ムーさんと受け継がれるもの。
棚ぼたで食べた
桃饅頭から始まった連休も、
気付けば、
折り返しを過ぎている。
……えっ。
ちょっと待ってくれ。
いくらなんでも早すぎる。
楽しい時は、
一瞬で過ぎると言うけれど。
ゲームセンターは、
竜宮城かなんかだったのか……?
まずいぞ。
例の計画を、
実行に移さねば……。
この連休中。
ムーさんには、
どうしても果たしたい
野望があったのだ。
その昔。
まだ私が、学生の頃の話。
私の住む街には、
とある個人経営の肉屋があった。
家から少し離れたその店を、
母がどうやって
知ったのかは、わからない。
しかし、母がその店から
買ってくる肉たちは、
どれも、
とびきり美味しかった。
自分のところで
牧場も営んでいるということで、
豚も、鶏も、
一口食べただけでジュワッと広がる肉汁と、
肉本来の、確かな旨み。
中でも牛肉は別格。
胃もたれしそうな脂身すら、
舌の上に乗った途端、
雪のようにスッと溶けていく。
そして、
ステーキ肉を買うと
いつもオマケでつけてくれる、
特製のステーキソース。
これがもう。
出鱈目においしい。
ステーキは、
私の大好物になった。
そして、
そんな美味しいステーキが
私にとって「普通」になってしまった頃。
その日は突然、やってきた。
肉屋のご主人の体調の都合で、
小売り販売を終了するというのだ。
家族が受け持っている卸売りは
引き続き継続するが、
一般客は、
もう買うことができない。
……つまり、
私たちにとっては、
閉店と同じだった。
それを知った日、
家族全員が悲しみに暮れていた。
「もうね。
あのステーキは、食べられないんだよ」
母がポツリと呟いた。
誰もが押し黙る中、
口を開いたのは私だった。
「じゃあさ。
閉店の日までに、最後にステーキ食べようよ。
そんでさ。
ご主人に聞いてみよう。
ソースのレシピ、
教えてくださいって」
結論から言うと、
私の厚かましい
突飛な思いつきは、
あっさり通ってしまった。
母が尋ねると、
肉屋のご主人は快くレシピを教えてくれたのだ。
長年の試行錯誤の末に
辿り着いた味だけれど、
もう店を閉めてしまうので、と。
あの舌がとろけるようなお肉は
もう食べられない。
けれど、
あのソースの味を
これからも味わえることが、
本当に嬉しかった。
瀬戸内に越してきてから、
もう長いこと。
あの味を食べていない。
連休に入る前に、
母にLINEを送った。
「昔のお肉屋さんのステーキソース、
教えて欲しいんだけど」
秘伝の味の復活を企む、
牛であった。

ステーキソースね🤔
もちろん覚えてるよ👍
3〜4人分で、
醤油
みりん
それぞれカップ2分の1
玉ねぎ 2分の1
にんにく 3かけ
玉ねぎとにんにくはすりおろしておく
上記の全部を鍋に入れて一煮立ちさせたら、ザルで漉して出来上がり。
手間だけど、簡単だからね😊
ま、シンプルイズベストだね😃





醤油の種類や玉ねぎの量によってはしょっぱくなることがあるので、みりんや玉ねぎの量で調整してね。

消費期限ギリアウト。良い子は真似しないように。




これが母のやり方。







特製ソースでフライパンに残った旨味をこそげ取って掛けても美味しい。レタス買うの忘れた🤣
サイコロステーキの部分を参考にさせていただいた中村シェフ。穏やかでユーモアのある雰囲気がとても素敵。
