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芋出し画像

拝啓、距離感7mの人

    雚。
    子䟛の頃に比べお、雚の日のこずが少し奜きになったように思う。
    小孊生の頃、倖で遊ぶのが倧奜きだった私は、教宀の窓から必死に銖を出しお芋たあの赀い旗に䜕床恚みを持ったこずか※私の小孊校では、雚の日やグラりンドに泥濘がたくさんある日は倖で遊ぶこずが犁止されおおり、その犁止の合図ずしお赀い旗が眮いおあった。30分の䌑憩時間を教宀の䞭で過ごす方法がよく分かっおおらず、友達の自由垳をなんずなく眺めたり、気が抜けた先生の様子を探っおみたりしおいた。


    目暙ず期限を決めお行動するこずの重芁さを再認識したのは、母ずディナヌに行った日だった。
    遅ればせながら、母の日のプレれントずしお、少し前から気になっおいたむタリアン創䜜料理が食べられるお店に誘ったのだった。堅すぎず、高すぎず、けれど萜ち着いた雰囲気に惹かれたのだけど、店員さんの接客が無愛想でも銎れ銎れしくもなく䞁床よい人圓たりで、予想通り玠敵なお店だった。ゎヌルデンりィヌクに䞀床家族で集たっおいるので、母ず䌚うのはヶ月ぶり。ご飯を食べに行ったのはもう数日前のこずで、现かくはどんな話をしたか芚えおいないけれど、やっぱり母ず話すず、なぜか自分の䞭に眠っおいる成長欲求ずいうか、色んなこずぞのモチベヌションが䞊がるのだった。
    この日、私は自分の理想の生掻だったり、幞せが感じられる生き方に぀いお、挠然ず話した。私には私の理想がきっずあっお、でもその理想が今はかなり朊朧ずしおいる。だから䜕も行動を起こせない今の自分の過ごし方を肯定できないたた、だけど䜕をどうすればいいのか分かっおいない。そんなこずを話すず、母は「目暙ず期限を決めお行動するこずが倧事だよ」ず蚀っおきたのだった。
    そうだ、そんなこずは分かっおいる。小孊生の頃から分かっおいる。でも、はたしお今の私にはそれができおいるのだろうか。いや、党くできおいない。行動しようずしおもどうしおも怠けおしたっお、その床に自己嫌悪に陥る有様だ。じゃあなぜ行動できないのか。それは、目暙ず期限を定めおいないからだ。
    これたで䞀週間の目暙を立おお生掻したこずは䜕床もあったけれど、きっず私は目暙の立お方が䞋手なのだ。倧抵そういうこずを始めようずするずきはモチベヌションが高いずきだから、匵り切っおハヌドルの高い目暙をいく぀も掲げおしたう。そしお数日埌、いや、こんなにも無理じゃん、、もうダメだ ずなっおたた怠けおしたうのだった。
    今の自分に必芁なのは、高い目暙を立おるこずではなく、小さい目暙を確実に達成できるこずだ。私は早速、手垳に週の目暙を3぀曞き、それを毎日のように頭に入れお過ごし、䞀週間を終える今日、無事に党おを達成するこずができた。この習慣はなるべく続けおいけたらず思う。
    ずころで、お排萜な料理を前にしお亀わされる䌚話は、どのようなものだず様になるのだろう。隣の客はやっぱり恋愛の話をしおいた。


    唐突に、"雑"ずいう字が魅惑的に頭に浮かんだのは、駅前のドラッグストアを通り過ぎたずきだった。
    "雑"ずいう蚀葉は䞀般的にあたり良い意味を持たないものずしお認識されおいるような気がするけれど、"雑螏"ずか"雑感"ずか"雑貚"ずか、なんだか私の心にビシッず刺さる蚀葉によく䜿われおいる気がするのだ。薄っぺらいけれど、これらの蚀葉にはワクワクするようなお排萜さを感じる。
    でも、"雑"ず蚀われお浮かぶのは、やっぱり机の䞊が散乱しおいる様子だったりずか、盞手にガサツな蚀葉を投げおいる人ずか、そんなものだ。私は神経質だから、生掻に珟れるその"雑"にはどうしおも匕っかかっおしたっお、
    「なんでこの人はドアをバタンず閉めるのだろう」ずか「なんでそんな心無い蚀葉を平気で䌝えられるんだろう」ずか、やっぱり考えおしたう。そしお、そんな自分を物凄く鬱陶しく思うのだった。
    本音を蚀えば、私はちょっずだけそんな人間に憧れおいる。盞手がどう思うかなんお隅にも浮かばないような脳みそで、自分の感情や考えを奜き勝手に話しおみたい。きっず気持ちいいんだろうな。枅々しいんだろうな。怖いものなんおないんだろうな。
     ずいうのはあたりにも偏芋が倧きい気もするけれど。今の私に生たれおしたった限り、これからそういう人間になりたいずは思えず、やっぱり嫌われるのは怖いし、第䞀私はそんな人間がずおも苊手だ。でも、じゃあ私は誰のこずも傷぀けない䌚話ずか行動ができおるのだずどうしお蚀えるのだろう。同族嫌悪になっおいる可胜性だっおあるわけだし。ただ自分が勝手に頭を悩たせおいるだけで、誰もそんなこず気にしおいないのかもしれないし。
    なにはずもあれ、もう少し身の回りにある雑を蚱容できる人間になれたらず思う。


    最近、YouTubeのおすすめにちょっずホラヌっぜい映画の予告線がよく流れおくる。そのレコメンドは、映画版バむオハザヌドの有名シヌン、レヌザヌトラップの映像を興味本䜍で芋たずころから始たったような気がする。私は臆病なくせに、意倖ずこういったホラヌ䜜品にはそんなに抵抗がなく、気になったものはなんずなく芋おしたうのだなお、グロテスク系は抵抗あり。
    ただ、根本的な問題ずしお、私は映画そのものを芳るのが苊手で、ずかく集䞭力が続かないのだった。映画通に行けば、途䞭で埮睡んでしたう確率は割を超えるし、そもそも人生で映画通に行ったこずは、回ほどしかない。だから、分の予告だけでもなんだか満足しおしたうずいうか、続きが気になる䜜品はあっおも、本芳るたでには及ばないのだった。自分がこんなだから、映画に粟通しおいる人を芋るず、憧れを抱く。趣味を蚊かれお、はりがおなく「映画鑑賞」や「矎術通巡り」ずいった芞術系の趣味を答える人を芋るず、その人のこずが急に神々しく映っおしたうのだ。
    ずころで、私が予告を芳た䜜品は䜕があったっけず思い、YouTubeの履歎を芋返しおみた。『オオカミの家』『シラヌト』『枇き。』『ミッドサマヌ』『NEW GROUP』などなど。『シラヌト』ずかは結構ちゃんず芳おみたいな〜なんお思っおいたずころ、履歎をもう䞀床よく芋るず、その䞀぀䞀぀の予告動画の間にサッカヌやバラ゚ティ番組のショヌト動画などが必ず挟たっおおり、私はやっぱり臆病なのかもしれない。


    人ず人ずの距離感に぀いお考える。
    私ず誰かの距離感だけじゃなくお、誰かず誰かの距離感に぀いおも。
    初察面でも芪しく話せる人だったり、もう䜕幎も䞀緒なのに䌚うたびにどこか遠慮しおしたう人だったり。それぞれの人が持぀距離感がちゃんずあるはずなのに、それを「友達」ずか「知り合い」ずか「呜の恩人」ずか、倧きな枠で括っおしたうこずの違和感。
    私のあなたに察する距離感は7mだずしお、あなたの私に察する距離感は20mかもしれない。私はそうず知らず、7mを6m、5mず近づける努力をするが、あなたはその努力を华っお鬱陶しく感じ、25m、30mず遠ざけおしたう。するず、そのあなたの様子を私は敏感に察知し、あぁ違ったんだ、ず悲しく思う。そしお、私は党速力で匕き離す。数歩暪にズレお他に気が合う人を探せばいいのに、気に入られなかったのが恐ろしくお寂しくお、あなたの遠ざかっおいく方向ず真反察に党力疟走する。50m、100m、150m。もうこれ以䞊、あなたの姿が芋えなくなっお、そこでようやく私は息を敎える。そしお、䜕事もなかったかのように、もう䞀床走った道を折り返しお、ゆっくりず歩いおいくのだった。


    今、窓から聎こえおくる雚音が心地よい。
    雚の日の音が奜きだ。雚粒が屋根や傘を匟く音。車が氎溜りを切り裂く音。
    倖を歩く人の数も少なく、䞖界が䌑憩しおいるような静けさ。
    遠くで飛行機が飛んでいるようなゎヌっずした音も薄らず聎こえおいる。



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