
Robloxアルゴリズムが重視する「4つの指標」との向き合い方
こんにちは!株式会社moze代表の横井です。
私たちは「日本にRobloxエコシステムを爆誕させる」ことを目指し、これまで「Find The Dragons Morphs」や「Troll Escalator Tower」「My Stickers(わたしのシール帳)」など、複数のRobloxゲームを開発・運営してきました。
本連載「Robloxでヒットを生み出す『再現性』の話」では、運に頼らず、再現性の高い手法でRobloxゲームを多くのユーザーに届けるためのノウハウを公開しています。
第4回までは、サムネイルや広告運用など「ゲームをユーザーに見つけてもらう」ための手法を解説しました。今回からは、ユーザーを定着させたうえで、アルゴリズムに「このゲームは他の人にもおすすめだな!」と思わせて流入数を伸ばす、『指標の見方・追い方』についてお話しします。
1. 大前提:適切なターゲットに届ける「メタデータ」の役割
「おすすめ(Home Recommendations)」に載るための指標の話をする前に、絶対に外せない大前提があります。それが、ゲームタイトルや説明文、サムネイルといった「メタデータ(Metadata)」の存在です。Robloxのアルゴリズムは、膨大なゲームの中から次に表示するものを抽出(Retrieval)する際、ゲームの実態とメタデータが一致しているかを非常にシビアに評価します。
公式ドキュメントでも、露出を制限する問題点として「Mismatched metadata and content(メタデータとコンテンツの不一致)」が明確に挙げられています。 例えば、「恐竜の大冒険!」というゲームタイトルのアスレチックゲームを作ったとします。恐竜好きのユーザーはクリックしますが、中身がただの障害物競走なら「違った」と一瞬で離脱しますよね。
こうなると、「クリックしてもすぐ辞められる魅力のないゲームだ」とアルゴリズムに判断され、結果的にインプレッションが大きく下がってしまいます。シグナル改善の土台として、「このゲームは誰向けで、どんな体験ができるのか」をゲームタイトルやメタデータで正しく宣言することが最も重要です。
アルゴリズムが評価する「Key Signals」と「4つの指標」
それでは、アルゴリズムがゲームを評価しておすすめに載せるための指標(Key Signals)を見ていきましょう。Roblox公式では多数のシグナルが紹介されていますが、開発者が本質的に追うべき「4つの大きな指標」に分類すると非常に分かりやすくなります。

① 初動の惹き(Discovery & Onboarding)
対応シグナル: Qualified play through rate (QPTR), Deep play through rate
意味合い: サムネイルのクリックから、意味のあるプレイ(一定時間の滞在や深いエンゲージメント)にどれだけ繋がったか。ゲームタイトルに惹かれて入ってきたユーザーが、「思っていた通りだ!」と期待値を超えられたかを測ります。
② 滞在時間と継続率(Engagement & Retention)
対応シグナル: 7 day playtime per user, 7 day play days per user, 7 day qualified play sessions per user
意味合い: 1日あたりのプレイ時間や、1週間のうち何日ログインしてくれたか。「明日の放課後もまたこのゲームで遊びたい」と思えるような、強力なリテンションがあるかを測る指標です。
③ 収益性(Monetization)
対応シグナル: 7 day spend days per user, 7 day Robux spent per user
意味合い: プレイヤーが価値を感じて「何日間課金したか」「いくらRobuxを使ったか」。Robloxにとっても、きちんと収益が循環するゲームはおすすめしたい優良コンテンツとなります。
④ 友達と一緒に遊ぶ熱量(Co-play / Viral)
対応シグナル: 7 day intentional co-play days per user
意味合い: マッチメイキングではなく、「意図的にフレンドと同じサーバーに入って遊んだ日数」です。これが高いということは「友達を誘って一緒に遊びたくなるゲーム」であることの強力な証明になります。Robloxのアルゴリズムも、このソーシャルなつながりを生む体験を大変高く評価します。
注意するべき点は、これら全ての指標が、あなたのゲームを遊んだ全ユーザーを対象としたものではなく「おすすめ(Home Recommendations)」から遊んだユーザーの指標であるということです。例えば、検索から来たユーザーの各種指標(プレイ時間など)が高かったとしても、それがそのまま「おすすめ経由で(受動的に)入ってきたユーザー」にも同じように刺さっているかは分からないからです。
これらの指標は、Analytics > Acquisition > Home Recommendationsで確認することができます。

低工数で一番効果が出やすい指標は?
これら4つの指標の中で、私の反省も含めて言うと、低工数で、効果が出やすい指標は「①初動の惹き(QPTR)」と「③収益性(課金指標)」です。
QPTRの改善は「ゲームタイトル変更」だけでもできる
ゲーム本体の大改修を行わなくても、ゲームタイトルやサムネイルの変更を行うだけで、QPTRの検証はできます。 よりターゲットに刺さる言葉選びをするだけで、「思っていたのと違った」という早期離脱層を減らし、純粋にゲームを楽しんでくれる層の比率を上げることができます。開発工数をかけずに回せる、最もコスパの良いPDCAです。
課金と継続率の知られざる関係
また、「課金を促すとユーザーが離れるのではないか?」という懸念もあるかもしれません。 しかし、よほどがめつい(進行を無理やりブロックするような)設計にしない限り、少額のQOL向上アイテムなどでユーザーが課金体験をすると、逆に滞在時間や継続率に好影響を与えます。
これは、「自分はお金を払ったゲームだから、しっかり楽しもう」という心理(サンクコスト効果)が働き、ゲームへの愛着が湧くためです。 例えば、序盤でもっと早く進めたいと思う絶妙なタイミングで、プレイを有利にする安価なスターターパックを提示する。これだけでCVR(課金転換率)が上がり、結果的に継続率や滞在時間改善などの長期的な恩恵をもたらす可能性が大いにあります。
今日から試せるNext Step!
今回は、アルゴリズムに長く優遇されるための「4つの指標」について解説しました。 まずは、Creator Hubの「Analytics -> Acquisition -> Home Recommendations」タブを開いて、ご自身のゲームが各シグナルのベンチマークに対してどうなっているかを確認してみてください。
次回(第6回)は、今回「④の指標」として登場した、「フレンドと一緒に遊ぶ熱量」を意図的に作り出す仕組み=『バイラルループ』について、さらに深掘りしてお伝えします。お楽しみに!
株式会社mozeは「日本からRobloxエコシステムを爆誕させる」をビジョンに掲げる、国内最先端のRobloxスタジオです。 バーチャル空間やデジタルアイテムの自社開発に加え、法人向けの企画・提案から開発、集客支援までワンストップで提供しています。
自社開発コンテンツ『Troll Escalator Tower』は世界累計2,410万訪問を記録し、国内外で高い評価を獲得しています。デジタルシールの収集と交換が可能なコンテンツ『My Stickers(わたしのシール帳)』は最高同時接続6000名を突破しました。
【株式会社moze 会社概要】
社名:株式会社moze(モゼ)
所在地:東京都中央区日本橋箱崎町1-2 THE SHORE 日本橋茅場町 2F
代表者:代表取締役 CEO 横井一隆
設立:2023年9月15日
事業内容:Robloxに特化したコンテンツの企画、開発、運営及び集客支援
企業様協業実績:カルビー株式会社様の「じゃがりこ」Roblox空間・アバターアイテムのリリース
公式サイト:https://moze.ai/
お問い合わせ先:hello@moze.ai