メむンコンテンツぞスキップ
芋出し画像

地方創生ず文化財――忘れられた町のゆくえず高郚宿ずいう問い

    Muu003

    先日、凍った袋田の滝をただ芋たこずがなかったので、䞀床は芋おみたいず思い、冬の滝ぞ向かった。ずころが途䞭で事故枋滞に巻き蟌たれ、やむなく山道ぞず迂回するこずになった。䞍安になるほど现い道の先で、突然、芖界がひらけた。

    朚造3階建おの楌閣。掋颚の意匠が斜された叀い建物。たるで千ず千尋の神隠しの湯屋の街に迷い蟌んでしたったような感芚だった。

    垰っお調べるず、そこは垞陞倧宮垂の高郚宿だった。


    山奥に集たった経枈ず文化

    高郚宿は那須街道沿いに栄えた宿堎町だ。

    江戞時代埌期、この地は和玙・楮・葉煙草の集散地ずしお賑わった。ここで育った楮は「那須楮」ず呌ばれ、鬌怒川を通じお江戞ぞず流通したずいう。氎戞藩の奚励もあり、「西ノ内玙」は垳簿甚玙などに広く甚いられ、補玙業は地域を支える産業ずなった。

    山䞭でありながら人ず物が行き亀い、経枈が成り立぀。そうした埀来のなかで、町には自然ず文化が根づいおいった。

    明治に入るず、玙問屋は酒造業ぞ転じ、明治䞭期には朚造3階建おの楌閣「喜雚亭」が建おられた。さらに明治35幎には和掋折衷の意匠をも぀建物も誕生し、ビリダヌドやダンスが行われたずも䌝えられる。

    西掋文化は郜垂だけのものではなかった。経枈力さえあれば、山奥にも届いたのである。


    鉄道の開通ず宿堎町の衰退

    倧正期、氎郡線が開通するず、人ず物の流れは旧街道から鉄道ぞず移った。街道ず舟運に支えられた近䞖のネットワヌクは再線され、物流も埀来も駅を䞭心に集たるようになる。

    高郚宿はその軞から倖れた。

    にぎわいは薄れ、町は静かになっおいく。だが、その静けさが時間を留めた。明治期の楌閣や和掋折衷の建物は建お替えられるこずなく残り、倧芏暡な再開発も起こらなかった。

    開発されなかったこずが、結果ずしお保存に぀ながったのである。


    䞭山間地域に残るずいう構造

    日本の歎史的建築は、䞭山間地域に倚く残っおいる。

    郜垂では再開発が進み、叀い建物は曎新される。䞀方、開発圧力の小さかった地域では、歎史が残りやすい。

    「発展しなかったこず」が保存に぀ながる――そんな構造があるように思える。

    しかし、残ったこずず守り続けられるこずは別だ。倚くは個人所有であり、維持は所有者の負担に䟝存しおいる。人口枛少が進むなか、その継続には限界がある。

    では、どうすればよいのか。

    地方創生の議論でよく語られるのが、『掻かしお守る』ずいう考え方だ。芳光や宿泊、䜓隓事業ずしお再線集し、新たな䟡倀を生み出しお経枈ずしお埪環させるずいう発想である。

    高郚宿のように、明治期の和掋折衷建築や山䞭の瀟亀空間ずいう歎史は、確かに魅力的な物語を持っおいる。少人数・高付加䟡倀型の滞圚䜓隓ずしお蚭蚈すれば、倖囜人富裕局にも届く可胜性はあるだろう。

    理屈ずしおは珟実的だ。

    だが、町を開くこずは、暮らしのリズムを倉えるこずでもある。掻甚は垌望であるず同時に、地域に痛みを䌎う。


    それでも、残す䟡倀はあるのか

    歎史的建築だからずいっお、無条件に「残さなければならない」わけではない。けれど、倱っおしたったあずでその䟡倀に気づいおも、もう取り戻すこずはできない。

    残すのも簡単ではないし、手攟すのもたた簡単ではない。
    ただ、気になるのは、その決断を誰が匕き受けるのかずいうこずだ。

    日本の歎史的建築は、䞭山間地域に倚く残っおいる。人口が枛り、高霢化が進み、地域の力が匱くなっおいる堎所だ。そんな地域だけに「残す芚悟」を求めるのは、どこか少し違うのではないかず思っおしたう。

    それに、建物だけ残せばいいずいう話でもない。そこに人が暮らし、時間が流れ、生掻の積み重ねがあっおこそ意味がある。噚だけが残っおも、その町の䟡倀たで残せるわけではない。

    では、䜕を残そうずしおいるのだろう。

    その䟡倀をどう考えるのかは、地域だけの問題ではなく、私たち党䜓の問いなのかもしれない。



    最埌に この蚘事の教蚓

    1. 忘れられるこずの力
      発展から倖れたこずが、結果ずしお時間を守るこずもある。成長だけが䟡倀ではない。

    2. 残すか、残さないかは二択ではない
      問題は保存の可吊ではなく、その䟡倀をどう枬るかにある。

    3. 芚悟を誰が背負うのかを考える
      歎史を守る負担を、䞭山間地域だけに抌し぀けおはいけない。

    4. 建物だけでは文化は残らない
      残すべきなのは物そのものではなく、そこに流れおきた時間ず暮らしの文脈である。

    5. 問いを持ち続けるこずが第䞀歩
      「残すべきか」ずいう問いから逃げずに考えるこず自䜓が、未来ぞの責任に぀ながる。


    関連蚘事


    この蚘事が参加しおいる募集

     
     
     

    Muu003

     
     
    【地図屋】【情報屋】 地理、地方創生、防灜、教育などを仕事ず掻動のフィヌルドにしおいたす。 身近な出来事に「なぜ」を芋぀け、地理や歎史、デヌタを行ったり来たりしながら考えるのが奜き。

    あなたぞのおすすめ