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トリュフの゜ヌスにはなりたせん。


    無駄な時間を過ごしおしたった。
    い぀もアホに絡たれるのは、私がアホだからなのか。

    「うヌん、音皋が違うね。最初の䞀蚀は高く。
    次の蚀葉は半音䞋げお....笑声でうん、もう少しかなあ。いやね、この協䌚っおさ、俺らの先茩が䜜ったマナヌ怜定っおのがあるんだけど、凄いのよね。ほんず。ここでの孊びっお、䞀生぀かえるし為になるず思うんだよね」

    爛々ず目を茝かせ、よく分からない歎史の浅い民間資栌の説明をしおいるおじさん。
    山本歊史、47歳。趣味は筋トレ、食べるこず。
    䌚瀟から講垫を任され、こうしお新人瀟員の私にマナヌの指導をしおいる。かれこれ4時間。

    「この肘、どう肘の尖り。角床」
    「..肘特に䜕も思わないですね」
    「挚拶するずき『ありがずうございたした」っお、前で手組んで、䞡肘尖らせお瀌するでしょみんな。倉じゃない」
    「ん」
    「なんか思わない」
    「...䜕も」

    「矎しくないんだよね、肘。俺はね、こうやっお、䞡手を倪ももの前に぀けお瀌するんだよ。だっおさ、人間、心からお瀌蚀いたい時ずか、謝りたい気持ちの時、この肘を曲げた定型ポヌズずる䜙裕あるかな勢いでさあ、ほんずの気持ちを乗せるず人っお『すいたせんえしたアアア』っお、手を䞋にやっお身䜓で謝眪するず思うんだよ。必死なんだから。だからそうしな。肘曲げないで、手垂らすずいいよ。䞀段䞊の接客ができる。俺は必ずこうしおるから」
    「はあ」

    「盞手の䞀歩先、二歩先を想定しお動くの。俺は元々ホテルやっおおさ。花圢のフロントじゃなく、裏で金持ちのワガママきく係だったのよ」
    「はあ」

    「そのあずは旅通。でも腰がキツくお半幎で蟞めたかな。老舗旅通っおほら、゚レベヌタヌないから。たあ金貯たるのず枩泉入り攟題なのは良かったかな」
    「そうなんですね」
    「だっおほら、山奥だから嚯楜がないから䜿いどころないんだよねははは」
    「はは」

    「でほら、䟋えばお客さんにステヌキを出すずするじゃん。どう蚀う特別な゜ヌスでさあ」

    「え、ああヌ、えヌっず。お埅たせいたしたしたっ、ステヌキでございたすこちらトリュフの゜ヌスになりたす」
    「ならないならないから。゜ヌスはもう゜ヌスずしお完成しおるの。あのね、これはみんな䜿っちゃう『ファミレス蚀葉』。そういうのお客様は芋抜くから。せっかくのトリュフが台無し。こちらトリュフの゜ヌスでございたす、ね。あず『お埅たせいたしたしたっ』の『たっ』これね、笑声でも䞊に跳ねないで。䞋げる。䌞ばさず止める。コンマ1秒短く。さっきやった緎習忘れちゃった」
    「すみたせん 」

    「自分がさあ、二䞇の高玚料理食べおスタッフの蚀葉遣いがそれじゃ䞋品じゃない『たっ』に育ちが出ちゃうから。俺ならガッカリしちゃう。粛々ず話す。『た↓』良いでしょこっちの方が」
    「あヌはい...」
    「倉わるからさ。ね、やっおごらん。はい」

    「お埅たせいたしたした↓。ステヌキです。こちらトリュフの゜ヌスでございたす」
    「うんうんうん、いいね。ほら倉わった。近づいおきた。よかったでしょう最初よりだいぶ」
    「..はい。ありがずうございたす」

    「郚眲違うけど、なんならたた教えるし」
    「はは、ありがずうございたす」

    「この講習っおさ、レポヌトずかっおそっちの䞊叞に出すように蚀われおるの」
    「いえ、ないです」
    「え、䜕もこれで、受けお終わり」
    「はい」
    「あヌ、は䞀、なるほど。うヌん、うん。うん。じゃあさ、アレなんだけど、俺のアドレスに埌でレポヌトちょうだい。この二日間、10時間の研修受けおさ。どう感じたのか、感想聞きたい。参考にしたいし。党然、気軜に」

    玄関の鍵を閉しめ、身䜓にこびり぀いた汚れを振り払うようにスヌツを脱ぎ捚おた。その瞬間、私の口から本音が噎き出した。

    「最悪ねえ聞いおよオナニヌ完党なるオナニヌ。すっげえク゜みたいなオリゞナルマナヌを、すっげえ気持ちよさそうに説いおたね。たさに自慰。ゟヌン入っおた」

    「昚日からの講習それはひどいな」
    圌はそう蚀いながら、ビヌルを開けた。

    「瀌する時に手を組むのが矎しくない、ただのポヌズで気持ちがこもっおないっおさじゃあ、私がシャネルやリッツで受けおきた接客はなんなのよ。『必ず手を垂れお挚拶しろ』っお、お前のオリゞナルマナヌを䞖のスタンダヌドみたいに説いおくんなね、笑声っお知っおる"えごえ"っお読むんだっおキッショ蟞曞にない造語を䞀般垞識みたいに蚀っおんじゃねえぞク゜マルチが」

    「えごえは普通にきもい。必ず手を垂れるならそれはポヌズじゃん」

    「そうあず二䞇の料理で、『お埅たせいたしたしたっ』っお接客されたら䞋品なんだっお。『た↓』が良いんだっお。ただのお前の性癖だろ䜕を高玚ず感じるかは自由だけど匷制をしおくんな。接客に正解なんおねえだろ。ほんず気持ち悪い、目がキマっおた」

    「くそじゃん」

    「勃起しおた。テヌブルの䞋で絶察ちんこ立っおたず思う。俺のオリゞナルマナヌ論で勃起しおた」

    「きもいきもい、衚珟がきもい」

    「いいの、きもくお。私は䞋でずっず䞭指立おおたそれにね、講習のレポヌト出せっお蚀われたんだよ。本来やらなくおいいのに。䞊叞でもないのに。俺のマナヌ講習の感想聞きたいんだっお。意味わかんない。本圓の感想なんお蚀えるわけないじゃん4時間も音皋の緎習させられお、挔出家かよ。挔出家でもやらねえよ。自分らしくやれ、感情蟌めろっお蚀うのに決たった音しか認めないしAIでいいだろうがガストの猫でいいだろうが」

    「猫かわいいよね。そい぀が無胜なだけ」

    「そもそも、うちの瀟員誰もラグゞュアリヌな接客しおないのに。『感想聞かせお』っお、耒められ埅ちじゃん。それでク゜みたいなレポヌト出させお、頭にくる。射粟するんだ」

    「射粟」

    「そう。オリゞナルク゜マナヌでちんこ出しお勃起しおオナニヌしお、最埌に私のレポヌトを読む事によっおようやく圌は射粟できる。私のレポヌトによっお圌のオナニヌは完成するの。私はこれからその最埌の䞀抌しをしなければいけないの」

    「いやきもい」

    「きもいのはこっちだよきもいきもいきもいきもいきもいク゜がク゜マナヌ講垫が」



    山本さん
    お䞖話になっおおりたす。受付の䜐々朚です。
    2日間にわたる䞁寧なご指導、心より感謝申し䞊げたす。理由や目的が明確で、終始楜しく孊ぶこずができたした。特に「自分らしくあるこずが倧事」ずいうお蚀葉は、倧きな励みず安心に繋がりたした。
    研修を通じお、蚀葉の音皋や語尟ずいった现郚ぞのこだわりだけでなく、すべおの所䜜はお客様ぞの「思いやりず心遣い」からくるものであるずいう本質に気づかされたした。ただマニュアルをこなすのではなく、䌚瀟が求めるワンランク䞊の接客応察を目指すための、深い着県点を埗られたず感じおおりたす。
    珟圚はただ知識䞍足でぎこちない点もありたすが、今埌は先茩方の応察を芳察しお正しい知識を身に぀け、䞊品で䞁寧な接客スキルを状況に応じお䜿い分けられるよう、䞀぀ず぀培底しおたいりたす。この床は倧倉貎重なご指導をいただき、誠にありがずうございたした。


    送信。


    画面が切り替わった瞬間、東京のどこかで山本さんの呻き声が聞こえた気がした。

    私の時間ず、私の心を削っお䜜り䞊げた、完璧な停り。

    どうか、圌のちんこが䞀生垂れ䞋がったたた、二床ず起き䞊がりたせんように。

    この先誰も、圌の浅たしい自尊心を満たしおあげたりしたせんように。

    そう密かに願いながら、私は眠りに぀いた↓

     
     
    東京圚䜏、女 ゚ッセむや小説など📒 だいたいフィクションです

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