メむンコンテンツぞスキップ
芋出し画像

カクテルず䜙癜:39・篠厎茉莉子【青本の䞭の砂挠③】Season4

    『星の王子さたサンテグゞュペリ』
    D'aprÚs "Le Petit Prince" d'Antoine de Saint-Exupéry  より

    🍞前回のお話しはこちら🔜

    🎌🎹今回の゚ピ゜ヌドに合っおいる曲をみ぀けおたいりたした。
    宜しければ、お聎きになりながらお読みください🔜

    ✏ You Oughta Know By Now
    ( 䜜詞・䜜曲 )
    デノィッド・フォスタヌ
    レむ・ケネディ
    ゞャック・コンラッド
    ( 歌 ) レむ・ケネディ

    🍞🍞🍞
     「がくを芋぀けお  こちらはシ゚ルズ・キャメル  
    ガヌガ  ガヌガヌ  キヌン  がくを芋぀けお  」

    その奇劙な信号ず音声は繰り返される。
    サキはボリュヌムノブをわずかに回しおノむズを敎理した。

    『真に迫っおいるラゞオドラマね  』

    しかし、圌女が今䞀番聎きたいのは、既に攟送開始時刻を過ぎおいるはずの『青葉通り・ブルヌりィンド25時』である。

    それでも、深倜の静寂に響く男児の必死な声ずいう蚭定の劙に、ふず興味が湧いた。

    『この挔技をしおいる声優の子圹は、䞀䜓誰だろう』

    サキがそんなこずを考えおいたその時、

    「こちら  シ゚ルズ・キャメル  
    今倜もダメかな  あ  」

    ず、ラゞオからノむズが完党に消倱した。

    ピヌヌヌンずいう高い電子音が耳を貫いた盎埌、スピヌカヌから

    うヌぱヌわヌぱヌ
    うヌぱヌわヌぱヌ

    ず、サむレンのようでもあり、耇数の人間が同時に囁いおいるようにも聞こえる䞍思議な音が挏れ出した。

    「あやったあああ゚コヌが返っおきた。むンタヌセプト  コンタクトできたぞ。ロックオン」
    ず、少幎が叫んだ。

    「うわあ  私、絶劙なタむミングでラゞオドラマにシンクロしちゃったのね」ずサキは驚き぀぀も、どこか胞が高鳎るのを感じた。

    画像
    謎の攟送を聎くサキ

     そのワクワクするような挔出の続きに耳をそばだおおいるず、ラゞオの䞭の少幎の声が語りかけお来た。

    「聎こえおいる聎こえおいるはず  
    だよね  お願い、返事をしお」
    ず、切迫した声で呌びかけおくる。

    そのあたりのリアリティに誘われ、サキは思わず、
    「はヌい」
    ず、ラゞオの向こうの誰かぞ笑いかけながら、無邪気に応答した。

    ラゞオに向かっお応えおもその返事が届くはずはない。サキの返事に被せるようにラゞオの少幎は語りかけた。

    「聞こえおいるよね受信機に䞡手でしっかり觊れおみお。今から゚ネルギヌ波を送るから」
    困惑し぀぀もサキは䞍敵な笑みを浮かべる。

    ゚ネルギヌ波、ず来たか。ふふふ。
    物理のシロヌトかあ  
    流石はSF番組ね。そんなものが波動で送れたら苊劎は芁らないわ。

    内心では銬鹿銬鹿しいず思い぀぀も、サキは面癜がっおクヌガを䞡手でしっかりず握りしめた。

    「あうわあやったあ。䌝導した。゚コヌでわかったよ。
    ありがずう。今からその受信機を少し改造するね」

    「はいはい、そろそろチャンネルを倉えたいのだけど  」
    サキが呆れたようにそう蚀い捚おた瞬間、クヌガの電源ランプが激しく点滅を始めた。

    ピカッ、ピカッ、ず芏則正しく繰り返されるその光はやがお䞀点の萜ち着いた茝きぞず収束しおいく。

    「䜕これ電波ゞャックわかった、アマチュア無線を䜿った悪質な悪戯ね」サキは憀然ずしお呚囲を鋭く芋枡した。

    隠しカメラや盗聎噚がどこかに仕掛けられおいるのかもしれないず、圌女は郚屋の隅々を譊戒心たっぷりに凝芖した。

    ラゞオの少幎は、喜びの声ずずもに叫んでいる。

    「たずは、目を閉じお  なんでもいいから、図圢か蚘号を念じおみお。5秒でいいんだ」

    普段のサキならばここで呆れお受信機を攟り投げたかもしれない。
    しかし掗濯機が止たるたではただ数分もの猶予がある。

    埗䜓の知れない盗聎などぞの譊戒心は消えないものの、悪戯なら悪戯で最埌たで付き合っおやるずいう冷ややかな奜奇心が勝った。

    図圢や蚘号を念じればいいのね、ず心の䞭で反芻しながら、サキは深く息を吐き出し、ゆっくりず瞌を閉じお粟神を集䞭させる。

    それならば  私が今思い浮かべおいるこの図圢が、たさかあちらに䌝わるなんおあるはずがない。

    圓然の確信だった。

    オカルトも、宗教も、サキの心の䞭に入る䜙地は1ミリもない。
    それだけに、譊戒心ず猜疑心は䞀局匷たっおいた。

    画像
    サキの心の䞭のスケッチブック
    (実際には持っおいたせん)

    その瞬間だった。
    静たり返っおいた郚屋に、クヌガから硬質な信号音が鳎り響き始めた。

    ピッ、ピッ、ピッずいう芏則的な電子音に合わせお、先ほどたで沈黙しおいた電源ランプが呌応するように再び点滅を繰り返し始めた。

    「えっ  䜕これ、どういうこず」
    サキは動揺のあたり目を開けたが、ランプは止たらない。

    「届いたよ芋えた。青、黄、青、そしお  緑」
    ラゞオの少幎が告げたその色の配列を聞いた瞬間、サキの心臓が跳ね䞊がった。

    「私が今さっき、瞌の裏で思い描いおいた色そのものだ」

    鳥肌が党身を駆け巡り、背筋が凍り぀くような感芚に囚われる。

    「ありがずう  これ  お薬だね。
    でも、がくにはこんなに沢山のお薬は芁らないよ、ふふ  」

    少幎が笑いを含んだ声でそう囁くず、サキは蚀葉を倱い、ただ目の前の機械が発する光を呆然ず芋぀めるこずしかできなかった。
    果たしおこれは  どんなトリックなのだろう

    🍞🍞🍞

    🎌🎹ここからのむメヌゞ曲です。
    宜しければお聎きになりながらお読みください。🔜

    ✏ 守っおあげたい
    ( 䜜詞・䜜曲 ) 束任谷 由実
    ( 歌 ) りあ

    🍞🍞🍞
     時は4幎の歳月を遡る。

    サキにずっおその春は、宿願であった宮城県立広瀬川高校ぞの入孊ずいう茝かしい蚘憶から始たった。

    画像
    サキの母校

     宮城県立広瀬川高校は、幌い頃から䞡芪に期埅され、半ば匷制のように目指しおきた県䞋有数の進孊校だったが、䞭孊時代を経お、それはい぀しかサキ自身が匷く憧れを抱く倢の堎所ぞず倉わっおいた。噂に聎く孊颚が玠晎らしかったのだ。

    䟋えば、自由な校颚で知られるこの高校の入孊匏は、あたりにも鮮烈だった。

    壇䞊に立った柀村校長の挚拶は、わずか分にも満たなかった。

    初々しい十六歳の新入生ず、圌らを迎える圚校生を前に、校長は穏やかな県差しで告げる。

    「皆さん、ようこそ『ひろたか』ぞ。
    この孊校の校則は、皆さんが今、身にたずっおいる制服の色、それだけです。

    広瀬川の枅流を象城する淡青色。
    それが我が校の粟神であり、唯䞀の決たりです。

    私たち教員は、君たちの理性ず知性を信じおいたす。

    今日から、皆さんは私たちの仲間です。
    皆さんが『ひろたか』生なのです。
    入孊おめでずう」

    その簡朔で力匷い蚀葉を、サキはその時、生涯忘れるこずはないだろうず確信した。

    そしおさらにそのスピヌチの盎埌、䞊玚生たちが攟った反応がこの孊校の匷烈な個性を象城しおいた。

    ヒュヌ🎵ヒュヌ🎵
    うおおお🎵

    䌚堎を埋め尜くす歓声ず指笛、たばらな拍手の䞭、

    「いいぞ校長」
    「今日はキマッおるね」
    「柀村くん玠敵よ。最高」
    「いや、ただスピヌチ長い笑」

    ず、たるでお祭りのように先茩たちが盛り䞊がる。

    手鏡を取り出しお髪の毛を盎す女子生埒。倧欠䌞をしおいる者  。

    それに察し校長は右手を挙げお軜やかに呌応し、居䞊ぶ教垫たちは衚情ひず぀倉えおいない。

    教員に察しおあたりに自由奔攟なその態床にサキは目を䞞くしたが、入孊埌すぐにその自由の裏にある責任ず自芚の重さを教えられた。

    本圓に校則がなく、教垫による生掻指導も皆無。
    遅刻や早退さえも生埒の自己刀断に委ねられおいた。

    しかし、校内には芏埋が息づいおいた。
    隠れお喫煙をする者は誰䞀人ずしおおらず、陰湿で幌皚な争いも存圚しなかった。

    その代わり、始業前にはリヌれントを完璧にキメた先茩たちが、我先にず箒を手に取り、黙々ず校庭を枅掃する光景が日垞ずなっおいた。

    1人1人が母校愛に溢れおいた。それは匷烈な個性ず自尊心に支えられおもいた。

    倧人ずしおの高い自芚を背負った先茩たちの背䞭を通じ、サキは倚くのこずを孊び取った。

    自分もたたその『ひろたか』の䞀員であるずいう事実に、サキは胞の奥から蟌み䞊げる誇りを感じおいた。

    画像
    浅圢サキ(16æ­³)
    『ひろたか』1幎生

     5月の連䌑が明けた頃、サキは硬匏野球郚のマネヌゞャヌずしお新たな䞀歩を螏み出しおいた。

    サキは、もずもずはバスケットボヌル郚に所属し、自らコヌトを駆け回っお癜球ならぬ籠球を远いかけるプレむダヌだった。

    しかし、野球のスコアブックを完璧に付けられるずいう、趣味で芚えた意倖な特技を、担任であり野球郚郚長でもある「ゲチャ」先生に芋぀かっおしたったのが運呜の分かれ道だった。

    ゲチャ先生からの、熱意ずいう名の半ば匷制に近い猛烈な勧誘に抗いきれず、サキは流されるように野球郚ぞず籍を移すこずになったのである。

    実はこの時、サキは内心、ずおも嬉しかったのであるが。

    この電撃移籍の裏では、ゲチャ先生がバスケ郚顧問のもずぞ盎談刀に赎き、倧切な郚員を匕き抜く無瀌を文字通り平䌏䜎頭で平謝りしおサキを譲り受けおいたずいう。

    たた、嚘の転郚を知った䞡芪は、自分自身が汗だらけになっおプレヌしないマネヌゞャヌずいう立堎ならば、身䜓的な疲劎も少なくなる。
    空いた時間を倧孊受隓の勉匷に目䞀杯打ち蟌めるはずだず、倧いに賛成しおくれた。

    しかし、いざ蓋を開けお緎習に参加しおみるず、䞡芪のそんな淡い期埅は朚っ端埮塵に打ち砕かれるこずずなる。

     日々の緎習に向けた事前の準備から、緎習䞭の目たぐるしいサポヌト、そしお遅くたで続くグラりンドの埌片付けに至るたで、遞手たちがボヌルを远っおいない時間でさえマネヌゞャヌの手を必芁ずする仕事は山のように存圚した。

    肉䜓を酷䜿しお自分でプレヌしおいる方がよほど粟神的にも身䜓的にも楜だったのではないかず、サキは早々に思い知らされるこずになった。

    県内最高峰の座を誇る進孊校である広瀬川高校は、勉匷だけでなく、文歊䞡道を掲げる各郚掻動の熱量もたた、本気そのものだったのである。

    画像
    先茩、篠厎茉莉子
    サキを実の効のように可愛がった。

     野球郚もたた、100幎を超える茝かしい校史の䞭で、甲子園出堎の倢こそ果たせおいなかったものの、毎幎の県予遞では必ずず蚀っおいいほど䞊䜍に名を぀らねる䌝統の匷豪校であった。

    そんな猛者たちが集う野球郚には、サキより1孊幎先茩にあたる女子マネヌゞャヌの篠厎茉莉子がいた。

    これたで広瀬川高校の広いグラりンドで、たった1人の女子マネヌゞャヌずしお健気に郚員たちを支え続けおきた茉莉子は、サキずいう心匷い埌茩の入郚を我がこずのように倧歓迎し、2人はたるで実の姉効のように瞬く間に打ち解けおいった。

     知識ずしおは野球ずいうスポヌツに人䞀倍詳しかったサキだったが、いざ勝利を至䞊呜題ずする本気の高校野球の珟堎に身を眮くずなれば、勝手が違うこずばかりで話はたったく別だった。

    グラりンドを飛び亀う怒号のような声や、空気を切り裂く球音に圧倒されそうになりながらも、サキは頌れる先茩である茉莉子の背䞭を远いかけた。

    巚倧なダカンの甚意から、おにぎりの準備、郚員たちの䜓調管理に至るたで、マネヌゞャヌずしおの现やかな、そしお膚倧な仕事を䞀぀ひず぀䞁寧に教わっおいくのだった。

     しかしサキの入郚盎埌、監督が、自らの本業の事情から、急遜退任するずいう衝撃の事件が起き、倏の予遞を控えた郚員たちは激しく動揺した。

    画像
    広瀬川高等孊校
    野球郚監督・葉柀

     そこに新監督ずしお赎任しおきたのが葉柀であり、高校生掻そのものが新鮮な驚きに満ちおいたサキたちにずっお、この颚倉わりな新監督の存圚もたた、さらなる驚きの連続ずなるのだった。

    🍞🍞🍞

     新宿の深倜のコむンランドリヌで、サキはラゞオに䞡手を眮いたたた、身じろぎ䞀぀できずに硬盎しおいた。

    「どういう事なぜわかったの」
    ずいう圌女の疑問を眮き去りにしたたた、ラゞオの䞻は平然ず続けた。圓然の事ではあるが、こちらの声は届いおいない様子だ。

    少幎の声が聞こえお来る。
    「さっきも蚀ったけど、今からそっちの受信機を少し改造させおもらうね」

    サキは慌おた。
    「ちょ  ちょっず『改造』っお䜕壊さないでよ」
    サキは思わず叫び声を挙げた。

    「うん、できたはずだ、スピヌカヌを双方向性に倉えおマむクの働きを持たせたから、なんか話しおみお」
    ず促した。

    サキが思わず「䜕それ」ず小さく叫ぶず、ラゞオの向こうの少幎は
    「あれ女性だね聎こえたよ」
    ず応じおきた。

    恐怖ず怒りが頂点に達したサキが
    「やめお盗聎マむクねこの郚屋のどこかに  」

    圌女は、力任せにスむッチをひねりラゞオを消した。

    その時、ちょうど掗濯終了を告げるチャむムが、静たり返った店内に鳎り響いた。

    サキは脱氎盎埌の湿った掗濯物を急いで玙袋ぞ抌し蟌むず、逃げるように、足早にコむンランドリヌを埌にした。

    【次回䜜はこちら】🔜

    (服装デザむン協力  Ms.いちか )
    (ダむデン倧䜐䜜画  ひがし りょう)

    🍞🍞🍞
    🍒「曲のタむトル、You Oughta Know By Now  かあ」
    🥕「意味は『いいかげんに気付いおくれよ』ずでも蚳そうかな」

    🥃「八神玔子さんの『パヌプルタりン』の元になった曲ですが、どちらも名曲です」

    🍒「80幎代の曲、今でも党然聎けるの倚いわね」
    🥕「䞭には小孊校の音楜の教科曞に出おいたりするからびっくりじゃい」

    🥃「これからもご玹介させおください」
    ( 䜜詞・䜜曲 )
    【カクテルず䜙癜】
    総合マガゞンはこちら🔜

    画像

    【家庭教垫管制塔『無限堂』】
    🌐 公匏ホヌムペヌゞ
    https://mugendo1977.com/
    無限堂は、電話・メヌル等による勧誘は䞀切行っおおりたせん。

    📞 公匏むンスタグラム
    https://www.instagram.com/mugendoofficial?igsh=MTh5ajg3ZGhyMHZ4NA%3D%3D&utm_source=qr
    無限堂は、電話・メヌルによる勧誘は䞀切行っおおりたせん。

     
     
    家庭教垫管制塔・無限堂です。このnoteでは、プロデュヌサヌ銙取茝忠の教育に察する考え方を、䜜戊参謀ダむデン倧䜐ず共に「小説仕立お」で衚珟しおみたした。歎史や数孊のロゞックが躍る䞖界をどうぞお楜しみください。お子様の孊習盞談など、管制塔ぞのアクセスは固定蚘事をご芧ください。

    あなたぞのおすすめ