
あなたと、何も言わなくても
#探偵ごっこの帰り道
#あなたの横顔に恋をする
#世界が少し優しく見える
#自分を少し好きになれる
#その何気ない視線があなたの心を温める
テレビ台の扉を開けた。
音がしない。
いつもなら
「キィ」
と鳴る扉。
いつしか、扉を半分だけ開けて、
物を取り出すようになっていた。
けれど、今夜。
「あれ」
ソファを見ると、あなたが眠っている。
テーブルの上に、ドライバーが一本。
外した蝶番が、その横に置かれていた。
洗面所の蛇口も、
今日は軽かった。
数日前まで、固かった蛇口。
今は、すっと水が出る。
扉を開けるたび、
少し重そうにしていたこと。
蛇口をひねるたび、
手に力が入っていたこと。
気づいてくれていた。
毛布を肩まで引き上げる。
起こさないように、そっと。
明日の朝、またこの扉を開けたら、
とっておきのスイーツを半分こしよう。