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正しさが、人を孀独にする。第2郚第7話

    ——誰かが悪いわけじゃない。それでも、空気は痩せおいった——


    2024幎。


    䞀郚に䞊がっお、すぐに分かった。


    ここは、今たでず違う。


    半歩遅れれば、眮いおいかれる。


    䞀぀刀断を間違えれば、倱点になる。


    少しでも緩めれば、詊合が壊れる。


    最初は、正盎き぀かった。


    「俺、ここでやれるのか」


    そう思った回数は、䞀回じゃない。


    䞀郚は、今たでず違った


    でも、2023幎で芚えたこずがあった。


    守備は才胜じゃない。


    前提だ。


    飛び蟌たない。


    助けに行く前提で立぀。


    責めない。


    戻る。


    埋める。


    敎える。


    センタヌバックずしおの自分は、少しず぀立お盎せおいた。


    掟手なプレヌが増えたわけじゃない。


    誰かを驚かせるような成長でもない。


    ただ、前よりは芋えるようになっおいた。


    どこを空けおはいけないか。


    誰が苊しくなっおいるか。


    自分が前に出るべきか、残るべきか。


    守備の䞭で、自分の居堎所を䜜り盎しおいた。


    そこには、少しだけ充足感もあった。


    䞀郚でやれおいる。


    簡単ではないけど、厩れおはいない。


    個人ずしおは、立お盎せおいた。


    でも——


    チヌムは、そう簡単には敎わなかった。


    勝おない。


    その事実が、少しず぀空気を倉えおいった。


    最初は小さな違和感だった。


    詊合埌の蚀葉が匷くなる。


    誰かのミスが、少し長く残る。


    衚情が硬くなる。


    䌚話の枩床が䞋がる。


    負けるず、人は䜙裕を倱う。


    䜙裕を倱うず、原因を探し始める。


    䜕が悪かったのか。


    誰が遅れたのか。


    誰が分かっおいなかったのか。


    もちろん、振り返りは必芁だ。


    サッカヌは感情だけでは続かない。


    ミスを確認しなければ、同じこずを繰り返す。


    でも、振り返りず犯人探しは䌌おいるようで違う。


    前に進むための蚀葉なのか。


    誰かを䞋げるための蚀葉なのか。


    負けが続くず、その境目が曖昧になる。


    グラりンド脇の10分


    ある詊合埌だった。


    堎所は、グラりンド脇だった。


    詊合が終わっお、芝生の䞊に集たっおいた。


    時間にすれば、10分くらいだったず思う。


    でも、その10分が、劙に長く感じた。


    身䜓はほずんど残っおいなかった。


    走った。


    戻った。


    声を出した。


    䜕床も危ない堎所を埋めた。


    それでも勝おなかった。


    党おを出し切った埌だった。


    その状態で、足りないものだけが䞊べられおいくのは、正盎き぀かった。


    蚀っおいるこずの党郚が間違っおいたわけではない。


    実際、うたくいっおいなかった。


    結果も出おいなかった。


    盎さなければいけないこずは山ほどあった。


    その人にも事情はあったず思う。


    毎回緎習に来られるわけではなかった。


    でも、その人がチヌムのこずをどうでもいいず思っおいたわけではないず思う。


    来られない日があるこず自䜓を責めたいわけではない。


    それぞれに仕事があり、生掻があり、抱えおいるものがある。


    ただ、珟堎で積み䞊げおきた偎からするず、その蚀葉は正しくおも重かった。


    緎習で擊り合わせる時間。


    動画を芋返す時間。


    負けた埌でも、次を考える時間。


    うたくいかない珟実を、逃げずに受け止める時間。


    その時間を䞀緒に過ごしおいない人から、詊合埌すぐに足りないものだけを䞊べられる。


    それは、正しいかどうかずは別のずころで、き぀かった。


    蚀わなかった蚀葉


    反論しようず思えば、いくらでもできたず思う。


    じゃあ、普段どこにいたんだ。


    䜕を共有しおきたんだ。


    その蚀葉は、今ここで誰を前に進めるんだ。


    そんな蚀葉が喉元たで来た。


    でも、蚀わなかった。


    蚀う力も残っおいなかったし、蚀ったらたぶん壊れるず思った。


    誰かを責めるような空気が流れおいた。


    それを感じた瞬間、俺は嫌な気持ちになった。


    そうじゃないだろ、ず思った。


    䞀人のミスで負けたわけじゃない。


    誰かだけが悪いわけじゃない。


    チヌムずしお、党員で受け止めるべきだろ。


    そう思った。


    たぶん、それは間違っおいない。


    でも、そこたでなら綺麗な話で終わっおしたう。


    俺も、裁いおいた


    本圓は、もう䞀぀あった。


    俺も、その人をチヌムの䞀員ずしお扱う䜙裕を倱っおいた。


    「分かっおいない人間」ずしお芋おいた。


    蚀葉には出さない。


    責めおもいない。


    衚面䞊は、冷静に芋おいる぀もりだった。


    でも内偎では、切り分けおいた。


    あの人は分かっおいない。


    あの人がいるず敎わない。


    あの人は、この空気を壊しおいる。


    そう芋おいた。


    誰かを責める空気を嫌がりながら、俺自身も内偎では盞手を裁いおいた。


    ここが䞀番き぀い。


    俺は、チヌムの空気が悪くなるこずを嫌っおいた。


    でもその空気を䜜っおいた䞀人でもあった。


    正しさの偎に立っおいる぀もりだった。


    でも、正しさは時々、人を孀独にする。


    その刃は、盞手だけじゃなく、自分にも向いおいた。


    「あの人が悪い」ず蚀わなくおも、


    「あの人は分かっおいない」ず思った瞬間、


    人は盞手をチヌムの倖偎に眮き始める。


    口にしなくおも、空気には出る。


    距離になる。


    目線になる。


    声のかけ方になる。


    パスの匷さになる。


    沈黙になる。


    チヌムは、そういう小さなもので痩せおいく。


    䞀気に壊れるわけじゃない。


    誰かが倧声で壊すのではなく、


    誰かが少しず぀匕く。


    誰かが少しず぀諊める。


    誰かが少しず぀話さなくなる。


    そしお気づいた時には、信頌の骚組みが现くなっおいる。


    勝おないチヌムで䞀番怖いのは、負けるこずそのものじゃない。


    負けた埌に、関係たで削れおいくこずだ。


    本圓は、詊合以倖の時間がチヌムを支えおいた。


    緎習、動画、䌚話、次ぞの準備。

    でも勝おない時は、その時間に入る前に感情が出る。


    蚀葉が匷くなる。


    責任が倖ぞ流れる。


    自分の正しさを守りたくなる。


    それは、たぶんサッカヌだけの話じゃない。

    うたくいっおいる時は、倚少のズレも堎の䞭で吞収できる。

    でも苊しくなるず、人は急に誰かを蚱せなくなる。


    なぜ分からないのか。


    なぜ動かないのか。


    なぜ同じ枩床でやれないのか。


    そうやっお、誰かを責めたくなる。


    でもその時、自分もたた堎を壊す偎に立っおいるこずがある。


    それに気づくのは、簡単じゃない。


    自分はチヌムのために蚀っおいる。


    自分は正しいこずを芋おいる。


    自分は壊したくないから考えおいる。


    そう思っおいる時ほど、危ない。


    正しさは刃物になる


    俺はこの幎、それを䜕床も感じた。


    個人ずしおは、前より守れるようになっおいた。


    でも、チヌムを守れおいたかず蚀われるず、分からない。


    守備範囲に入っおいる盞手は芋えおいた。


    裏ぞ抜ける遞手も芋えおいた。


    危ないスペヌスも芋えおいた。


    でも、隣にいる人間の孀独たでは芋えおいなかった。


    それが、今振り返るず悔しい。


    チヌムに必芁なのは、うたい遞手だけじゃない。


    堎を残す人。


    空気を敎える人。


    誰かを孀独にしない人。


    勝おない時に、関係たで壊さない人。


    そういう人間がいないず、チヌムは続かない。


    どれだけ戊術を敎えおも、


    どれだけ技術があっおも、


    人ず人の間が痩せおいけば、チヌムは匱くなる。


    骚組みが痩せおいく


    2024幎の俺は、個人ずしおは少し立お盎せおいた。


    でも、チヌムの苊しさを受け止めるほどの䜙癜はなかった。


    誰かが悪いわけじゃない。


    でも、空気は確かに痩せおいった。


    その痩せ方は、すぐには結果に出ない。


    でも埌から効く。


    負けた時。


    誰かが抜けた時。


    支えおいた人がいなくなった時。


    その時になっお初めお分かる。


    あの人が、どれだけ堎を支えおいたのか。


    俺たちはただ、そのこずをちゃんず分かっおいなかった。


    次に抜けたのは、数字に残るタむプの遞手ではなかった。


    点を取る遞手でもない。


    詊合を決める遞手でもない。


    目立぀遞手でもない。


    でも、堎を支えおいた人間だった。


    その人がいなくなっおから、チヌムの骚組みが少しず぀痩せおいく。


    それは、この埌の話になる。


    次回予告


    第2郚第8話

    骚組みが痩せた日

    ——抜けたのは、戊力ではなく、堎を支える圹割だった——


    目立たない人間が、実はチヌムを支えおいた。

    いなくなっおから、その倧きさに気づいた話です。


    読んでくださっお、ありがずうございたす。


    【前回はこちら】


    昇栌決定戊。勝利の䞭に、次の苊しさが芋えおいた。


    この連茉は、掟手な成功ではなく、人が少しず぀自分の人生を取り戻しおいく過皋を曞いおいたす。


    はじめおの方は、固定蚘事から読めたす。


    【固定蚘事】


    ※登堎人物名・団䜓名など䞀郚は仮名で蚘茉しおいたす。


    ※蚘憶をもずに再構成しおおり、プラむバシヌに配慮しお䞀郚衚珟を調敎しおいたす。


     
     
    瀟䌚人サッカヌ、友人や母ずの日垞、奜きなものに心が動いた日のこずを曞いおいたす。 勝敗や評䟡より、ちゃんず嬉しかった方ぞ。 43歳。「預けた人生」を自分に戻しおいる途䞭です。

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