かわいいに憧れて
かわいい物が好き。小さい頃私はかわいい洋服が憧れだった。
実際は兄のお下がりを着ていたのでズボンにシャツ。ブルー系の服ばかり。トイレの列に並んでいると男の子のトイレはあっちだよ、って知らない人に何度も言われていた。
母は妹にはピンクや赤のかわいい服をいつも買ってきていた。妹はいつも新しいかわいい服。私はいつも兄のお下がりの男の子の服を着せられた。
遠足のリュックも兄のお下がり。下校中に知らない男子にからかわれ泣きながら帰ってきたこともある。
母が買ってきた服が可愛くて私のものかな?ってワクワクしているといつもそれは妹の服だった。
小学校の入学式は淡いピンクの千鳥格子柄の素敵なワンピースとボレロ。伯母がお祝いに買ってくれた服。箱に入っている服を見てすごくうれしかったのは記憶の中にずっとある。箱には透明なビニールが掛けてあり中の服が見える。ピンクのリボンの包装だった。本当に私のなの?妹のじゃないの?って何度も確認した。心配だったけれど私のだった。とても上等な服だったと思う。素敵すぎて夢みたいって思った。その服は普段にも着たかったけれど母はそれをさせてくれなかった。でもいとこの結婚式にこの服を着て赤い革靴を履いて出席した。お姫様みたいな気持ちになった。
ピンクが大好きな私。明るい色も大好き。でも母に買ってもらえなかった。明るい色の服を買うとキチガイみたいって言われた。あなたは青が似合うからって言われていつも男の子のような出で立ちだった。
今はもう若くはない。ピンクは似合わないのは分かっているけれど小物をピンクにしている。
とっても素敵な白から濃いピンクのグラデーションのストール。もう二十年以上も前に妹に買ってもらった。似合わないから身に付ける事は無いけれどタンスの中のストールを見て心を潤している。いつか身につけてみたいな。
