
MOON TABLE|✳︎おもちもちもち✳︎
〈side SAKUTO〉
年が明けて2日目。
「見て!すごいのびるー」
「ははっ!ほんとだ」
ブランチでお雑煮を食べて空腹を満たし、日の当たるソファで後ろからハグして彼女のぬくもりを感じながら、ゆったりと流れる時間に身を委ねていた。
…はずだった。
10秒後にとんでもなく甘い爆弾を投下されることを、俺は知らない。
「さくとくーん」
「ん?」
「いっこお願いしてもいい?」
「いーよ。なぁに?」
「ほっぺ、食べさせてほしい」
「んぇっ!? たべっ…?」
「うん。ちょっと食べてみたいなって」
「…いいよ?」
ーはむ
左の頬をみちるさんの唇で柔く喰まれたと思ったら、感触を愉しむようにふにふにと挟まれ、ちゅーっと軽く吸われる。
「んふふっ。それ、食べてんの?」
ーちゅ
ソファに座る俺に乗り上げるようにして頬に夢中になってるみちるさんに思わず口角を上げると、力が加わった頬の肉が彼女の口から逃げ出した。
「あっ!笑うから離れたじゃん!」
「え、俺のせい?」
「おれのせい!」
「ごめんて。もういっかいいく?」
「じゃあ、反対も手でふにふにしたい」
「んははっ!いいよ。もぉ、みちるさんどうしたの?」
「だって…さくとくんのほっぺ、つきたておもちみたいで美味しそうだから」
「それ、褒められてる?」
「最上級!」
「そっか。うん。…ふふっ」
「笑わないでって!」
「はいはい」
「じゃ、たべまーす」
「どぞー」
左の頬を先ほどと同じように甘噛みしながら、右の頬を彼女の左手で突いたり摘んだり伸ばしたりされる。
「え、まだ伸びるの?」
「んひひっ、かわいい」
「ふわんふわんだねぇ」
時折、唇を離す彼女がうっとり満足そうに耳元で呟くから、好きにさせておいたけど。
「そろそろ俺の番じゃない?」
ーちゅ
「んぇっ?…や、ちょっ、まって」
「やだ。もう待たない」
ほっぺはまた、いつでも差し出すから。
いまのかわいいみちるさんをちょーだい?