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小さな間借り本屋に起きた、ちいさな奇跡ー「小さな声、小さな本」展の振り返り

    櫻井朝子 | KAZENONE BOOK

    「小さな声、小さな本」展が先週末、無事に終わりました。

    搬出を終えてガランとした会場を振り返り、こみ上げてきたのは、安堵と喪失感、そして「こんなにうまくいくなんて!」という達成感が入り混じった気持ち。

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    基本的に一人で準備を進めたので、大変なこともありました。けれど走りながら整えて、足りないことを作り続け、気づけば「やりきった!」という清々しさが勝っていました。

    それでも想像以上の広がりを見せて、正直いちばん驚いているのは私自身です。

    出店者さんの「静かな声」が大きなうねりを生み出した

    今回の広がりを生んでくれたのは、間違いなく、出店者さん一人ひとりの発信力。告知をしてくださった言葉に呼応するように、ファンの方やZINE仲間が足を運んでくださり、私のSNSでは届かない層にまで広がっていきました。

    さらにInstagramだけでなく、noteやXなど多方面からの発信が重なり、著名な作家さんや編集者さんまでご来場。「やっぱり書いている人はnoteにいるんだなあ」と大きな発見もありました。

    そして谷中・HAGISOという会場の魅力が、来場の後押しをしてくれたことも間違いありません。

    今後も続けたい、と思えた小さな工夫

    ちょっとだけ裏話をひとつ。

    今回、デザイナーさんにつくっていただいたアイキャッチ画像とイベント概要のテキストを、出店者さんにまとめてお渡ししていました。

    これが想像以上に効果的!画像と文章が揃っているから「そのまま発信」できる。発信のハードルが下がり、みんなが同じ熱量で広めてくれました。

    もしかしたら多数の方と一緒に行うイベント運営として当たり前のことなのかもしれないけれど……そのひと工夫がうねりを大きくする仕掛けのひとつになったことに、「わたし、ナイス!」と内心ちょっと自画自賛していたのです(笑)。

    言葉と開き方が生んだ場づくり

    特別な仕掛けをしたわけではありません。

    工夫したのは、テーマとなる言葉を丁寧に選ぶことと、なるべく間口を広げること。

    「この言葉が良かったから出したいと思えた」とか、「このイベントなら、私のつたない、初めてZINEを受け入れてもらえるような気がした」という声をいただくことも多かったです。

    今回は選別することなく、送っていただいたZINEはすべて受け入れましたが、それがかえって多彩で豊かな場をつくり、私がキュレーションする以上に魅力的な空間になったように思います。

    会場では、コメントカードをじっくり読み込んで選ぶ方や、「ここで買わなきゃ後悔すると思って」と山ほど抱えてレジに来てくださる方の姿もありました。

    ZINEの持つ力を、目の前で見せてもらった気がします。

    著者さんと一緒に喜ぶことが、何より大切

    委託販売のかたちだからこそ、私一人が満足するだけでは意味がありません。だから購入者の方に感想や購買のきっかけを伺い、後日できるだけ著者さんに届けるように心がけました。(突然話しかけて驚かせてしまった皆さん、すみません……!)

    そうした接客を知ってくださってか、著者さん自身がSNSやnoteで喜びの声を発信してくださり、なかには「読者の方から直接感想が届きました!」という声まで私に届いたのです。

    一冊一冊を丁寧に売ることを意識したからこそ、読者さんもじっくり読み込み、感謝を伝えたくなったのかもしれません。

    小さなやり取りですが、著者さんにも読者さんにも嬉しい循環を生んでくれました。

    偶然が味方してくれた

    「自分だったらどんな言葉に動かされるか」
    「出店者さんにどう返せたら嬉しいか」
    「来場者にどんな体験を渡せるか」

    そんな問いを心に持ちながら、最後までぶれずにやりきったこと。

    計算や戦略ではなく、そうした気持ちを大切にできたからこそ、偶然が味方してくれたのだと思います。

    ありがたいことに次につながるお声がけや、ワークショップをサービス化する構想など、未来の種も芽吹きつつあります。

    *

    最後に。こんな小さな間借り本屋の小さな企画に賛同してくださった出店者さん、足を運んでくださった皆さん、会場のHAGISOさん。

    私に新しい景色を見せてくださり、本当にありがとうございました。これからは次なるステップへ進んでいきたいと思います。

    今後またイベントを企画したいと考えておりますので、出店してみたい、ワークショップに参加してみたい、と思ってくださっている方がいらっしゃいましたら、KAZENONE BOOKの各種SNSをフォローしてくださると嬉しいです。

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    荒川区・尾久を拠点に、本と街、人をつなげる活動をしています。ZINEづくりのはじめの一歩を伴走する「おしゃべり編集室」も主催。夫の店「タバタバー」にも月2回立っています。

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