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#創作大賞2026
#オールカテゴリ部門

文化祭が終わった教室は、
急に広かった。

さっきまで騒がしかった机も、
今は脚を引きずる音しかしない。

「おい、手止まってるぞ」

丸めた紙ボールが、頭に当たった。

「祭りなんて、終わってしまえばただのゴミ山だ」

悪態をつきながら、
あなたはクラスの打ち上げにも行かず、
なぜか居残り清掃の俺に付き合っている。

「お前が遅いから帰れねえんだよ」

そう言いながら、
俺より先にガムテープをはがしていく。

荷物を運び終えて、体育館の裏でしゃがみ込む。

遠くで、軽音部のギターがまだ鳴っている。

「これ、お前のだろ」

あなたが差し出したのは、
折れ曲がった台本だった。

照明の時間、音出しの秒数、赤ペンの書き込み。
裏方の俺しか読めない字で、何重にも線が走っていた。

「教室に落っこってたぞ」

そう言ってから、少しだけ間を置いて、

「……お前、ちゃんと回してたもんな」

胸の奥が、少し熱を持った気がした。

空になった教室に戻ると、
窓の外には、一番星が姿をあらわした。

「腹減った。コンビニ行くぞ」

あなたの背中を追いかけて、
俺たちは夜の校門をくぐった。

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