
老害対策法#67『エピローグ』【創作大賞2026】【ホラー小説部門】
その男は、暗い部屋の中で煌々と光るパソコンモニターを前にしていた。男の周りにはコンビニ弁当の容器やエナジードリンクの缶、食べ散らかした菓子の空き袋など、ゴミが散乱していた。
「老害対策法が終わっちまってから何も楽しみがねぇ。少しでも老害対策法に触れられるサイトはねぇものか……」
男はネットの海の奥の奥まで沈んで漂っていた。誰も閲覧者がいないであろう個人ブログ、胡散臭い通販サイトなどがびっしりと表示されている。
「血が見てぇ……老害審判が見てぇ……もっと良い検索ワードはないものなのか……」
その時だった。男は気になるURLを見付けた。
「ん? これ……? 政府系か……? 何だこれ?」
そのURLをクリックすると、そこには老害審判で使われていたチャットが表示された。
「アーカイブ……!?」
もちろんそのチャットには誰もいない。過去ログすら辿れない。だがそこに、そのチャットは存在した。
男の精神は高揚した。あの時の快感が再び襲い掛かって来るかのようだった。
【誰かいるか……?】
男はチャットにそうメッセージを書き込んだ。
【おーい。誰かいたら返事してくれ】
【おーい。おーい。誰もいねぇのか?】
【また老害審判見てぇよなぁ? 殺戮ショー見てぇよなぁ?】
返事の来ないチャットにメッセージの送信を続ける。
「ちっ。結局誰もいないのかよ」
男は雑誌類に半分居場所を奪われているベッドに身を投げ出す。
「けっ。つまんねぇの」
──ピッ
「……!?」
【お前、同志か? どこでこのアーカイブ見付けて来た?】
──To be continued?
────了