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愛82

    光治(みつおさむ)

    いくら考えても答えが出ないのなら、忘れるか、覚えておくか
    いや、そんなこと考えたって仕方がないから
    良い。

    それで。

    「ピンポーン」

    ん、どなた様ですか

    「愛子、入れて」

    悲しそうな顔をした愛子は冷静に心なく部屋に入ってきた。
    どうした
    いや、ただ会いたくて来た。

    けど、もう会って、すっきりした。
    帰るね。

    目が覚めると、朝だった。
    夢だったらしい。
    もしかすると生き霊か何かかと勘違いしてしまうほと現実感があり、不思議なこともあるものだ。

    実態がない。
    だが、過去はある。
    あの過去がある。
    過去だなんて虚無でしかないと思っていたが、父親は死んだが、僕の記憶の中にいる。

    そうだ。
    それも今となっては虚無だが

    これが愛か?

    虚無を愛せたら、それで良いのかもしれない。



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