
春の銀河まつり(2025)
春の夜空は私たちの銀河系の星がまばらな方向になっていて, 外の世界が透けて見えやすいので, 星数が少ないかわりに遠くの銀河がよく見える, という話をしょっちゅう書いている気がしますが, それをStellariumで表示するとこんな感じ↓↓↓

ということで, この絵の真中あたりの米粒ウジャウジャの中に望遠鏡を向けて銀河ハンティングをやるのが春の夜空のひとつの楽しみ方ということになります.
ただし, 秋に見えるアンドロメダ銀河みたいに明るいものはこの辺りにはなく, 遠いだけに「見る」「撮る」難易度は高めとなり, ちょっと気合を入れなければ…ということにもなります.
4月は日中好天で暑い日もありましたが霞やら黄砂やら, 夜は曇ったりあまり冴えない空が多かった気がします. いろいろバタバタしていて夜遊びの気力もなく過ぎましたが, 月末の新月近くなって終夜快晴しかもほぼ無風の予報. これは...!? ということで, 強いけど風に弱くて稼働率の低いR200SS改(20cmニュートン式)に出撃していただこうということに!

春の夜空高くにかかる北斗七星がキラキラと輝き初めると動き出す. 金曜の夜ということもあり, 他にも機材出してゴソゴソしてる人がいました. 深夜の駐車場に怪しい人々(笑)
今回は数年前に撮影してからしばらく撮っていないメジャーな(わりと明るくて大きい)銀河たち2個に絞って撮ってみました. (結果的に3個)

M82 葉巻銀河 (Cigar galaxy)
こんな感じで, M81(ボーデの銀河, 下)とハの字に並んでいて2ついっしょに画角に入るのでセットで撮られることが多いんですが, 小さいM82の方は輝度が高くて, M81の細部を出そうとするとM82が白トビしてしまうことが多い.

ならば本日はM82だけに正面から向き合ってみましょうということで, このように…

M82は中心部から上下(南北)に赤いフィラメントのようなものが出ています. 隣のM81と近接したために水素ガスが圧縮されて星が大量に生まれる「スターバースト」が起こり, 中心から銀河の回転軸方向へ水素ガスが吹き出しているということだそうです. 水素の赤い光(Hα線)を撮るためにフィルタを使ってみました.
M101 回転花火銀河 (Pinwheel galaxy)
北斗七星の柄の傍らにある, わりと大きめの銀河です. 大きいんだけど, 淡く広がっていて, この日は5cmファインダで見えませんでした. (透明度が良いと見えるんだけど) 試し撮りをしながら画角の真中に持ってくる感じ.

ちなみに, 一昨年にはこの銀河の中に超新星が現れて, その発見者が日本人だったこともあって話題に登りました.

NGC4565 ニードル銀河 (Needle galaxy)
こちらはかみのけ座にある特徴的な銀河. 望遠レンズでも細長い針のように写ります. (これは撮る予定なかったんですが, M101が子午線を越えるのを待つ必要があって, その間に撮った.)

ASICapで撮影 (gain 300, ss 25x180s (75min)), AstroPixelProcessorでスタック, RawTherapee/Gimpでトーン/WB調整, ノイズ除去.
円盤状(たぶん渦巻きあるんだろね)の銀河を真横から見た感じになっていて, 中心線に黒い筋が見えます. 銀河の中間面の物質の量が多いところは光が遮られて「暗黒帯」となってるわけです. 他にも小さい銀河たちが写ってますね.
天の川〜 (うちの銀河)
そして夜半を過ぎると, 東の空には「夏の天の川」が昇ってきます. 春は, 昇ってくる天の川を地上の風景といっしょに撮るのにも良い季節.
上のNGC4565で見えた暗黒帯, 天の川にもしっかりあります.

てことで, この辺で.
【了】
PS: お手軽電視観望による銀河たち
上の↑写真たちは気合を入れて撮影したものですが, 同じカメラ(ASI533MC)を使って数分〜15分ほどでも銀河たちの姿を見ることができます. 悪く言えば手抜きの天体写真, よく言えば電子的な増幅を使った星空観賞(つまり電視観望)ということになります. 先日子が友人とともに来た時のプチイベントとして星空観賞をしたときの記録などをいくつか…




