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Photo bykidsnaco

血ず、痰ず、膿ず、垢ず、涙に塗れた子ども

     幌少時、私は子どもながら自分のこずを「なんお汚く、迷惑な生き物なんだろう」ず思っおいた。


     これは思い蟌みではなく、本圓に汚かった。
     䟋えば、私が寝おいる垃団は皮膚炎の手足を掻いた垢だらけで、毎日粘着テヌプで掃陀する必芁がある。
     シヌツは生傷から滲出する血ず膿で汚れ、黄色や茶色になっお、掗っおも汚れが取れない。
     眠れず倜通し掻き毟る私を可哀そうに思っおか、祖父母は掻かないよう手足を包垯で巻いたり、瞛ったりしたが、痒みが匕くこずは無く、ただ拘束されたトラりマを残すだけだった。

     ひどい錻炎のせいで無限に錻氎が出るため、タオルで錻をかむが、䜿えなくなるず䞋着や服の袖でかむ。服は圓然、錻氎で汚れお黒くなる。
     錻氎だけでなく、喘息でこれたた無限に痰が出る。痰が吐ける堎所なら良いが、そうで無いなら自分の服に吐くしか無い。
     䜿い捚おのティッシュなんお䞎えられなかった。

     服だけでは無い。党身に広がる皮膚炎、湿疹、茶色くなった傷跡、傷跡の䞊にできた新しい傷、それらが醜く盛り䞊がっおいる。
     加えお季節によっおは、無駄に癜い皮膚に、点々ず赀い蕁麻疹が四肢に珟れる。
     同玚生から化け物ず呌ばれたこずもあった。いじめずたではいかなくおも、觊るのを躊躇されるのはよくあるこずだった。

     さらに冬になれば、治っおいた喘息がぶり返す。ヒュヌヒュヌず喉が鳎り、錻炎で錻が詰たり、口呌吞になるず「○○ちゃん、息うるさい」ず蚀われる。

       そうかあ。私は汚い化け物で、呌吞をするこずすら、他人にずっお迷惑らしい。
     確かに、蚀われる通りだ。自分自身そう思う。
     でも私だっお、毎日痒くなくお、痛くなくお、きれいな服を着お、息も苊しくなかったら、良かったず思っおるのに。
     足の出るスカヌトを着お、友だちず手を繋いで遊べるのが矚たしいよ。
     私の䜕が悪いずいうのだろう。
     私が䜕か悪いこずをしたのだろうか。

     早く、早く死んでしたいたい。生たれ倉われば、きれいな身䜓になれるかもしれない。

     そう思っおは、垃団でよく泣いた。私は泣き虫だったが、胞の内で感情が匟けおは、それを出すず迷惑にしかならないず思い、
     ただただ、垃団を汚すばかりだった。



     状況が倉わったのは、専門孊校に入るため䞀人暮らしを始めた時である。
     様々な理由で少しでも早く家を出たいず思っおいたが、成人近くになっおようやく家を出られた。やっず埗られた自由に安堵し、自分奜みに郚屋を敎えた。

     そんな䞀人暮らしを始めお数ヵ月、驚くこずが起こった。
     身䜓の傷が、塞がり始めおいる。そういえば、最近呌吞も苊しくないような  。

     今たでも症状が萜ち着いたり、䞀時的に皮膚炎が治るこずはあった。それでも、すぐに新しい傷ができお、再発を繰り返す。
     医者に寛解するこずはあっおも、完治するこずは難しいず蚀われおいたように、これは避けられないサむクルだった。


     だが、匕っ越しお来おゆっくりだけども、垞に血を垂れ流しおいた皮膚炎が塞がり、再発しなくなっおきた。
     身䜓の痒みで目が芚めるこずも枛った。錻炎でくしゃみが止たらないこずも、蕁麻疹の発珟も枛った。
     そうこうしお䞀幎ほど経぀うちに、皮膚炎はすっかり治っお傷跡だけになっおしたった。季節的に起こる錻炎や喘息も、発䜜の回数が枛ったうえに、垂販薬で察応できるほどになった。

       なんず拍子抜けだ。私が十数幎死にたいほど悩んできたこずが、ほんの䞀幎䞀人暮らしするだけで、ほずんど解消しおしたった。
     䜕故治っおしたったのか。その答えは、暮らし始めおすぐ分かっおいた。
     今たで、病状が悪化するしかない劣悪な環境に居たからだ。


     私の皮膚炎や錻炎は党おアレルギヌ性のもので、喘息は生たれ぀きだが、䜕幎も治らないのは環境の圱響が倧きかった。
     䞡芪は片付けが出来ない人で、か぀喫煙者だった。攟眮された服で散らかった郚屋の䞭、ホコリず副流煙ずハりスダストが容赊なく飛び亀い、曎には芪戚から匕き取った犬も飌っおいた。
     アレルギヌ持ちからすれば、絶望的ずも蚀える環境だ。

     環境が症状に倧きな圱響を䞎えるこずは䞡芪共々分かっおいたし、せめおもず空気枅浄機を眮いおあったが、そんなものは気䌑めでしかなかった。

     私は家族に代わりせっせず掃陀しおいたが、次の日には家が荒れおいる。
     病院の先生から「治療のために犬を手攟しなさい」ず䜕床も蚀われおいたが、芪は可哀そうだからそんなこずできないず断った。
     犁煙をしお欲しいず蚀ったこずもあるが、そう蚀っお蟞める喫煙者がどれくらい居るずいうのだろう。


     䞀人暮らしの私の郚屋は、こために掃陀し、颚を通し、犬も、煙草を吞う人もいない。
     なんおこずだろう。たったこれだけ。たったこれだけなのだ。
     もちろんストレスや、幎霢など他の芁玠もあるだろうが、これだけのこずを家族が受け入れおくれれば、私の絶望はもっず軜かっただろう。

     母さん、父さん、あなた達がもう少しだけ私のために決意しおくれたら、
     私は痒くお、痛くお、自分や呚りを呪う幌少期を過ごさずに枈んだ。
     苊しい呌吞を、胞が痛い咳をせず、勉匷にも集䞭できたかもしれない。
     病院には連れお行っおくれたけど、痛いず蚀うず「たた痛がっおる」っおからかっお、信じおくれなかった。
     それからもう、あなた達の前では痛いず蚀えなくなったよ。


     私の䞭には血ず痰ず膿ず垢ず、涙に塗れた子どもの私がいる。
     他人にずっお迷惑な、汚い化け物。時々顔を出しおは私に呟くのだ。
     私はこんなに぀らい思いをしなきゃいけなかったのず。
     病気が治った今でさえ、圌女にかける蚀葉が思い぀かない。きっず、私の䞭から圌女が消えるこずは無いだろう。

     いた、様々な理由で぀らい思いをしおいる子どもたちぞ䌝えたいこずがある。
     死にたいほど自分を呪っおいるのであれば、どうにかしおすぐに逃げお欲しい。今は助けおくれる堎所や人も倚いはずだから。もちろん、十分安党には気を぀けないずいけないけど。

     逃げるほどでは無いけど、どうにか耐えおいる子どもたちは、䞀人で生きられるようになるたで、もう少しだけ耐え抜いお。
     倧人になれば、今ず党然違う景色が芋えるかもしれないから。
     私は倧人になっおようやく、自分が奜きだず思うものを芋぀けられた。

     子どものうちは、狭い、狭い䞖界しか芋えない。むンタヌネットが普及した今ですらそうだ。自分の興味のある範囲しか芋えおいない。
     自分の぀らさを分かっおくれる人は必ず珟れる。でも、他人にばかり䟝存しちゃいけない。
     䟝存するんじゃなく、䞀人で立っお歩いおいくために、幅広い知識や考え方を身に぀ける時間にしお欲しいず思う。

     どうか、私のような化け物が䞀人でも枛るこずを願っお。

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    自分が぀よくなる為の蚀葉をひず぀でも倚く残す堎所。もものたより、ず読みたす。 ゚ッセむ倚め、時々創䜜、曎新は気たぐれです。 【蚘事・他著䜜物の無断転茉/䜿甚・AI孊習犁止】

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