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むンドに倉えられたのは、人生芳だけじゃなかった

    人生芳だけじゃなく、倉わっおいたものがあった━━

    2023幎4月に䞭囜の人口を抜き、䞖界1䜍。掚蚈14億3,000䞇人ずいう途方もない数の人々が暮らしおいる、その囜の名前はむンド。

    「むンドに行けば、人生芳が倉わる」ずいうキャッチフレヌズが浞透し、異囜情緒あふれるむンドは、旅人たちが憧れる目的地ずしお䞀目眮かれるようになった。

    僕も、い぀か機䌚があったら行っおみたい、そんなふうに憧れおいたひずりだった。「人生芳が倉わる」ずいう蚀葉の意味だっお知りたかった。

    数幎の間に、ひずり旅でいく぀もの囜ぞ旅行したのち、憧れおいたその囜ぞの旅を決行したのは、いたから12幎ほど前だ。

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    機内はほんのりカレヌの銙り

    フラむトは、レストラン䞊みに矎味しい機内食が評刀の「゚ア・むンディア」を遞んだ。日系の航空䌚瀟なら蚀葉は心配ないが、僕が優先したのは食だった。

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    この䞀皿から、毎日カレヌの呪瞛が始たっおいたなんお 

    評刀通り、ずおも矎味しい機内食カレヌが出た。日本のカレヌずは䞀味違う本堎のカレヌに、こんなに矎味しいのかず震えた。毎日食べおもいい、そんなふうに思っおしたうほどに。

    新鮮なサラダ、しっかり甘いデザヌト、矎味しい食事でお腹も心も満たされた。

    いい旅が始たる予感が止たらない。


    ニュヌデリヌの朝は、「忍者ハットリくん」ず

    初日に滞圚した「ニュヌデリヌ」はどこに行っおも、人、人、人。通りを歩く人たちの雑螏、座り蟌んで話す人の笑い声、切れ目なく走る車から出る排気ガスの匂いず、そこここで鳎らされるクラクション、通りに䞊ぶネオンの看板 “喧隒”ずいう蚀葉が盞応しい雰囲気だった。僕は、倜に着いたため、チェックむン埌はホテルから出るこずなく眠りに぀いた。

    翌日の早朝、街を眺めたくなっお屋䞊に向かうため郚屋を出るず、廊䞋で、さらにはその先の屋䞊でも、床や怅子に寝転び、スヌスヌず寝息を立おおいる人たちがいた。

    埓業員にしおは、倚すぎる。

    昚倜、通りには人が溢れおいたし、ずおも暑かった。でも、野宿するなら別の堎所を遞んで欲しかった、ずいうのが本音だ。足音を忍ばせお郚屋に戻り、しっかり斜錠しお、ベッドに暪になったものの、緊匵感からか目が冎えお眠れない。仕方なく、テレビを点けるず、ニンニンず懐かしい声が聎こえおきた。むンドの片隅で「忍者ハットリくん」ず再䌚した。

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    雑螏に䜇む屋台

    ツアヌの迎えを埅぀あいだ、ホテル前の通りに出おいた屋台で朝食を摂る。宿泊プランは朝食付きだったけれど、そのこずをフロントに確認するのは䞍安でもあった。前倜、チェックむンした途端にフロントの近くにいた人から声をかけられ、勝手に芳光プランを提案され、斜蚭やタクシヌの予玄をさせられそうになっおいた。

    写真を芋るず、屋台もなかなか緊匵感ある䜇たいだ。 圓時は、冷静さを欠いおいたのだろう。おなか壊さなくおよかった。

    むンドでは英語が通じるものの、発音のクセが匷く”R”が巻き舌になっおいる人が倚かった。䟋えば”写真”の英語”ピクチャヌ”は、”ピクチャル”ず聞こえおくるように。

    屋台のお茶は薄く、いわゆる”チャむ”かどうか確認したくお、店䞻に尋ねるず「モラ」ず聞き返された。

    それは、巻き舌発音のmoreもっずだった。ただでさえ蚀い倀で䞍信感があるのに、おかわりなんおいらんずムッずしお「ノ」ず銖を振った。

    蚘念すべきむンドでの初めおの朝食は、排気ガスずクラクションの喧隒の䞭、3分たらずで終了した。


    旅皋の前半はツアヌを予玄し、定番の芳光地である”ゎヌルデントラむアングル”ず呌ばれる地域を回った。䞖界遺産や芳光スポットが倚いむンド北郚の郜垂、ゞャむプヌル・アグラ・デリヌを結ぶず䞉角圢になるこずから、そう呌ばれおいるらしい。

    ガむド付きで回る3日間のツアヌは、ピヌクを倖しお予玄したこずが奏功し、客は僕ひずりだった。


    王様の趣味、カワむむじゃん

    「ゞャむプヌル」は、別名ピンクシティず呌ばれおいる。統治しおいた王様の趣味で、街䞭が濃い目のピンクで染められおいた。街の入口では、“颚の宮殿”ず呌ばれおいる建物が迎えおくれた。

    パステルカラヌのピンクを思い浮かべおいたが、オレンゞ色に近いピンクだ。節床のある王様でペカッタ ずなぜかホッずしおしたう。

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    颚の宮殿
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    テキスタむルおじさん

    倕方、ホテルに向かう車䞭、ガむドさんから「占い興味あるハンドの占い、やっおみる」ず聞かれた。ハンドの占い それはきっず手盞占い。

    占いず称しお宝石や謎のお守りを買わされたりするのではないかず緊匵が走った。しかし、「死ぬ以倖は笑い話」ずいうこずで、日本円を握り締め、ホテルのロビヌで占い垫ず䌚った。

    どこずなく友人に䌌おいた占い垫は、僕の手を広げ、じっくりず芋たあず、ボヌルペンを取り出し、躊躇なく僕の手の平に曞き蟌み始めた。うわ、くすぐったい。䜕か印を぀けおは、うヌんず唞っおみたり、ボ゜ボ゜っず説明しおくれたり。

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    ボヌルペンが容赊なく僕の手を汚した

    圌の占いは、行動を促すものではなく「あなたは◯◯のようです」みたいな性栌蚺断的な内容だった。䜕を蚀われたのかほずんど芚えおいない。ただ、゚メラルドを身に付けよ、ず蚀われたずきだけはドキリずさせられた。

    埌から知ったこずだけれど、実はゞャむプヌルぱメラルドの加工業が䞖界的に盛んな街らしい。怪しげな予蚀に芋せかけお、しっかり営業されおいたようだ。

    翌朝、街なかにあるラッシヌ屋台ぞ。むンドで䞀番矎味しいず蚀われおいるそのラッシヌは、玠焌きのコップで提䟛される。飲み終えたコップはその堎に叩き぀けお割り捚おるのが䜜法。簡玠だけれど、暡様があっおセンスのある容噚だった 捚おるのもったいなかったなぁ。

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    カレヌだけじゃなく、ラッシヌも毎日飲んだ

    䞖界遺産であるアンベヌル城には、象のタクシヌが䞊んでいた。以前、別の囜でも乗ったこずがあった象タクシヌ、ずおも揺れる。

    象の背䞭で揺さぶられながら撮った象䜿いの背䞭は、お気に入りの写真だ。

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    城の道をゆっくりず登っおいく
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    象の埅機堎所

    か぀おの王の城はずおも広く、庭園があったり、おびただしい数の鏡で装食された“鏡の間”も目を瞠る空間だった。しかし、ピンクシティの真骚頂ずもいうべき郚屋が、この城にはあった。

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    王の趣味が爆発した珟堎

    これが城の䞭枢ずされる郚屋だ。入った瞬間、かわいいず声を匟たせおしたったけれど、隣にいるのはガむドのおじさん。急に恥ずかしくなる。矎しさや矎味しさ、驚きをすぐに分かち合えないこず、これはひずり旅をしたこずがある人なら䞀床は味わったこずのある、独特の寂しさでもある。

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    靎を遞んでくれず蚀ったのに、ずっずカメラを芋おいた店䞻

    街なかの靎屋さんで、ラクダ皮のサンダルを賌入。倏が来るず、いたも履いお、むンドの感觊を思い出しおいる。革がずおも䞈倫で履きやすいので、むンドに行ったら、ぜひラクダ皮のサンダルを買い求めお欲しい。

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    さすがに手で食べるこずは䞀床もなかった

    ツアヌ䞭のランチ。ナンやカレヌ、挬物は日本でも食べたこずがあった。しかし、ピンポン球のようなドヌナツが蜜挬けされた、頭痛がしそうなくらい甘いデザヌトは初めおだった。むンドの人は、甘いものも奜きらしい。


    タヌゞ・マハルっお癜だけじゃないねん

    続いお、「アグラ」の街ぞ。むンドずいえば、真っ癜なタヌゞ・マハルを思い浮かべる人も倚いはず。算数の教科曞に「察称」ずいう単元の写真がこれだった。

    赀い石で造られた門をくぐるず、真っ癜な建物が目に飛び蟌んできた。

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    右の朚が無ければなぁ、もっずこうむメヌゞ通りだったんだけどなぁ

    ずおも倧きいこずに、たず驚く。癜い倧理石で䜜られたその矎しさは写真では撮りきれないし、なぜか手が震えおいた。さらに、近づいおいくず、その造圢は僕の想像をはるかに超えおいた。

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    画面の䞭の人ず比べおみるず、その倧きさがわかる

    癜䞀色ではない壁面は、赀ず緑の倧理石が装食に䜿われおいた。床面も倧理石なので、匷い日差しの䞋でも冷たくお快適だった。

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    芋䞊げる銖が痛い

    僕は、タヌゞ・マハルは䞊から芋たら長方圢になっおいるず思っおいた。

    しかし、違った。ほが完党な正方圢だった。

    どの面も倖芳は党く同じ。䞊の写真は、正方圢の右䞊の角に圓たる郚分から撮った建物の姿である。

    芋事なシンメトリヌ。さすが数孊の囜である。

    タヌゞは「王冠」、マハルは「宮殿」ずもにペルシア語らしいが、実際の目的は王劃の墓ずのこず。愛劻家の王による、最倧玚の愛情衚珟である。矎しい䜇たいがもしたた芳られるなら、倕焌けも映えそうだ。

    最近ではセキュリティヌの匷化により、カメラの持ち蟌みもできないのだずか。たすたす、行ける時に行くこずの䟡倀を感じおしたう。


    眠っおいる英雄ず、英雄になれない僕

    ゎヌルデントラむアングルの最埌の郜垂は「デリヌ」。その街には、むンドの英雄”ガンゞヌ”の墓があった。向かった先にあったのは、ずおもシンプルな墓所だった。

    タヌゞ・マハルに比べ、めっちゃ質玠 ず驚き぀぀も、圌の意思ず行動があったからこそ今のむンドがあるのだず、ガむドさんが熱匁する姿を目の圓たりにしお、圌の功瞟を改めお思う。圌がいなければ、僕もここに来られなかっただろう。

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    ガンゞヌが眠る
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    赀ず癜の組み合わせが矎しいフマナヌン廟は、タヌゞ・マハルより前に建おられた。


    道䞭、信号埅ちなどで車が停たるず、窓をコツコツず叩かれるこずがあった。芋るず、小さな子どもたちが手を差し出しおいる。物乞いだった。小さな子どもの物乞いは、ほかの囜でも出䌚ったこずがあるけれど、い぀だっお心がザワザワしお銎れるこずはない。

    子どもたちは、ニコニコ䜜り笑いをしおいるが、目がギラギラしおいる。ちょっずでもお金を出しおしたったら、どこからか手も声も湧いおくる。それは別の囜で経隓したこずがあった。

    玔粋に同情する気持ちだけではなく、たずわり぀いおくる子どもたちから離れたいずいう面倒臭さや、旅行者である優越感もあったず思う。䜕もできない自分にも嫌気がさしお、お金を手枡しおしたった苊い蚘憶があった。

    道端には、子どもだけでなく、倧人の物乞いもいた。「日本ずは違う」ず、蚀葉にすればそれだけかもしれないが、同じ時間を生きおいる人間ずしお、あたりにも差のある姿に愕然ずする光景だった。目を逞らしお、キラキラした芳光の郚分だけを消費する芳光客にはなりたくないず思い぀぀、なす術が思い぀かない。

    小さな目がこちらを向くたびに、子どもたちには幞せになっおほしいず願わずにいられなかったし、日本で生たれたこずの幞運を噛み締める瞬間が、毎日のようにあった。楜しい芳光だけではない、光ず圱をむンドは突き぀けおきた。


    ツアヌはここで終了。ガむドさんたちずお別れし、本圓のひずり旅の始たり。むンドずいえばガンゞス川、そのほずりの街に向かった。

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    日本で買った扇子をプレれント。運転手さんのは北斎だったはず 


    聖なる川は、ゆるやかに濁っお

    ニュヌデリヌから囜内線のLCC、スパむスゞェットで「バラナシ」ぞ飛んだ。出発時、搭乗客を埅っお1時間遅延、到着時は機䜓䞍良で前扉が開かず、埌ろの扉から降りるなど、スパむスが効いたフラむトだった。

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    ずにかく飛んでくれおよかった

    空枯からほどなくしお、ガンゞス川沿いのホテルに到着。荷物を眮いお、カメラず共に散歩ぞ。たずは川のそばを歩いおいたら、この颚景に出䌚った。

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    祈る男性

    䞀人の男性が、祈りを捧げおいる。

    奥に芋えるのは、氎面を挂う小舟だ。人がたくさん乗っおいるように芋える。

    倕方だった。たずわり぀く空気はむっずしお、蒞し暑かった。なんずなく物寂しい雰囲気ず、喜怒哀楜をすべお呑み蟌んだように、ゆったりず流れおいく広倧なガンゞス川に圧倒され、立ち尜くしおしたった。

    あぁ僕は今、むンドにいる。

    小舟では「葬い」が行われおいたのかもしれない。よく芋るず、船の䞊でみんな立ちあがっおいるようにも思えた。

    聖なる川ず呌ばれるガンゞス川、そこでは日々の沐济をするだけでなく、火葬された死者が流されおいるず聞いたこずがあった。


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    このずきはただ気が぀いおいなかった

    ホテルの窓から顔を出しおみるず、川に沿っお立ち䞊ぶ建物が芋えた。チェックむンの時、フロントの人から告げられたのは「窓は開けないでね」ずいうこずだった。こんなに蒞し暑いのに、なぜず思っお芋回すず、すぐそばで芖線がぶ぀かった。

    人間ではないものず。

    猿が、いた。

    目぀きが悪い、怖すぎる 。

    猿は、郚屋に入っお荷物を物色するらしく、虎芖眈々ず狙っおいたらしい。

    倜、ガヌトず呌ばれる岞蟺のあちこちで行われる祈りの儀匏アルティは圧巻だった。茪の䞭心の男たちは、ファむダヌダンスのように、火を振り回しおいる。音楜が賑やかに鳎り、歓声が響く。ずおも衝撃的な倜だった。

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    もはやショヌ
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    やはりショヌ

    祈りが終わるず、そこにいたみんなが立ち䞊がり、クルクルず回った。きっず意味があるはずだが、通りすがりの旅人には䞍思議な光景だった。

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    子どもたちは芳光客に興味接々だ

    突然、埌ろから肩を叩かれ、写真撮っおず蚀われ、䜕枚か子どもたちを撮った。写真に撮られるのは奜きなようで、カメラを芋おいる目が穏やかで、人懐こさが溢れおいる。みんな元気かな。


    臆病な沐济ず、決死の2ケツ

    翌朝、日の出を芋るためにサンラむズクルヌズに出かけた ものの、早朝からフロントの係員を叩き起こすように呌び出し、なんずかボヌトを出しおもらった。

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    日の出盎埌の街䞊み

    朝日が街を照らしおいく。ボヌトからみる街䞊みがあたりにも矎しく、぀い぀い芋入っおしたう。静かな川面に光が差し、建物の陰圱がより濃くなっお、さたざたな色が芋えおくる。

    川沿いに䞊ぶ建物は、郜垂郚のような敎然ずした矎しさはない。しかし、埐々に増える光が、呜の始たりを告げおいるようで、この”ツギハギ”のような街䞊みに、いく぀もの呜があるこずを芋せおくれるようだった。

    その反面、ボヌト乗りぞのチップがかなりかさむのではないかずいう、しょうもない気持ちが湧いおきお、心の䞭はガンゞス川のような穏やかさは消えおいた。

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    岞が人で埋たっおいる

    昚晩お祈りをしおいた堎所では、朝日を济びながら沐济をしようず、倧勢の人が集たっおいた。芳光客らしい姿もあり、日本人孊生らしき人がパンツ䞀枚で、真っ癜な肌を晒しおいた。

    その姿に圱響されお、䞍意にガンゞス川に飛び蟌 むこずはせず、船を降りたあず川に入るこずにした。せっかく来たのに、入らないのは勿䜓ないなどず意気蟌んでいたけれど、濁った氎で、近くに火葬堎があるなどず聞くず、かなり怖くなっおしたい、膝䞋だけ沐济するこずに決めた。

    濁っおいるので足元がおが぀かないし、川に入ったあずお腹を䞋したずか、肌がボロボロになったずか怖い話を聞いおいたので、かなり迷う。でも、この機䌚を逃すずもう入れないず思い、意を決しお岞蟺の階段を䞋る。

    ゆっくりず足を川面ぞ。チャプンず氎音がした。感芚が研ぎ柄たされた足の裏は、砂のようなものに觊っおいる感芚はあっお、生き物や氎草のような存圚は感じ取れなかった。

    氎はずおもぬるく、匂いはなかった。流れを感じられるほど速くないこずもあり、目線が少しだけ䜎くなっお氎面に近くなるず、呚囲の音がだんだんず遠くなっお、ずおも穏やかな気持ちになったのを思い出す。

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    川に流す花、氎を持ち垰るための壺を売る店

    岞からホテルに戻る途䞭、座っおいたおじさんに声をかけられた。顔をこっちに近づけろずいうゞェスチャヌをしたので、顔を向けるず指で僕の額に粉を塗った。突然のこずで戞惑っおいたら、おじさんが「バクシヌシ」ず呟くので、僕はムッずしお額の粉を慌おお拭っお立ち去った。

    「バクシヌシ」ずは、喜捚斜しのこず。チップず蚀わずに、バクシヌシず蚀っおいるこずが倚いず知っおいたけれど、やはり衝撃だった。頌んでないNo thank you !

    郚屋に戻り、慌おお足ず顔を掗った。その埌、痒みもなく、皮膚が剥けるこずもなく、無事に初沐济を終えられた。ありがずう、ガンゞス川。

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    バラナシの街では、牛ずもすれ違う

    バラナシの近くにある「サルナヌト」ずいう街にも行った。迎えに来たのはバむクで、ヘルメットも枡されず、僕は倧きなバックパックを背負っおいたこずもあり、萜ちたら死ぬかもな ず、必死だった。

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    人がほずんどいない

    サルナヌトは、ブッダが初めお説法をした堎所、いわばデビュヌラむブ䌚堎だ。寺院の䞭には、日本人画家による壁画もあった。生誕から入滅死亡たで描かれおいたが、芳光客どころかガむドも誰もおらず、具䜓的な内容はわからなかった。

    しかも、屋倖は遊園地のような斜蚭もあり、ひずり旅でわりずよくある「この感情をどこに持っおいけばいいのかわからない状態」になった。

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    日本人画家の壁画

    タクシヌの運転手ず喧嘩をするように倀段亀枉を繰り返しながら、呜からがらバラナシに戻った。ため息たじりに街を散歩しおいるず、家々の屋䞊から、黒くお现い線がいく぀も空に向かっお䌞びおいるのが芋えた。

    雚かず思っお緊匵したが、それは糞だった。

    糞の先たで芖線を䞊げお、驚いお息を呑んだ。

    それは、たくさんの小さな凧だった。

    黒い小さな菱圢の垃が、いく぀も空に揚がっおいた。

    颚が出おきた倕方、子どもたちが遊んでいた。お祭りでもお祝いでもない、バラナシの日垞だった。倕暮れに向かうがんやりずした空に、静かにはためく倚くの小さな凧、その光景はきっずずっず昔から倉わらないのだろう。

    僕ず同じように、それぞれの家の屋䞊や岞蟺から、子どもたちが芋䞊げおいたのかもしれない。思わず泣きそうになる、そんな景色だった。


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    健やかであっお欲しいず願う

    散歩䞭、芖線を感じおそちらを向くず男の子がいた。肌の色が違う男が、カメラを䞋げおいたのが気になったのかも知れない。カメラを向けるず、パッず顔をほころばせた。

    カメラを向けるず思いのほか笑顔になっおくれる人が倚く、ファむンダヌを芗くたびに、ずおも幞せだった。

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    赀いシャツが䌌合う

    朝ごはんに立ち寄ったカフェにいたむケメン。圌は、店員でもないし、お客でもない。いったい䜕者なのか䞍安だったが「日本語を勉匷しおいる倧孊生で、い぀か日本に行きたい」ず”英語で”話しおいた。名前を聞いたが、忘れおしたった。

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    ポテサラさえもカレヌ味

    朝ごはんは、どこでもたいおいこんな感じで、揚げた薄いパンプヌリヌず、もれなくカレヌ味のおかずずチャむ。ほずんどのチャむは味が薄かった。

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    フルヌツの屋台
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    石像屋

    バラナシでは、日本人が奜きだずいうむンドの若者に䜕床も絡たれおいた。隙されるのでは ず感じるたびに「ごめんね」ずいっお圌らから離れるものの、数分埌に別の堎所で再䌚しおは、たた絡たれおいた。

    ひずり旅っお垞に緊匵感があるものだけれど、特にむンドは良くも悪くも、緊匵の連続だった。その分、景色だずか食事だずか玠晎らしいものに出䌚えた時に、感動の幅が倧きくなるような気もする。

    冗談ではなく毎食カレヌカレヌ味のおかず含むを食べおいたので、いいかげん飜きおきおもいた。カレヌっお矎味しいから毎日でもむケるなんお蚀っおいたのはどこの誰だったか。

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    むンドの凱旋門


    マハラゞャ・マックは救いの神か

    旅の終盀は、スパむスゞェットむンドのLCCで、バラナシからニュヌデリヌに戻った。ニュヌデリヌは銖郜、なんでもある。

    いよいよむンドでの最埌の倕食。さすがにカレヌ味にも飜きおしたったので、なにか違うものを食べたい ず思い、調べおみるず、近くのショッピングセンタヌにマクドナルドのマヌクを発芋した。

    これこれず嬉しくなった。

    塩味のポテトを霧り、ケチャップ味のハンバヌガヌを頬匵る姿を想像しながら、スキップしそうなくらいフワフワず勇んでお店に向かった。

    あぁ、これでようやくカレヌから解攟される。

    店には、いわゆるご圓地マック的な特城的なハンバヌガヌが倚くあった。それもそのはず、むンドでは牛を食べないので牛肉を䜿ったハンバヌガヌが無い。

    ビッグマックのような、䜕局にもなった分厚いハンバヌガヌの写真があり、maharajah-macの文字が マハラゞャ これは気になる。

    せっかくのむンド、䞀番倧きなハンバヌガヌを頌もうではないか、ずマハラゞャ気分でオヌダヌ。トレむには、マハラゞャ ならぬ倧きなハンバヌガヌが鎮座しおいた。

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    マックが恋しくなるずは 

    日本でも数回しか食べたこずのない、僕にずっお”ご銳走”のビッグマック。想像すればするほどにマハラゞャ・マックぞの期埅が高たる。テンションが䞊がっおいたのか、冷たい飲み物を添えおいた。むンドに限らず、海倖旅行での冷たい飲み物は、ペットボトルが安党なので、ぜひ芚えお垰っお欲しい。

    機内食のカレヌに感激し、本堎のカレヌやナンを食べ続け、倜はタンドリヌチキンをいく぀もお腹に収め、時々ラッシヌで喉を癒やし、毎日毎日カレヌを食べ続けおいた。

    いくら本堎ずはいえ連日のカレヌ、さすがに飜きおしたった僕の舌は、ハンバヌガヌの、ケチャップやマスタヌドを切実に求めおいた。

    たずはポテトで準備運動。うん、いい塩味

    マハラゞャ・マックを掎み、ゆっくりず口に近づけるず、錻腔をくすぐるのは、肉の焌けた匂いず、油ずチヌズが混ざったような魅惑的なあの銙りだった。

    小さな声で、いただきたす、ず呟いお、その瞬間のために目を閉じる僕。

    ガブっず、ひず口頬匵っお パッず開いたのは目だった。冷静な僕が、頭の䞭で残念そうに告げる。

    あぁ、ここはむンドだったんだ。

    ケチャップや、マスタヌド、ピクルスなどの銙りが絡み合った、あの味 ではなく、぀いさっきも食べた「カレヌ味」が口䞭に広がっおいく。玛れもない、むンドの味、マハラゞャの味、である。

    ぐぬぬ マハラゞャ恐るべし。ひずり、店内で笑いながら泣いた。マクドナルドに行けばカレヌから逃れられるだろうず考えた、あさはかな発想を恥じた。ごめんよ、むンド。

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    タクシヌの車窓から


    黄昏の向こうに、新しい僕がいた

    垰囜䟿のフラむトに向けお、空枯に移動する道のり。薄い緊匵感を抱え぀぀も、なんずか無事に垰れそうだずいう安堵を感じながら、数日間の䜓隓をあらめお反芻しおいた。

    そのどれもが自分の想像を超えたものばかり。文化や人の違いを身をもっお経隓できお、緊匵もしたが喜びもあった。「むンドは匷い」たった数日間なのにこんなにも驚くこずが倚いのかず、自分の無知を知った旅でもあった。

    空枯でチェックむンをしお、埅合宀でも䜕か萜ち着かずがんやりした。ひずり旅の終わりは、倧抵い぀もそんな心境になる。搭乗時刻が近づいお、目たぐるしくも楜しかった旅に黄昏を感じながら、搭乗口に向かった。

    途䞭、緑色の女神の芋慣れたマヌクのコヌヒヌショップを芋かけた。ふず思い぀いお、チャむティヌラテをオヌダヌ。緊匵しながら英語でオヌダヌするのも、これで終わりかず思うず、少し寂しくなる。

    いかにも倖囜らしい、オヌダヌ埌に名前を聞かれるのも、日本に垰れば䜓隓できなくなる。商品が出来䞊がるず、僕の名前で呌んでくれる。

    名前は

    I'm KAZUYA.


    飛行機に乗っお、チャむを飲んだら、ようやくこの旅行が終わった感じがするのかな、少し眠れるかな。

    毎日のように飲んだチャむはどれも薄い味だった。しかし、それは行った者にしかわからない、珟地の味だ。

    「むンドでは誰でも必ず䞀床はお腹を壊す」なんお友人に蚀われお、衛生面に気を配り、ずっず携垯しおいたアルコヌルスプレヌは、食事のたびに手に吹きかけた。旅の間、䞀床たりずも腹痛は起きなかった。


    Hey,KAZUYAHere You’re !

    店員が僕の名前を呌んだ。ハッず我に返っお、カップを受け取りにカりンタヌに向かう。カップには、オヌダヌ時に告げた僕の名前が曞かれおいるはずだ。

    お瀌を蚀っお、搭乗口に向かおう。



    画像
    よく芋お


    KAZUNYA  


    ちょっず文字数が倚い


    あれ  カズダの、ズずダのあいだに“N“が入っおる。


    ・・・かずにゃ


    「むンドに行けば、人生芳が倉わる」


    人生芳どころか、名前が倉わっおいた。


    どこでNが入っおしたったんだろう 、倉なものは食べおいないはずだし、食事前には毎回アルコヌルスプレヌで手を消毒しおいたのに 。どこたでも僕の想像を超えおきたむンドの旅は、結末すら想像を超えた。

    黄昏の空に飛び立った機内で飲んだチャむは、旅の間に飲んだチャむのどれよりも銙りず甘味が匷かった。

    「むンドに行っお人生芳倉わりたしたか」ず誰かに聞かれたら、僕は堂々ず答えるだろう。


    「人生芳だけじゃなく、名前も倉わりたした」



    画像
    みんなもむンドで名前を倉えおもらおう


     
     
    い぀でも”平熱”の゚ッセむスト。穏やかな日垞を玠盎に曞いおいきたい。劻ず子11歳・6歳・3歳ず、モンブランが奜き。地方公務員・転職組。

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