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若き日の雑記

    10代半ばから20代前半のやり場のない日々の書きなぐりをそのまま書いて見ます。   60年間、大工を続け76歳でリタイア、そんな私なので、文体,構成共ちぐはぐはご了承ください。
     

    若き日の雑記 1  

     
     今、私は自分の中に蠢いていた観念的理論を示そうとしています。それは、物事の真価は、その人の人生にどのように影響を与えたかによるというものです。結局、表すということはどういうことなのでしょうか。今の私は、頭の中に沸くままの思考を表現するだけの存在です。ただ、私の内にある感情を吐露しているに過ぎません。
    生きることは重要です。だから、与えるだけが人生ではありません。歪みが自由を謳歌させるのです。

    若き日の雑記 2


    彼女が泣きました。その理由は私には分かりません。もっとも単純に、人間性を表しているのかもしれません。しかし、それをそのまま信じることはできません。限られた存在の中で選ばれたものが、その主観に与えられるエネルギーは、果たしてどれほどのものでしょうか。
    もう5分ください。落ち着きます。身も心も、今日という日は、生きる意味を一方で知り、一方では生きる意義を虚しく感じさせます。存在する者にとって、その価値の理由の不確かさは、言葉では表しきれません。心の中は闇です。
     

     若き日の雑記 3


    静かにこの流れを見つめ、向かい入れよう。
    慌てる事は無い。 これ程の心を持っていても打ち破る力がそれらに在るとしたら、何を今更驚く事があろう。
    春の日は過ぎ去り、今は責め追い来る太陽の光です。
    全てに注がれる瞳の光は其の力を失い散光する。
    春は過ぎ去り、今はただ肌をじりじりと焼き尽くす、
    出陽の光が天井を這い回る日々です。
    春は過ぎ去り、今はただ重き足を汗に取られて行進する。
    私は思う。 私は私が想像する程の力と決断力があったならば、今よりどれほど幸福であっただろうと。        
    過ぎ去った余りにも辛い青春の日々を思う。
     

     若き日の雑記 4


    お前等の心に時たま女神が宿るなら,三千世界に及び悪魔の力を集結して、葬り去れ。充分過ぎる程の食物を与えたならば其れで良い。
    愛も過ぎ去りました、残されたものは塩辛い残影。
    自分自身、自分の身が大事だから、人に何も頼みたくありません。今日と言う日は死を以て全てが解き明かされました。
    傾きかけた家を直すのには、英語を覚える事です。
    纏めることは難しい。ただ漠然と思いに耽るのは気楽ですが、
    自分の話は正しいのだろうか、何が正で何が負か。
    動物は自然の中で充分に生きる事を知っている。
    人間は愛を知っている、そして愛は人間を滅ぼすかも知れない、
     
     

    若き日の雑記 5


    生活する事とは。
    少なくとも、私は真面目に生きているつもりです。
    私の与えられた運命と云う物を、良く理解しているつもり。
    大きく、はみ出したり、足元の小石に躓いたりしません。
    才能とは一体何なのでしょうか。
    人々の多くが青年期に波乱に満ちた生活をするのが目に着く。
    真実、この道を歩き続けながら、どれ程辛く悲しかろうと、
    微笑みを忘れずに。
    人々が凛々しく立ち止まっていましょうと。
    悲しみは意味深く浸み込んで、行くものです。
    一歩一歩、その歩みが胸に 弱々しい響きをこの目から、私に伝えます。
     
     

    若き日の雑記 6


    喜劇が最高の悲劇であると。
     
    悲しみが、生きる悦びであると。
     
    さえずりは、満ち足りた謡い。
     
    負けるのは、青春への霹靂。
     

     若き日の雑記 7


    そして、そこに悲劇が起こる。
     
    悲しがるには及びません。やがて、消え去るのです。
     
    アトリエから始まり、流れていた潮流は決して絶えたのでは無いのです。
     
    物の変化が人々に驚異の念を与えるのです。
     
    電光が流れ、飛びました。
     
    あの時々の愛は何処へ行ってしまったのでしょう。
     
    貴方の頬に浮かべられた微笑みは、もう私のものでは無い。
     
    私には、どうしても理解出来ず悪夢に思われます。
     
    どの様な境遇に於いても、拒まれずに居る者。
     
     

    若き日の雑記 8


     花園で語らった恋の思い出は、私の青春の悲劇の1ペ-ジ。
     
    黒い猫が首に黒い首輪を付けて出て来た様な恐怖。
     
    恐怖への前後が、冷たい夢から覚めて。
     
    自然は愛、愛は私達に摂って、単なる戯れ言です。
     
    私の、悲劇が今に始まった事では在りません。
     
     

    若き日の雑記 9


    私は、全てを知っているのです。
     
    そうですとも、貴方無しに、存在しない事を。
     
    やがて、其の白さが灰色に…暗灰色に暗黒色に。
     
    何もかも知っているのです。
     
    何もかも知っている筈なのです。
     
    何もかも知っている筈なのですが。
     
    ああ--何故この様な痛手を私の心に与えるのでしょうか。
     
    素晴らしい事が在るはずだったのに。
     
     

    若き日の雑記 10


    野の花に想いを寄せて。
     
    お前を見付けたその日から。
     
    お前を知った其の時から。
     
    お前を知る事に依って、私の気は充実する。
     
    お前と私、これが全てなの。
     
     

    若き日の雑記 11


    雪の化粧が綺麗だと。
     
    冷たいその手が美しいと。
     
    力を抜いて横たわるその姿が。
     
    自然に自由過ぎる程無造作な髪が。
     
    白い空、白い雪の中、横たわる貴方。
     
    純白の布に包まれた貴方。
     
    その中ですら、貴方は清く白く映ります。
     
    これ程の美しさを雪の中に残し。
     
    私が求めた、貴方は何処へ行ってしまったのでしょう。
     
     

    若き日の雑記 12


     喜びも束の間、人の流れは急なものです。
     
    緑の野の甘い薄色の園。
     
    歓びで包まれたその時、貴方は今何処に。
     
    今は只、暗い静物が存在するだけ。
     
    ミロスと共に夢の奴隷に成るだけ。
     
     

    若き日の雑記 13


     花は恋しいと言うか。
     恋人を探し求める、何故だか、知らぬ。
    何故、此れ程に、夢見る事が可能とされているのだろうか。
    何故此れ程に胸を悩ましく、切なくさせるのだ。
    様々に回転する輪の中の放つ光が、どれ程切なさを思い出させるか。この気持ちはどうすれば良いのか。
    エリザベ-トよ、美しい名の君よ、私は今。
    秋月の名の元に沸き立つ、胸の切なさ、愛は不可能。
    私の心の中に在る愛が、
    私の中に沸き上がる愛は何故、
    限りなく愛した人、身の心も全て捧げ、愛に生きようとした。
    あなたと私には全てが真実で偽りなき裸身で有る。
    存在はあなたと私だけ、
    私は何も望まない、あなたの全てのほかは。
    あなたは何を望みますか。
    生きるとは何か、愛とは何であるか、
    想わぬ苦界が私の前に開いております。
    とても叶わぬと、遠い昔に置き忘れた夢なのに。
     
     

    若き日の雑記 14


    川の流れは川上から川下へ、
    流れの中、全ては名付けられ、決まりました。
    自然で、当然です。
    貴方は、現実を充分に熟知しているはずです。
    充分に御存じの筈です。
    君のそれは、いつものそれ。
    悲しがる事も悲観する事も在りません。
    君のそれは、君に取って、何にも増して、良い事です。
    君の今を支える、支えている、影の力と成って居る。
    君には君の話が或る筈です。
    気を静かに、落ち着いて、良く考えて下さい。
    静かに落ち着いてですよ。
    さあ、目を伏せてごらんなさい。
    じっとして、始まるのが君の世界です。
    君の今の存在は、闇、何処までも闇です。
    しかし、恐れてはなりません、 それが、あなたの、存在であるならば。
    君の生きる存在の為、進みなさい。
    この暗闇があなたの生きる世界であるならば。
    進みなさい、立ち止まってはいけません。
     
     

    若き日の雑記 15


     何故、何故って、考えてもごらんなさい。
    貴方の足は、立ち止まっている為に、在るのでは在りませんよ。
    良く考えそうな事です。
    満天の夜空に輝く星々は、どれ程孤独な事であろうか。
    知ろうか、知るまいか、動く事無く、私の眼には、永久に留まって居るのです。
    動かずに、動かずに、心を責める、何が有りましょうか。
    でも、責めてはいけません。深く考えてはいけません。
    自然なのです。自然なのです。
    貴方は、自然の構成が、何であるかと、考えているのですか。
    自然の一部分である等とは考えたりしないで下さい。
    其れは、大きな誤りでは無いのでしょうか。
    貴方は生まれ出たもの、滅び行くものなのです。
     

    若き日の雑記 16


     私と云う存在の肯定。
    様々な人生に於ける討議が出されている時。
    其の多くが私自身の存在を強く否定します。
    生と云うものが、存在する為の行動が、様々な障壁を造る、
    そんな中で、私は何時も、あの暗い、黒色の壁を突き破る事は出来ません。
    私の全生命を以てしても。
    私の心は、何度となく、堂々巡りをします。
    益々内気に、益々病的に。
    小鳥の小羽根の擦れ合いすら、私の心に突き刺さります。
     
     

    若き日の雑記 17


     狂おしい現実よ、現実よ。
    冷たい、冷たい空間よ。
    何を一体求めているんだ。
    何を一体仕様とするんだ。
    垂直は大きく傾き、角Rと共に、バネ仕掛けのように戻る。
    冷たい現実を、明確に意識できた時。
    垂直のバネ、それの、これの、が目に映る。
    バネ仕掛けの人間は、〇を視つけて、突っ走る。
    目の前に表れた現実に障壁に。
    生命と己自身の存在を肯定しよう。
    力弱き者、走りで進み、歩きで戻る。
    力の強き者、走りで進み、留まる事を知らず。
    多くの、弱気者、裏しおれて、己自身の不完全さに。
    劣の感を心に留める、不幸な者なり。
    力強き者、鼻高々とし、己の力に信を持つ。
    可笑しい、バネの力を断ち切れる者とは。
     
     

    若き日の雑記 18


     筆を取れば独りでに。
    全ては貴方のお望み次第。
    何を望みますか。
    先ずは貴方の挨拶から?。
    いえいえそうとは、言いません。
    私が出るのは、何時でも最後。
    決して貴方のお邪魔に等とは。
    ならば、あの人の様、ハチから、蜜でも。
    いえいえ、決してそうとは、申しません。
    私の出るのは、何時でも、最後。
    何で貴方に迷惑等を。
    さすれば、貴方はなにをお望み。
    閉じてしまった、花ではないに。
    蝶を呼ぶのは至極に当然。
    ほんに、貴方は罪な方、
    最後に残るはただ一人。

    若き日の雑記 19


    もの悲し、青空の中、白鳥一羽。
    うな垂れて、落ち行くその様は。
    その時の涙の様。
    知らずに流す涙に、その情を映す。
    羽音と草のさざめきと。
    地におつる、その音は。
    肉感を僅かにくすぐります。
    哀れな悲しみの中に、その感が心の弦を張る。
    精一杯、荒れ狂い泣き叫ぶのでは無く。
    心の弦を小刻みに震わすその様は。
    一条の涙を誘います。
     
     

    若き日の雑記 20


    詩の心は死すらも、好んで呼び覚ます。
    死を詠う人の哀れさ。
    一条の涙に一行の詩が詠われ。
    狂える心の様が、他の行を型作る。
    狂い悩み嘆く、その人々は死の心。
    狂おしく、燃えるその瞳は詩人のもの。
    陽の光に、静かにほほ笑むものは死人。
    幸せ人は死人。

     

    若き日の雑記 21


    海は青く何処までも広い。
    青空は限りなく深く果てる事が無い。
    日々の周期が物を型作り、動かす。
    広大な宇宙の塵でありながら、その塵の頭の大きい事。
    ああ--今吹く風な春風か?。
    よく考えてみるがいい、
    与えられた運命と言うものが、どんなものか。
    忘れてしまっていいものでは無い。
    死は直ぐそこに。

     

    若き日の雑記 22


    青い空に浮かぶ白い雲、それが私です。
    書き続けているうちに、気が付く事でしょう。
    天上人のおっしゃる事、貴方にお話ししましょう。
    忘れ去った頃、夢は涙へと、誘うのです。
    思い出へと、続く、この白樺の小道も、もう彼方へと過ぎ。
    ただ目に映るのは幻影にすぎないのです。
    思い出の彼方には、緑にけむる、霧飛沫。
    その中に佇む貴方の存在は海上の小舟。
    (今の静から、この海は何処までも、静かです)
    彼方の空に飛び散る火花は、忘れ去った貴方への郷愁。
    想いでは果てしなく続きます。
    長い旅路の末、疲れ果て、膝ま付くその姿に。
    降り注ぐ月光も淡い幻想の世を型作る。
    貴方の周りに、飛び回る光は失われた残光。
    貴方はまだ救われていません。
     
     

    若き日の雑記 23


    目に聞こえる小鳥の声も。
    耳に見えるロドラルの鐘も。
    ただ虚しく流れる暗闇の流星。
    つかの間の想いを全て、思い起こすのは無理です。
    無理です、無理ですとも。
    もう一度、思い返して下さい。
    貴方が今居るのは、幻の世。
    どこへ、どう行こうと、貴方しだい。
    だからこそ、忘れては成らないのです。
    さようなら、私の話す事は此れだけです。
    どうしょうとも、全ては、貴方の御心しだい。
    どうぞ、貴方の御心のままに。
    悪魔が笑うとも。女神が微笑もうと。
    私には、関係在りません。
     

     若き日の雑記 24


    私は、夜空の渡る鳥。
    涙はもう枯れてしまいました。
    私は、もう帰る事が出来ません。
    私は貝には興味在りません。
    私は孤独に慣れました。
    人間を信じません。
    人の弱さは充分に、存じております。
    人の意地悪さも知っております。
    分かってもらえましたかしら。
    貴方の話を聞かない分けでは無いのです。
    貴方は、充分に親切で優しい。
    でも、私には、帰る気には成りません。
    何と云いましても、貴方も又同じ人間ですからね。
     

     若き日の雑記 25


     人生を生きると言う事は。
    春風の中の蝶、花から花へと。
    戯れに見える、そのしぐさが、人生の全てなのです。
    目の前を目まぐるしく、飛び回るハエ。追っても追っても。
    何と胸くその悪い生き物なのでしょうか。
    断りも無くまとわりつく。
    その状態が極自然で、其れに摂って、生きる全て。
    私が生きると言う事は?
    思い悩むのが人生なのでしょうか。
    嫌なことと感じることが大半です。
    千鳥の様に何気なく、飛び回る事ができたなら。
    蝶の様に、戯れに生まれたら。
    ハエの様に、無心に行動する事ができたなら。
    今日も私の足を重くさせる、鎖が付いて回る。
     
     

    若き日の雑記 26


    私がいくら書いても。
    此処に書かれるものは、私の中に在る一部。
    私がどれ程、貧弱であるかを知れば、
    私が創り出すものがどれ程詰まらないものであるかが解る。
    やらなければならない事が沢山あるのに。
    糸に結ばれた赤トンボ。
    空しい、円運動を繰り返して、力尽きます。
     子供の頃に帰って見ましょう。
    秋の焼けただれた、太陽が。
    薄い赤い、羽根に降り注ぎ、燃える紅に写します。
    赤とんぼは自由ですのに、
    空しい円運動を繰り返しています。
    捉われる事は、こんなにも、悲しいものなのでしょうか。
     
     

    若き日の雑記 27


     流れています。
    この音が、人生の真理への誠。
    全ての動きが人生の移り替わり。
    生誕死去あり。
    涙の川は大河と成って、大海へ。
    羊は天へ救いを求めます。
    春夏秋冬が、回転のその中に。
    喜怒哀楽が長短のその中に。
     

     若き日の雑記 28


    風の中にさまようのは、春の残光。
     
    忘れ去られた、日々への追憶は、一光線の彼方より。
     
    今陽の光は、貴方の涙の粒に刺し入り。
     
    拡散して虹を築きます。
     
    全てが忘れ去られたとしても、悲しまないで下さい。
     
    春の日々に生き続けましょう。
     
     

    若き日の雑記 29


    どうしても、無にする事が出来ない。
    私は人間です。
    人間とは、疑う事とは。
    遠い昔の私はどうだったのでしょうか。
    この肉の塊を持て余しています。
    腐りかけた肉の塊が泥沼に引き摺り込まれる感じです。
    確か、あそこにも、誰かいました。
    引き連れた顔が時の流れを忘れて、叫んでいます。
    この暗闇に波の伝達は在りません。
    空々しい、空間が、ただ、ただ、続くだけです。
    叫びの音階は、相変わらず続き。
    無意識下で、それらは、ゲタゲタ笑いながら、流れて行きます
    もうずいぶん、長い間の様な気がします。
    そして、今何をしているか、まるで知る気力も在りません。
     
     

    若き日の雑記 30


     全て虚しいと知りながら、恋をした。
     
    全て儚いと知りながら、恋を恋した。
     
    そよ風の丘を、 手を取り合い、駆け回る。
     
    この日、一日が全てです。
     
    今日の貴方はもういない。
     
    あれ程の悦びを与えてくれた、貴方はもういない。
     
    今日の貴方は、
    今日の私は
     
    互いに、手を触れ合っても、心は触れ合わない。
     
     

    若き日の雑記 31


     
    描きたい、私は、貴方を描くのだ。
     
    私は、貴方を描く為に、生まれたのだ。
     
    私は、描かなければならない。
     
    私は太陽に命ぜられたのです。
     
    私は貴方より、強い命を受けたのです。
     
    私は歓びと不安に。
     
    貴方も恐らく。
     
    しかし、誰が描くか分かりません。
     
    貴方は何も言いません、 いくら頼んでみても。
     
    其れは、氷の壁です、柱です。
     
     

    若き日の雑記 32


    叫び声から始まって。 (人々の)
     
    ほんの少しの楽しみ事を。
     
    如何する事も出来ないで。
     
    こんな長い苦しみの。
     
    こんなに切ない世の中へ旅立つのです。
     
    そして、如何する事も出来ず、過ごして入る。
     
     

    若き日の雑記 33


    私は見たくないのです。
     
    私の心にトゲがささり、
     
    私の目に黒幕が
     
    私は如何する事も出来ませんから。
     
    私の心を苦しめる。
     
    私の心のアザを恨みます。
     
    私が貴方を、恨んだとしても。
     
    其れは、どうでも、良いのです。
     
    放たれた矢は。
    天空を自由に飛び、生の意味を悟。
    悟り、明日の陽の中に死にゆく。
    陽の光は自由を充分に味合わせてくださるのに。
    祭りの火は、村の地を出る事が出来ない。
    全てが達せられた時、全てが生まれ。
    陽の光の中の芽となる。
     
     

    若き日の雑記 34


     
    誰が知ろう、彼の事を。
    その顔を現実から背け。第二の現実に沈めている。
    此の男の其れを。
    浮世の話が一体何だと言うのだ。
    どう移り変わろうと、仕方の無い事。
    彼等は、ものの移りを、変わり様を。
    人の世の繰り出す幾多の波状を。
    大きく瞳を見開いて、意識しようとする。
    だが自分が、その中に入る事は気付かない。
     
     

    若き日の雑記 35


    貴方の瞳が焼け付く様に。
    私の心を見つめてくれた。
    私の心が、 私の気持ちが
    貴方は、理解できているのですか。
    こんなに、苦しい毎日を。
    こんなに、空しい日々を。
    貴方の為に味わっている。
    貴方が、この世にいなければ。
    私は、こんなに、なりはしないだろうに。
     
     

    若き日の雑記 36


    夜風が私を呼んでいた。
    何も知らない貴方だけど。
    流れて行くより、風に任せて。
    じっと、こらえているんだね。
    なんて、寂しいその瞳。
    ああ--、枯れ葉の落ちる様。
     
    想いは秘かに。
    風に流れて、闇へ。
    私の気持ちは、何時も、伝わりはしない。
    いつも、涙ぐんではだめと。
    貴方の瞳が言ってた。
    ああ--、寂しいのは私だけ。
     
     

    若き日の雑記 37


    見つめている、自由を求めたけれど。
    愛を求めた二人は。
    やがて、その愛が消えて行く事に、気付くでしょう。
    本当の言葉を使えなかった様に。
    叫ぶ事。必要な事。頭の中には。
    やがて、やがて、春は来る。
     
     

    若き日の雑記 38


    ある日、私は、太陽を心に止めた。
    落日の太陽に恋したのかもしれない。
    もし陽が沈み大地に吸い込ませるなら。
    私は三つの国を超え、三十の山を越え。
    三百の川を渡り、三千の道を走破した。
    大きくそびえる崖と広大なる砂丘に辿り着いた今。
    海を知る事の無かった私にとって。
    三千年の旅の終わりを告げている。
    落日の太陽を求めて。
    時には、憎み、時には、悦び、
    時には、その中に、夢すら懸けたのに。
    今、全ての想いを載せた太陽との、別れが始まる。
    此の現実の前で。
    子ネズミの様に、泣き叫ぶか。
    獅子の如く、吠え狂うか。
     
     

    若き日の雑記 39


    春の陽の光の中で、ほのかに、煙るものは、なあに。
    時として、陽炎の中、菜の花の中に、何を見るの。
    春の陽は、気まぐれで。
    机が無いの、そう言って、貴方は泣く。
    もう、だまされません、と言って、貴方は泣く。
    心が冷えて、悲しいの、と言って、貴方は泣く。
    もう、帰って来る事、出来ないの、と言って、泣く。
     
     

    若き日の雑記 40


    やがて、自由を見失って。
    冷たい大地に墜ちる。
    開かれた、扉の中に、何があるか、知る事は出来ない。
    しっぽを持たれ、逆さ釣りにされた、ネズミの様に。
    懸命にもがく、力は、青空へと、拡散する。
    やがて、現実がそのフタを大きく開け、私を引き入れる。
    人々はそれを、知ろうとはせず、眼を逸らす。
    玉が割れ、赤い水が流れても、それを、直視する事が無い。
     
     

    若き日の雑記 41


    黙っていても、やがて、解かってしまうというのなら。
    悪いと言うのですか。
    道は有る筈です。探してごらんなさい。
    原子が崩壊してしまうのではないのか。
    決して良い状態に成らないかも知れない。
    苦しみは何処までも続く。
     
     

    若き日の雑記 42


    春の日差しの中で。
    菜の花にたわむれる、蝶の様に。
    只それだけで、いいのです。
    頬を刺す、冬の風は。
    指を凍らす冷たい吹雪は。
    もう、たくさんです。
    ランプの灯りを囲むだけで、いいのです。
    春の陽射しの中で、つくしんぼを囲むだけ。
     
     

    若き日の雑記 43


    後から、後からやって来る。
    私の行く手を遮る様に。
    赤い火を手にもって。
    まるで、私に恨みがある様に。
    また、後からやって来る
    貴方は、なにものなの。
     
     

    若き日の雑記 44


    何と、生きると言う事は素晴らしいんだろう。
    何と、気持ちの良い事なんだろう。
    貴方も感じてごらん。
    素晴らしい事だ。
    全ての人々が、味わう権利と可能性を持って要る。
    生きると言う事を。
    貴方は、貴方は、感じないのですか。
    貴方は、味わった事が無いのですか。
    さあ、私が手を取ってあげよう。
    貴方は知るべきだ、生きている事を。
    そうして、行うのだ。
    喜びの中に、溢れ来る生命力を。
    力一杯、胸にすって。
    さあ、ガンバロウ、若き命の為に。
     
     

    若き日の雑記 45


    (人間が生きている)
    太陽が消えたら、俺達は死ぬよ!
    太陽が消えたら死ぬ?
    皆がそう言っていた。
    (深く頭を垂れ)  私は、悲しかった。
    (お星さまが、ほほ笑んで、話しかけた、私に)
    きっと、許してくれたのね。(少女が優しく話している)
    ・・・愛らしい微笑みが森を包んでいる・・・
    こんな世界もある。
    こんなに美しい・・・彼等は知らないのか。
    少女が消えてしまった。
     
    太陽が消えても、彼等は死ななかった。
    ・・・ただ、眠りについただけ。
    太陽はあすも又彼等が起きると現れる。
    (少女は死んだ。 彼は眠った)
    目覚めて、それから、彼は死んだ。
    苦しんで飛行機が飛んでいる。
    アメリカへ行こう。 (山があった)
    生活に叱られた人間です、私は
     
     

    若き日の雑記 46


    何と、素晴らしいのだろう。
    春の緑は
    一つ一つの小さな葉まで。
    冬の夜から飛び出して。
    力一杯、日を浴びて、鮮やかだ。
    これこそが、人生だ。
     

    若き日の雑記 47


    石ころを足で蹴った。
    コロコロ転がって。(少女が立っていた)
    石ころが見えなく成った。
    向うから、自転車が走って来る。
    軽いペダルの音が近ずいて
    (少女が後ろへ遠ざかっていく)
    通りすぎた・・・
    私は、駅に向かって歩いていた。
     
     

    若き日の雑記 48


    電車の中、少女が座っていた。
    綺麗な顔だった。 眼・鼻・唇。
    綺麗に整っている。
    僕は、黙って見つめていた。
    少女の横顔を。
    少女は何も知らないが。
    僕はずうっと、見つめていた。
    時間が、私の芽を覆う
    きっと、何時か会えるだろう。
     
     

    若き日の雑記 49


    生きる事が正答か。
    死する事が正答か。
    決めるのは貴方では在りません。
    日が昇り、沈む様に。
    生は生まれ、死すのです。
    (考えてもごらんなさい、不自然な物事を、呑み尽くす自然を)
    これが宇宙の原則です。
    書を紐どいて、ごらんなさい。
    貴方は、忘れてはいけません。
    自然は寛大です。
     
     

    若き日の雑記 50


    貴方が駆け出して。
    線路の上に伏した。
    線路に耳を付けて、遠くを夢見る眼差しだった。
    貴方は私の手を取って強く引いた。
    私は、よろけて、貴方の胸元へ。
    「どうしたの?」
    貴方は潤んだ瞳を投げかけて。
    「電車が来るの、電車が・・・」
    身体の中に電車の規則正しい響きが。
    貴方は、私に縋り付き、じっと、眼を見る。
     
     

    若き日の雑記 51


    貴方が、泳ぎだし、沖へ出た。
    波間に浮いて、私の来るのを待っている。
    私が貴方に追いつくと、貴方は私に縋り付き。
    潤んだ瞳を投げつけて。
    私に何かを言っている。
    「どうしたの?」
    貴方は、にっこり微笑んで、私に強く縋り付く。
    「海が呼んでいる、呼んでいるの」
    乱交浮かぶその中へ。
    貴方と共に、沈んでいった。
    ただ、じっと見つめあうだけで。

    若き日の雑記 52


    白い雲が型ずくる、
    これが、自然なのです。
    天空を強風が吹けば。
    細く、長く、雲は流れます。
    急激に移り変わる。
    これが、嵐です。
    秋青空にぽっかり、浮んだ白雲。
    これが、今の心です。
     
     

    若き日の雑記 53


    雪だ!
    なんて、素晴らしいのだろう。
    なんて、なんて、白いのだろう。
    ああ--、この身を切る、清らかさは。
    こんな、素晴らしい世界があるなんて。
    ああ--、一体どうすれば、良いのでしょうか。
    この喜びを、この悦びに慄き震えるこの身を。
    …駆け出そう、そうだ、駆け出そう、この新天地を。
     
     

    若き日の雑記 54


    揺れる夜汽車の中で、
    誓いあった二人。
    貴方が、涙を流すから。
    私の胸に風が吹き、
    なおさら、貴方が、恋しくなる。
    貴方が、その目で見つめるから。
    私の城はもろく、崩れる墜ちる
     
    若き日の雑記 55
    花の様に、散るらん、君。
    当てあらば、探したまへ。
    積もる事無き、白き淡雪。
    創り出された、白き手。
     
     

    若き日の雑記 56


    暗澹たる、苦悩の中で、何が出来よう。
    厚く覆われた、黒い雲の中で。
    乱れ飛ぶ小鳥の様に。
    方向も判らず、ただ慄くだけ。
    こんな気持ちで、何が出来よう。
    こんな、陰気な世に。
    こんな、暗い世で。
    澄み切った、空なら。
    青空なら、どんなに、良いだろう。
     
     
    若き日の雑記 57
    風の吹くにまかせて。
    全てが通り過ぎるのを見つめていた。
    私が、かって、この手に触れた、一つ一つが。
    今は、私の心との結びつきを無くして。
    彼方へと去ってゆく。
     
     

    若き日の雑記 58


    刻々と過行く、その日の事を。
    陰影の中に、求める人の様に。
    暗い、遠い想いだけが。
      私の、全てなのです。
    未来に背を向けて。
      荒れ狂う、暴風の中に、立ち止まっているのです。
    此処は、永遠に止む事の無い、暴風園。
    その中に、私は、ただ郷愁の念を持って、佇んで居るのです。
    振り返る未来。
     私の未来は、沈もうとしている、赤い夕日が、
    私の目を、眩しさ無しに、照らすのです。
     
     

    若き日の雑記 59


    お前の存在は。
    小窓から差し込む、陽の光の中に、うずくまる、子供。
    お前は、知っているのか。
    何時か、きっと、
     気ままに、その窓を、閉じてしまう、男がいる事を。
    其の事を、お前は考え様ともしない。
      聞かされても、貝の耳。
    さあ-、明日は、お前の存在は消え失せるのだ。
      知りとて、何としようぞ。
    如何に、我身可愛いとて、
      枯れた木の葉に、何としよう。
    今、陽の光を受ける、私は、年老いた子供。
    生が、ちぐはぐだとしても。
      来るべき未来の方に、何で逆らえましょう。
    全ては、御身のままに。
      なべて、何をぞ、うらもうや。
    死しても、悔いあらばこそ。

    若き日の雑記 60



    寒暖の無い夜、瞬く星は美しく、映えるものです。
    もう、十数年にもなりますが、
       あの星は今も、私の目に輝きを降り注ぎます。
    悲しく涙にくれた、私の瞳には。
       その光が
     
     

    若き日の雑記 61


    何故数億もの人間は生存して居られるのだろうか。
    生きると言う事は、一体どうゆう事なのだろうか。
    傷ついた鳥が、私の前に弧を描いて、地に落ちた。
    今、私の手の中で、必死に藻掻いている。
    私の心の中に、何があるのだ。
    私の瞳の中に、何が見えるのか。
    何を感じるられるのか。
    でも、構いはしないさ。
    自然は好きにはなれない。
    お前は私を信じないし。
    私は、お前の心の中が、見抜けない。
     
     

    若き日の雑記 62


    神は、許して下さった。
    ものを知らなければ。
    白い色は、暗闇よりも、恐ろしい。
    その表に、様々な隠を創り、心に、つばを吐きかける。
    空へ飛ぼう、人間の愛を信じるから。
    私き中き
      私の存在する理由の中に、愛があるだろうと信じて。
    愛とはどんなものか。
    愛するとは?
     一体、何を愛するのか、同胞か、それとも、大地か、
    自然の樹々をか。
    私の口に放り込む、リンゴの実か。
    私の前を通りすぎる、女性か。
    私の前で尾を振る犬か。
    何が、私を、この世に引き付けているのだろうか。
    一体、苦しみのほかに、何があるのだ。
     
     

    若き日の雑記 63


    どこまでも続く平原に。
    流れの穏やかな小川が。
    霞む、地平の彼方まで、自在に曲がりくねって、続いている。
    天空には、雲一つ無く、
      青い空が地平に滑り込んでいる。
    どうして、風が吹いていないのだろう。
    小鳥の囀りすら、聞こえない。
    此の小川のせせらぎに。耳を澄ましていたら。
      雷が落ちた、頭の中で、誰かが、自由であると。
     
     

    若き日の雑記 64


    空想ばかりに、耽っていては、いけない。
    現実の世界をどう生きるかが問題である。
    心の波は、其の波長を長く取り、
       振幅を大きく逆立てます。
    かの時は詩人に憧れ、時として、
    地の底へと、叩き落ち、鬼となる。
    今この身は自由を求め、空を彷徨う。
    複雑に怪奇な物体は我々の目を覆い。
             明日へ其の尾針を向ける
    明日こそ、神がその正体を現す時だ。
        だが、我々は決してそれを、望まない。
     
     

    若き日の雑記 65


    目的もなく、ただ漠然と歩き続ける。
    極めて自然なりと、草花に心をゆだねる。
    人の、心の歯車が、その回転に従って、
    何だと無常の両極が、眼にうつる。
     
     

    若き日の雑記 66


    私の未来を。
    無意味に固定し円運動を続けるか。
    のめり込む、暗闇に向って、直進するか。
    今の私に摂って、最も苦しむ問題だ。
     
     

    若き日の雑記 67


    生きると言う事は。
    如何なる意志の基に生まれ来て、
       何の為に、生き続けるのか。
    生まれ来る理由を知る必要は一体あるのだろうか。
    細分子の中で意識的にはまるで無機質な状態。
       徐々に開花されてきた、一つ一つが不問。
    問うべき事では無いの。
     
     

    若き日の雑記 68


    充分の幸福であるならば。
    物事が全て思い通りに動いたならば。
    思い余って、川に飛び込む事も無かったろうに。
    それでも、人は、充分に其の事を知っているのである。
    白いレンガ造りの壁を前にした時。
    人々は何を想像するであろうか。
    一体、何の為に、こんな場所に在るのであろうか。
    此れは、一体、何を意味しているのであろうか。
    誰が造ったかも知れず、何時からこうして立壁しているのか。
    此の数百年を無き笑いしてきたのか。
     
     

    若き日の雑記 69


    心の中に在る愛を、  不必要だとしてしまったら。
    心の中に何が生じるのだろうか。
    天上から小さなクモが下りて来ました。
    明け方なら
    夕方なら
    人々はそれぞれ、勝手に自分の運を分からずに。
    明日、流れる水の中で泣き笑いします。
    風の吹くにまかせて。
         頭髪の乱れを、甲でたくしあげる。
     
     

    若き日の雑記 70


    一点に留まらず。
    多面的に乱れ飛ぶのが人間か。
    目には均一に映る、その光の束も。
    種々、様々な色を秘め。
    貴方の心を射抜きます。
    でも所詮は、同格の人にのみ
        その想いが解り、より深い哀れさを誘います。
     
     

    若き日の雑記 71


    流れ出るものは、如何に力強く抑えたとしても。
    集束された、力となり、破れ流れ出るであろう。
    哀れみと慣習への旅へ。
    感じるままに人生を流れ。
    自己を確立する。
     
     

    若き日の雑記 72


    生きる事とは、考えてみた後。
    花の死が美しいと感じられる事に。
    もう人々は充分過ぎる程に、生きたと。
    持てる力を出し切った時、全ての哀れを感じる。
    今私の中に、何かが、虚ろであるが、表れ出ようとしている。
    人として、様々に希望を託し、
       良いとも、悪いとも、感ずることも無く。
      日々を虚しく過ごして入る、私は一体何者。
     
     

    若き日の雑記 73


    風の中に彷徨うのは
    春の残光
    忘れ去られた、日々への追憶は
    一光線の彼方より
    今、陽の光は、
    貴方への涙の粒に刺し入り
    拡散して、虹を築きます。
    忘れ去られたとしても、
    悲しまないで下さい
     
     

    若き日の雑記 74


    瞳に溢れる涙を
    彼等は眞如と呼ばせてくれるでしょうか。
    事の節々に、彼等を推そう、心の薫風は
    つかの間の、喜悦を感じさせ
    溢れ様とする、情愛を昇華させる。
     
     

    若き日の雑記 75


    青々と続く田園
    車窓に流れゆく緑が、
       人の心に、静かな落ち着きを、淡く肯定する
    暗濁色に濁った、都会の空の中で暮らした人々に摂って。
    心の求めた自然への郷愁は、
      乳白色の朝霧の中で、陽の明るさと共に、翼を充分に伸ばします。
     
     

    若き日の雑記 76


    呼ばれて此処まで来て。私は良かったと思っています。
    今一番必要なのは、
    自然が大地に大きく根を張るっているのを、肌で感じる事です。
    春の陽の中で、風と共に揺らめく、土の匂いは、
        私が自然児の一人であることを感じさせます。
     
     

    若き日の雑記 77


    遠い空の何処かに、緑の平原が或る事を信じたい。
    高く飛ぶ鳥も何時か、緑の草原へ安住の地を見付けると。
    全ての人々が持って居る真心の輝きが、
         やがて、太陽を天空に齎すことを、信じたい。
    願いが、願いだけで終わって仕舞う事の無いよう、
    遠く地平に沈む陽に、一日の感謝を捧げる。
    人々の心は晴れ渡り、失う事の無い宝がその目に宿る。
     
     

    若き日の雑記 78


    灯りの消えゆく闇の夜を拒んだ。
    片時も、絶やさずに、灯そう。
    互いが離在する園世を
    後方よりの闇の進運を阻もう。
    流動する、闇の秘密と
    未知なる物象の無さを
    目を覆う黒い霧をぬぐおう。
    だが私は、知っている
    分在する、全ての空間が、やがて、闇に包まれることも。
       生まれたものが、やがて、死滅する事も。
     
     

    若き日の雑記 79


    忘れる事が出来ない、どんなに、空白が長く続こうと。
    やがて、その姿を私の前に表す
    目の前で星の流れるを見たと、感じた事は、なあに。
    胸の内で流れている、泉の清流は、
       その力を失い、月の光の中で小さく息ずく。
    現実はそのまま、見定めましょう。
    心の中では、全てが真実では無いと、叫んでいる。
    其の事を深く信じ切るかが、
    明日を生きる我々に摂って、
       一番恐ろしい事に成ってしまいました。
     
     

    若き日の雑記 80


    雑木林が、 すすき野が
       今日の陽に、哀歌を持って、別れを告げる。
    陽の沈んで、その力を闇に委ねるのか。
    暗い闇が私の心にどれ程冷たい風と成って
          吹き付けるかを、知っているのでしょうか。
     
     

    若き日の雑記 81


    歩き続ける道の前方が
        何の変化も無く地の彼方へ消えている。
    平原の中。
       一足一足が重い大地を力なく反発しあう。
    自由に歩くのでは無く、
        未来を打ち壊し、過去と云う鎖に変えて仕舞う。
    かって、歩んで来た道が、大きく歪み、時間を消し去る。
    そんな中、再び同じ時の流れに彷徨い、
           鎖にその足を取られる。
    そんな中、考えが醜く後退しだす。
     
    意識の目で感じる時、自分の愚かさが、時を打ち始める。
    繰り返しの中にいる、年老いた青年達の顔は、
          黒・緑・白 と変化し無機質と成る。
    現実とは儚いものです。
     
     

    若き日の雑記 82


    忘れているのでは在りません。
    ただ今は、思い出したく無いのです。
    貴方の眼差しが、余りにも幸せそうなので。
    心に穴が開いている今。
    これ以上は、傷つきたくは、無いのです。
     
     

    若き日の雑記 83


    充分に幸せでいられるなら。
      平和の鐘はどんな音、
    初雪の舞降る音は・・・
    じっと、見つめる、灰色の空から。
    灰色の遠い奥深くから現れるものは、 一体、なあに。
    誰も知らないと言って
    無遠慮に、蔵を引っ掻き回すのは、 だあれ
    皆が其々に、知らん顔をして、階段を上がって行く。
    其々の罪に百乱の返答を添えて。
    充分に幸せなら、人々は物の色合いを知っている
    不適格な状態で、何時までも。
     
     

    若き日の雑記 84


    人は、泣く事を忘れ。
    誰も信じてくれないから、人は、誰も、信じようとはしない。
    思い出した頃、災害は起き、世を混ぜ合わせる。
    瞬時に泣き笑いの時を経て、しがみついて、信じ、信じさせる。
    辛い十数年が過ぎ、 
    楽しい十数年が過ぎ。
    充分に、過ぎる程の、時がほくそ笑む。
     
     

    若き日の雑記 85


    ただ単に、不自由の身だからと言って。
      其の身を嘆いてばかりでは、行けません。
    何が出来なくとも、夢は在ります。
    必要以上に求めるものでも、在りません。
    想いさえ有れば、扉はやがて、開くのです。
     
     

    若き日の雑記 86


    自然に対して、今、自分と云う者を熟考する。
     
    彼方には連なる山々と、青い空が、
     
    自然は、大地を母とし、漫然とその息を潜める。
     
    何を行って、何をぞ、すべきか。
     
     

    若き日の雑記 87


    北の山々が、雪を含んで、青く光る。
    雨上がりの春、心は、大気は、西方浄土を徘徊する。
    今、快い疲れが、全身を柔らかく包む。
    当ての無い旅人が、遠い故郷を思い起こし、
    心に、血が逆巻くのを覚える。
    さあ-、 自由が何であるかを、確かめ様。
    旅が、光を求め続けている事を、知る由もない。
     
     

    若き日の雑記 88


    老人は、家の外壁に背を付け、座り込んでいる。
    瞳は遥か遠く、過ぎ去った青春の日々を探すかの様に。
     
    風のよぎるのが、春の風なのだから。
    身の隅々まで朽ち衰え始めました。
    何時でも、春はその姿をかえず、
    私の瞳は涙で一杯だ。
    私の心は悲しみで一杯だ。
    心の流れとはまるで、別に、周りが動き出す。
    ああ--、もう人生は終ってしまったのだ。
    私が、かって、愛した、これらも。
    私が、かって、心をよせた、この丘も。
    老いた、私を受け入れてはくれない。
    されど、過ぎし、青春の日々よ。
    私には、どの様な、時だったのだろうか。
     
     

    若き日の雑記 89


    誰にも、愛されず、
    愛する事を恐れ。
    心が、風に任せて、自由に舞った。
    心が、無邪気にも、花から花を飛び回る。
    今、老いた老人が、留まり続けるのは。
    その日の因果。
    あの日、あてもなく、彷徨った、心。
    捨てられた、子供等の鳴き声。
    まだ、充分に若かった時、夢を見たあの空。
    空の下、茂る大樹の下に語り合って、暮らした仲間は。
    全ての夢が、消え去ったのを知る。
     
     

    若き日の雑記 90


    川面に、笹船を浮かべた。
    水の流れに任せて。
    やがて、青く深い海へ辿り着くだろう。
    その道程は長く。
    時として、苦しみの波に。
    時として、歓びの陽の光に
    又、時として、悲しみの風に
    繰り返され、、繰り返され、全てが昇華される。
     
     

    若き日の雑記 91


    どんよりと、くすんだ、空をばかり見て。
    スッキリと晴れ渡った青空を、見続けないの。
    くすんだ、空を見ては、嘆いている。
    お前は、怒りながら、其れでも、良く見ている。
    あの黒い空を
    時折飛び過ぎる、雀を見て。
    お前は、慰めの様に空は、空はと言う。
     
    空は、雨を降らす
    其々に似ているものは、互いを慰め、励ましあう。
    そして、直ぐにでも、不幸な状態から、逃れようとする。
     
     

    若き日の雑記 92


    今、私に最も必要、かっ重大な事は。
    どう、生きるか、と云う問題である。
    此の事を知りえたら。
    私と云う人間に課せられた使命としての行動は。
    何の為に、存在し、生存するのか。
    何故、今の状態を不幸と呼び。
        不自由と叫ぶのか。
     
     

    若き日の雑記 93


    引き返す事の出来ない、道を歩みだしたと言うのに。
    何もかもが手付かず。
    途中まで確かに持っていた筈なのに。
     
    今の寂しさは、一体何処からくるものなのか。
    新たなる旅立ちだと、言うのに、
        その先に在る物が何なのか、分からない。
     
     

    若き日の雑記 94


    1もう、帰りなさいと、貴方は言う。
    何もかも、捨ててしまいなさい、と貴方は言う。
    でも、貴方は、何も知らないから。
    何も知ろうとはしないから。
        その様な事を、仰るのです。
    でも、もういいのです、何もかも。
    済んで仕舞った事です。私が、私が。
     
     

    若き日の雑記 85


    白い雪に、足跡を着けるのが嫌だと。
    貴方は言う。
    今、共に旅立つのに、
    白銀への。世界に飛び出さなければ、いけないと言うのに
    捉われてはいけません。
     
     

    若き日の雑記 96


    でも、貴方は、もう決めて仕舞ったのですね。
    いいですとも、ええいいですとも。
    どうぞ、何もおっしゃらないで下さい。
    過ぎた事等、何とでも言えますから。
     
    あの時、私は、どんなに、辛かったか。
    其れでも、貴方は、許せと言う。
    其れでも、貴方は、許せと言う。
    充分に時は過ぎ、多くの人々が、忘れ去ったので。
    ああ--、貴方は、ご存じ無いのです。
    愛が時と場所を超えて流れる如く。
      苦い想いも、時として時空を超える事を。
     
     

    若き日の雑記 97


    春、木々は芽生え、
    風は、笛に合わせて舞う。
    風舞う春に、心は、今、沈黙を守り続ける。
    日々、時は流れ、ほんの一時。
    青き時の去った後、柔らかに芽生える。
    その時、一体何が、目の前に残されるのか。
     
     

    若き日の雑記 98


    陽の光の明るさが、微かに、私の閉じた瞼に囁き掛ける。
    その時、今如何にすべきかを。
    生まれ出る事の、歓びが
    生き続ける事の苦しみが
    死に行く事の悲しみが
    何れかを、強く感じ、何れかをうやむやに意識し
         今、時は流れる。
    生き続けている、今、
    何一つとして、理解する事の出来ぬまま、
      ズルズルと、生にへばりついている。
    無気力さへの、自己嫌悪とそんな、人生の悲しさが。
        僅かな、時の流れの中で、涙となって、頬をつたわる。
     
     

    若き日の雑記 99


    真昼の夢に見た、黒いアングラな、鉄の馬は、
    立ち上がりはしない。
    ギクシャクと、ヒズメを、打ち続けるが、
       その姿に、何らの変化も見る事が出来ない。
    此の、数年間、私は待ち続け、気が擦り切れてしまいそうだ。
    誰も、知らないから、尚更、そう感じるのかも知れない。
    今直ぐにでも、立ち替われたならば、
    立ち返る判断は何処かに、無いものだろうか。
     
     

    若き日の雑記 100


    空も観ました。
    星も観ました。
    充分なお祈りもしました。明日の為に。
    此の夜、夢が私の心に通います様にと。
    私の内に、新しい力が。
    新しい陽の光が、射し込みます様に。
    私は、信じます、 信じて、そっと、目を閉じます。
     
     

    若き日の雑記 101


    涙を伴う話の数が多ければ、良い。
    魔王はそう言いました。
    彼は、あらゆる事に想いを、募らせて。
          話始めました。
    数日置きに悲しい日がやって来る。
    その日が決して嫌ではないのだが。
    物事は全て、同じような気がする。
    追えば逃げ。 逃げれば、追いかけてくる。
    この世はままならぬ。
    そう感じた時、心は、閉ざされ。
    心が、充分に開いている時。
    何もかもが、不自然に横たわる。
     
     

    若き日の雑記 102


    花の様に散るらん君。
    当てあらば、探し給え、
    つもる事なき、淡き白雪。
    静かなる、蝉の声。
    柔らかに、季節は巡る。
    その先に、全ての答えが在る。

    #創作大賞2026 #オールカテゴリ部門


     
     
    七六歳でリタイア、無望の人に成りつつ在ります。今はこのNOTEが唯一の望みかな。どんなになっても、此処からの一歩を信じて、頑張ろうかな。    若い時も在りました、人は年を取ると云う事を、今実感して居ります。

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