
GWに営業していない商店街に行く
「いつでも行けるでしょ」で放置している場所が山ほどある。Googleマップのお気に入りに登録したまま、ずっと行けていない場所だ。遠い場所はめぐり合わせかとも思えるが、隣の県でアクセスも良いのに行っていない場所もある。そうしている間に移転や閉店してしまったお店がいくつもある。
このGWは、何の予定もなかった。そもそも無職なのでGWとか関係ないのだが、GWの天気のいい日は何となく出かけたくなる雰囲気がある。
よし、この雰囲気を利用して、隣の県の「いつか行きたい」の一つをやっつけることにした。
当日、目的地の最寄り駅の一つ手前の駅で降りる。気持ちいい気候だったので、一駅歩いていくことにする。
駅を出ると中規模のアーケード商店街があったので行ってみた。かるく一周した感じ、空き店舗はほぼなく、人通りもそこそこにある。観光地でもない商店街でこの賑わいならまずまずといった印象だ。
商店街を出て、目的地まで整備された遊歩道を歩く。基本的には静かな場所だったが、一か所だけ公園になっている場所がかなり賑わっていた。大きなすべり台と、いくつかの遊具がある公園で、近所に住んでいると思われる家族が数組いた。子どもが遊んでいない遊具がほぼないという賑わい方だ。小さい子ども特有の高い嬌声が響く。
幼い子どもがいる家族は、GWに帰省したり遠くに旅行にいくという思い込みがあった。ニュースの交通機関情報の冒頭に出てくる、空港や新幹線のホームのインタビュー映像によってその思い込みは作られていたようだ。親が自営業だったので、自身も幼い頃にGWに遠出をしたことなんてなかったはずなのに、と思い込みについて一瞬思いを巡らせた。
目的地は、住宅街の真ん中に突然「在る」感じで現れた。トップ商店街という、大阪は萱島にある営業している店舗のない商店街だ。規模は小さく、通り抜けるのに3分もかからない。
この商店街はネットで調べてもあまり情報がなく、どんな歴史があり、なぜ今もこの状態で残されているのかは分からなかった(隣接していた別の商店街は解体され更地になっている)が、買い物袋を下げた人がぽつぽつと通り抜けており、今でも地元の人の生活の一部になっているようだった。
商店街の中に入ると、案外明るい。アーケードの真ん中がなぜかほぼ無くなっていて、そこから光が入っていた。風もよく通っていて、埃っぽさもない。人のいない廃墟だと落書きや器物損壊などが付きものだが、ここはそういったいたずらの形跡はなく、放置されたゴミ等もなかった。ただ時代の流れによるのか、全店舗が閉店していて、経年劣化による建物や飾られた国旗の風化があった。一つ前の駅にあった商店街との違いは何だったんだろうと考えたが、答えはなかった。風が通ると国旗がたてるパタパタという音がよく聞こえた。
トップ商店街から100mもしないうちに、今も営業している商店街の通りに出た。お土産にチーズケーキを買って帰る。
家に帰ってチーズケーキを食べながら撮った写真を見る。写真の情報から、トップ商店街には10分ぐらいしかいなかったことが分かる。それでも行ってみてよかった。「いつでもいけるでしょ」の一つをやっつけた。