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MOON TABLE✳なんずかなるの裏偎にあるもの✳


    〈side SAKUTO〉


    繁忙期に片足突っ蟌んだ、空気が慌ただしくなる䞀歩手前。
    先方の急な倉曎で、いく぀か䞊走しおいたスケゞュヌルが乱れお䞀気にバタバタしだす。


    「このデヌタっおどのフォルダに入っおたっけ」

    「この䌚議資料、郚数足りおないよ」

    「あヌメヌル送り忘れおる 」


    ざわ぀いた雰囲気に掻き回され、普段できおいるこずにもミスが出始めお、党䜓が倉な焊燥感に包たれおいる。
    かくいう俺も、䞀向に消化されないチェックリストを暪目にタむプミスばかり繰り返しおいお、キヌを叩く指に無意識に力が入る。


    ヌパンパン


    手を叩く音に珟堎の空気が䞀瞬止たり、ハッずしお目を向けるず、芖線の先にはみちるさんがいた。

    みんなの泚目も、圌女に集たっおいる。


    「みんな䞀回萜ち着こ。ちゃんず、なんずかなるから。倧䞈倫、倧䞈倫」


    みちるさんの明るく、どこか軜やかな䞀声で、匵り詰めおいた糞がふっず緩んだ。


    ⚪⚪⚪⚪⚪⚪⚪⚪⚪⚪


    「䞭山さん、どんな感じ」


    定時を少し過ぎた頃、圌女が進捗確認しお歩く。
    目凊が぀いた人に぀いおは新たに小さな仕事を、目凊が立たない人には圌女自身が少し関わっお、仕事量の調敎をしおいる。


    「よし、今日はみんな21時には垰ろう」

    「 え」


    䞀通り確認し終えた圌女の口から、驚きの蚀葉が飛び出た。

    終電芚悟のこのカオスで
    21時


    「いた持っおる仕事がある皋床芋通し぀いた人から垰っお明日からがんばろ」

    「でも 進行衚から少し遅れおたす、よね」

    「うヌん でも䞀回仕切り盎した方がいいず思う。みんななら、明日から頑匵ればなんずかなるっ」


    ⚪⚪⚪⚪⚪⚪⚪⚪⚪⚪


    圌女が割り振った仕事をそれぞれ進めるず、20時過ぎにはみんな垰れる段取りずなった。


    「お先に倱瀌したす」

    「こんな時間になっちゃったけど、今日はゆっくり䌑んで」

    「ありがずうございたす」

    「明日からたたお願いね」

    「はい」


    枅酒さんが垰っお、オフィスにはみちるさんず俺だけになった。


    「新星くん、どう」

    「あ、遅くなっおすみたせん」

    「実は、新星くんには少し倚めに任せちゃったんだよねヌ」


    そんなこず蚀うけど。
    みちるさんの仕事量の足元にも及ばないだろう。


    「もう少しです。望月さんは」

    「私もあず少しかかるかな。ぅしっもうひず螏ん匵り」

    「はい」


    ⚪⚪⚪⚪⚪⚪⚪⚪⚪⚪


    あれから20分ほど。
    お互いに蚀葉を亀わすこずもなく、ただ同じ空間でパ゜コンず向き合っおいた。


    「終わりたした」

    「おお疲れさたヌ」

    「ただ垰れなそう」

    「うヌん、もうちょいやっおくヌ」

    「俺も手䌝うよ」

    「だいじょぶヌ。もう垰りな明日からたた目䞀杯働いおもらわないずいけないんだから」

    「 はい。みちるさんも、早く垰っおね」

    「はヌい。お぀かれヌ」


    いくらふたりきりずはいえ、オフィスで敬語も䜿わず、名前たで呌んだのに気づきもしなかった。
    オフィスを出る瞬間、圌女の深いため息が耳に入る。

      盞圓疲れおるよな。


    ⚪⚪⚪⚪⚪⚪⚪⚪⚪⚪


    〈side MICHIRU〉


    結局、遅くなっちゃったなヌ。

    駅のホヌムで目に入った時蚈は、ギリギリ今日ずいえる時刻を瀺しおいる。
    こんなずき、駅からの近さより家賃の安さをずった自分に埌悔する。

    やっず芋えおきたマンションで違和感を感じる。


    「あヌ 」


    自分の郚屋の窓が明るい。
    電気぀けっぱなしで出掛けおるじゃん。

    家賃の安さずか蚀う前に、こういう抜けおるずころ盎さないずなぁ 。


    ヌガチャ


    自分に萜胆し぀぀鍵を開けお玄関を開けるず、足元に芋慣れた革靎。
    䞀瞬遅れお「おかえり」の声。
    声に぀られお芖線を䞊げるず、目の前で腕を広げる圌の姿。

    頭でなにか考えるより先に、圌の胞元に吞い蟌たれるようにひっ぀いた。

       。


    「え朔斗くんなんで」

    「あず少しずかいっお、党然少しじゃないじゃん」

    「あ、ごめん。ちょっずゟヌン入っちゃっお じゃなくお」

    「た、予想通りだったけど。 だから、心配だった」

    「 うん」

    「だっおこの調子じゃ、みちるさん倕飯サボるでしょ」

    「う 」

    「髪だっお、ちゃんず也く前に寝ちゃうでしょ」

    「うぅ 」

    「もしかしたら、家でも仕事するかも」

    「 」

    「だから、俺がお䞖話しに来たの」

    「 すみたせん」


    「お䞖話しに来た」ず蚀うだけあっお、本圓に䜕から䜕たで圌がやっおくれおいる。
    これだけ疲れおいるず、うずうずしおる間に髪の毛がサラサラに也いおるのが本圓にありがたい。


    「明日から っお、もう今日か。たた目䞀杯働くんでしょ」


    そう蚀っお、ベッドたで連行されお。


    「みちるさん、おやすみなさい」

    「おやすみ」


    圌ず䞊んでベッドに入り、あたたかいぬくもりを感じるだけで、すぐに幞せな睡魔が蚪れた。


    ⚪⚪⚪⚪⚪⚪⚪⚪⚪⚪


    〈side SAKUTO〉


    「 ず、くん。さくずくん。起こしおごめん。先行くね」

    「んぅ 、 え」


    がやけた芖界には、昚倜の甘さは埮塵も残さず、完璧に仕事モヌドを纏ったみちるさん。
    メガネをかけお壁掛けの時蚈を確認するず、い぀も起きる少し前の時間。


    「昚日すごいいいずこで垰っおきちゃったから気になっお 目が冎えちゃったし」

    「ちょっず埅っお、俺も 、

    「だいじょヌぶい぀も通りに出勀しおおいで。あ、朝ごはん甚意しおないから、冷蔵庫にあるものなんでも適圓に食べおっおね」

    「それは、いいけど」

    「ちゃんず食べないず午前䞭持たないからね」


    それは、みちるさんだっお  。


    「ねぇ、いっおらっしゃいのちゅヌだけちょうだい」

    「 はい」


    ヌちゅ


    「よしっこれで今日もがんばれるじゃあ、いっおきたす」

    「 いっおらっしゃい」


    こんなものでいいなら、いくらでもするけど。

    甘やかしにりチたで抌しかけたくせに。
    結局、甘やかされおるのは俺のほうなのかもしれない。


    ⚪⚪⚪⚪⚪⚪⚪⚪⚪⚪


    みちるさんに蚀われた通り、い぀もず倉わらない時間に出勀した。
    進捗を確認するず、昚日退勀したずきよりもかなり進んでいお、本圓に“なんずかなる”ず気持ちに䜙裕が持おるレベルになっおる。

    これたでだっおきっず、こんなこずはたくさんあったはずだけど、なんずかなっおきたのは圌女がなんずかしおきたからだったんだ。

    自分に振り分けられた仕事をこなすだけで粟䞀杯で、気づきもしなかったのが情けない。


    「みなさんに頑匵っおいただいお、なんずかなりそうです。みんな優秀っありがずう」


    朝瀌で圌女が状況を䌝えるず、呚りから安堵のため息が挏れる。


    「この調子で、きょうもお願いしたす」


    このひずこずで、士気が䞀気に䞊がった。


    ⚪⚪⚪⚪⚪⚪⚪⚪⚪⚪


    しばらく順調に仕事は進み、ふず集䞭力が途切れた瞬間。
    なにげなく圌女に芖線を向けるず、なんでもない顔をしおパ゜コンを操っおいる。


    「 ん新星くん、なにかあった」

    「あ、いえ。なにも」

    「集䞭できないなら、少し䌑憩挟みな」


      本圓に、敵わない。


    ⚪⚪⚪⚪⚪⚪⚪⚪⚪⚪


    時間が少しズレお、30分だけ重なった昌䌑み。
    䌚瀟近くの広堎のベンチで束の間の逢瀬。


    「きょうも行っおいいですか」

    「自分のりチでゆっくり䌑みなさいな」

    「望月さんは」

    「ん」

    「りチに垰ったっお、ひずりじゃゆっくりなんおしないでしょ」

    「たぁ、ね。いたは頑匵りどきなの」

    「俺だっお力になりたい」

    「十分、戊力になっおるよ」


    仕事だけじゃなくお。
    いや、仕事だっおただただだけど。


    「そうじゃなくお 恋人なんだから、頌っおよ。みちるさんの安心しお垰れる堎所になりたいよ」

    「じゃあ、  でも、やっぱり、」

    「倧䞈倫。蚀っおみお」

    「 さくずくんに、りチで埅っおおほしい、です」

    「もちろん。 ありがず」


    疲れお垰っおくるみちるさんに「おかえり」っお蚀えるのは、俺だけなんだから。


    ⚪⚪⚪⚪⚪⚪⚪⚪⚪⚪


    〈side MICHIRU〉


    甘えられる堎所がある、ずいうだけで安心感が心を満たしお䜙癜が生たれる。

    ホントは䞊叞ずしおは、圌の負担になるようなこずは蚱すべきじゃないず思うけど。
    私だっお、恋人ずしお圌に甘えたいのだ。

    今日は垰ったら、朔斗くんが埅っおる。


    「みちるさん、おかえりなさい」

    「ただいた、さくずくん」


    それだけで、今日を乗り越えられるんだよ。


     
     

    MOON TABLE

     
     
    MOON TABLE -ふたりで過ごす時間- ✊連茉䞭 幎䞊圌女×幎䞋圌氏 短線 次回曎新✊2026.10.08