
消してはならない光
修学旅行で沖縄へ行った
そこには、美しい海と青い空
色鮮やかな南国の植物
十月だったが、沖縄はしっかり暑かった
透き通るようなエメラルドグリーンの海に足を浸け、友人たちと大はしゃぎした
食べ放題のパイナップルも、
これでもかというほど食べた
食べすぎて、口内炎ができたくらいだ
初日は、そんな沖縄観光を存分に楽しんだ
この修学旅行のメインは二日目にあった
平和について学ぶこと
朝早くから記念館へ集合し、
語り部の話を聞いた
館内には、戦争の記憶を伝えるさまざまなものが展示されていた
その中で、私の目を引いたものがあった
一つの水筒だった
誰のものだったのかは分からない
焼け跡から見つかったものだという
私はそっと手に取り、振ってみた
ちゃぷ……。
ほんのわずかだが、水が入っていた
その音を聞きながら、
私は旅行中の課題だった短歌を詠んだ
『戦争の
痛み苦しみ血と涙
今でも残る 水筒の中』
なぜだろう。
私は、その水筒から目を離すことができなかった
午後からは、
防空壕の体験学習があった
沖縄では「ガマ」と呼ばれている
生徒たちはそれぞれ灯りを手に、
ガマの中へ入っていった
奥へ、奥へと進む
そこは観光用に整備された場所ではない
ただの洞窟だった
足元も悪い
湿った空気
冷たい岩肌
そして、
外の光は少しずつ遠ざかっていった
やがて全員が立ち止まった
「それでは、灯りを消してください」
一斉に灯りを消す
暗闇
そこで静かに黙祷をした
私は、そっと目を開けた
驚いた
何も変わらなかった
目を閉じていても、開けていても、
同じだった
こんなにも深い闇を経験したのは、
生まれて初めてだった
目を開けている感覚がない
瞼の感覚さえ分からない
今、自分は目を開けているのか?
それとも、つぶっているのか?
それすら分からなくなった
戦争中、
このガマには多くの人々が身を隠していたという
子供たち
老人
負傷した兵士
そして、戦火から逃げてきた人々
彼らは身を寄せ合い、極力、灯りをつけなかった
敵に見つかるかもしれないからだ
この暗闇の中で、息を潜めていた
見つかれば、殺されるかもしれない恐怖
手当ても満足に受けられず、
苦しむ負傷者の声
泣くことさえ許されなかった子供もいただろう
私は暗闇の中で思った
同じ人間が、こんなところで生きなければならないなんて、
駄目だ
人間は幸せになるために生きるはずなのに
夢を持って、
その夢を追いかけるために生きるはずなのに
ここでは、そんなことはできなかったんだ
しばらくして、声が響いた
「灯りをつけなさい」
一斉に灯りがついた
眩しい
私は思わず目を細めた
こんなにも、眩しい
さっきまで何も見えなかった
洞窟の中に、人の顔が戻ってきた
友人たちの顔
先生の顔
自分の手
足元の岩
当たり前に見えていたものが、そこにある
私は、その光を見つめた
この光は決して、
消してはならないと思った