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誰かのための世界

    ほとんどの知らない人たちのために世界はある。

    必要なものだけを意識していたら、世界は微妙だ。


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    スーパーには、誰が買うんだと思うような香辛料が売ってある。


    知らない山の先まで何でも送り届けられるように、郵便局がある。


    病気もしない奴らが、病院を支えている。


    あなた達は普通にして偉いですねと、犯罪者が教えてくる。

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    ヤクルトレディが走り回って、知らない人の腸内環境を整えている。


    星座の中にも、星屑がある。


    美しい人を、たくさんのそうでない人が支えている。


    僕みたいな喋りが下手な人間が、言語化命の世界を支えている。


    蜘蛛が、あなたは蜘蛛じゃないですよと教えてくる。

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    電気屋には、見たこともない形の電球が売っている。

    僕のボロアパートの、大量生産の蛍光灯はチカチカして、今にも消えそうだ。

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    一枚の紙みたいに、どこまでも平行な世界があって、表はずっと昼、裏はずっと夜だとする。

    僕は夜を選んで後悔するだろう。

    誰かは昼を選んで後悔するのかもしれない。

     
     

    K_

     
     
    会社員です。愛媛県松山市に住んでいます。 旅や登山、読書が好きです。日本語の美しさが大好きです。 景色に宿る感情のような、小さな物を大切に積み上げていこうと思います。 画像は初めて行った恐山。ちょっと怖かった。

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