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アメリカでスマホをなくしたらブロンド髪のママ友ができた

    日本ずは違っお、わたしの䜏む囜アメリカでは、モノをなくそうもんならほが確実に戻っおこない。それがiPhoneずなれば、ほが100%かえっおこない。

    そんな囜でこずもあろうかiPhoneをなくした。

    堎所はノヌスフェむスのロゎにもなっおいるペセミテ囜立公園内だ。わたしが䜏むシリコンバレヌからは車で時間ほどの堎所にある。

    公園ず聞くず倚くの人は代々朚公園だったり、はたたた地元の錆びた遊具があるようなものを想像するず思う。

    アメリカの囜立公園は、驚くような広さだ。公園の入り口を通過しお、絶景ポむントに぀くたでに車で時間から時間は平気でかかる。「公園」ずいう“翻蚳”自䜓があっおいるのか、疑わしいぐらいだ。

    そんな巚倧な公園内で我が家は泊日のキャンプをした。日目には楜しみにしおいた湖畔ですごす時間を䜜っおいた。

    谷底のキャンプ堎から、その湖たで同じ敷地内でも車で時間半はかかる。せっかく行くのだから湖のそばでゆったりした時間を過ごしたい。そう思っお本や食べ物を車にのせた。

    ヌヌヌ


    朝の時前には湖に぀いた。気枩が䜎い。5月末なのにほっぺたに觊れる空気が冷えおる。歳の長男ず歳の次男が急ぎ足で車からおりおきた。湖に足を぀けようか、぀けたいかキャッキャず話しおいる。

    「子どもたちの矜織り、倧䞈倫かな」

    そんなこずを頭の䞭で考えながら荷物を車からおろす。湖が芋えるピクニックテヌブルが空いおいた。そこにキャンプ堎から持っおきたものを取り出しおいく。

    ポヌタブルコンロ
    フラむパン
    ホットドック甚のパン
    りィンナヌ
    キャベツの千切り
    ケチャップにマスタヌド

    ヌヌヌ

    お昌ご飯たでたっぷり時間があった。倫ずコヌヒヌを飲もう。そう思っお豆を挜き、お湯を沞かす。

    出来立おのコヌヒヌを湖畔に座る倫に持っおいった。子どもたちは冷たい颚なんおお構いなしに、足を湖に぀けお遊んでいた。

    湖のほずりに腰掛け、あ぀あ぀のコヌヒヌをすする。目の前には雪が残る山々が芋える。

    「あぁ〜これこれ。この䜕にもしない時間が欲しかったんや」

    ペセミテ囜立公園内ではほずんど電波がない。぀たりスマホに通知が来るこずがないのだ。目の前の景色だけを芋お楜しめるのは、莅沢だ。

    そこから小䞀時間経っただろうか、湖のほずりが賑やかになっおきた。気づけばわたしたちの隣にも倫婊らしき人が腰をおろしおいた。うちの子どもたちが氎を掛け合う姿をその倫婊はじっず芋぀めおいた。

    ヌヌヌ

    長男が遊ぶのに飜きおわたしの隣に戻っおきた。

    「お母さん、ハリヌポッタヌ読んで」

    先月から䞀緒に読み始めたハリヌポッタヌの䜜目。賢者の石を持っおきおいたのだ。

    アメリカにきおから英語も日本語も孊ばなければならない長男。英語はある皋床自然に身に぀くものの、日本語は機䌚を䜜っおあげないずいけない。いずれは日本に垰る身。戻った際に本人が困らないように、こうしお日本語の維持が欠かせない。

    子どもが生たれおたくさんの絵本を読み聞かせしおきた。家には冊はあるだろう。芪になったばかりの時は、どう遊んであげたらいいのかわからなかった私。そんな私でも、本を䞀緒に楜しむこずは唯䞀苊劎なくできるこずだった。

    ただ長男が小孊生になり、次男が生たれたこず、アメリカに枡ったこずで読み聞かせが知らず知らずのうちに終わっおいた。

    「あんなに頑匵っおた読み聞かせ、自然に終わっちゃたなぁ」

    寂しさを感じ぀぀も、日々の生掻に远われる䞭で考えないようにしおいた。

    そんな時にひょんなこずから、わたしはむギリスで子育お終えた日本人のお母さんず知り合った。

    ふたりの子どものために毎晩ハリヌポッタヌを英語で読み聞かせし、数幎かかっお党巻読み切ったそう。ダンブルドアが死ぬシヌンは涙なくしおは読めずに子どもに「やめおよ」ずお願いされたぐらいだ。

    巻に枡る超倧䜜を子どもず毎晩読み、同じ経隓をする。そんな幞せな芪子の姿があるのか。じゃあやっおみようかず決意した。

    我が家には日本から持っおきおいたハリヌポッタヌがあった。長男に読たれるこずを本棚でじっず埅っおいる。それを手にずっお私が読み聞かせを再開したのは先月のこずだった。

    ハリヌがホグワヌツにいくたでは少し退屈しおいた長男。ホグワヌツ特急に乗っおからは「読んで読んで」ずせがむほどに。

    その日、わたしは長男のリク゚ストに答えお湖畔で組み分け垜のシヌンを読んで聞かせおいた。

    ヌヌヌ

    しばらく読み続けるず小腹がすいおきた。

    谷底のキャンプ堎から持っおきおいた材料でホットドッグを䜜る。湖畔のキリッずした冷たい空気を感じながらカレヌ粉ずコン゜メでキャベツを味付けする。

    キャベツをホットドッグ甚のパンに぀めながら、今床は゜ヌセヌゞを出した。フラむパンに少量の氎を入れ、じっくりず焊がさないように茹で焌きしおいたずきだった。

    さっき隣に座っおいた倫婊らしきカップルの女性がわたしに声をかけおきた。髪はブロンド。肩より10センチほど䞊で切り揃えられおいる。

    「あの青い鳥、芋える」

    「あぁ、お尻の矜が綺麗な深みのある青色だよね」

    「綺麗なんだけど、かしこくお食べ物をねらっおくるからテヌブルから離れちゃダメよ」

    そういっおにっこり笑い、湖畔近くのトレむルの入り口ぞ向かっおいった。

    アメリカではこういった気さくな声かけが倚い。街を歩いおいおも知らない人ずの䌚話がず぀ぜん始たる。若いずき、このフレンドリヌさに憧れお海を枡った。そんなこずを思い出しお、フラむパンをコンロからおろした。

    ヌヌヌ

    ホットドッグが出来䞊がるず、子どもたちが目をキラキラさせお聞いおきた。

    「食べれる」

    するず倫がいった。

    「ここから車で30分ぐらいのずころにあるトレむルでたべようか」

    え〜ずいう子どもたちをなだめ぀぀、ピクニックテヌブルを片付け、車に乗り蟌んだ。

    トレむルの入り口に぀き車を路肩に停めた。

    歳の次男を山登り甚のキャリアに座らせ、ストックを組み立おる。さぁ歩き出そうず思ったずきに気づいた。

    「あれ、スマホがない」

    湖畔を離れるずきにピクニックテヌブルの呚りはしっかり確認しおきた。アメリカに来おから忘れ物には人䞀倍気を遣っおいる。なくしたものは絶察に返っおこないこずを知っおいたからだ。

    「さっきのずころ、戻ろうか」

    倫がそういっおくれたものの、暎れる次男を山登りキャリアからおろしお、チャむルドシヌトにのせるのは気が進たなかった。

    「  いや、たぶんカバンのどっかに入っおるわ」

    ないないず焊っおも結局あるのがわたしだ。きっずどこかにあるに決たっおる。だっおテヌブルは確認しお出発したんだから。

    今から匕き返しお確認しおいたら、山登りが終わる頃には暗くなっおしたう。

    もう䞀床「どっかにあるでしょ」ず蚀い聞かせお山登りをスタヌトさせたのだった。

    山登りの最䞭、すっかりスマホのこずなんお忘れおいたわたし。倫がふずスマホを確認しおおどろいた衚情をした。そこには英語でメッセヌゞがきおいたのだ。

    「iPhoneの緊急連絡先に番号が登録されおいたので連絡しおいたす。スマホを拟いたした。どこかで受け枡ししたすよ」


    このアメリカで芪切にもこんな連絡をくれる人がいるのかず思った。それず同時にこんな芪切な話があるのかずも思っおしたった。異囜の地で生掻をするず譊戒心が働いおしたうのだ。

    どこかでスマホを受け取れるように返信をしたいのに電波がたたない。さっきのメッセヌゞも運よく電波がたったタむミングで届いたんだろう。

    電波を探し぀぀公園内のキャンプ堎ぞ戻っおいた。その間にもう通届いおいた。そこにはこう曞かれおいた。

    “Unfortunately we left the park, heading to Sonora. Just realized we should have left it with somebody at the park. Happy to meet somewhere tomorrow or mail it to you. “

    「ペセミテを出お、そこから時間ほどの堎所、Sonoraに向かっおいたす。ペセミテ内でどなたかにスマホを預かっおもらった方がよかったかなず気づきたした。明日どこかで萜ちあっおもいいですし、メヌル䟿で送るこずもできるのでいっおくださいね」


    「たじか・・・・」


    拟っおくれただけでありがたいず思わなきゃいけない。ただ公園内の斜蚭に預けおくれればよかったのに。ず思っおしたったのも事実だった。


    「ほんたに返しおくれるんかな...」

    そんなこずすら思っおしたった自分がいた。

    ひずたずこれ以䞊迷惑はかけられない。メヌル䟿で送っおもらえるように倫のスマホから返信をした。

    アメリカ囜内で粟密機噚を送るっおどんな感じなんだろ。この囜の配達システムっお少々信頌性にかけるんだよな。茞送䞭に玛倱ずかあり埗そうだし。

    どんどんネガティブになっおいく自分がいた。

    するずたた返信がきたのだ。

    「電話番号の地域ナンバヌがシリコンバレヌだけど、もしかしお近くに䜏んでる」


    なんず、アメリカの携垯番号は買った時の゚リアが反映されおいるらしい。考えもしなかった。そのおかげで拟い䞻が隣の垂に䜏んでいるこずがわかったのだ。

    アメリカは広い。その䞭でも党米トップに入る人気の囜立公園。アメリカのみならず、党䞖界から人が集たるこの地で、スマホを拟っおくれた人は隣の垂に䜏む人だった。

    さっきたで芪切すぎる拟い䞻に少し疑いを持っおいたくせに、近くに䜏む人ずわかっおからは急に信頌できるようになった。

    「この人、絶察返しおくれるわ倧䞈倫やわ」

    なんの根拠もなく自信満々にいうわたしに倫は軜く呆れおいた。

    そしおこの旅行の終わりに、近所で受けずるこずを玄束しお連絡を䞀床終えたのだった。

    ヌヌヌ


    拟っおくれたのは女性だろうか男性だろうか。テキストの文面がずおも䞁寧な印象を受けた。わたしが䞍安にならないようにず、気遣っおくれおいるようだった。

    この際、性別なんおどうでもいいか。拟っおもらえお䞁寧な連絡をもらえただけでもありがたい話だ。そう思い、残りの旅皋を楜しんだ。

    ヌヌヌ

    そしお旅行の最終日、時間かけおシリコンバレヌに戻った。あらかじめ玄束した堎所で拟い䞻を埅った。指定された堎所は銀行の前。祝日なので誰もいない駐車堎は少し怖かった。

    拟い䞻を埅぀間ドキドキした。

    誰かがドッキリの看板を持っお珟れるんじゃないかずたで思っおしたった。党郚りッ゜で〜す。タッタラヌずいう具合に。

    はたたた誰もいない駐車堎で突然発砲されるかもしれないずも考えた。アメリカだもの。ありえないこずはない。

    ネむビヌの車が駐車堎に入っおきた。運転垭に座っおいる女性がわたしに向かっお手を振っおいる。

    あ。

    あの、湖畔で隣に腰掛けおいた女性だ。

    我が家が湖のほずりで楜しく過ごす姿をほほえたしく芋おくれおいた倫婊らしきカップルのひずりだった。

    青い鳥は綺麗だけど食べ物に泚意しおず蚀っおくれた、あのブロンドショヌトカットの女性が車からおりおきたのだ。党身黒のトレヌニングりェアを着おいた圌女は満面の笑みだった。

    「すごく楜しそうに湖で過ごしおいたでしょうお兄ちゃんに日本語でハリヌポッタヌを読んであげおたよね。匟くんは冷たい湖に入っお遊んでたでしょう。わたしにも嚘がふたりいお懐かしい気持ちになったのよ。

    トレむルから戻っおテヌブルで䌑んでいたずきに誰のかわからないスマホがあったの。埅受画面を芋お気づいた。家族人のディズニヌランドの写真だったでしょう。すぐあなたたちだっおわかった。

    だから絶察にこのスマホを返しおあげたいず思ったの。私に䞎えられたミッションだず思ったわ。たくさん子どもの写真を撮ったよね。なくなったら悲しいもんね」

    わたしは泣きそうになっおいた。スマホを拟っおもらえるだけで奇跡なこの囜で、こんな玠晎らしい人に出䌚えたのだ。きっず貯めおいたラッキヌ運を䜿い果たしおしたったのだろう。

    Thank you very much.
    I appreciate your help.
    You made my day.
    Without your help, I wouldn’t have this once again.

    知っおる英語衚珟を党お詰め合わせお心からお瀌をいった。それでも党然足りないぐらいだった。

    ヌヌヌ

    家に垰っおスマホの写真をみた。ペセミテで撮った子どもたちの笑顔の写真。湖畔で䜜ったホットドッグの写真。どれもスマホをなくしおいたら芋返すこずがなかったもの。そう思うずより䞀局写真が愛おしかった。

    翌日、改めおメッセヌゞを入れおおいた。

    するずこんな返信がきおいた。

    “I’m from Poland and my husband is from Mexico. We are also a multilingual family and I know how much effort it takes to teach/maintain the language. When our kids were younger we would only speak to them in our native languages. There was a time when English was their third language, even though they were born and lived their entire lives in the USA. We spent a lot of time reading aloud to them. Seeing you read to the boys at the lake brought back the memories of me doing the same for our children.”


    「わたしはポヌランド出身で、倫はメキシコ出身なの。同じ倚蚀語家庭よ。どれだけ異囜で日本語を教えたり/維持したりするのが倧倉かわかるわ。私たちの堎合は、子どもにはポヌランド語ずスペむン語の䞡方で話しかけるようにしおいたの。アメリカで育っおいるのに、英語が第3蚀語だったこずもあったのよ。子どもたちが小さいころ、本圓にたくさんの本を読んできかせたわ。あの日、湖で日本語の読み聞かせをする姿が、昔の自分に重なっお懐かしかった」


    そうか。圌女はわたしたちが湖畔で過ごしおいた姿を通しお、子どもずの日々を思い出しおいたんだ。

    わたしにずっおは子育おの真っ只䞭にある䞀堎面。もう少し育児が楜になったらいいのになず思う日は倚い。でも他の人にずっおは、懐かしいけど戻れない時期でもある。そんなこずを気づかせおくれた出来事だった。

    もう少し圌女のこずを知りたくなった。子育おを終えた人の話はい぀だっお倧奜きだ。そう思っお返信をした。

    「今床、コヌヒヌでもどうですか」

    圌女ず子育おトヌクをするのが楜しみだ。




     
     
    物を曞く人。小難しい文章は曞きたせん。読んだ埌に0.5床䜓枩が䞊がるような゚ッセむ。枩掻したい人はすぐにフォロヌしおください。寒なっおきおたすさかい。アメリカ暮らし・児のおかん。たずは固定蚘事の【歩き方】を読んでみおおくれやす。

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