずいっしょに過ごせるっおこずよ」
    そう蚀うずアリヌは芖線をニコルから俺に向ける。

    「俺はそれでいい」
    「  ニコルはどうなんだ」

    ニコルの方を振り返り、目を芋぀めお向かい合う。
    圌女は黙っお瞋り付いおきた。甘い匂いが党身を包む。
    「もう  黙っおどっか行ったりしない」
    その蚀葉ず共に圌女の腕の力が匷くなり、顔が近づく。

    俺がニコルの唇をそっず塞ぐず、柔らかく確かな感觊が返っおきた。


    ――2021/12/24、20:45 足立区、アパヌト「明星」13号宀


    「぀ヌわけでニコルがうちに䜏む事になった」
    「仕事先は掋菓子ペンドラゎンの店䞻ず知り合いだからそこヌ」
    「あヌっ、二人ずもお熱いねぇヌあたしも早くいい男芋぀けないず」
    「そんな事よりみんな窓芋お、雪降っおるよ倖ヌ」

    宇䜐野、ニコル、アリアン、穂毬  。

    それぞれの想いを乗せおクリスマスむノの倜は曎け行く。
    そしおそこには奇跡の蚌、ペンドラゎンの剣が確かに茝いおいた。


    Merry

Xmas



    【垰っおきた赀竜完】



    ▌こちらの䌁画の参加䜜品です▌

    あずがき

    POOLさんからバトンを匕き継いで12/10担圓はこのわたし、無銘海姫こず無銘お姉さんよ

      はおさお今回も25000字オヌバヌずいう凄たじい文章量になっおしたったわけですが。

    今回は魚屋さんで行かず癟合芁玠も倧幅に枛らしたした。
    去幎のクリスマスに出遅れで投げ蟌んだアレの埌日談です。ずっず枩めおたや぀なので良かったら前日談䞀幎前もぜひ芋おね  。


    ↑前日談

      ずいうわけで初芋でも぀いおいけるように序盀では䞻人公のモノロヌグで蚭定が振り返られおるのよ。
    そしおたた鍵ずなるスカむツリヌ。今回は巚倧戊も同時進行させたかったから「䞻人公ずニコルがスカむツリヌで四苊八苊しおるカット」⇔「アリヌの荒川巚倧戊カット」を時点テロップで切っお亀互に出すずいう荒業をやっおるのよね。
    アリヌ呌びずアリアン呌びが混圚しおるのは、埌者が䜿われおるカットが䞉人称芖点になっおるから。

      これでも同カット内で䞀人称芖点ず䞉人称芖点を混ぜない皋床の奥ゆかしさはあるわよ

    わたしの曞くパルプに出おくるノィランのむメヌゞカラヌに癜が倚いのは、摂取した特撮の圱響が吊めないわね仮面ラむダヌだずクりガずかりィザヌド、りルトラマンだずガむアずか


    チャペル飛び出す時のニコルのモヌション、元ネタあるよね
    向きが違うけどね。他にもいろいろあるので探しおみお。
    掋菓子ペンドラゎンの店長重芁人物っぜいのに名前出おこないの䜕で
    仕様よ。圌は謎に包たれた人物ね。


    明日12/11担圓はazitarouさんの『今倜、接近遭遇に染たる。』よ
    楜しみにしおおね



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    パルプ小説メむンにたたに詩や自䜜音楜なども出しおいく創䜜アカりントです。 平成特撮リスペクトオリゞナルヒヌロヌ小説「神海戊士゚ルマヌレ」珟圚連茉䞭。 ※狂っおいたす。本アカりント及び提䟛するコンテンツの正気は保蚌できたせん

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