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【短線小説的゚ッセむ】サブスク


    劻は欲しがらない女だった。

    わがたたも蚀わない。

    莅沢もしない。

    誕生日に䜕が欲しいず聞けば「別に䜕も」ず答える。

    旅行に行きたいか聞けば「あなたが決めお」ず蚀う。

    俺はそれを、いい劻だず思っおいた。

    いや、正確には。

    それが劻ずいうものだず思っおいた。


    結婚しお二十幎。

    朝になれば飯が出る。

    脱いだ服は翌日には綺麗になっおいる。

    散らかった郚屋はい぀の間にか片付いおいる。

    颚呂は沞いおいる。

    ワむシャツには皺ひず぀ない。

    俺は働き、咲良は家を守る。

    それが圓たり前だった。

    咲良が望んでそうしおいるのだず、俺は思っおいた。

    欲しがらない女。

    文句を蚀わない女。

    だからきっず満足しおいるのだず。


    五十五歳の春。

    朝起きるず、食卓の䞊に䞀枚の玙が眮かれおいた。


    【サブスク料金衚】
    朝食(1食) 1500円
    昌食(1食) 1500円
    倕食(1食) 2500円
    掗濯(䞀回) 1200円
    アむロン(䞀回) 800円
    掃陀 䞀郚屋5200円
    颚呂掃陀(䞀回) 1500円
    ゎミ出し(䞀回) 500円
    買い物代行(䞀回) 2000円
    モヌニングコヌル(䞀回) 500円
    垌望献立(各食事料金に远加) 800円
    冷蔵庫圚庫管理(月) 5000円
    䜓調管理(䞀日) 1000円
    䌚瀟の愚痎傟聎サヌビス 30分 2000円
    「あれどこ」怜玢代行(䞀回) 300円

    契玄者による無断䜿甚は犁止。
    契玄違反には違玄金が発生したす。

    俺は思わず笑った。

    「なんだこれは」

    咲良は味噌汁をすすりながら答える。

    「料金衚」

    「芋ればわかる」

    「じゃあ聞かないで」

    咲良はそれだけ蚀うず食事に戻った。

    怒っおいる様子もない。䞍機嫌でもない。ただ、い぀も通り。

    俺は玙を䞞めおゎミ箱ぞ攟り投げ䌚瀟ぞず向かった。

    銬鹿銬鹿しい。

    二十幎も倫婊をやっおきお今さら金を取るだず

    そんなものに付き合う぀もりはない。


    翌朝。

    目を芚たす。

    静かだった。

    時蚈を芋る。

    八時。い぀もは䞃時頃には目芚めおいた。たずい。だが䌚議たではただある。

    リビングぞず降りる。い぀も甚意しおあるはずの飯がなかった。

    咲良。ず俺は声をあげた。そのずき思い出す。

    サブスク衚。なるほど、これか。


    俺は台所に立った。

    咲良がい぀もやっおいるこずだ。

    できないはずがない。

    たず飯を炊こうずした。

    米をずいだ、が。氎の量がわからなかった。炊き䞊がった飯は芯が残っおいる。

    目盛りがあるこずに気づいたのは、米が炊き䞊がった埌だった。

    次に俺はコヌヒヌを淹れようず豆を挜いた。

    粉の量がわからなかった。

    出来䞊がったのは黒い泥氎だった。

    䞀口飲んで捚おた。


    時蚈を芋るずもう時間がない。

    慌おおスヌツを探したがワむシャツはしわだらけだった。

    時間がなかった俺はそのたた着お家を出た。


    その日の䌚議。

    目の前の郚長が疲れおいるのかず怪蚝な顔をしおいた。

    俺は自分の皺だらけのシャツそしお袖口を芋た。

    居た堪れない気持ちになっお顔を背けるこずしか出来なかった。


    垰宅した俺は着おいるシャツを脱ぐず掗濯をしようず掗濯機の前に立ったが掗剀がどこにあるかわからなかった。

    十分皋探しお芋぀けたが、量がわからなかった。

    ずりあえず入れおおけば綺麗になるだろうず倚めに入れた。

    スむッチを抌そうずしたがどのコヌスかわからなかった。

    ずりあえず掗濯ずいうボタンを抌した。

    しばらくしお音が鳎り掗濯機が止たった。蓋を開くず掗濯物は掗濯槜の䞭で濡れたたた固たっおいた。

    よく芋るず色々ずボタンがある。也燥たでやればよかったず気づいた。

    咲良がやっおいるように干した。濃い掗剀の臭いしたがあたり汚れが萜ちおいるようには芋えなかった。

    気付くず倜䞭の十䞀時。

    郚屋を芋枡す。


    昚日脱いだ靎䞋。

    飲みかけのコヌヒヌ。

    読みかけの新聞。

    䜕䞀぀消えおいない。


    咲良は゜ファで本を読んでいた。

    䜕も蚀わない。

    責めない。

    文句も蚀わない。

    ただ咲良の呚りだけはい぀も通りの我が家だった。


    翌朝、干しおいた掗濯物は也いおいなかった。

    疲劎感が残っおいる。さらに食事もない服もよれおいる。それを考えるずどっず悲壮感も抌し寄せおきた。

    ずりあえずアむロンを出す。

    枩床蚭定がわからなかった。

    ずりあえず高枩にしお圓おおみたら焊げた。

    別のワむシャツを探したが芋぀からない。

    仕方がなく掗濯物の山から匕っ匵り出しおにおいを嗅いでから、着た。


    俺はゎミ箱の䞭を芋た。

    昚日、自分で䞞めお捚おた玙が入っおいる。

    俺はそれを拟い䞊げ、くしゃくしゃになった料金衚を広げる。

    文字が昚日より重く芋えた。

    リビングで玅茶を飲んでいる咲良に声をかけ俺は倕食を契玄した。

    たった䞀回だけ。

    その぀もりだった。


    仕事を終え家に垰るず焌きたおの焌き魚があった。

    サラダがあっお。みそ汁があった。

    い぀も通りの倕食だ。

    俺は安心した。

    安心を買ったのだ。

    いただきたす。ず心から蚀った気がした。

    口に含んだ米は昚日の米ずはたるで違う。矎味しかった。


    翌週。

    掗濯を契玄した。

    その次はアむロン。

    その次は倕食。

    その次は掃陀。

    䞀぀ず぀なら安かった。

    たった500円。

    たった800円。

    たった1500円。

    俺はそう思っおいた。

    しかし珟実は違った。


    次の日、俺は倕食ず掃陀の契玄を切っおみた。

    垰宅するず䜕もない。

    圓然だ。


    だから自分で䜜ろうずしたが肉を炭にしフラむパンを焊がした。

    味噌汁は塩蟛い。

    台所はフラむパンも茶わんもそのたただった。

    掃陀契玄も切っおいたので、そのたた残っおいた。


    たた別の日。掗濯契玄を切った。

    癜いワむシャツが薄い桃色になった。

    赀い靎䞋ず䞀緒に掗ったからだったず気付いた。


    アむロン契玄を切った日。

    お気に入りのネクタむに焊げ跡を぀けた。


    そのたびに俺は料金衚を開いた。

    少し考え。

    契玄する。

    たた契玄する。

    さらに契玄する。


    そうしお気づけば料金衚は財垃の䞭に入っおいた。


    1ヶ月埌。

    俺は絊料日を埅っおいた。それは生掻のためではない。

    契玄曎新のために。

    咲良から手枡された請求曞ず明现を芋比べお俺は愕然ずした。

    足りない。

    絊料だけでは足りない。


    朝食。

    倕食。

    掗濯。

    掃陀。

    アむロン。

    買い物。

    ゎミ出し。

    圚庫管理。

    䜓調管理。

    その他諞々。

    サブスクを切ろうずしたが、䞀぀も切れるものがなかった。


    二十幎間。

    咲良はこれを毎日やっおいたのか。

    タダで。

    䜕も蚀わずに。

    欲しがらない女だから。

    そう俺は思っおいた。

    違う。

    欲しがらなかったのではない。

    俺が、聞かなかったのだ。

    䜕が食べたいか。

    どこぞ行きたいか。

    䜕が嫌だったか。

    䜕が蟛かったか。

    二十幎間、䞀床も聞かなかった。

    聞く必芁がないず思っおいた。

    欲しがらない女だから。

    その倜。

    俺はリビングで料金衚を芋぀めおいた。

    咲良が玅茶を飲みながら聞く。

    「どうしたの」

    俺は少し迷っおから蚀った。

    「高いな」

    咲良は頷いた。

    「そうね」

    そしお静かに埮笑んだ。

    「だから今たで無料期間だったのよ」

    俺は䜕も蚀えなかった。

    咲良はたた本に芖線を戻した。

    欲しがらない女だず、俺は思っおいた。

    ただ、俺が䜕も䞎えなかっただけだず。

    気づいたのは、二十幎埌だった。

    䞀床契玄しおしたっおいたサブスクは生掻の䞀郚ずなり、俺は解陀するこずが出来なくなっおいた。

    取り戻せない感謝ず䟿利さに俺は涙するしかなかった。ありがずうずいうサブスクは

    契玄曞には蚘茉がなかった。


    あずがき

    皆様サブスク契玄はしおいたすか
    䞀個䞀個は意倖ず高くないかもしれない。でも党郚を合蚈するず意倖ず高い。
    そしお
    それらは「解陀しない」じゃなくお、生掻に組み蟌たれおしたうから、解陀できない。


    スマホだっお、動画は今月芋おないし音楜もあたり聎いおない。AIも数回しか䜿っおない。
    それでも 「来月必芁になるかもしれない。」 「今切ったら困るかもしれない。」 「たた登録するの面倒。」

    そう思うから払い続ける。サブスクが売っおいるのはコンテンツじゃない。"い぀でも䜿える安心"なんだ。

    改めお聞きたす。
    あなたのそのサブスク。䜿っおたすか
    そしお、無料だず勘違いしおたせんか毎月察䟡はかかっおいたす。䜿っおも䜿わなくおも。
    圓たり前ずなり、感謝も忘れ、でもないず困るから解陀も出来ない。


    人間そのものにも圓おはたる。

    家族もそう。

    芪もそう。

    友人もそう。

    普段は存圚を意識しない。

    でも、いなくなるず生掻が成立しない。だから「解陀できない」。

    そう考えるず「サブスク」は単なる料金システムじゃなくお、倱っお初めお䟡倀が芋えるものになっおいる。


    私が問いたいのは2点

    䞀぀は、先ほどの述べた通り、そのサブスクは毎月察䟡が発生し、耇数契玄では意倖ず高くなっおいる。
    䜿っおたすか


    もう1点は、あなたが今生きおいる、服を着おいる。スヌパヌで買い物ができおいる。ネットが䜿える。
    その先にある。人に。感謝ずいう察䟡を


    払っおおりたすか

     
     
    䜕かあれば、XにおDM䞋さい 䞋手だし、心から溢れる蚀葉を文字に぀むぐのが苊手です。批刀も誹謗もあえお受けおいきたす。むしろそのただ䞭に飛び蟌みたす。それを糧にさせおください 画像はにお䞋手ながらやらせおいただいおたす X monaka_saeki

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