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へーぇ

    夕方、リビングのテーブルにテストの紙が置いてあった。
    国語、算数、理科、社会。
    どれもよくできていた。
    赤い丸がいくつも並んでいた。

    国語のテストに一つだけ大きなバツがついていた。
    設問にはこう書かれていた。

    「しまうまの赤ちゃんが、うまれた つぎの日には はしるように なるとしって、どう 思いましたか」

    こたえの欄に、
    鉛筆で「へーぇ」と書かれていた。

    赤いペンで、その横に×がついていた。

    子どもはテレビを見ていた。
    画面の中では夕方のニュースが流れていた。
    リモコンの音量が少し大きかった。

    テーブルの上の紙を重ねて、端に寄せた。
    外は暗くなっていた。
    特に問題はなかった。

    #創作大賞2026 #エッセイ部門

     
     
    自分の中、そして人と人のあいだに生まれる、 かすかな変化を見ています。 言葉にならない間に流れる、小さな力。 再現できないけれど、確かに“起きた”ことを、 そっと記録のように残しています。

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