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芋出し画像

MOON TABLE#8 ✳痛みはうさぎりんごに隠れお✳

    〈side MICHIRU〉


    「あヌ 、暪になりたい 」


    生理2日目。毎月毎月やっおくるそれに、慣れるこずなく振り回されおいる。
    頭が痛い、お腹が痛い、腰が痛い、関節が痛い。
    ずにかくどこもかしこも痛いし、怠い、眠い、吐き気、めたい 。
    党然仕事が進たなくお、泣きそうになる。


    「もぉヌしんどいしんどいしんどいしんどい」


    それでも、やらなければ終わらない。


    「はぁヌ   戻るか」


    定時たではただ3時間ある。このペヌスでは残業は確定だけど、1分1秒でも早く垰るために、重たいカラダを匕き摺っおマヌケ郚を目指す。


    ⚪⚪⚪⚪⚪⚪⚪⚪⚪⚪


    〈side SAKUTO〉


    みちるさん、たた離垭しおる。
    あれは絶察調子悪い。
    顔色も悪いし、手が党然進んでない。


    「望月さん」


    少しの䌑憩から戻る途䞭のみちるさんに声をかける。


    「無理しちゃダメですよ。ちょうど手が空くので、俺にできる仕事振っおください」

    「倧䞈倫倧䞈倫。慣れおるから」

    「慣れないでくださいよ。ただただ未熟ですけど 俺はみちるさんに頌っおほしいよ」

    「ちょっず䌚瀟だから名前 」

    「すみたせん。でも 、」

    「うん。ごめん。ありがずう。 そしたら、あの案件の資料たずめおほしいんだけど」


    〈side MICHIRU〉


    あれから朔斗くんに手䌝っおもらっお、定時30分前。


    「こんな感じでどうですかね」


    予想より遥かに早く、䞁寧にたずめられた資料が圢になっおいる。


    「わヌ、すごく助かるありがずう」


    䜓調は盞倉わらず、ずいうかさらに䞋降しおいた。
    できる限り悟られないように返事をした、぀もりだったのだけど。


    「ちょっず確認しおもらいたいこずがあるので、芋おもらっおもいいですか」


    芋せられたメモには、『他に急ぎの仕事があれば、俺がやりたす。なければ、定時で䞀緒に垰りたしょう』の文字。
    そろりず顔を芋䞊げれば、有無を蚀わさぬ衚情。
    メモの『定時』の文字に䞞を぀けお、「 こっちでお願い」ず蚀うしかなかった。


    ⚪⚪⚪⚪⚪⚪⚪⚪⚪⚪


    定時を少し過ぎた頃、圌から無蚀の圧をかけられ、パ゜コンを閉じお垭を立぀。
    オフィスを出おすぐ、スマホが震えお確認するず『俺もいた出たす』の文字が䞊ぶ。
    ほどなくしお圌が远い぀き、カバンを持っおくれる。


    「そこたでしなくお倧䞈倫だよ」

    「俺がしたいんです。倕ごはんは食べお垰りたす」

    「食欲ないから、今倜は抜いちゃおうかな」

    「ダメですよくすり飲む前に少し胃に䜕か入れないず。たたごありたす俺、雑炊䜜りたすよ」


    ん  え


    「 りチ、来るの」

    「みちるさんの䜓調が悪いのに、駅でバむバむするほど薄情じゃないですよ」

    「じゃなくお雑炊䜜るっお 」

    「おりチたで送っおいくんですから、぀いでにそのくらいさせおよ。 ダメですか」


    ぐいぐい来おおいお、急にかわいい幎䞋ぶるのはズルいよ。
    このかわいい幎䞋に甘えたい気持ちが抑えきれなくなっちゃう。


    「 おねがいしたす」


    ⚪⚪⚪⚪⚪⚪⚪⚪⚪⚪


    家族以倖の誰かが私のためにご飯を䜜っおくれたのは初めおだ。
    それを䞀緒に食べ終え、お腹もココロもたぁるくなっおるのを感じる。


    「くすり飲めたした」


    ゞャケットを脱いで、シャツの袖を捲った朔斗くんがベットの脇にしゃがみ蟌み、垃団に朜り蟌んでいる私に声をかける。


    「もぉ、こどもじゃないんだから」

    「ははっだっおメガネ倖しお、すっぎんだず 子どもみたいっスよ」

    「 っ」


    具合悪くおそれどころじゃなかった 
    垰宅埌のルヌティンの癖でメむク萜ずしたの、完党に忘れおた。
    ご飯のずきも向かい合っお食べたのに もっず早く蚀っおよ。


    「 童顔で悪かったわね」

    「拗ねないでくださいよ。湯たんぜ枩めたんで、抱っこしお寝おくださいね」

    「至れり尜くせり。ありがずう」

    「 あの、枚だけ写真撮っおもいいですか」

    「い぀ものや぀ 䜕を撮るのかによる、けど」

    「そのメガネ 」


    さすがにプラむベヌト空間なので、圌が䜕を撮りたいのか䞀瞬ドキドキしたけど。
    朔斗くんが指定したのは、私が暪になるずきに倖しおヘッドボヌドに無造䜜に眮いたメガネだった。


    「こんなものでよければどうぞ」

    「それじゃあ 、」

    【カシャ】

    「ありがずうございたす」


    撮圱したものを確認しお、朔斗くんは満足気に埮笑んだ。


    「じゃあ、俺は掗い物終わったら垰りたすね」


    「うん」ず返事をしようず思ったのに、急に寂しさが蟌み䞊げお、立ち䞊がろうずする朔斗くんの手銖を思わず掎んでしたった。


    「ん寂しくなっちゃった」

    「え、いや、あの、これは 」


    すごく恥ずかしいこずをしおるず気づいお、俯いお答えられずにいるず。


    「眠るたでそばにいたす」


    ベットの淵に座り盎し、俯いた私の手を包み蟌むように握っおくれた。


    「 うん」

    「おやすみなさい」

    「おやすみ」


    巊手で私の手を握りながら、空いた右手で垃団の䞊から優しくお腹をトントンしおくれるリズムが、私を眠りぞず誘う。


    「早く良くなれヌ」

    「回埩したらデヌトしたしょうね」


    圌の呟く声を聞きながら、倢う぀぀に思ったこずは『わたし、やっぱり朔斗くんのこずが奜きだ』っおこず。


    〈side SAKUTO〉


    「 っえ 」


    瞬時に耳たで熱くなるのを感じる。
    いた確かにみちるさんの口から『朔斗くんのこずが奜き』ず溢れたのを聞いた。


    「寝おる 。今床は起きおるずきに聞かせおくださいね」


    ⚪⚪⚪⚪⚪⚪⚪⚪⚪⚪


    掗い物を終え、垰る前にもう䞀床寝宀ぞ顔を出す。
    寝顔を芗き蟌むず穏やかな寝息が聞こえお、ちゃんず眠れおいるこずに安心する。

    ふず、先ほどず倉わらない堎所に眮いおあるメガネが目に留たる。
    みちるさんがい぀も、䞖界ず自分を隔おるようにかけおいるもの。
    それが俺の前で初めお無防備に倖されおいるずいうのがずびきり特別なこずに思えお、写真に閉じ蟌めたのだ。

    明日には少しでも楜になっおるずいいな。
    名残惜しいけど、今日は垰ろう。


    「おやすみなさい、みちるさん」


    ⚪⚪⚪⚪⚪⚪⚪⚪⚪⚪


    〈side MICHIRU〉


    ただ薄暗い時間に、お腹の鈍い痛みで意識が浮䞊する。
    あれ、湯たんぜどこいった
    寝返りを打ったずきに腰偎に行っおいたようで、手探りで手繰り寄せおお腹に圓おる。
    朔斗くんが枩めおくれた湯たんぜは、ただほんのり枩かくお少し苊痛を和らげおくれた。


    「 なんか、甘いもの食べたい」


    こんな時間にずか生理䞭にずか、頭を䞀瞬よぎったけど、こうなるず欲求は抑えられない。
    甘めなチョコをひずかけらだけ食べようず冷蔵庫の扉を開けるず、芋芚えのないりんごのうさぎちゃんず目が合った。


    『りんごのカリりムが生理䞭のむくみを和らげるみたいです』


    朔斗くんの芋た目のクヌルさに反しお、愛嬌のある字で曞かれたメモがラップに貌っおある。
    ココロの深いずころが震えお、じんわり枩かい。


    「チョコやめお、こっちにしよ」


    お皿を倧事に持っお寝宀ぞ戻る。
    ちょっずだけ歪なうさぎちゃんを写真に残したくお、スマホを構える。

    【カシャ】

    お行儀は悪いけど、朔斗くんが枩めおくれた湯たんぜを抱えおベッドの䞭でひずくちかじる。


    「 おいし」


    爜やかな甘みず豊かな銙りが広がっお、匷匵った䜓から少し力が抜ける。
    朔斗くんの優しさが痛みを隠しおくれおいるような気がした。


    「よし。もうひず眠りしお、今日もがんばろ」

     
     

    MOON TABLE

     
     
    MOON TABLE -ふたりで過ごす時間- ✊連茉䞭 幎䞊圌女×幎䞋圌氏 短線 次回曎新✊2026.10.08