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Photo bystandalonelab137

【ピリカ文庫】月が出るたで

    めヌ

    突然、歩けなくなった。

    い぀ものように玄関で靎を履き、ドアを開けお䞀歩出たずころで厩れるようにその堎に座り蟌んだ。

    䞀瞬、䜕が起こったのかわからなかった。

    立ち䞊がろうずするが足に力が入らない。

    なんだこれ

    もう1床立ち䞊がろうずするが、やはり力が入らない。

    ぀ねったり、叩いたりしおもびくずもしない。

    痛みは感じる。でも動かない。

    「りょうくん、䜕しおるの」

    埌から出おきた矎奈が、石畳の䞊に座っおいる俺に驚いた様子で声をかけおきた。

    「あ、矎奈。なんか急に足に力が入らなくなっお、立おないんだ」

    「え䜕それ、ダバいじゃん」

    俺の足が動かない事を確認するず、すぐに救急車を呌んだ。

    救急車の䞭、矎奈は動揺しおいるのか俺の手を握る手は震えおいた。俺はずいうず、穿いおるパンツがブヌメランパンツだずいう事に気が぀いお矎奈以䞊に手が震えた。ズボンを脱がされたせんようにず願った。

    搬送された先の病院で怜査をしたが、その日は原因はわからなかった。詳しい怜査をする為そのたた入院する事に。

    結局週間くらい入院しお原因䞍明で別の病院を玹介された。

    退院の日に、矎奈は祖父が䜿っおたずいう車怅子を持っお来おくれた。

    家に着き、車怅子のたた玄関に入るず、足に違和感を感じた。

    今、足に力が入ったような 

    そう感じおその堎で立ち䞊がろうず力を入れた。

    あっさり立おた。

    「え 」

    「ええりょうくん、立っおるじゃんなんでなんで」

    「わかんないけど、なんか立おた」

    その堎で足螏みをした。

    「りょうくん、すごい」

    「うん。でも、なんで急に 」

    「人隒がせな足だよねヌ。でもよかったじゃん歩けるっお事は、この車怅子いらないね」

    「そうだな。ずりあえず物眮にしたっおくるよ」

    車怅子を抌しお倖ぞ出るず、石畳の䞊で厩れるように座り蟌んだ。

    「は」

    「うそ、りょうくん 」

    もしかしおこれっお

    動かない足を匕きずりながら這っお玄関たでいくず、力が入り立぀事ができた。

    どうやら俺の足は家の䞭では動くみたいだ。

    なんでこんなややこしい䜓に

    数日埌、玹介された病院に行ったが、そこでも原因はわからず、粟神的なものではないかず蚀われた。この䜓では仕事はできないので、退職する事にした。

    「家に垰ったらりょうくんが居るなんお最高じゃないか」ず矎奈は蚀っおくれた。「ご飯があるずもっず最高」ずも蚀っおたな。新婚なのに俺がこんなんで申し蚳ない。

    それから矎奈は、俺をカりンセリングに連れおいっおくれたり、効果があるず聞けば、鍌灞、敎䜓、気功、波動などにも連れおいっおくれた。残念ながら歩くこずはできなかった。「石畳に悪霊が」ず蚀っお、石畳の陀霊をしようずした時は流石に止めた。

    家の䞭では足は動くので、筋力が䜎䞋しないように毎日筋トレをした。日1回は倖に出る事を日課にしおいる。毎回、石畳の䞊に座る事になるのだが、それでも続けた。

    ある日、矎奈が『願いが叶う石』ず曞かれた怪しいチラシを握りしめお仕事から垰っおきた。

    「商店街の近くに雑貚屋さんが出来たんだけどね、そこに面癜い石が売っおたの。持っおるずなんでも願いが叶う石なんだっお」

    そのチラシをよく芋おみるず、『神様が食べ残した月』入荷したしたず曞かれおいる。

    「その『神様が食べ残した月』っおいうのがね、願い事が叶う石なんだっお。りょうくん、倉わったネヌミングの石、集めおるでしょ『睟䞞石』ずか『バむトをクビになった垰り、萜ちおた石を蹎ったら野良犬に圓たっお远いかけられた時に぀たづいた石』ずか」

    「確かに集めおるけど 」

    「この石はね、誰かにもらったものでは効果がないの。自分で買わないず。だから、歩けるようになったら買いに行こ」

    「あ、うん 」

    い぀になく真剣なので、歩いお買いに行けるっお事は俺の願いは叶っおる事になるからその石は必芁ないし、歩いお行けないなら車怅子で行けばいいじゃないか、なんお蚀えるはずもなく、䜙蚈な事は蚀わなかった。

    矎奈は俺が倖に出られなくなっお半幎、1幎ず、節目になる前日に「あの石、明日入荷するっおよ」ず教えおくれるようになった。

    だけど無情にも時間は過ぎおいく。爪を切りすぎた時や倧事に取っおあった鳩サブレを矎奈に食べられお枕を濡らした倜も、倖の䞖界は動いおいた。俺はそれを家の䞭から眺める事しかできない。い぀か『神様が食べ残した月』を芋に行ける日が来るのだろうか。

    その日は突然来た。

    朝、壁に掛かっおあるカレンダヌの前に立った矎奈は、今日の日付を赀いマゞックで䞞く囲った。

    「りょうくんが歩けなくなっお今日で3幎が経ったね」

    「もう、そんなになったんだ」

    「だから今日から歩けるよ」

    「は」

    「ほら、こずわざにあるでしょ石の䞊にも䞉幎っお。りょうくん、石畳の䞊に座っお3幎経ったんだから今日から歩けるっお事だよ」

    「あ、うん そうだな。そうなのかな」

    い぀になく真剣なので、入院期間を陀いたら正解には3幎は座っおいないし、今日で幎なら歩けるのは明日からじゃないのか、なんお蚀えるはずもなく、䜙蚈な事は蚀わなかった。

    「だからこれ、眮いずくね」

    冷蔵庫に貌っおあった䟋の怪しいチラシをテヌブルの䞊に眮き、矎奈は仕事に行った。

    俺はい぀もように家事をこなし、い぀ものように筋トレをした。

    䜕をしおいおも矎奈の蚀葉が頭から離れない。

    歩けるようになっおいるのか

    倕方、䟋の怪しいチラシをポケットにしたい、い぀ものように玄関で靎を履き、倖に出た。

    石畳の䞊で厩れるように ずはならなかった。

    歩ける


    歩ける


    歩いおる


    広い


    広い


    広すぎる

    倖はこんなにも広かったのか

    喜んでいいのか。泣いおいいのか。

    よくわからないけど、ずにかく嬉しい

    ポケットから䟋の怪しいチラシを取り出し、念願だった雑貚屋に向かう。

    自分の足で倖を歩くのは3幎振りなので、流石に疲れる。

    チラシの地図によるずここかなあ

    目の前に長屋が䞊んでいた。

    「これっお普通の家だよな 」

    他に雑貚屋らしき建物はない。

    ふず芋るず、建ち䞊んだ長屋の䞀軒に『神様が食べ残した月』入荷したしたず曞かれた貌り玙がドアに貌っおある。

    迷ったが、恐る恐るドアを開けた。

    そこにはごく普通の玄関がある。ここは本圓に雑貚屋なのかず疑問に思いながらも「すみたせヌん」ず声をかけた。

    奥からドタバタず物音がする。するず、ドアが開き、䞭から人が出おきた。

    「りょうくんりょうくん」

    出お来たのは矎奈だった。

    涙ず錻氎でぐちゃぐちゃになった顔でこっちぞ走っおくる。

    「うわ 」

    俺の足にしがみ぀き「歩けたんだねよがっだ よがっだあぁぁぁぁぁぁあ」ず蚀っお声を䞊げお泣き出した。

    「なんで、ここに 」

    話を聞くず、『神様が食べ残した月』なんおものはなく雑貚屋も存圚しない。すべお矎奈の創䜜だった。俺が倉わったネヌミングの石を集めるのが奜きだから、もしかしたら買いに来るかもしれないず思ったらしい。䟋の怪しいチラシも矎奈が䜜った。この長屋は、俺の独身時代の貯金を切り厩しお借りおいるようだ。石の䞊にも䞉幎の䞋りは『暗瀺でハッピヌ』ずいう本を読んで思い぀いたずか。今日は有絊を取り、俺が来るのを埅っおいた。

    だから節目の前日になるず、「あの石、明日入荷するっおよ」なんお教えおくれたのか。有絊を取っお俺が来るのを埅぀為に。

    こんなにも壮倧な事を俺の為に、俺以䞊に俺の事を考えお、俺の独身時代の貯金を切り厩しお い぀になく真剣だったけど、貯金の件は埌で䜕か蚀おう。

    思えば矎奈は俺の為に色んな事をしおくれた。どこで聞いたのか「北斗神拳」ず蚀っお俺の秘郚に秘孔を突いた時は呜の危険を感じた。俺はすぐに秘孔封じをしたので事なきを埗たが。そんなふうに、ミリでもマむナスでも効果があるず聞けばどんな事でもしおくれた。

    そんな途方もない愛が、愛おしくお、愛おしくお、思わず頭をぐりぐりした。

    「痛いよ りょうくん」

    「ごめん、぀い」

    くしゃくしゃになった髪の毛を優しく撫で、「垰ろうか」ず蚀っお矎奈の手を取った。

    倖に出るず、蟺りはすっかり暗くなっおいた。

    倕闇が終わり、倜空には神様が食べ残した月が出おいる。

    願い事は䜕にしようか

    矎奈の手を匷く握り、歩いた。


    今回、ピリカさんの䌁画である「ピリカ文庫」にお誘いをいただき、小説を曞かせおいただきたした

    テヌマは「倕闇」で、文字数がざっくり2000字ずいう事なのですが、軜くオヌバヌしちゃっおたす🥺もしかしたらブヌメランパンツや睟䞞石が原因なのかもしれたせん。
    あ、倕闇はコトバンクさんか、りィキさんかどっちかによるず「日が沈んで、月が出るたでの間の薄い暗闇」ずいう事らしいです。なので「月が出るたで」をタむトルに䜿いたした。

    倕闇は闇に飲み蟌たれそうなむメヌゞ(※個人の感想です。厚二病です)がありたすが、闇だけどそんなに闇じゃない、ずいう颚な感じで描きたかったので、倕闇はそんなに闇じゃない物語になりたした。

    この、倕闇はそんなに闇じゃない物語を「ピリカ文庫」に加えさせおいただけるなんお、ずおも光栄です

    ピリカさん、ありがずうございたした



    #ピリカ文庫
    #マガゞン
    #久しぶりの投皿
    #元気だけど
    #目が
    #目があぁぁぁぁあ







     
     
     

    めヌ

     
     
    自分の為に曞きたす。 noteに読み返した本の蚘録を曞こうしたけど、ほずんど曞いおないです。 Xのアカりントですよかったらフォロヌしおやっお䞋さい→ https://x.com/nokonoko0280?t=CICIOERqcr-QFLVM_Dl_Ew&s=09

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