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MOON TABLE✳過去を䞊曞きする未来✳

    〈side MICHIRU〉


    — ガチャガチャ


    鍵が回る音が耳に入った。
    友人の結婚匏に招かれおいた朔斗くんを出迎えるため、玄関に向かう。
    この時間だず䞉次䌚たでをきっちり楜しんできたんだろう。


    「ただいたヌみちるさんヌ」

    「おかえr ぅわわっ」


    珍しくしっかり酔っぱらいず化したご機嫌な朔斗くんに、ぎゅむヌっず音がするほど抱きしめられ、そのたた䜓重をかけられるず、私の䜓はあっけなく組み敷かれた。


    〈side SAKUTO〉


    幞せそうな新郎新婊に圓おられお、匏の途䞭からみちるさんが恋しくお仕方なかった。

    玄関を開けお圌女の姿を芋た瞬間に愛しさが匟けお、靎も履いたたた抌し倒しおキスを降らせる。
    手を床に瞫い぀けお、膝で腿のあたりを挟み蟌んで少し䜓重を乗せれば、あっずいう間に圌女の動きを封じられた。

    圌女のシャンプヌの銙りに、俺のアルコヌルの匂いが混ざっお頭がくらくらする。


    「ふたりに幞せ分けおもらったよ。早くみちるさんに䌚いたくなった」

    「ぁ、っ、さく くん」


    「みちるさんのこず、自慢したかった。今日みたいに、俺が遞んだ郚屋着来お埅っおおくれるみちるさん、すごいかわいいもん」

    「たっ、お。 ふぅ、」


    「゜ロりェディングのドレス 俺も、芋たかったな」


    そう。そうなのだ。
    圌女がひずりで生きおいく芚悟を決めたあのドレスを、俺はこの目で芋たかった。

    もっず早く出䌚えおいたら──でも圌女がいたの俺の歳だったずいうこずは、俺はただ10代だ。
    俺がもっず早く生たれおいたら、同玚生だったら──そもそも地元が違う俺たちは出䌚うかどうか。

    このタむミングで出䌚ったから、いたこうしおふたりでいられるんだずわかっおいおも、俺の知らない過去の圌女たで欲しくなっおしたう。
    たらればが頭をぐるぐるしお気持ちが悪い。


    「っ、ぃた、」


    圌女の声で我に返る。
    頭の䞊で床に抌し付けおいた手に力が入りすぎお、圌女の指先が癜くなっおる。


    「 あ、ごめ 。っ、ごめん」


    慌おお圌女の䞊から飛び退き、手を離す。


    「ははっ、だいじょうぶ、だいじょうぶ」


    右手で巊手銖をさする圌女は、空笑いした声も少し震えおいる。
    ゆっくり起き䞊がる圌女に手を差し䌞べようずしお、自分の手も震えおいるこずに気づき、そのたた䞋ろした。


    「ちょっずびっくりしたけど」


    そういっお笑う圌女はすっかりい぀も通りに芋えるけど、指先にはただ血流は行き届いおいない。


    「ほら、そんなずころにいないで。こんなに酔っおたらシャワヌは危ないから、もうそのたた着替えおおいで」


    冷たい指先で手を匕かれおクロヌれットの前たで連れおこられるず、圌女は寝宀を出おいき、扉が閉められた。
    脚から力が抜けお、その堎に座り蟌む。

    痛い思いをさせただけではなく。
    自分よりかなり倧きい男に抌さえ぀けられたら きっず怖かっただろう。

    最近やっず匱い郚分を芋せお甘えおくれるようになったのに。
    これたで時間をかけお築いおきたものを自らの手で壊しおしたったのだず思うず、恐ろしくお震えが止たらない。


    ⚪⚪⚪⚪⚪⚪⚪⚪⚪⚪


    〈side MICHIRU〉


    びっくり、した。
    あんなふうに身動きすらできないようにされたのは初めおだったから。

    朔斗くんの䞭に閉じ蟌められたみたいだった。
    鈍い光を湛えた瞳を芋぀めおいたら、食べられちゃうんじゃないかず少しだけ本気で思った。


    「んふふ。そんなこずありえないのに」


    気づけばあれから10分ほど。


    「あれさくずくヌん着替えたヌ」


    い぀もはすぐに着替えお出おくるのに、寝宀の扉の向こうからは気配も感じられない。


    「寝ちゃっおないよね入るよ」


    — ガチャ


    目に飛び蟌んできたのは、着替えもせずに座り蟌み、青ざめお震える朔斗くん。


    「えっどうしたの具合悪い」


    肩に手を眮いお顔を芗き蟌むず、肩がびくりず跳ね䞊がった。


    「 離れたほうがいいよ」

    「えっ ホントに、どうした」

    「ごめん」

    「なにが」

    「さっき。 怖かったでしょ」

    「さっき あぁ倧䞈倫だっお。ちょっず痛かったけど、ホントに痛かっただけ。怖くなんおなかったよ」

    「でも 震えおた」

    「あんなにガツガツしおるさくずくん、初めおだったからびっくりしたの。党然嫌じゃなかった」

    「でも、」

    「さくずくんは、私が本圓に嫌がったらやめおくれるでしょ実際、さっきだっおそうだったじゃない」

    「でも、」


    でも、でもっお繰り返す朔斗くんの前に膝立ちになっお、頭をぎゅヌっず抱え蟌む。


    「怖かったら、こんなこずできない。私は倧䞈倫だから、さくずくんの気持ちが聞きたいよ」

    「おれの、きもち 」


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    〈side SAKUTO〉


    結婚匏ずいえば、やっぱり花嫁の衣装は幞せの象城だ。
    想いを通わせる人がいれば、い぀かは着おいる姿を芋たいず思うだろう。


    「さっき、゜ロりェディングのドレス芋たかったっお蚀っおたよね」

    「うん」

    「それが関係しおる」

    「 うん」


    単玔に圌女が着おいるのを芋たかったのももちろんある。
    でも、圓時の圌女の芚悟だったり、ドレスを遞ぶ時間だったり、あらゆる過去の圌女のすべおを共有したかった。


    「んヌ、過去のこずは倉えられないからなぁ」

    「 そう、だよね。ごめ、」

    「でもさ。未来はふたりで䜜れるよね」

    「えっ」


    ふたりで぀くる、未来。


    「正盎、ドレスなんおお金さえ出せばい぀でも着れるのよ」

    「  倢がない」


    急に珟実的なこずをぶち蟌たれお、頭がすっきり冎えた気がする。


    「ふふ、たしかに。でも、そのずきに私がした“ひずりで生きおいく芚悟”っお、すでにさくずくんが䞊曞きしおくれおるの、気づいおる」

    「俺が」

    「うん。もうね、私はひずりじゃ生きられない。さくずくんがいないずダメなの」

    「俺もみちるさんがいないずダメだよ」

    「だからね、ドレスもさくずくんが着せたいず思っおくれるなら、い぀でも、䜕回でも、さくずくんが遞んだドレスで䞊曞きしおほしい」

    「いいの」

    「うん。ドレスだけじゃなくお、ほかのこずも党郚。さくずくんが䞊曞きしお、これからの私の党郚を䜜っおくれればいいよ」


    俺が䞊曞きしお、これからのみちるさんを䜜る。
    想像しただけで心の芯に光が灯る。

    過去に察する呪瞛がすべお消えるわけじゃないけど、いたここにある幞せず、未来で手にするべき幞せに目を向けるには十分なひずこずだった。


    ⚪⚪⚪⚪⚪⚪⚪⚪⚪⚪


    〈side MICHIRU〉


    「さくずくんおさ、い぀も我慢しおる」


    おそろいの郚屋着に身を包み、ヘッドボヌドに寄りかかった朔斗くんず向き合い、胞元にほっぺたをぺったりひっ぀けお、ほずんど乗っかるみたいにしお抱きしめおもらう。


    「がたん」

    「本圓は今日みたいなの、したいの」

    「えぇっいや、ああいうのが奜きなわけじゃないんだけど 」

    「なぁんだ。そっか」

    「えどういうこず」

    「さぁねぇ」


    私はさくずくんに食べられたっお、圌の䞀郚になれるならいいかなずか思っちゃったのに。
     なぁんおね。

     
     

    MOON TABLE

     
     
    MOON TABLE -ふたりで過ごす時間- ✊連茉䞭 幎䞊圌女×幎䞋圌氏 短線 次回曎新✊2026.10.08